スレンダーな体型が魅力の「ウィペット」
ウィペットはまるでモデルさんのように細身でスタイルのよい体つき。
思わず見惚れてしまうほどの魅力があるウィペットですが、いったいどんな特徴や性格なのでしょうか。
◆ウィペットの特徴
・長い脚で細身の体型
ウィペットはスレンダーな体が特徴です。
体格は、オスの方が少し大きめですが、全体的な平均は10~13キロと中型のワンちゃんです。
ウィペットの体全体には、適度に筋肉がついていてシュッと長身の印象があります。
・パッチリな瞳とキュートな折れ耳
ウィペットは、黒く大きなパッチリした楕円形の目。
黒く輝いているウィペットの目元を見つめていると癒されるように優しい表情をしています。
また、耳は下方面を向いている折れ耳です。
ウィペットは細い顔立ちに半分折れた耳がとてもキュートですよ。
・走りで人々を魅了する
長く細い脚を武器に、ドッグレースで活躍するウィペットも多いです。
ウィペットが颯爽と走る様子には多くの人々が魅了されるように、「美しさ」と「凛々しさ」を兼ね備えています。
ドッグレースに出場することがないウィペットも走りは大好きです。
運動神経がよく体力もある犬種なので、ウィペットを室内ばかりで過ごさせるのはNGです。
ウィペットと暮らすなら日ごろの散歩時間も大切ですが、ときにはドッグランなどに連れ出しましょう。
体力があるので、日々の運動不足には注意しなければならない犬種です。
◆ウィペットの歴史
ウィペットは走りが得意…とお話ししましたが、それは過去の歴史とも深く関係しています。
そもそも狩猟犬として繁殖されたウィペットですが、体が小さいことから大きな動物ではなくウサギなどの小動物系の退治役として活躍していました。
その後、イギリスの貴族を中心に大きなグレーハンドを出場させドッグレースが流行りだしました頃、庶民たちの間にも簡易なドッグレースが開かれるようになっていきます。
そんな遊び的なドッグレースに競走馬として出場していたのが小さな体のウィペットだったのです。
ウィペットは庶民たちの間で競馬のような楽しみを持つドッグレースで姿を見かけることが多かったことから「貧乏人の競走馬」なんて呼ばれ方もしていたそうです。
このような時代が過ぎ去ると、ウィペットは1800年代に正式な犬種として世間的にも認められるようになってきました。
現在でもドッグレースなどで華々しく活躍するウィペットの姿を見ることができますし、家庭のペットとしても広く親しまれています。
◆ウィペットの性格
・穏やかな性格
走りが得意なウィペットは、ドッグレースなど人前でも美しく走る姿を見せてくれます。
機敏に動く「アスリート犬」のイメージが強く、性格も活発なのでは…?と思われがちです。
しかし、見た目の俊敏なイメージとはギャップがあり、実はとても穏やかな性格をしています。
ふだんは落ち着いて過ごすことが多いですよ。
・フレンドリーな性格
穏やかに過ごすのが好きな優しい性格なので、家族ともフレンドリーに接します。
小さい子どもがいても仲良くすることができるので、大家族でも安心してペットに迎えることができる犬です。
・しつけがしやすい賢さがある
ウィペットは飼い主さんに対して忠実なところがあります。
お互いに信頼関係ができると飼い主さんの指示もスムーズに学習してくれる犬です。
忠実さだけでなく賢さもある犬なので、しつけがしやすいでしょう。
もともと穏やかな性格のため、何かを要求しての無駄吠えをすることも少なく、室内犬として飼っても家族の一員として溶け込んでくれると思います。
