1.パグの寿命について知ろう
1-1.犬は小型犬の方が長生きする
1-2.大型犬の寿命が短いワケとは?
1-3.小型犬のパグは平均で12~15歳程度の寿命
2.パグってどんな病気にかかりやすいの?
2-1.パグによく見られる「壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)」
2-2.短頭種のパグは呼吸器の病気に注意が必要
2-3.目の表面が傷つく「角膜潰瘍」
2-4.膝関節のお皿がはずれる「膝蓋骨脱臼」
3.パグの長生きのために実践したい健康対策
3-1.ワクチン接種で病気リスクを減らす
3-2.皮膚の汚れは放置しない
3-3.太らないように徹底した体重管理をする
3-4.愛犬の様子はよく観察する
3-5.動物病院に行って健康チェックをする
3-6.パグの年齢に合わせた食事をする
3-7.目を傷つけないように注意しよう
パグの寿命について知ろう
パグという犬種にかぎらず、犬は人間よりも長く生きるのは難しいでしょう。
飼い始めたときの飼い主さんの年齢にもよりますが、「愛犬は自分よりも早くに天国に行ってしまう…」というのは、悲しいけれど無視できない現実として心に留めておくべきことかもしれませんね。
一日一日を大切に生きられるように、パグの平均的な寿命については「知識」としておさえておくことが大事です。
◆犬は小型犬の方が長生きする
一般的に、「犬の寿命は8~15歳程度」と言われています。
年齢に開きがあるのは、「犬の大きさ」が寿命の長さに影響しているからです。
数年で命を落とす極小のマウス、何十年も長生きする巨大なゾウ…を例に取るとわかるかもしれませんが、動物全体で見ると体の大きな生き物は小さい生き物よりも長寿傾向というデータがあります。
ただ、「犬」というくくりで見たときには、大きな犬の方が小さい犬より命は短いのです。
犬の大きさは「大型犬・中型犬・小型犬」と大きく分けられます。
「何キロから大型犬」というハッキリした定義はないですが、20キロを超える体重のワンちゃんを“大型犬”としているケースが多いです。
大型犬には、秋田犬やゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ドーベルマンなどがいますが、大きな体でたくましいイメージです。
大型犬は生まれてから数年程度は緩やかな成長で「幼犬期」が長めで、それを過ぎると一気にオトナになっていきます。
人間の年齢に換算でも、大型犬の方が老齢になるのは早めです。
例えば、10歳のときをそれぞれ人間の年齢に換算すると、大型犬が66歳程度に対し、小型犬は56歳程度なのだとか。
40キロを超えるような超大型犬はさらに老齢で、10歳のときすでに78歳くらいのイメージなのだそうです。
◆大型犬の寿命が短いワケとは?
大型犬の寿命が少し短いのは、心臓のサイズが関係しているのでは…?と考えられています。
ちょっと意外に感じるかもしれませんが、犬の心臓は体のサイズに比例しておらず、小型犬も大型犬もそれほど違いがないのです。
大きな体なのに小さな心臓を持つ大型犬は、心臓をフルに働かせなければ全身への酸素が不充分で負担が増えます。
逆に、小型犬はちょっとした動きでも体じゅうに酸素を運べるので心臓の負担は少なめです。
つまり、大型犬の心臓はかなりのパワーが必要で負担が大きく、結果的に寿命が短めになると考えられています。
◆小型犬のパグは平均で12~15歳程度の寿命
パグは小型犬なので、大型犬と比較すると長生き傾向にあります。
平均的には12~15歳くらいまで生きてくれると言われます。
一般的な小型犬の寿命と同じくらいと考えてもいいでしょう。
パグってどんな病気にかかりやすいの?
