1.北海道犬とは
1-1.北海道犬の歴史
1-2.ソフトバンクのCM 「お父さん犬」
2.北海道犬の特徴
2-1.北海道犬の外見
2-2.北海道犬の被毛
2-3.北海道犬の大きさ
2-4.北海道犬の体臭
2-5.他の日本犬との違い
4.北海道犬と家族に迎えるには
4-1.北海道犬の購入場所と価格相場
5.北海道犬の飼い方
5-1.北海道犬の飼い方①飼育環境
5-2.北海道犬の飼い方②食事
5-3.北海道犬の飼い方③運動
5-4.北海道犬の飼い方④寿命
5-5.北海道犬の飼い方⑤かかりやすい病気
6.北海道犬のお手入れ
6-1.北海道犬のお手入れ①ブラッシング
6-2.北海道犬のお手入れ②シャンプー
6-3.北海道犬のお手入れ③爪切り
6-4.北海道犬のお手入れ④耳掃除
【掲載:2021.01.09 更新:2022.12.08】
北海道犬とは
まずは、北海道犬の歴史からご紹介します。
◆北海道犬の歴史
北海道犬のルーツは、のちのアイヌ民族が本州から北上の際に、一緒に移った中型の獣猟犬(マタギ犬)といわれています。
その後北海道犬は、北海道の先住民アイヌにヒグマやエゾシカといった大型獣の狩猟犬や番犬として飼育されてきた犬種です。そのことからも、別名「アイヌ犬」とも呼ばれ、親しまれています。
1937年(昭和12年)には天然記念物に指定され、名称が北海道犬(ほっかいどういぬ)と統一されました。
しかし、国内外を問わず人気が高まることとは反して、その頭数は年々減少傾向にあります。
そのため、天然記念物北海道犬保存会が中心となり、北海道犬の展覧会や檻の中のクマに対してどのような闘争姿勢を示すかを評価する獣猟競技会も行われ、後世に残す活動へ取り組んでいます。
◆ソフトバンクのCM 「お父さん犬」
真っ白なフォルムに凛々しい顔の北海道犬が俳優の北小路欣也さんの渋い声とマッチしていて、CMが流れるたびに、ついついあなたも釘付けになったのではないでしょうか?
初代ソフトバンクのお父さん犬は、北海道犬のカイくんが起用されています。
その後、カイくんは2014年まで約7年間活躍していました。その後、2016年に16歳の大往生で、天国へ旅立っています。
現在の2代目お父さん犬は、カイくんの息子であるカイトくんとカイキくんが立派に務めています。
今後もお父さん犬として活躍する北海道犬のカイトくんとカイキくんの2匹からは目が離せませんね。
北海道犬の生態
次に、北海道犬の生態についてご紹介します。
◆北海道犬の外見
北海道犬は、日本犬ではメジャーな柴犬よりも大きい中型犬になります。
日本犬特有の三角のたち耳と巻き尾か差し尾を持ち、少しつり目でつぶらな瞳で凛々しい顔立ちをしています。
また人間でいうと、蒙古斑と同じような舌斑という舌に黒い痣のような模様がある仔が多いことも、北海道犬の特徴のひとつです。
◆北海道犬の被毛
北海道犬は、元々寒冷地である北海道で暮らしてきた犬種です。
そのため、被毛は硬くて直毛な上毛と柔らかく短い下毛のダブルコートで寒冷地の冷たい風を通さない構造になっています。
また北海道犬は、ソフトバンクのお父さん犬のような白色がポピュラーな毛色です。しかし、赤・黒・黒褐色・虎(灰色に渦をまくような模様)・胡麻(茶や白が混ざった色)といった毛色もあり、バラエティーに富んでいます。
◆北海道犬の大きさ
北海道犬は一般的に中型犬に分類されますが、中型犬の中でもやや大きめです。
成犬の体重はオス20㎏、メス15㎏で、体高はオス48.1∼51.5㎝、メス45.5∼48.5㎝とオスの方が体格は大きめになります。
◆北海道犬の体臭
北海道犬は毛質がダブルコートと風を通さない構造から、体臭はニオイやすいです。
◆北海道犬の他の日本犬との違い
北海道犬は、他の日本犬よりも寒さに対して非常に強い体を持ちます。
冬は氷点下で、雪深くなる北海道の地でも、体で道を切り拓き、獲物を追うなどの寒さの中でも自由に動き回れることが例として挙げられます。
北海道犬の性格
北海道犬の性格は他の日本犬と同様に、とても賢くて主人には忠誠心が強いが、それ以外の者には強い警戒心から懐きにくいといえます。
また、古くから狩猟犬として活躍していたことから、体力にはスタミナがあり、運動は大好きです。
一方狩猟では、勇敢に自分より大きいヒグマやエゾシカなどの大型獣を相手にしていたことから、気性が荒い犬種です。
北海道犬を家族に迎えるには
次は、実際に北海道犬を家族の一員へ迎え入れるための飼い方についてご紹介します。
◆北海道犬の購入場所と価格相場
北海道犬の子犬は、ペットショップやブリーダーから購入することが一般的です。
価格としては、だいたい10∼30万円前後になります。
ただし、ペットショップかブリーダーなど購入する場所によって、価格には差が生じます。
まずは、ペットショップのホームページやブリーダーを探せるサイトから北海道犬の子犬の情報を調べてみることから始めても良いと思います。
北海道犬の飼い方
◆北海道犬の飼い方①飼育環境
北海道犬は毛質がダブルコートのため、寒冷地にはとても強い犬種です。