細いスレンダーな体つきが印象的なウィペット。運動神経が良くスピード感のある走り姿が魅力的な犬です。 ウィペットの歴史や性格、値段、飼い方のポイントについてのご紹介です。
イタグレの愛称でおなじみの「イタリアングレーハウンド」
愛好家の人たちからは「イタグレ」という愛称で呼ばれることが多いイタリアングレーハウンド。
その特徴や歴史、性格について紹介していきます。
◆イタリアングレーハウンドの特徴
・サイトハウンド系では小さな体
イタリアングレーハウンドは、体重が3~5キロと小型犬の部類に属します。
食べものや運動など、暮らし方によって変わってきますがイタリアングレーハウンドは大きくなっても10キロ未満くらいと小型です。
・ローズイヤーが特徴的
イタリアングレーハウンドの耳の形は、ローズイヤーと呼ばれる垂れた耳がいいとされています。
ローズイヤーとは、一般的な垂れ耳とは垂れる方向が違い、耳の内部が見える状態で耳の上部分が横から後ろ方向へと曲がっています。
イタリアングレーハウンドは、標準としてはローズイヤーが良いと言われていますが、立ち耳のまま成長していくこともあるようです。
なかには、片方の耳がローズイヤーなのに、もう一方はピンと立っている耳のイタリアングレーハウンドもいます。
・細くてしなやかな脚
ウィペットと同様、イタリアングレーハウンドは無駄な脂肪がついていない引き締まりのあるボディです。
細く長い、そんなバネのような脚を持つイタリアングレーハウンド。
「ハウンド」という言葉からも連想できるように、イタリアングレーハウンドは走りが得意でスピードもあります。
イタリアングレーハウンドは、ハウンド系の犬のなかでも小型ながら運動能力は高いです。
◆イタリアングレーハウンドの歴史
イタリアングレーハウンドは、グレーハウンドを小さい体に改良した犬種です。
紀元前のころから17世紀ころまで、イタリアを中心としてヨーロッパの貴族たちに愛玩犬として大きな人気があったイタリアングレーハウンド。
しかし、それからイタリアングレーハウンドを小さい体にしようと改良と繁殖が繰り返されることになります。
次第にイタリアングレーハウンドの人気は急激に低迷していったようです。
イタリアングレーハウンドがそんな絶滅寸前の危機から脱したのは19世紀にアメリカに渡ってから。
今では、イタリアングレーハウンドはその美しい体と愛らしい表情に魅了される人も増え、人気犬種と言われるほどになっていますよ。
◆イタリアングレーハウンドの性格
・優しい性格
広いスペースがあれば、活発に走る姿を見せてくれるイタリアングレーハウンドですが、普段は大人しく優しい性格をしています。
・遊びが好き
イタリアングレーハウンドは狩猟犬だった過去を持つため、活発で遊び好きな面があります。
小さい子どもがいる家庭では、イタリアングレーハウンドは良き遊び相手になるでしょう。
しかし、狭い家のなかで活発に動き回るとケガのリスクもあります。
イタリアングレーハウンドを室内で飼うなら、自由に遊べる広めのスペースを用意してあげるといいでしょう。
・人見知りの面がある
飼い主さんには、信頼と愛情を示してくれるイタリアングレーハウンドですが、少し繊細なところがあります。
家族以外の人には、少し慣れるのに時間がかかるイタリアングレーハウンドでも社交性を小さいうちからしつけることができればフレンドリーにもなるでしょう。
サイトハウンド系のウィペットとイタリアングレーハウンド
サイトハウンドという言葉を知っていますか?
