1.鰹とはどんな魚?
3.犬は「鰹」を食べてもOK!でも注意ポイントも…
3-1.ポイント①:骨をしっかり取ってから
3-2.ポイント②:細かく刻んで食べやすいように
3-3.ポイント③:生で与えず“加熱”が基本
3-4.ポイント④:大量に食べさせない
3-5.ポイント⑤:初めて食べるときはアレルギーを確認
6.鰹以外で犬が食べられる魚は?
6-1.マグロ
6-2.鮭(さけ)
6-3.鯛(タイ)
6-4.鱈(タラ)
6-5.鯖(さば)
鰹とはどんな魚?
鰹の旬は、1年に2回あります。
1回目の旬は3~5月の春で「初鰹」と言います。
脂はそれほどでもなく、あっさり系の味わいです。
その後、鰹は北上していきますが、産卵をするために秋に向けて南下をして戻ってきます。
2回目の旬は9月頃で「戻り鰹」と呼ばれ、脂がたっぷり。
産卵の準備で肉付きがよくなっているため、まるで“トロ”のような美味しさです。
秋に捕れる鰹は、秋を代表する味覚として、多くの人から親しまれています。
鰹の栄養は?
栄養価が高い鰹は、「美味しい」だけでなく、「健康効果」まで期待できる魅力的な魚です。
鰹の主な栄養価は、
◎カルシウムの吸収をサポートする「ビタミンD」
◎代謝を高めて健康維持のために役立つ「ビタミンB」
◎脳の活性化を促進する「DHA」
◎血の巡りをよくする「EPA」
などがあると言われています。
栄養がたくさんある鰹は、食べることで美味しさはもちろん、健康にもプラスに良いことがありそうですね。
犬は「鰹」を食べてもOK!でも注意ポイントも…
人間にとって栄養価が高い鰹は、ワンちゃん達にとっても健康面でプラスになるお魚です。
ただ、人間と犬では、体のサイズや構造がだいぶ違います。
食べ方によっては、犬の健康を害してしまう恐れもあるので注意が必要です。
犬は与えられたものをパクパク食べてしまうため、飼い主さんの方できちんと注意点をおさえておきましょう。
◆ポイント①:骨をしっかり取ってから
人間の場合、骨が残っている魚を食べてしまっても「骨があった」と手で取って口から出すこともできますよね。
でも、犬の場合、すぐにゴクリと飲み込んでしまうため、小さな骨が残っていると大変です。
口内はもちろん、喉を通過するときに刺さって傷がついてしまうかもしれません。
自分で骨を取り除けないワンちゃんに鰹をあげるときには、小さな骨までしっかりと取ってあげてくださいね。
◆ポイント②:細かく刻んで食べやすいように
骨を取るだけでなく、犬が食べやすい状態にしてあげましょう。
特に、超小型犬や小型犬は口のサイズが小さいです。
小さな口なのに、犬は「ゆっくり味わって食べよう」と考えながら食べるわけではなく、ガツガツと急いで口に入れることも多いですよね。
勢い余って喉につまると大変です。
できるだけ細かく刻み、ワンちゃんが食べやすいようにしてあげましょう。
◆ポイント③:生で与えず“加熱”が基本
ネギやしょうが、大葉、ミョウガ、玉ねぎなどを刻んで乗せた「鰹のたたき」は、鰹の食べ方の定番です。
もちろん、シンプルに刺身で食べてもさっぱりして美味しいですよね。
しかし、それは飼い主さんだけの食べ方として、ワンちゃんには生で与えることはやめましょう。
★生がNGの理由その1:寄生虫「アニサキス」のリスクがあるから
生で食べるリスクは、鰹の内臓にいるかもしれない「アニサキス」という寄生虫です。
アニサキスは、そもそもは内臓に寄生しています。
しかし、鰹が死んで鮮度が悪くなれば筋肉へと移るのだとか…。
そのため、早めの処理が必要なのです。
スーパーで内臓処理、アニサキス除去後に冷凍されたものは比較的安心ですが、それでも鰹を食べ慣れていないワンちゃんに与えるのは不安ですよね。