しかしその反面、暑さにはとても弱いです。
特に近年の日本の夏は、猛暑日が続くこともあり、北海道犬にとって生きにくい環境です。
よって、北海道犬は夏には冷房の効く、涼しい場所で飼育することが必須になります。
◆北海道犬の飼い方②食事
北海道犬は、狩猟犬のため、骨格はしっかりし、筋肉質な体つきをしています。
そのため、高たんぱく・低脂肪で栄養バランスがとれた食事を与えることが大切です。
◆北海道犬の飼い方③運動
北海道犬は、かねてより北の大地を自由に動き回っていた犬種です。
体力にスタミナがあり、ストレス解消や病気の予防のためには、適度な運動量が必要です。
最低でも、毎日30∼50分程度の散歩をしてあげましょう。
また休日には自由に走り回れるドックランなどに連れて行ってあげることもオススメな方法です。
◆北海道犬の飼い方④寿命
北海道犬の平均寿命は、13∼15歳です。
これは、一般的な中型犬が10∼14歳であることと比べても、ほぼ変わりはありません。
◆かかりやすい病気
皮膚病
北海道犬の被毛は、ダブルコートで熱がこもりやすいことから皮膚炎になりやすいです。
皮膚炎になると、かゆみ・湿疹・脱毛といった症状が生じるようになります。
加齢による病気(白内障・心臓病・関節炎)
犬も人間と同様に、加齢により体の至る所の機能が低下し、白内障や心臓病、関節炎といった病気を発症しやすくなります。特に北海道犬は白内障になりやすい犬種となっているため、注意が必要です。
なお飼い犬の健康は、飼い主が責任を持って守る必要があります。
いつもと何か違うと思ったら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
北海道犬のお手入れ
日頃からこまめなお手入れは、健康管理だけでなく、犬とのコミュニケーションを取り、信頼関係を気付くためには大切なことです。
◆北海道犬のお手入れ①ブラッシング
北海道犬は、被毛がダブルコートで抜け毛がそのまま残ることや毛玉になりやすいです。
そのため、日頃からこまめなブラッシングが必要になります。
特に、換毛期にあたる春から7月頃にかけてと、秋から11月にかけての年2回の時期は入念なブラッシングをしてあげましょう。
◆北海道犬のお手入れ②シャンプー
北海道犬は短毛のため、比較的自宅でもシャンプーはしやすいです。
2∼3カ月を目安にシャンプーをして毛穴の皮脂や汚れを落としてあげましょう。
ただし、シャンプー後の乾燥が不十分であると、皮膚炎にもなりやすくなります。しっかり下毛まで、乾かすようにしましょう。
◆北海道犬のお手入れ③爪切り
犬の爪は人間と同じように放っておくと、伸び続けます。
散歩で外を歩くことがあれば削れますが、地面に着くことのない犬の親指(狼爪)は伸び続け、そのまま硬くなってしまいます。硬くなった爪は折れやすく、肉球に刺さってケガをする可能性や歩行に悪影響を与えることがあります。
そのため、定期的にシャンプー後の爪が柔らかいときに犬用の爪切りで切ってあげるようにしましょう。
◆北海道犬のお手入れ④耳掃除
北海道犬は立ち耳のため、耳垢は溜まりにくいです。
しかし、日頃から自宅でのシャンプーだけで済ませている場合には、耳掃除が必要です。綿棒にイヤークリナーをつけて耳垢を取ってあげましょう。その際、奥まで入れると耳垢がかえって押し込まれてしまうことになるので、注意して下さい。
北海道犬のしつけ
犬を飼って一緒に暮らしていくためには、様々なしつけが必要になります。
その中でも、北海道犬のしつけで大切な2つをご紹介します。
◆人へ危害を加えないようにしつける
北海道犬は、古くから狩猟犬として重用されていたことから吠えやすく、噛む力はとても強いです。
また警戒心が強いことから、家族以外のものに対して、無駄吠えや噛みつくなどの問題行動も起こしやすいです。
無駄吠えが多いことで近所迷惑なってしまうことがあります。
また万が一来客者に噛みついてしまった場合には、大けがにもつがなってしまいます。
そのため、子犬の頃より様々な人や動物と触れさせ、社会性を身につける。また遊びの中で、人を噛んではいけないことを学ばせるしつけが大切になります。
◆室内での排泄トレーニング
北海道犬を含め、散歩をする習慣のある犬は、散歩で排泄を済ませる傾向が高いです。
しかし、悪天候で散歩に行けない時もあるかと思います。でも「散歩へ行かないと、排泄しなくて困るから」と仕方なく、悪天候でも散歩に行かなければなりません。
そのため、子犬の頃より室内でペットシーツに排泄できるようにトレーニングしておくことが大切です。
まとめ
今回は、寒冷地でもたくましく生きることが可能な北海道犬の魅力的な生態と飼い方を中心にご紹介しました。
北海道犬は主人には忠実で、懐くと愛情深い犬種です。
ぜひ、北海道犬を新しい家族として迎え入れる際には、本記事を参考にしていただけると嬉しいです。
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