1.キツネみたいな犬5選
1-1.柴犬
1-2.コーギー
1-3.スピッツ(フィニッシュスピッツ)
1-4.ポメラニアン
1-5.シベリアンハスキー
【掲載:2022.09.16 更新:2023.02.21】
キツネみたいな犬5選!
ご存知の方がほとんどかと思いますが、キツネみたいな犬と呼ばれている犬たちは、その行動や習性がキツネによく似ていることから、そう呼ばれているわけではありません。
「三角形の立ち耳」「鼻先にかけて尖っている吻」「ふさふさとしている被毛」といった、キツネと同じような見た目の特徴を持っているところから、キツネみたいな犬と呼ばれています。
それでは、キツネに似ている犬種はどのようなものがいるのか、見てみましょう。
◆柴犬
柴犬はキツネに似ている犬種の代表格と言えるでしょう。被毛はレッドやクリーム、ごま、黒などさまざまですが、キツネの被毛に似ているのは、レッドの色味です。
ピンと立った耳や鼻先にかけてスッと伸びたマズル、ふさふさとしている尻尾はまるでキツネのようですね。
そんな柴犬には、「キツネ顔」「タヌキ顔」と顔の系統が大きく分けて2タイプあります。
キツネ顔と呼ばれる顔つきの柴犬は「山陰柴」や「縄文柴」に多いといわれています。これらは骨格が似ており、穴の中に顔を入れて獲物を見つけることが得意な種類です。
キツネ顔の特徴として最も分かりやすいのが、>面長でシャープな顔立ちをしている点です。
目元から鼻や口にかけての部分(マズル)が長く、シュッとしている印象があります。
キツネ顔とよく比較されるのが「タヌキ顔」ですが、タヌキ顔はキツネ顔とは対極の顔立ちで、丸顔でマズル部分も短めなので全体的にふっくらしたような印象です。
キツネ顔を美人系タイプとしたら、タヌキ顔はかわいい系タイプと言えるでしょう。
日本だけでなく海外でも人気が高い柴犬ですが、その歴史は古く、原始時代に日本列島に移住してきたタイミングで柴犬も一緒にわたってきたと言われています。現在ではさまざまな海外犬との配合が進んでいるため、純粋な柴犬が少なくなってしまっているようですが、柴犬のみで交配を行い繁殖させる動きをおこなっている団体もあります。
飼育時のポイントとしては、とにかくたくさん遊ばせてあげることです。柴犬はとても元気で散歩に行ったり走りまわることが好きな個体が多いので、1日2回くらい散歩に連れて行ってあげられると好ましいです。
また、柴犬には換毛期があります。被毛は短毛ですが、換毛期になると抜け毛が増えて部屋のあちこちにまき散らしてしまうこともあるので、ブラッシングはこまめにやってあげると良いですよ。
◆コーギー
コーギーも柴犬と同じように被毛の色がレッドで、大きな耳とプリプリなおしりがとてもキュートなワンちゃんです。
日本ではしっぽが切られていることが一般的ですが、海外ではしっぽを残しているコーギーも多いです。しっぽが切られていないコーギーはふさふさとしたしっぽを持っていて、ますますキツネに似ています。
しっぽを切られていることが多い理由は、元々コーギーは牧畜犬だったからです。牧畜犬とは、牧場で家畜たちを見守ったり誘導したりする役割を持つ犬を指します。コーギーのしっぽはキツネのように長く太いので、家畜に踏まれてしまわないようにしっぽを切っていたようです。
飼育する際は、吠え癖に注意しましょう。牧畜犬として家畜の見張り役をしていただけあって吠える声は太く大きいです。なぜ吠えているのか考え、ストレスからなのか警戒しているのかを判断できると効果的なしつけができますよ。
とても活動的で元気なワンちゃんなので、たくさん散歩に行かせてあげましょう!
◆スピッツ(フィニッシュスピッツ)
画像:株式会社コジマ アニマル図鑑より引用
スピッツにはさまざまな種類がいますが、特に「フィニッシュスピッツ」はキツネに似ています。
耳がピンと立っていて被毛はレッド系、体長もキツネくらいのサイズなので、パッとみたときにキツネに見えるほど、とてもよく似ています。
フィニッシュスピッツはフィンランド原産の犬種で、狩猟犬として活躍していました。寒い環境でも生活できるようにダブルコートの被毛になっています。
フィニッシュスピッツは日本であまり見かけない種類ですが、同じスピッツという括りでは、白いスピッツを交配させ小さく改良した「日本サモエド」がいます。
◆ポメラニアン
さらさらな毛並みとくりっとしたかわいらしい目を持つポメラニアンにはあまりキツネ顔の印象がないかもしれませんが、実はポメラニアンにも「キツネ顔」「タヌキ顔」があります。
ポメラニアンの先祖はスピッツです。前述の通り、スピッツもキツネに似ている要素がありましたね。
ですので、ポメラニアンの中でもスピッツの特徴がよく出ている個体はキツネに近しい顔つきをしています。身体もあまり大きく成長しない犬種の為、イメージがないかもしれませんが、キツネを感じさせる顔つきの個体の方が本来のポメラニアンの顔に近いというわけです。
ポメラニアンは交配によってマズルが短く、まん丸な顔をしたタヌキ顔の子が誕生しています。これは愛犬家のビクトリア女王によって交配が進められ、生まれるようになったといわれています。
ビクトリア女王はいろいろな種類の犬の中でもポメラニアンを特に愛し、さらに小型化をはかるために交配を重ねたようです。
体格が小さく屋内飼育しやすいポメラニアンですが、とても賢いワンちゃんなので良いことと悪いことの区別を幼いころから教えてあげないとイタズラ好きな子に育ってしまいます。悪いことをしたら落ち着いて叱りつけ、正しいことをしたら思い切りほめてあげましょう。
◆シベリアンハスキー
最後にご紹介するのはシベリアンハスキーです。ハスキーといえばグレーの被毛なのでキツネよりオオカミに似ているかもしれませんが、グレー以外にもさまざまな被毛をもった個体がいます。
ご紹介したほかの犬種と同じように、レッドの被毛を持つハスキーはキツネとそっくり。体格もキツネとおなじくらいの大きめサイズなので、初見だとキツネと見間違えてしまうでしょう。
ロシアのシベリアが原産地で、極寒の中でソリを引いたり番犬として人間を守る役割を持っていました。ロシアで病気が流行した際に、吹雪の中でハスキーたちが1000キロ以上もの距離をリレー方式でソリを引き、血清を運んだ伝説を残しています。
きりっとしていて凛々しい顔立ちのハスキーですが、見た目に反して性格は温厚です。人間にも友好的なのであまりしつけに苦労することはないかと思いますが、ほかの犬種よりもやや覚えるのが苦手な傾向なので、根気強くしつけてあげると良いですよ。
ハスキーは大型犬で力が強く、かなり体力もある犬種なので、散歩中もときどき飼い主様を引っぱろうとする動きがみられます。自分が行きたい方向にどんどん進んでしまうと危ないので、飼い主様の後ろをついてくるように練習が必要です。また、原産地がロシアということもあり暑さには弱いことは認識しておきましょう。
小さなキツネが犬にそっくり!