アニサキスが体に入ると、嘔吐や下痢など食中毒症状が現われるかもしれません。
冷凍されていた鰹をさらに加熱処理をしたものが予防になります。
新鮮な鰹を自分で処理する場合には、早めにアニサキスを取り除く作業をしたうえで、“犬に生で与えない”を守ってくださいね。
★生がNGの理由その2:ヒスタミン中毒のリスクがあるから
鰹のような赤身の魚を食べるときに、ヒスタミン中毒のリスクがあります。
赤身の魚には、ヒスタミンのもととなる「ヒスチジン」が含まれています。
このヒスチジンは、ヒスタミン産生菌という酵素によって「ヒスタミン」へと変化。
多くの場合、常温で放置したり、解凍したものを再び冷凍したりなど、保管状態が悪いものはヒスタミンを増殖させる原因となるようです。
ヒスタミンが犬の体に入ってしまうと、
◎顔や口が腫れる
◎下痢や嘔吐
◎体に炎症
などの症状が起こります。
呼吸困難や意識朦朧など、重症化することもあるので注意が必要です。
◆ポイント④:大量に食べさせない
食欲のあるワンちゃんなら、「もっと食べたい」とたくさん食べたがるかもしれません。
秋の味覚を一緒に味わえるのは嬉しいですよね。
でも注意したいのが食べ過ぎです。
犬の胃腸は小さく、人間並みの量を与えるのは消化不良の原因にもなるでしょう。
また、鰹を大量に食べることで「黄色脂肪症」を発症するリスクも高まるので注意しなければなりません。
黄色脂肪症は、不飽和脂肪酸の過度な摂取で起こるかもしれない病気。
先ほどお伝えしたDHAやEPAも不飽和脂肪酸です。
少しの摂取であれば、体にとって良い影響があるものの、“摂取しすぎ”では怖い症状を引き起こす可能性を高めてしまいます。
症状としては、「毛のツヤがなくなる」「お腹にしこりができて痛くなる」などです。
しこりの痛みから、触れられそうになると極端に拒否することもあります。
犬は人間よりも小さい生き物だという点を忘れないように、人間並みの量を与えるのはやめましょう。
◆ポイント⑤:初めて食べるときはアレルギーを確認
初めて鰹を食べさせるときには、アレルギー症状に気をつけなければなりません。
個体差があるので、なかには「鰹が体に合わない」という犬もいるでしょう。
アレルギー症状は、犬の体のなかで「これはこの体にとって異物だ!」と反応していることで起こり、発疹やかゆみが全身に現れることがあります。
また、吐いたり下痢をしたりなどの症状も起こるかもしれません。
まずは、ほんの少し与えて、愛犬の体に異変がないかをチェックしてあげてくださいね。
もちろん、鰹節も食べてもOK!
鰹が原材料となる「鰹節」も、ワンちゃんが食べても大丈夫の食材です。
鰹節の場合、「骨を取る」「小さく切る」「加熱する」という手間がないため、気軽に食べさせられそうですね。
鰹節は、とても香り豊かな食材。
私たち人間でも「美味しそう!」と食欲をそそられるので、ワンちゃんも喜びそうですよね。
しかし、鰹節の注意点として「塩分」があります。
鰹節に含まれている塩分量は、人間ならそれほど気にする必要はありません。
ただ、犬の場合、塩分をあまり外に出せないため、大量に食べさせないようには気をつけたいところです。
特に、腎臓の病気を抱えている子は、注意してくださいね。
ドッグフードへのトッピング程度に考えておくといいかもしれませんね。
そのまま食べさせたり、鰹節でとった出汁をドッグフードに混ぜて香りづけにするのもいいでしょう。
また、「人間用の鰹節」に不安を感じる飼い主さんもいるかと思います。
そんなときには、さらに塩分がおさえられている犬用の鰹節を選んでみるのもおすすめです。
安心して与えられそうですね。
猫は鰹を食べられる?
犬が鰹を食べられるなら、猫はどうなのでしょうか?
