愛猫に甘酒を与えても大丈夫?猫にも嬉しい3つの効果をご紹介!

2022.08.17

愛猫に甘酒を与えても大丈夫?猫にも嬉しい3つの効果をご紹介!

飲む点滴とも言われている甘酒は、定期的にブームが到来するように、日本を代表する健康ドリンクとして広く認識されていますよね。 体に良いことが証明されているからこそ、健康を維持する目的で猫にも飲ませてみたいと、考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし、アルコールが含まれているのであれば、猫には不向きのような気もしますが、猫に甘酒を与えても問題がないのかを考えていきましょう。

甘酒とは

甘酒

「甘酒(あまざけ)」と聞くと、トロッとしていてほんのり甘く、寒い日に飲むと心身ともに温めてくれるといった特別なお酒として認識されている方は多いのではないでしょうか。

「飲む点滴」や「飲む美容液」とも謳われる甘酒。
混濁していてどぶろくに似ており、日本を代表する甘味飲料の一種となります。

体を温めるための冬に適した飲み物かと思いきや、江戸時代には俳句の季語(夏)になっていたほど、栄養補給や体力回復を目的とし、暑い季節にも好んで飲まれていたそうです。

古くから日本人に愛され続けている甘酒ですが、アルコールは入っているのか、どのような原材料からできているのかも気になるところですよね。

まずは甘酒にはどんな種類があるのかを、見ていきましょう。

◆甘酒は2種類ある?

甘酒は大きく分けて2種類に分類され、その違いは主原料となる材料が異なることが挙げられます。

1つは白米に米麹を混ぜて発酵させた「麹甘酒」となり、もう1つは酒粕を水(お湯)で溶かして砂糖を加えた「酒粕甘酒」です。

この2種類の総称を甘酒と呼びますが、それぞれの違いは以下の通りとなります。

◆それぞれの甘酒の違いは?

・麹甘酒
米のミネラル成分が残り、ほんのり感じる甘味は米のでんぷんが糖化されたブドウ糖によるものとなるため、砂糖を加えない分カロリーも控えめです。

・酒粕甘酒
主原料である酒粕は米が主原料となりますが、発酵させて作る麹とは異なり、日本酒を絞り出す際に生まれる副産物となるため、アルコールが含まれています。

加工の際にアルコールが1%未満になるように工夫されていることもあり、甘酒はアルコール類とみなされることなく清涼飲料水扱いとなりますが、お酒の弱い方や小さなお子様などは、麹甘酒を選んで飲むようにしましょう。


猫は甘酒を飲んでも大丈夫?

2種類の甘酒が存在していることが分かりましたが、栄養補給や疲労回復に効果があるようであれば、愛猫にも飲ませてみたいと思った方も多いことかと思います。

猫に飲ませるとしたら、どちらの甘酒の方がより安全なのでしょうか?

◆酒粕から作られた甘酒

酒粕甘酒は微量ながらアルコール分が含まれている通り、猫には与えない方が無難です。

私たち人間にとっては微量であっても、体が小さくアルコールを分解する機能のない猫が口にしてしまえば、中毒症状を起こし最悪の場合は死に至ってしまう可能性も否めません。

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また、酒粕甘酒は砂糖を加えて甘みを出しているため、猫には不必要な成分となります。
多く摂取した場合には肥満の原因にも繋がるため、このようなことからも猫に酒粕から作られた甘酒は、与えるべきではないと言えるでしょう。

◆米麴から作られた甘酒

甘酒ブームを牽引するのは麹甘酒となり、その背景には発酵食品ブームも影響しています。

発酵食品は免疫力を高めてデトックス効果も得られるため、腸活でも注目を浴びましたよね。

酒粕を使った甘酒も決して体に悪いわけではなく、さまざまな効果が得られます。
しかし、発酵食品ブームが到来したことにより、麹を使った甘酒にスポットが当たったと言っても過言ではないでしょう。

米を発酵させアルコールが含まれていない麹甘酒は、猫にも嬉しい効果がたくさんあることからも、猫に与える際には必ず麹が主原料の甘酒を選ぶようにしてください。


猫に甘酒を与える効果

甘酒

猫に与えるべき甘酒が麹由来の甘酒だった場合、どんな効果をもたらしてくれるのかも気になるところですよね。

飲む点滴と言われるぐらいですから、さまざまな嬉しい効果を発揮してくれるはずです。

一般的に猫が甘酒を飲むと、次のような効果が得られると言われています。

◆栄養補給

なんといっても甘酒に含まれた栄養成分が気になる方も多い通り、猫が摂取しても嬉しい栄養素が豊富です。

甘酒に含まれている栄養素は、以下の通りになります。

・ブドウ糖
・ミネラル類
・オリゴ糖
・必須アミノ酸
・ビタミンB群
・酵素
・食物繊維
・エルゴチオネインやコウジ酸など

甘酒の優しい甘みはブドウ糖の賜物となり、効率よくエネルギーに変換してくれる物質とも知られているため、子猫や高齢猫の栄養補給目的でも重宝されていますよね。

体の機能維持や調節に欠かすことのできないミネラル類、ミネラル類吸収促進作用が期待できるオリゴ糖も、善玉菌を増やす働きをして血糖値や中性脂肪を上げにくくし、腸内環境を整えてくれます。

