1.痩せすぎの犬の特徴は?
2.犬が痩せすぎてしまう原因
2-1.加齢が原因
2-2.食事が原因
2-3.犬種が原因
3.犬の痩せすぎから分かる病気
3-1.心臓病
3-2.ガン(悪性腫瘍)
3-3.寄生虫
3-4.すい臓・肝臓の病気
3-5.糖尿病
【掲載:2017.05.25 更新:2020.06.12】
痩せすぎの犬の特徴は?
人間もそうですが、犬も同じように急に痩せたり、だんだん痩せてきた場合は、何らかの病気が考えられます。
環境や食生活も変わらないにも関わらず愛犬が急に痩せてきた場合は、病気が原因で痩せすぎているので、緊急な処置が必要です。
また、徐々に痩せてきた場合も慢性的な病気が進行している場合もあります。
食事をきちんと与えているのに犬が痩せすぎている場合、下記の病気が考えられます。
- 心臓病
- ガン(悪性腫瘍)
- 寄生虫
- すい臓・肝臓の病気
- 糖尿病
これらの病気があるために、栄養を取っても吸収できなかったり、腫瘍などに栄養を取られたりしている可能性があります。そういった場合は治療が必要ですので、獣医師さんに相談しましょう。
また、体全体が痩せる場合と、体の一部だけ痩せすぎる場合があります。
例えば、脚だけ痩せすぎの場合、歩行も困難になってさらに筋肉が落ちていくことがあります。
犬にとって歩けなくなるのは大変なことですので、脚の痩せすぎに気がついたらすぐに動物病院で診察を受け、回復のための処置を受けるようにしましょう。
犬が痩せすぎてしまう原因
犬が痩せすぎる場合に考えられる病気の原因についてお伝えします。
◆加齢が原因
高齢になると、さまざまな病気にかかりやすくなるものです。
年を取って単に食欲が落ちて痩せている場合もありますが、消化機能の病気だったり、免疫自体が落ちてきて病気になることもあります。
高齢の犬が痩せすぎた時は、何らかの病気を疑いすぐに獣医師さんの診察を受けるようにしましょう。
◆食事が原因
例えば糖尿病で痩せすぎる犬の場合、先天的にインシュリン不足の場合もありますが、それまでの食事の量や内容が病気の原因になった場合もあります。
糖尿病のような生活習慣病は、日々の食事や運動、環境や過ごし方などが蓄積して起こると言われています。
毎日の食事を変えると、病気の改善にも健康維持にもつながりますので、犬が痩せすぎた場合、食事の量や内容などを見直してみましょう。
◆犬種が原因
交配を繰り返されてきた犬は、遺伝的になりやすい病気を抱えている場合もあります。
例えば遺伝的に糖尿病で痩せすぎになりやすい犬種と言えば、ミニチュアシュナウザーやビーグル、ダックスフンドにプードルなどがあります。
それらの犬種が痩せてきたと感じたら、医師さんの診察を受けるようにしましょう。
犬の痩せすぎから分かる病気
犬が痩せすぎる場合の、主な病気の症状や治療法をお伝えします。
◆心臓病
先天性の心臓病の犬も、後天性の心臓病の場合も、痩せてくるのが特徴です。
高齢になると多くの犬が心臓病にかかるので、10歳以上の犬が痩せすぎた場合、まず心臓病を考えるそうです。
心臓病で痩せる理由としては、心臓の機能が衰えて末梢まで血液が行き渡らないため、栄養が不足して痩せていくと言われています。
心臓病の犬の症状として、痩せすぎの他に、夜中や明け方にひどい咳をしたり、散歩などの運動を嫌がることなどが挙げられます。
心臓病で痩せすぎる犬の治療法には、手術が必要な場合もありますが、手術を受けられる病院も限られていて、高額な費用もかかります。
心臓病は自然に治る病気ではないので、進行の速度を遅らせることが治療の基本となります。
安静にすることと食事療法を組み合わせて行い、その上で薬物を投与をする治療方法をとる場合が多いようです。
◆ガン(悪性腫瘍)
心臓病に次いで痩せすぎの犬に多く見られるのは、ガンが原因の場合です。
ガンにかかった犬が痩せすぎるのは、ガン細胞が栄養を奪って増殖するためです。
ガンの症状としては、体重の減少・食欲不振・元気がなくなる・貧血の症状・原因不明の微熱・しこりやリンパの腫れなどが挙げられます。
体の表面にあるガンは見つけやすいものですが、体内のガンは発見が難しいものです。
見つけにくいガンの特徴的な症状は痩せてくることですので、愛犬をよく観察して痩せすぎのサインを見逃さないようにしましょう。
犬がガンによって痩せすぎる疑いがある場合、組織を取り出す病理検査や、CTやMRI検査を行い治療方法が決定されます。
