目が隠れている犬種3選!目の周りのケアには注意が必要?

2024.09.08

目が隠れている犬種3選!目の周りのケアには注意が必要?

数多く存在する犬種の中には、サイズや外見の違うワンちゃんがたくさんいますよね。今回はそんな中から、顔の被毛が長く目が隠れている、シーズー、ラサアプソ、オールド・イングリッシュ・シープドッグの3犬種に注目します。併せて、目が隠れているワンちゃんを飼育する際に注意すべき、目周りのケアについても解説していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

目が隠れている犬種①シーズー

シーズー

国宮廷において、神の使者・聖なる犬として大切に扱われてきた歴史をもつシーズー。
体を覆う豊富な長毛が、気品溢れる雰囲気を漂わせていますよね。鼻の周りの被毛が四方に広がっており、菊の花のように見えるのも魅力の一つでしょう。
小さな体全体で感情を表す姿からは愛嬌が感じられ、 日本では2024年現在でもペットとしての人気が高い犬種です。

◆特徴

小型犬に分類されるシーズーの大きさは、体高26.7cm以下、体重4.5〜8.1kg程です。体高よりも体長がわずかに長く、意外と幅広いしっかりとした体型をしています。
全身が長毛に覆われていますが、特に垂れた耳の被毛は地面に届くほどの長さになるでしょう。尻尾はお尻の高い位置にあり、歩行時も背中の上に保持されます。
被毛の色に制限はなく、あらゆる毛色が許容されていますが、ゴールド&ホワイト、ブリンドル&ホワイト、ブラック&ホワイト、ブルー&ホワイトなどが主なカラーです。
基本的にストレートな被毛をもっていますが、わずかにウェーブしていることもあるようです。 
 

◆性格

明るくて穏やか、親しみやすい性格をもつシーズーは、飼い主さんに対して愛情深く接し、遊ぶことも大好きな 犬種です。遊ぶときはその見た目に反して、とても活発に動きます。
ただ、頑固な一面もあるので、子犬の頃からしっかりとしつけを行う必要があります。理解力はあるので比較的しつけはしやすいですが、きつく叱ることを控えて褒めながら行うのが重要なポイントとなるので覚えておきましょう。


目が隠れている犬種②ラサアプソ

チベットで僧侶・貴族たちから、幸運を招く魔除けの犬と呼ばれて大事にされてきたラサアプソ。
ライオンのたてがみの様な頭部と、四肢の全てを覆う美しい長毛が特徴的な犬種です。まさに、ゴージャスで威厳を感じる姿をしているといえるでしょう。
 

◆特徴

ラサアプソもシーズー同様、小型犬に分類されています。体高はオスの場合25.4cm前後、メスはこれよりやや低い程度で、体重は共に6kg前後が標準的です。
長毛に覆われていて分かりにくいですが、体つきはがっちりとしていますよ。
被毛の色は、ゴールデン、サンディ、ハニー、ダーク・グリズル、ストレート、スモーク、パーティ・カラー、ブラック、ホワイトなどが認められています。ちなみに、色による優劣はないようです。

◆性格

陽気で遊び好きな性格をしており、とても活発な犬種であるラサアプソ。小型犬ですが、適度な運動量が必要となるでしょう。
警戒心が強く頑固な一面があるため、辛抱強くしつけを行わなくてはいけません。特に何かに反応して吠えやすい子が多いので、吠え癖をつけないように子犬の頃からしっかりとトレーニングしましょう。


目が隠れている犬種③オールドイングリッシュシープドッグ

オールドイングリッシュシープドッグ

大きなぬいぐるみのような、愛らしい姿が魅力的なオールド・イングリッシュ・シープドッグ。イギリス原産の大型犬です。大きな頭にほぼ見えない尻尾、前髪で隠れた瞳、そんな愛嬌のある姿から、映画・テレビなど映像の世界でも人気が高いので、様々なメディアでの登場をみたことのある方も多いでしょう。アニーに出てきた犬種というイメージも強いかもしれませんね。
尻尾が生まれつき短かったり断尾されることから、ボブテイルという別名ももっています。
ちなみに、見た目が良く似た犬種にスコットランド原産のビアデッド・コリーがいますが、交配の歴史をみるとやはり、オールド・イングリッシュ・シープドッグの血を加えてスタンダードとして安定したそうです。
 

◆特徴

フワフワの外見からは想像し難いかもしれませんが、牧羊犬・牧畜犬として活躍してきたことから、太い骨としっかりした筋肉をもった体つきをしているオールド・イングリッシュ・シープドッグ。
体高と体長の長さが等しく短い胴体をもつ犬種です。お尻のみを刈り込むカットスタイルによって、胴体はさらに短く見えるかもしれませんね。
体高は約56cm〜61cm、体重は約25〜40kgです。
被毛のカラーには、グレー、グリズル、ブルー、ブルーマールがあり、ホワイトの斑が部分的に入ることもあるでしょう。

◆性格

オールド・イングリッシュ・シープドッグは、人懐こくて飼い主さんの求めていることをよく理解できる、とても賢い犬種です。
家畜を追いこんでいた名残から、攻撃的な本能をのぞかせる傾向もありますが、幼犬期からしつけをきちんと行えば、しっかりコントロールできるようになるでしょう。
ただ、尻尾がほぼ見えず、被毛で表情が見えないことから、ファーストコンタクトには注意が必要です。防衛本能を露わにされないように、接触の仕方には気を付けましょう。


