犬が上目遣いをする意味は?目をそらす表情、困り顔の理由。

2023.03.24

犬が上目遣いをする意味は?目をそらす表情、困り顔の理由。

犬は言葉が話せません。しかし、その代わりに様々な表情やカーミングシグナルで感情を伝えてきます。愛犬との付き合いが長い飼い主さんであれば、何を言いたいのか大体分かるのではないでしょうか。 今回は愛犬の、そんな豊かな表情や行動について着目してみましょう。中でも犬の行動でよくみられる、「目をそらす」「上目遣いをする」「困り顔をする」の三点に焦点を当てます。そこにはどのような理由が隠されているのでしょうか?

【掲載:2018.08.21  更新:2022.10.05/2023.03.24】

犬が上目遣いをする理由は?

犬 上目遣い

犬が上目づかいで見つめてくるケースもよくみられる行動の一つです。飼い主さんにとっては、たまらなく可愛いと感じる仕草の一つかもしれませんね。

しかしこの上目づかいにも、様々な意味が秘められているのです。

◆犬が上目遣いをする理由①飼い主さんへの訴えやおねだり

上目づかいで飼い主さんを見つめる時は、訴えやおねだりを表している場合があります。「食べ物が欲しい」「散歩にいきたい」「排泄したい」など、何らかの要求を伝えるために、飼い主さんを見つめているのです。

これについては習性というよりは、犬が人間のパートナーとして生活するようになってから、身に付けられた行動の一つといえるでしょう。

上目づかいが可愛いからといって、その全ての要求に応えるのは不適切です。要求・訴えが正当なものの場合のみ、応えるようにしてくださいね。

◆犬が上目遣いをする理由②緊張や不安の表れ

上目づかいが、緊張や不安を表している場合もあります。

例えば、悪いことをして飼い主さんに叱られた時など、愛犬が上目づかいで見ながら、申し訳なさそうにしている場合があります。
これは、「飼い主さんを怒らせてしまった」という事実を感じ取っている証拠といえるでしょう。叱る際に大きな声を出してしまった場合には、更に緊張や不安を感じます。その結果、体全体が強張り、目だけが相手をみるような表情になるのです。

他にも、他人が突然撫でようとしてきたり、嫌なこと(シャンプーや爪切りなど)が起こると感じた場合にも、上目づかいをするケースがみられるでしょう。

この行動については、「相手を正面から見ることはできないが、完全に目をそらすのは不安」という気持ちの表れともいえます。

そんな時は、目だけでなく、顔・体の筋肉の緊張や、口元をしっかり閉めるような表情もみられます。これらの様子を併せて観察し、このような状態である時には少し距離をおいてあげましょう。目もそらして、感じさせているストレスを軽減してあげてください。

◆犬が上目遣いをする理由③見ているだけ

見極めが難しいかもしれませんが、なんの理由もなく上目づかいをしているケースもあります。

犬の個性も様々で、何かを見ようとしたが首を動かすのが面倒で、上目づかいをするという子も中にはいるのです。体の構造上、上目づかいになりやすい犬種(イングリッシュブルドッグなど)もいるので、普段の愛犬の様子から判断しましょう。

愛犬が上目づかいをしている時には、その姿勢にも注目しましょう。例えば、訴えやおねだりを示している時、立った状態であれば、興奮状態がMAXになることが多いです。飛びつきや、状況によっては危険な行為に繋がる可能性があるので、リアクションの仕方には注意が必要です。
おすわりなど落ち着かせるためのコマンドを使用して、興奮を抑えてあげましょう。

緊張や不安からくる上目づかいの場合は、恐怖から噛みつきなどの攻撃に繋がることも考えられます。

犬が立っているということは、すぐに次の行動に移れる状態であるということです。犬の上目づかいがストレスを表す場合もある、ということを忘れないようにしましょう。


犬が目をそらす理由は?やましいことがある?

犬が目をそらす理由

飼い主さんと愛犬の目が合った時、愛犬がふいっと目をそらすような仕草をしたことはありませんか?このような行動は、カーミングシグナルの一つで比較的よく見られるものといえるでしょう。

目をそらす愛犬に気付くと、「もしかして嫌われている?!」と不安に思う方もいるかもしれません。

実は、この目をそらすという行動には、複数の意味が存在するのです。

◆犬が目をそらす理由①服従心の表れ

犬が目をそらす理由の一つに、飼い主さんへの服従心の表れであることが挙げられます。

犬は基本的に習性上、自分より立場が上だと思っている相手とは目を合わせません。犬が目を合わせる行動は、その相手が上の者に対する場合、敵意がある、喧嘩を売っているという状態の表れとなるからです。

逆に目をそらす行動は、相手に対して敵意がない、喧嘩する意思はない、という表れです。
このことから、愛犬が飼い主さんと目が合った時に目をそらす場合、飼い主さんを自分よりも上の立場の存在であると認識しているということになります。愛犬からの信頼の証ともいえるでしょう。