平均的な寿命はあくまでもデータ上の数値です。
なかには、12歳を待たずして命を落とすパグもいますし、15歳を過ぎても健やかに生きているパグだっています。
ただ、「パグ」という犬種で見たときにかかりやすい病気があり、それが寿命の長さに影響するので、基礎知識として知っておくといいですね。
◆パグによく見られる「壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)」
パグ脳炎と言われることからも分かるように、パグを飼うなら特に注意すべき病気が壊死性髄膜脳炎です。
パグをはじめ、シーズー、ペキニーズ、ポメラニアンなど、小型犬を中心に発症しやすい病気です。
発症すると「変な歩き方をする」「ぼんやりしている」「同じ方向をグルグルと回る」というような明らかな異常が見られるようになります。
脳内の炎症範囲の広さにもよりますが、進行するほどに生活に支障をきたす発作が目立ってきます。
この病気が起こる原因は、残念ながら分かっておらず、最終的に死に至る怖い病気と言えるでしょう。
◆短頭種のパグは呼吸器の病気に注意が必要
つぶれたような鼻がチャームポイントのパグですが、短頭種ならではの呼吸器系の病気には気をつけましょう。
鼻の気道が狭まっている「鼻孔狭窄症」は、パグが遺伝的にかかりやすい病気です。
「気温が高い夏」「興奮しているとき」に激しい呼吸がしづらくなることがあります。
また、「気管虚脱」にも注意しましょう。
こちらも遺伝的でパグによく見られ、気管がつぶれて空気が流れづらくなり、「ガーガー」と変わった音の咳をします。
苦痛な表情を見せるかと思います。
薬で治らないと判断されると、外科的治療になるケースもあります。
◆目の表面が傷つく「角膜潰瘍」
目の保護の役割を持つ角膜が傷ついて起こるのが「角膜潰瘍」です。
目の表面が傷つくことで発症します。
パグのようなペチャっとした鼻の子は、目が飛び出している特徴があるので、ちょっとした原因で目を傷つけやすく注意が必要です。
症状が浅い段階で適切に治療が受けられれば、角膜が再生して治るでしょう。
また、飼い主さんが気づいてあげられないまま症状が深くなると手術しか治療方法がないこともあります。
傷が深すぎて治療ができずに失明することがあるので注意しましょう。
目をあけにくい、涙が出る、目ヤニが出てくるなど、目に違和感があるようなら動物病院へ連れていくといいですね。
◆膝関節のお皿がはずれる「膝蓋骨脱臼」
膝の関節部分にあるお皿が通常の位置からはずれてしまうのが膝蓋骨脱臼です。
パグのような小型犬は、生まれつきの異常で見られるケースがあります。
症状が浅いときは、飼い主さんから見ても病気に気づきにくいでしょう。
「脱臼した⇒元に戻った」と脱臼後に自然に治るケースもあるようです。
ただ、進行が進んで重篤になると、自然には直らないため、いつもスキップしているような変な歩き方をしている例があります。
脱臼していると膝が普通に動かないので、少しずつ変形した足になっていきます。
「転んだ」「高いところからの着地に失敗した」などが原因となるケースも多いので、注意すべき病気です。
パグの長生きのために実践したい健康対策
飼い主さんの意識次第で、パグを長寿に導いてあげられます。
長生きのために実践したい健康対策をチェックしておきましょう。
◆ワクチン接種で病気リスクを減らす
ワンちゃんの注射というと「狂犬病注射」「混合ワクチン」が有名です。
狂犬病は、日本の法律では「打つように」と言われている注射ですが、混合ワクチンの方は「絶対!」というわけではありません。
任意なので、飼い主さんの自己判断で接種するスタイルです。
ただ、混合ワクチンにより防げる感染症があります。
病原体を体内に侵入させ、感染したときの症状を軽く抑えられるメリットがあるワクチン注射です。
1年に1回接種することで、効力が1年間続くと言われているワクチンですが、体の弱いコやシニアのコは、控えるべきという考え方もあります。
動物病院の先生に相談し、愛犬の体調に合わせて接種しましょう。
◆皮膚の汚れは放置しない
シワシワした顔は、パグの大きな特徴です。
ただ、その小さなシワシワには、いつの間にか汚れが溜まっています。
通気性が悪いので、シワの間に隠れた汚れが原因で皮膚の炎症を起こすことがあります。
汚れを取り除くためのシャンプーは定期的に必要です。
パグは短い毛の犬種ですが、毛は抜けます。
日常的に飼い主さんがケアできるのは、被毛のお手入れです。