目が隠れている犬種が気を付けたい事

紹介した3犬種の他にも、被毛が長く伸びるロングコートのタイプのワンちゃんは沢山います。ビアデット・コリーもそうですし、人気犬種であるトイプードルやマルチーズ、ヨークシャテリアなども、被毛を伸ばしっぱなしにすると目が隠れるほど被毛が伸びてしまいます。
愛犬がこういったタイプの場合、目が隠れることによる注意点やリスクについて理解しておく必要があるのです。

◆視界が制限される

犬の視力は0.2~0.3程度しかない近視であり、ハッキリ見える距離は2~3メートル程だといわれています。家の壁やサイズ大きめのものなどは分かりますが、細かいものの判別は難しいようです。
人間でいうと眼鏡をかける必要のあるレベルですが、その代わり鼻や耳が良いので、嗅覚と聴覚の情報で行動が可能であり、視力にそれほど頼らずに十分日々の生活を送ることができます。
しかし、野生時代や牧羊犬として活躍していた時期のように広々とした場所や放牧地などで暮らす分には問題がないにしろ、現代のように都会や人間社会で暮らしていくとなると、やはり視界の良好さは必要です。
一緒にお出かけしたり散歩をする際や、さらに普段の生活環境である室内などでは、車や障害物などの危険は多めだといえるでしょう。
衝突や転倒を避けるためにも、視界を確保してあげることがすすめられます。
ちなみに犬の疾患として知名度も高い股関節形成不全は、遺伝的要因がほとんどですが、その3割は環境的要因から発症するともいわれています。
食生活の偏り・運動不足による肥満・成長期の激しい運動・関節に負担の大きい生活空間などが環境的要因に由来しているそうです。
原因となる問題の一つを予防するためにも、視界不明瞭から関節への負担や怪我を負わせないように、クリアで快適な視界を保つよう気を付けましょう。
実際に長い前髪をまとめたりカットした時は、犬の動きも変わるという話もあります。目の前が開けて外側の物が見えれば、自身を持って前に進めるからかもしれませんね。
犬が安全に生活しやすい環境については、飼育環境の関連記事などを参考にしてみるとよいでしょう。

◆目のトラブルのリスクが上がる

目の周りの被毛が長い場合、様々な目のトラブルを起こすリスクが上がってしまいます。
被毛が目を刺激することで、涙が過剰に分泌されて涙やけになることがあるのです。
涙やけとは、目の下が涙で濡れ、毛の色が変色して固まってしまう症状のことをいうのですが、さらに被毛が目の中に入ることで、網膜萎縮・結膜炎・角膜炎などの炎症を起こしてしまう可能性も高くなります。
このため長毛種の犬は特に、毎日の目のお手入れが大切だといえるでしょう。
目の充血や痒みがみられたり、目ヤニの量が多い時は、早めに獣医師による診察を受けるようにしてください。


目が隠れている犬の健康ケア

目が隠れている犬

目の周りの被毛が多いタイプの愛犬には、日頃から目周りのケアを行う必要があります。目の病気や細菌感染を予防するためにも、定期的にしっかりとお手入れをしなくてはいけません。
ケア方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。

◆目やにや涙のケア

涙や透き通った目やには自然に出る正常なものですが、これらが出やすい個体は涙やけを起こしやすいです。
前述したように涙やけになると目の下の被毛が変色して固まってしまいますが、無理に取ろうとするのはNG行為となります。
必ず、ぬるま湯に浸したコットンなどで、固まった目やにをふやかしてから優しく拭きとるようにしてください。

◆目の周りの被毛のケア

伸びた被毛が目に入ると炎症を起こしやすくなります。目の周りの毛が伸びて目にかかっていたら、その場所の被毛を短く切ってあげるか、結んで目に入らないようにケアしてあげましょう。前髪を結んでいるワンちゃんを見たことがある方も多いと思いますが、これが意味しているのは決してオシャレだからという理由に限らないのです。
こまめにチェックしてカットするのがおすすめですが、自分でカットするのが不安な飼い主さんは、定期的にトリミングサロンに通ってプロにお手入れしてもらいましょう。

◆目の周りの皮膚のケア

目やにや涙やけを放っておくと、目の周りの皮膚が炎症を起こしてしまう場合があります。愛犬が気にしてこすると、悪化して眼の病気になってしまう可能性もあるのです。
これを予防するためにも、定期的なケアを徹底して清潔を保つことが重要となります。
目の周りの皮膚は特に敏感で傷つきやすいです。力を入れずに拭き取るのが上手にお手入れするコツですよ。
現代では目周りに使用できるケアアイテムなども多数販売されていますので、そういったペットグッズを利用したり、獣医師にケア方法を相談するのも良い方法でしょう。


まとめ

前髪が長く目の隠れた外見をもつワンちゃんたちの姿は、愛嬌があってとても可愛らしいです。しかし、やはり健康を守ることを優先すると、視界は良好な状態を保つことがすすめられるでしょう。
前髪が長過ぎると視界が悪い上に、食事の際にフードが付くなどして衛生面でもデメリットとなるケースもありますよね。
結んだり前髪カットをして見た目が変わっても、その愛らしさや愛犬への愛情は変わりません。現在、愛犬の目が被毛で隠れている状態なのであれば、対処することを検討してみてください。
また目の病気を予防するためには、目周りのこまめなお手入れが必要不可欠です。定期的にケアする習慣をつけて、愛犬の目の健康を守っていきましょう。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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