1.引越しによる犬のストレスは大きい
1-1.引越しの準備や移動もストレス
1-2.見知らぬ家族が増えるのも犬のとってはストレス
1-3.飼い主のケアが重要
2.引越し後にはどんな変化が見られやすい?
2-1.留守番ができなくなった
2-2.吠えることが多くなった
2-3.トイレができなくなった
2-4.落ち着きがなくなった
2-5.食事の量が減った
2-6.下痢や嘔吐に苦しむ
2-7.眠れないようだ、夜鳴きが増える
3.新しい環境に早く慣れさせたい!次の方法を試してみよう
3-1.犬の生活スペースを以前と同じ配置にしよう
3-2.使い慣れていたオモチャや毛布を犬に与えよう
3-3.不安にさせないように犬との時間を大切にしよう
3-4.眠るときには落ち着かせる工夫をしよう
3-5.家から脱走しないように注意しよう
3-6.生活パターンを以前と同じにしよう
3-7.ニオイ嗅ぎ行動は思うようにさせよう
3-8.愛犬の怯えた様子には声をかけてあげよう
3-9.外の世界にも早めに慣れさせる
3-10.動物病院の場所もチェックしておく
【掲載:2018.04.04 更新:2020.2.27】
引越しによる犬のストレスは大きい
引越しをするときには、人間たちは当然ですが「新しい家で何のための引越しなのか」について分かって行動します。
しかし、それを理解できない犬たちには「引越し前から引越し後」まで、何がなんだが分からない状態で進んでいくのがストレスとなります。
◆引越しの準備や移動もストレス
引越しをするときには段ボールに荷物を詰めていきますが、家の中がゴチャゴチャしている方も多いのでは。
引越し業者がやってくれば見知らぬ人達がバタバタ動く様子を目の当たりにし、犬はかなり動揺するでしょう。
それに、新居へ犬が移動するためには車や公共の乗り物に乗るので「キャリーバッグ」に長時間入れられるかもしれません。
慣れていない犬の場合、乗り物に酔い具合を悪くする可能性もあり注意が必要です。
◆見知らぬ家族が増えるのも犬のとってはストレス
実家に引越して親と同居することになるケースなど「知らない家族が増える」というパターンもあるものですよね。
新しく家族が増える場合、「新しい住居環境になる」だけでなく「知らない人と一緒に住む」という二重のストレスが愛犬に加わってしまいます。
◆飼い主のケアが重要
新しい環境をすぐに受け入れにくい犬は、新居に引越した途端に「今までできていたことができなくなった」と問題行動を起こすこともあります。
新居に引越したばかりで忙しさに追われている飼い主さんは、犬たちの起こす問題行動に対して怒るかもしれません。
でも、むやみに叱る対応はNGです。
「引越しによるストレス」という大きな理由からの問題行動。
犬の心にしっかり寄り添ってあげることが大事です。
心の準備ができずに新しい土地へやってきた犬たちにとっては、飼い主さんだけが心の寄りどころということを理解しておきましょう。
犬たちの心の変化を察し、不安をできるだけ取り除く工夫をするように考えてみてくださいね。
引越し後にはどんな変化が見られやすい?