猫と言えば「魚が好き」というイメージがありますよね。
野生の猫が海辺でパクっと魚を加えている姿をテレビなどで見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
猫は魚が好きですが、体にとってどんな魚も食べてもOKというわけではありません。
なかには「食べると危険」という魚もあります。
それでは、鰹はどうなのでしょうか。
犬も食べられる「鰹」は、猫が食べても大丈夫な魚のひとつです。
ただし、犬と同様に、
●アレルギーに注意
●生はアニサキスのリスク
●大量に与えると黄色脂肪症になるかも
という注意点がいくつかあります。
鰹以外で犬が食べられる魚は?
次に、鰹のほかにワンちゃんが食べられる魚をいくつかお伝えしていきます。
◆マグロ
鰹と同じ赤身のお魚「マグロ」は、ワンちゃんが食べてもOKの魚です。
食べる部位によって、たんぱく質やEPA・DHAなど、栄養価もたくさん含まれています。
成長期はもちろん、脳の健康のためにもシニア期のワンちゃんでも健康効果が期待できるお魚です。
◆鮭(さけ)
おにぎりの具としても大人気の「鮭」も、犬に食べさせることができる魚のひとつです。
鮭には抗酸化作用を持つ「アスタキサンチン」や、免疫をアップ、脳の活性化にもつながる「オメガ3系脂肪酸」が含まれ、健康的にもよい効果がある魚と言えるでしょう。
しかし、犬に与えるうえで注意したいのが「塩鮭はNG」という点です。
犬に与えるために鮭を買うときは、塩がふられていない生鮭を選びましょう。
◆鯛(タイ)
白身魚の「鯛」も犬が食べても大丈夫な魚です。
鯛は豊富なたんぱく質が含まれ、皮膚の健康にも役立ちます。
心臓を強化したり、肝機能を高める効果を持つタウリンも入っています。
脳の働きを良くするDHA、血液の流れをよくして動脈硬化を防ぐEPAといったオメガ3系脂肪酸も注目したい成分です。
◆鱈(タラ)
冬に旬の「タラ」は、鍋物の主役にもなる美味しいお魚。
ワンちゃんも食べることが可能です。
たらには、
◎カルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」
◎抗酸化作用がある「セレン」
◎基礎代謝を高めて成長をサポートする「ヨウ素」
など嬉しい栄養素がいっぱいあります。
100グラムあたりのカロリーも100キロカロリー以下とあって低カロリー。
とてもヘルシーなお魚です。
◆鯖(さば)
鯖も、犬が食べることができる魚です。
DHAやEPAを多く含む魚として知られています。
そのほか、骨の健康が期待できる「ビタミンD」も嬉しい成分です。
魚を食べるときの注意ポイントをおさえておこう
秋に旬を迎える鰹をはじめ、犬が食べてもOKの魚はたくさんあります。
ただ、魚を食べさせるときには、注意しなければならないポイントも多いです。
すべてのお魚に共通して言えることは、
●生で与えないようにする
●喉に詰まらせないように刻んでから
●大量にあげるのはNG
●塩分など味付けされていないものを与える
●アレルギー症状が出ないか初めにチェック
など注意点を守ることです。
魚を原料にしたドッグフードも!
ワンちゃんは「肉が好きそう!」というイメージもありますよね。
でも、お伝えしてきたとおり、魚も食べることができます。
そのため、肉だけでなく、魚を原料としているドッグフードも市販されています。
魚系のドッグフードは、「肉が苦手…」「肉アレルギー」というワンちゃんたちの食事としてもぴったりです。
また、たんぱく質はもちろん、血流促進や脳の活性化をもたらす「DHA・EPA」という成分が含まれていることも多く、シニア期に突入して脳の衰えが気になるワンちゃんへの食事としても魅力があります。
まとめ
鰹は、ワンちゃんも食べることができる魚です。
栄養価も高いので、鰹が旬になる秋になったら一緒に楽しむこともできるでしょう。
ただ、犬には人間のように食べさせることは残念ながらできません。
鰹の刺身を一緒に…という楽しみ方はできませんが、「骨を取る」「茹でる」「細かくカット」など、ひと手間加えることで安心して食べさせることができます。
また、栄養価が高いとは言え、大量に与えると胃腸への負担が心配です。
くれぐれも適量にとどめ、犬が安心して食べられるように小さくしてあげましょう。
ときどき、いつものドッグフードに軽くトッピングしてあげたり、おやつとして食べさせるのも特別感があってワンちゃんも喜びそうですね。
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