人間に必要な必須アミノ酸(たんぱく質)は9種類あると言われていますが、そのすべてが甘酒には含まれているため、猫にとってもたんぱく質はもっとも重要な栄養素となるため、甘酒を摂取することによって得られることは何とも効率が良いですよね。

必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事から摂取する必要があり、筋肉や血管、脳をはじめとした細胞を作る働きだけでなく、疲労物質となる乳酸の発生を抑えてくれます。

糖質をエネルギーに変えるビタミンB群は、心臓だけでなく肝臓や腎臓といった臓器の働きを手助けし、代謝を促してくれるようです。

でんぷん質を消化し糖分に分解してくれる酵素には、アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼといった3大消化酵素をはじめとした、300種類以上の酵素が含まれていると言われているから驚きですよね。

そのほかにも腸内環境を整える食物繊維、優れた抗酸化作用のあるアミノ酸の一種となるエルゴチオネイン、メラニンの生成を抑えるコウジ酸といった注目成分が含まれています。

◆水分補給

猫はあまり水を飲まない動物としても知られている通り、栄養補給だけでなく水分補給も重要と言えますよね。

甘酒はとろみがあって味があるため、嗅覚の優れた猫が興味を持ちやすい特徴が合わさった飲み物と言えるでしょう。

興味を示してくれるようであれば、甘酒をそのまま少量与えても良いですし、興味を示さない猫ちゃんに与えたいようでしたら、キャットフード(ウェットが理想)に少量混ぜるなどをし、上手に水分補給をさせてあげてください。

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◆消化を助ける

基本的に猫は炭水化物といった糖質の消化が苦手な動物ですが、麹甘酒は麹菌による酵素の働きによってブドウ糖がすでに分解されており、消化吸収がしやすく内臓の負担を減らしてくれます。

世の中にはさまざまな食べ物がたくさんありますが、猫に必要な栄養素をそれらの食べ物から摂取しようとすると、たくさんの種類だけでなく多くの量を摂取しなくてはいけません。

その点甘酒にはブドウ糖をはじめとした、エネルギーに変換してくれるような栄養素が豊富に含まれています。
高齢の猫ちゃん、体力や免疫力が低下して食事がうまく摂れない猫ちゃんにも、安心して与えられる飲み物と言えるでしょう。


甘酒の与え方

甘酒を飲む猫のイラスト

猫にとっても嬉しい効果が期待できる甘酒ではありますが、与える際にはいくつか注意しなくてはいけない点も存在しています。

安心安全に愛猫へ与えるためには、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。

◆少量を与える

いくら栄養価が高い飲み物だからといって、たくさんの量を猫に与えれば健康になるというわけではありません。

猫は普段の食事(総合栄養食)から必要な栄養素は摂取できているため、健康な猫ちゃんであれば甘酒を飲む必要性がないとも言えますよね。

健康で甘酒に興味を示す猫ちゃんには、1回に与える分量はティスプーン小さじ1杯程度を目安として与えてください。

麹甘酒は砂糖を加えていないにしろ、でんぷん質や糖質は多く含まれており、飲み過ぎてしまうとカロリー過多で、肥満の原因となってしまうため注意が必要です。

◆持病がある場合は与えない

愛猫に持病がある場合や、何かしらの原因で食欲が低下している場合には、栄養価の高い甘酒の効果を期待して、与えてみたいと考える飼い主さんは少なくないことでしょう。

しかし、素人判断で弱っている猫に甘酒を与えることはとても危険な行為となり、獣医師さんの判断なしでは与えない方が無難と言えるのではないでしょうか。

とくにガンやリンパ腫などの腫瘍ができる病気を患っている猫の場合、ブドウ糖がエネルギー源として代謝される際に多くの乳酸を生み出し、乳酸がブドウ糖に還元されるサイクルの中でガン細胞が必要な栄養を奪っていきます。

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良かれと思って与えた甘酒が、愛猫の体力を奪っていくこともある通り、何かしらの病気を患っている猫ちゃんに与える際には必ず、獣医師さんの見解を聞いてから与えた方が無難です。


まとめ

点滴と同等の成分が含まれていることからも、甘酒は飲む点滴と呼ばれていますが、健康志向の方が増えてきていることもあり、普段から愛飲されている方も多いのではないでしょうか。

栄養価が高いからこそ愛猫に飲ませたいと考えるのであれば、是非米麹を発酵させて作った甘酒を与えてあげてください。

甘酒には嬉しい成分が多く含まれていますし、手軽に栄養補給ができるようであれば、日常的に与えたいと考える飼い主さんは少なくないはずです。

しかし、たくさんの量を毎日与えることや、ガンなどの病気を患っている猫に対して与えてしまえば、反対に体力を奪ってしまうことにもなり兼ねないため、しっかりとした知識を持って安全に与えることを心掛けておきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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