前々から準備や計画をしていた引越しでも、犬にとっては「急な引越し」でしょう。
訳が分からない状態で環境の変化を強いられるので、問題行動を起こすほどのストレスとなります。
引越した後には、不安が原因で次のような変化が見られるかと思います。
◆留守番ができなくなった
犬にとっては、新居そのものが見知らぬ場所。
周りに家族がいても「ここはどこなんだろう」という不安でいっぱいです。
新しい住まいに慣れないうちに飼い主さんが外出する機会が多いと、余計に不安となり留守番ができなくなることもあります。
◆吠えることが多くなった
周囲の音にもかなり敏感になるでしょう。
「前の家ではまったく吠えなかったのに…」と、そもそもおとなしかった犬が引越しが原因で急に吠えることは珍しくありません。
近所から聞こえるちょっとした音に過敏に反応してしまうことが多いかと思います。
◆トイレができなくなった
家の様子が違うため、トイレの場所に不安を覚える犬もいます。
新しい家の間取りに慣れないうちは、どうすればいいか分からずに違う場所に失敗してしまうこともあるかもしれません。
失敗したからと怒らずに、優しく教えてあげましょう。
トイレの場所も以前と同じ位置にすれば覚えやすくなります。
◆落ち着きがなくなった
環境の変化のせいか、ちょっとしたことにも過敏に反応するようになります。
「怖い」「不安」「自分の知っているエリアじゃない」というストレスから、部屋中をグルグルと散策することもあるでしょう。
◆食事の量が減った
デリケートな性格の犬は、ストレスから食事ができなくなることもあります。
少し程度なら様子を見てもいいですが、栄養が足りなくなるほど食事量が減ると、かなりのストレスサインと考えられます。
◆下痢や嘔吐に苦しむ
移動手段にもよりますが、引越しにともない、長い時間乗り物に乗ることになります。
ふだん、車での移動に慣れていない犬にとってはかなりのストレスです。
しかも、新しい家に到着すると引越しの荷物のなかでいつものように遊べない状況かもしれません。
強いストレスがかかり、下痢や嘔吐といった身体的症状を表わす犬もいるでしょう。
◆眠れないようだ、夜鳴きが増える
日中と違って夜になると、外から聞こえるちょっとした物音にも敏感になります。
愛犬が初めて我が家にやってきたときを思い浮かべてみてください。
眠れなかったり、夜鳴きをしたりしませんでしたか?
そのときと同じように、眠れなくなり「夜鳴きが増える」という犬も多いです。
新しい環境に早く慣れさせたい!次の方法を試してみよう
新しい環境になれば、ほとんどの犬がストレスを感じるでしょう。
ただ、「十人十色」という言葉があるように、犬たちも「それぞれ違う」もの。
性格によって行動パターンには差が出るかと思います。
「すぐに慣れてしまう犬」「数日すればふだんのように振る舞う犬」「ストレスがあるはずなのに見た目にはあまり変化がない犬」など、比較的新しい環境に順応しやすい犬もいるかもしれません。
一方、そもそもの性格が「臆病」な犬だと、新しい環境になかなか馴染めずに心だけでなく、体に異変を見せることもあるでしょう。
そこで、少しでも飼い主さんのケアで愛犬の不安を取り除いてあげることが大事と言えます。
いくつか、その方法について紹介してみたいと思います。
◆犬の生活スペースを以前と同じ配置にしよう
新しい家では、住まいの間取りは変わってしまうことがほとんどでしょう。
しかし、愛犬がよく使うトイレやケージなどの犬の生活スペースを以前と同じ配置にしてみるようにしてはいかがでしょうか。
食卓やソファーなどからの向きも可能な限り再現してあげると、極端な変化を感じさせにくいです。
前の家の雰囲気と全く違わないようにすれば、不安も軽減できるかと思います。
◆使い慣れていたオモチャや毛布を犬に与えよう
引越しにともなって、古い家具や衣類などを処分し、気分も新たに新品のものを揃える人もいるでしょう。
新しい家に合わせて「新品」にするのは気分がいいものですが、犬が使っていたものはなるべくそのまま使うようにしてあげましょう。
オモチャや毛布もそうですが、犬がお気に入りとなっていたソファーやイスなどもそのままが理想です。
人間の鼻では分かりませんが、犬は「自分のニオイ」「以前の家のニオイ」をそこから感じ取り、安心するのです。
◆不安にさせないように犬との時間を大切にしよう
家のなかの状況に全く慣れていない引越し当日や数日間は、なるべく犬だけでの留守番は控えるといいでしょう。
「自分だけが取り残されるのでは?」と勘違いし、さらに不安が増します。
留守番中にずっと吠えていたり、ストレスから物を壊したりなど、精神的にも身体的にも負担が大きくなるかもしれません。