ただし幼犬の時期であれば、主従関係や信頼関係などをまだ理解していないため、飼い主さんを見つめるような仕草をする場合があります。
これは、成長と共に社会性を身に付けること、誤ったしつけをしないことで自然と改善されるようになるでしょう。

◆犬が目をそらす理由②興奮を抑えるため

自身や相手の興奮を抑えるために、目をそらすケースもあります。この興奮が嬉しさからきたものであっても、自身の興奮を抑えるため、落ち着くために目をそらす場合にあたります。

このケースはすべての犬にみられるわけではなく、主従関係がしっかり築けている、きちんとしたしつけがされている場合にみられる行動のようです。

例えば、飼い主さんの帰宅時、多くは喜びのあまり走って出迎えにきたり、飛びついたり、時には吠えたりしながら嬉しさを表すでしょう。
これは一例ですが、中には尻尾を振りながら飼い主さんの側を歩き回っても、目をそらす行動をとる子がいます。正にこれが、飼い主さんの帰宅が嬉しくて飛びつきたいのに、その気持ちを自分で抑えようとしている行動の表れなのです。

過去に飛びつきはいけないことだと学習した結果であり、自分だけでなく相手をも落ち着かせるためにみせる行動の一つといえます。わざと目をそらすことで、自身を落ち着かせようという努力の表れなのです。

◆犬が目をそらす理由③知らないフリをしている

人間の行動としてもよくみられるものですが、犬も自分にとって都合が悪かったり、困ったり、緊張したりしている場合に、目をそらすことがあります。

分かりやすい例を挙げると、悪いことをして飼い主さんに叱られた時です。
叱った時に目をそらすのをみたことがありませんか?これは「悪いことをしてしまった」「叱られてしまった」と理解した上で、自身にとって都合が悪いために、それに対して知らないフリをしている状態です。中には怒られた理由が分からずに、困っている結果の行動である場合も考えられます。

他にも、シャンプー嫌いの子がシャンプーされることに気付いた時や、病院が苦手な子が病院に行くことが分かった時などに、このような行動がみられるでしょう。嫌なことが起きる事態を予測して、緊張したり、困ったりする場合に目をそらすケースが多々あるのです。正に人間が行なう「見ないフリ」と同様の、感情に基づいた行動ですね。

中にはカメラを向けると目をそらす子もいるでしょう。これに関しては、レンズが目のように見えており、目を合わせることが敵意を示すことだと感じている場合も考えられます。カメラの存在が不可解で、そこに緊張が生じている場合もあるでしょう。緊張を和らげるために、目をそらすこともあるのです。

◆犬が目をそらす理由④周囲を気にしている

犬は人間に比べると、周囲の物音・気配など、環境に対してとても敏感です。人間には気にならない何かが気になって、ふと目をそらすこともあります。気になった物音や気配に対して警戒し、神経を集中させているのです。
この場合は、その警戒がとければすぐに視線を戻してくれるでしょう。

◆目をそらす理由には例外もある

このように、愛犬が目をそらす行動には複数の理由が挙げられます。逆に目をそらさない場合には、飼い主さんを下にみている可能性があるので注意しましょう。

しかし勿論、例外もあります。例えば、「散歩に行きたい」「オヤツが欲しい」「遊んで欲しい」など、自身の欲求を伝えるために、飼い主さんを見つめているケースもあるのです。

目をそらさない行動の全てが、敵意を示しているわけではありません。その時の状況や愛犬の性格などを総合的に見極めて気持ちを汲みとったり、その理由を判断するようにしましょう。


犬が困り顔をしているときの気持ちは?

犬が困り顔をしているときの気持ち

◆犬の困り顔はどんな表情?

犬は言葉を話せなくとも、表情がとても豊かな動物です。体や顔のパーツの動きから、その感情を読み取ることができます。愛犬の表情の一つ「困り顔」が、すぐに浮かぶ飼い主さんも沢山いるでしょう。

犬の困り顔と認識される表情や行動といえば、耳が垂れている・眉が下がったような目をしている・口が一文字に結ばれている、という状態のことが挙げられます。

◆心配や不安を感じている

このような時、犬は心配や不安を感じているケースが多いでしょう。正に「困り顔」は、困っている時にする表情、ということになります。
例えば、遊んでいたオモチャや食べていたフードが、家具の隙間に入って取れなくなった時など。愛犬がこのような表情をしているかもしれません。

困り顔の表情が浮かばないという方は、このような状態に陥った時に、そっと愛犬の表情を確認してみてください。共に過ごす時間に比例して、分かるようになるものかもしれませんね。


まとめ

犬の表情や行動の意味を知ると、これまで以上に愛犬の気持ちを汲み取れるようになります。
目をそらしたり、上目づかいをしている時、愛犬がどんな気持ちでいるのか考えてみてください。些細な表情の変化を観察するのも、一緒に過ごす楽しい時間の一つとなるでしょう。

今感じているのは喜びなのか、それともストレスなのか、この表情が示す感情は何なのか。日常的に観察をすることで、抱えている感情やそれに対する適切な対応が、瞬時に分かるようになるはずです。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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