ガンと分かったら、外科手術や抗ガン剤投与などの治療が行われますが、増殖を続けるガン細胞への治療は厳しいものがあるようです。
ガンも早期発見・早期治療できれば治癒につながりますので、愛犬が食べているのに痩せる時は、すぐに獣医師さんの診察を受けるようにしましょう。
◆寄生虫
最近は衛生的な環境で過ごす犬が増えて、だいぶ寄生虫は減ってきましたが、まだ存在はしています。
寄生虫としてよく知られているのは回虫ですが、母子感染をするため回虫のいない犬を作り出すことは難しいと言われています。
寄生虫がおなかにいる場合、せっかく取った栄養を寄生虫に奪われてしまうので、犬が痩せすぎてしまう症状が見られます。
寄生虫は検便をすれば見つかりますし、駆虫薬で駆除できますので、動物病院で定期的に検査をしてもらうようにしましょう。
回虫などほとんどの虫は、ウンチとともに排泄されますが、一度駆除したとしても、拾い食いなどして、再度犬のおなかに寄生することもあるので、できれば定期的に検便をして、寄生虫がいないかどうか調べるといいですね。
◆すい臓・肝臓の病気
見つけるのが難しいと言われているすい臓や、沈黙の臓器と言われる肝臓の病気でも、犬は痩せすぎてしまいます。
急性のすい炎では、発熱があったり、元気や食欲も低下したり、腹痛に嘔吐や下痢、脱水症状などが現れます。
重症の場合、呼吸困難やショック症状なども見られることもあるので、その場合はすぐ獣医師の診察を受けるようにしましょう。
犬が痩せすぎているけれども、心臓病でもガンでも寄生虫でもない場合、専門的な動物病院ですい臓や肝臓の病気がないかどうか診察を受けることをオススメします。
◆糖尿病
糖尿病の犬の症状としては、痩せすぎの他に、水を大量に飲むようになったり、食べる量が増えたり、トイレの回数が増えたり、おなかが膨れたりすることなどがあげられます。
しっかり食べているのに痩せていく場合は、獣医師さんに相談することをオススメします。
糖尿病の治療として、インシュリンの投与が有名ですが、食事療法と運動療法なども取り入れながら治療が行われます。
犬が痩せすぎてしまう場合の予防法
犬の体重減少の予防法についてお伝えします。
◆定期的な体重測定
犬の痩せすぎに気づくために、目視で痩せているという感覚よりも、実際に体重を測ることをオススメします。
動物病院で予防接種の際など定期的に診察を受けるのが一番ですが、自宅でも体重測定の日を決めて測りましょう。
家庭用の小さな体重計に四つ足の犬が乗るのは難しいので、小型犬~中型犬は飼い主さんが抱っこして測り、自分の体重を差し引きするのもいいですね。
大型犬なら、前足を体重計に乗せて測れば、体重のほぼ70%の重さになるそうなので、そこから全体重を計算することができます。
◆良質な食事
犬が痩せすぎの時、食事が原因の場合も多く、それによって病気になることもあります。
いつもと同じ量を与えているのに食べ残したり、好きなものしか食べない場合も食欲が落ちていることが考えられます。
また、食事をしっかり食べているのに痩せすぎの場合も、病気が原因だったり、消化吸収が悪くて栄養が取れていないこともあります。
犬が1回の食事で適正量を食べられない場合は、2回に分けて胃の負担を軽くするといいですね。
ドッグフードならぬるめのお湯で十分にふやかして与えると、栄養を吸収しやすくなるのでオススメです。
◆定期的な検査
飼い主さんができる痩せすぎの予防法としては、良質な食事と適度な運動、快適な環境などがあげられます。
それに加えて、定期的に健康診断を受けるようにするといいですね。
少なくても年に1回の定期検診を受けていれば、病気の早期発見もできるので、予防法としてもオススメです。
痩せすぎの犬に関するまとめ
犬が痩せすぎる時、考えられる病気の症状や治療法などについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
太り過ぎも問題ですが痩せすぎるのも問題です。
愛犬が痩せてきたと感じたら、食欲があるから大丈夫と安心せずに、病気のサインだと受け止めて、早めに獣医師さんの診察を受けるようにしましょう。
飼い主さんが愛犬の健康状態をしっかり観察して、痩せすぎの他に変わった症状はないか獣医師さんに伝えると、病気の特定や治療法に役立ちます。
また、定期的な健康診断を受けて、病気の早期発見ができるように心がけましょう。
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