また、引越しの片付けや新しい生活の準備で、以前のように愛犬との時間が少なくなりがちです。
可能な範囲で、「愛犬を撫でてあげる」「一緒に遊んであげる」「声をかけてあげる」「寄り添ってあげる」とスキンシップをたくさん心がけてあげましょう。
◆眠るときには落ち着かせる工夫をしよう
飼い主さんと一緒に過ごす時間が多ければ、日中はいくらか不安を感じにくいかもしれません。
しかし、その反動で夜間に「夜鳴き」というカタチで不安行動を見せることもあります。
ケージのなかで寝かせているなら、毛布やバスタオルで覆って音を聞こえにくくするのもいいでしょう。
また、それで防ぎきれないと感じたら夜間でも小さな音量でテレビをつけておくのも安心感に繋がります。
なかなか落ち着かないようなら、数日間だけでも近くで飼い主さんが眠ってあげるのもおすすめです。
◆家から脱走しないように注意しよう
慣れるまでは、家のなかを冒険する感じでウロウロと動き回るかと思います。
しかし、犬が玄関や窓をちょっと開けたすきに出ようと試みるケースもあります。
迷子になったら大変なので、十分に注意してくださいね。
◆生活パターンを以前と同じにしよう
家のなかが変わっても、食事の時間や散歩の時間、眠る時間など生活のリズムは以前と同じようにしましょう。
食事のときには以前使っていた食器で気持ちよく食事タイムが過ごせるように配慮してくださいね。
◆ニオイ嗅ぎ行動は思うようにさせよう
愛犬がフローリングやじゅうたんを「クンクン」と下を向きながらニオイ嗅ぎ行動を見せることがあります。
新しい家のニオイに慣れないので当然の行動かもしれません。
その行動は「落ち着きがない」と見えるかと思いますが思う存分させたいものです。
「ニオイに敏感な犬」だからこそ「ニオイで慣れる」ための大事な行動なのです。
寛大な心で見守ってあげましょう。
◆愛犬の怯えた様子には声をかけてあげよう
家のなかの様子、外の様子、いつもと違った雰囲気に、「ワンワン!」と吠える子も多いでしょう。
犬にとっては「前と違う場所」にはすでに気づいているので、吠えることで「今の音は何?」「今、外を通った人は誰なの?」とかなり警戒しているのかもしれません。
そんなときには、無視するのではなく、「何でもないよ。気にしなくても大丈夫だからね。」という感じで、できるかぎり声をかけてあげましょう。
飼い主さんが大丈夫そうに声をかけてくれるだけで、犬の安心感に繋がります。
◆外の世界にも早めに慣れさせる
新居に引越しをすれば、当然ですが外の散歩コースも変わります。
のどかな風景の郊外から都市部に引越しをすれば、「車が多い」と犬もビックリするかもしれません。
どちらにしても、外の世界にも慣れていない状況なので、人通りや車通りの多いコースは避けるた方がいいでしょう。
ストレスで不安な心身状態なのでちょっとした物音にビックリし、飼い主さんが油断した隙に「リードを離してしまった」ということも…。
なんらかの拍子に迷子になったまま行方不明になる可能性もゼロではありません。
慣れないうちは、そんな思いもよらないリスクもあるので散歩時間は短めから始めるといいかもしれません。
そして、少しずつ散歩時間を増やしながら、愛犬が安全で快適に進めるようなべストなコースを一緒に探してみてくださいね。
◆動物病院の場所もチェックしておく
引越し先がそれほど遠くないケースなら、以前と同じ動物病院に行けるかもしれませんが、遠く離れた土地に行ったら動物病院も新しく探すことになります。
引越し後には、ストレスから体調の変化が起きやすく、すぐに動物病院のお世話になることもあるでしょう。
慌てて病院を探すよりも、引越し前にある程度考えておくことがおすすめです。
犬との引っ越しに関するまとめ
事前に引越しの心の準備ができる人間とは違い、訳が分からない状態で移動しなければならない犬たち。
犬の引越しは「思いもよらぬ変化」で、環境に慣れろというのは酷な話とも言えます。
長く愛着を持って暮らしていた慣れた我が家から離れるので、犬の心の負担は相当なものでしょう。
新しい環境に慣れるまでは、いつも以上に愛犬の様子に目を向けましょう。
何らかのストレス行動が見られると思いますが、身体的な症状を引き起こす前に飼い主さんが寄り添ってあげるといいですね。
愛犬の心理を家族が優しく理解して接することができれば、少しずつ新しい環境に慣れていくと思います。
新しい生活を愛犬と一緒に素敵なものにするため、あまり焦らないようにじっくり向き合ってあげてくださいね。
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