あまり聞き慣れないと思いますが、ハウンド系の犬たちの種類をグループ分けしたときのひとつです。
◆犬はいくつかに分類されている
ひとくちに「犬」と言いますが、その特徴や系統によっていろいろとグループ分けされています。
引用:ジャパンケネルクラブ
【1G:牧羊犬・牧畜犬】
家畜の群れを誘導・保護する犬
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ウェルシュ・コーギー・カーディガン、シェットランド・シープドッグ、ジャーマン・シェパード・ドッグなど
【2G:使役犬】
番犬、警護、作業する犬
グレート・デーン、ドーベルマン、ニューファンドランド、バーニーズ・マウンテン・ドッグなど
【3G:テリア】
穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬
ジャック・ラッセル・テリア、ヨークシャー・テリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど
【4G:ダックスフンド】
地面の穴に住むアナグマやウサギ用の猟犬
ダックスフンド
【5G:原始的な犬、スピッツ】
日本犬を含む、スピッツ系の犬
柴、秋田などの日本犬、チャウ・チャウ、ポメラニアン、シベリアン・ハスキーなど
【6G:嗅覚ハウンド】
大きな吠声と優れた嗅覚で獲物を追う獣猟犬
ビーグル、ダルメシアンなど
【7G:ポインター・セター】
獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬
アイリッシュ・セター、ポインター、ワイマラナーなど
【8G:鳥猟犬】
7G以外の鳥猟犬
アメリカン・コッカー・スパニエル、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーなど
【9:愛玩犬】
家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬
チワワ、プードル、シー・ズー、パピヨンなど
【10G:視覚ハウンド】
優れた視力と走力で獲物を追跡・捕獲する犬
ボルゾイ、サルーキ、アフガン・ハウンドなど
◆ウィペットとイタリアングレーハウンドは「視覚ハウンドグループ」
ウィペットとイタリアングレーハウンドは、上記にあげたグループのうち「視覚ハウンドグループ」に属しています。
・サイトハウンド(視覚ハウンド)
抜群の視力を駆使し、獲物を発見するスピードが早い特徴があります。
遠くにいる獲物も目でキャッチ、そしてスピードを出して追いかけます。
また、走るときにも風の抵抗を受けにくいスリムな体型をしています。
サイトハウンドの見た目の特徴は、長い脚にスレンダーな体です。
ウィペットとイタリアングレーハウンドは、スラリとした足で細身という見た目の特徴から見ても分かるように、ハウンドグループのなかでも「サイトハウンド」に属しています。
よく似ているウィペットとイタリアングレーハウンド…その違いって?
ウィペット、イタリアングレーハウンドのどちらも細身で走りが速いという共通点があります。
それにどちらのワンちゃんも流線形のフォルムが美しく、スタイル抜群ですよね。
見た目の特徴はとても似ているウィペットとイタリアングレーハウンドですが、比較するといくつかの違いがあります。
●その1:体の大きさが違う
外見はとてもよく似ている2匹の犬ですが、体の大きさが違います。
ウィペットは、中型犬に属し10~13キロの大きさです。
一方、イタリアングレーハウンドの方は、それよりも一回りくらい小さく体重は5キロくらいまでが標準的です。
●その2:耳の形が違う?
ウィペットの耳は、前方に折れている垂れ耳です。
一方、イタリアングレーハウンドは、耳のなかが見えるように横に折れているような形で「ローズイヤー」とも呼ばれています。
ただ、耳の形には個体差があるので成長とともに耳の形が変わることはよくあること。
愛犬が持つ個性と思ってあまりこだわらなくてもいいのかもしれませんね。
●その3:原産国が違う
ウィペットの原産国はイギリスです。
畑荒らしをする小動物を追い払う役割をしていた歴史があります。
一方のイタリアングレーハウンドの原産国は、名前からも分かるようにイタリアです。
●その4:認められている被毛色が違う
ウィペットおよびイタリアングレーハウンドは、どちらも短毛というところが同じです。
しかし、被毛の色に違いがあります。
ウィペットは、色や柄のパターンはすべて認められています。
一方のイタリアングレーハウンドですが、ブラック、グレー、レッド、クリーム、ホワイトなどいろいろな色が認められているのですが「単色」がドッグショーでは高評価を受ける理想的なカラーと考えられています。
カラーおよび柄ともにバリエーションが多いのは、ウィペットの方かもしれませんね。
近年では目にすることも増えてきたイタリアングレーハウンド。個性的な外見を持った、魅力的な犬種ですね。細い手足からは華奢で不安気な印象も感じますが、一体どんな性格なのでしょう?これから家族に迎えたいと考えている方は必見!価格も紹介します。
まとめ
ハウンド系で細身の体型のウィペットとイタリアングレーハウンドは走る姿だけでなく、立ち姿も気品が溢れている美しい犬種です。
スレンダーな体の線をキープするには、運動不足にならないように注意しましょう。
ウィペットとイタリアングレーハウンドはとても似ている外見ですが、細かく特徴を見ていくと違いがあることが分かりましたね。
特徴など違いはあるものの、どちらの犬種も飼い主さんへの愛情を示してくれる素敵なワンちゃんですよ。
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