優しくブラッシングすると、血行がよくなり健康的な皮膚を保つことに繋がります。
◆太らないように徹底した体重管理をする
太ると関節に負担がかかって足を痛めるリスクがあります。
心臓にも負担がかかりやすくなります。
適正体重をキープできるように体重管理してあげましょう。
食事面では、1日に必要なカロリーを超えないような分量調整が大事です。
高齢になるとあまり動かなくなるのに、なかには食欲が減退しないシニアのワンちゃんもいます。
食欲旺盛なシニア犬の場合、高齢だからと分量を減らすと「お腹が減った」と騒ぐかもしれません。
「シニア期」専用のフードなら低カロリーなので、成犬用から少しずつ年齢に合わせて切り替えてあげましょう。
◆愛犬の様子はよく観察する
「パグを飼ったらお世話しよう」と飼う前には、心に決める人も多いでしょう。
しかし、いざ一緒に暮らすと、「仕事で忙しい」「自分の趣味に没頭している」など、ちょっと放置気味になるケースもあるかもしれません。
パグの異変に気付けるのは飼い主さんだけしかいません。
「食事をする様子」「歩くときの足」「皮膚の抜けた量」「呼吸をするときの音」「尿やウンチの回数、量」など、愛犬の様子に常に気を配ってあげましょう。
そうすることで、ちょっとした変化にも気づきやすくなり、病気になっても早めのタイミングで治療を受けさせてあげられるかと思います。
◆動物病院に行って健康チェックをする
動物病院に行く理由として「具合が悪そうだから」「注射を受けるだけ」となんらかの理由でしか訪れないという飼い主さんが多いかもしれません。
確かに、異変を感じて動物病院に連れていくのは大事ですが、それだけでなく「定期健診」もするといいでしょう。
特に、シニア期に入ったパグは、1年に2回は動物病院で健康チェックしてもらうのがおすすめです。
血液検査やレントゲン検査など、見た目では分からない病気が見つかるかもしれません。
定期健診によって「早期発見できた」というケースもあります。
◆パグの年齢に合わせた食事をする
食欲旺盛で食べっぷりがよいパグ。
ガツガツとなんでも完食してくれるのは、見ていて気持ちが良いですよね。
ただ、パグの年齢に合わせたフードを用意することが重要です。
「離乳期」「成長期」「成犬期」「高齢期」とライフステージがありますが、どのタイミングでどの栄養が必要かは異なります。
基本的に、総合栄養食と記載されたドッグフードを与えるようにしましょう。
しつけや遊びのときに、「間食」と言われるオヤツをあげることも多いですが、「いつもの食事+オヤツ」を与え続けると、太ってしまいます。
体が太ると寿命も縮まりやすいので、オヤツをあげた分、ドッグフードの量を減らしコントロールしてくださいね。
◆目を傷つけないように注意しよう
パグの見た目の特徴のひとつが「大きな目」。
ちょっと飛び出し気味の大きな目は、何かにぶつかって傷つけたり、砂や小石が入ったりなどのリスクを抱えています。
傷から細菌が入って、重大な病気を引き起こすこともあるので、気をつけたほうがいいでしょう。
小型のパグは、散歩のときに飼い主さんから見えにくく、知らぬ間に「道端に落ちている枝に触れていた」「砂利道で小石が跳ねて目に入っていた」ということも考えられます。
家のなかでも「テーブルの角に目がぶつかる」「床に散乱していた雑誌の紙が目に入る」「シャンプー時に体を拭くときにタオルが目に入る」など、大きな目が傷つくかもしれないシーンが多々あります。
散歩時は目を離さないのはもちろん、家のなかでもパグの高さに危険なものを置かない配慮をしましょう。
まとめ
データとして紹介されているパグの平均寿命は、一般的な小型犬と同じくらいです。
ただ、一方ではかかりやすい病気も多いため、飼い主さんが正しい知識を持って愛犬の様子を見守ってあげるのが「長生き」の秘訣になってきます。
遺伝的な病気は避けるのが難しいですが、早期発見で症状を緩和させてあげることが可能。
外傷による病気のリスクは、飼い主さんが細かにケアしてあげると未然に防げるものも多いです。
大事なのは、パグと一緒に過ごしながら日々の様子をチェックしてあげることです。
飼い主さんの愛の観察眼がパグの長生きを実現してくれるのではないでしょうか。
不安な症状があったら相談できるように、信頼できる動物病院も見つけてくださいね。
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