キツネに似た動物として犬が挙げられますが、反対にキツネが犬と間違われるという事もあります。
実は、子キツネと子犬は非常によく似ています。過去には子犬だと思って保護した動物が、育てているうちにキツネと判明したというニュースもあったほどです。これには「ベビースキーマ」が関係していると考えられています。
ベビースキーマとは、幼い動物が持つ身体的特徴のことで、動物行動学者のコンラート・ローレンツが提唱した概念です。
人が赤ちゃんを見たときに、人種や好みなど関係なくかわいいと思ってしまう本能的なものはこのベビースキーマよりきています。
ベビースキーマの特徴はいくつかあります。これらの特徴は人間に限らず、さまざま動物にみられます。
- 体全体をみたときに頭の割合が大きい
- 目と鼻が顔の低い位置にある
- 丸く大きな目をしている
- 頬がふっくらしている
- 手足が短い
たしかに子犬や子キツネを見てもこの特徴が当てはまりますよね。大人になったキツネはマズルが大きかったり目が細かったりしているので、成長するにつれてキツネらしい特徴になっていきますが、子キツネは一見すると子犬と見間違えてしまうくらい特徴が似ています。
犬とキツネの似ている部分
これまで見た目が似ているというところに着目して、キツネみたいな犬を紹介してきましたが、なぜ犬とキツネの見た目は似ている要素があるのでしょうか。
犬と同じく、ペットとして身近な動物としては猫が挙げられますが、猫と犬では見た目が全く異なりますよね。
ここでは犬とキツネ、それぞれの特徴を見ながら、共通点を紹介します。
◆分類
犬「動物界 脊椎動物門 哺乳網 食肉目 イヌ科 イヌ属」
キツネ「動物界 脊椎動物門 哺乳網 食肉目 イヌ科 キツネ属」
生物分類学的階級からそれぞれの動物を見てみると、犬とキツネは「イヌ科」という同じ括りで、生き物としてかなり近しい関係ということが分かりますね。
ちなみに、猫は「食肉目 ネコ科 ネコ属」に分類されます。
犬・猫・キツネに共通している、食肉目というのは基本的に肉食で知能が高く、捕食するための感覚器が発達している哺乳類のことを指します。
こうして見てみると、犬とキツネは食肉目よりさらに狭い括りである「同じ科」に属していますので、やはり犬と猫の関係よりも、犬とキツネの方が生物として似ていると言えます。
このキツネと犬は同じ科であるということが、犬とキツネの見た目が似ている一つの要因と言えるでしょう。
◆生態
犬とキツネの野生下での生態を見比べてみるとこのような違い・共通点があります。
【キツネの生態】
・単独もしくは家族で生活するため群れをつくらない
・夜に狩りなどを行う夜行性
・世界各地の森林や草原で生息している
・小動物や鳥、昆虫などいろいろなものを食べる雑食
・穴を掘って捕食したエサを穴に隠す
【犬の生態(野生の犬の場合)】
・群れをつくって生活する
・活動時間はさまざまだが、野生の犬は夜行性の場合が多い
・森林や山奥で生活している
・さまざまな動物や穀物などを食べる雑食
・穴を掘って身を隠したりエサを隠す
犬は群れを作ったり周りとよくコミュニケーションをとる動物ですが、キツネは猫と同じように群れを作らず、生きる動物です。
生態については、生活の時間帯や穴を掘るといった行動面で似た部分はありますが、社会性の部分で大きく異なっていますね。
◆キツネはペットとして飼えるのか
前述の通り、キツネは群れを作らない動物です。
可愛らしい見た目をしていて、犬と似ている部分もあることから、ペットとして飼いたい!と思う方も多いかと思いますが、キツネは現在もあくまで野生動物であり、犬のようにペットとして飼うことは基本的には出来ません。
また野生のキツネにはエキノコックスという寄生虫が寄生していることがあり、そのキツネに触れたりフンに触ることで人間にも病気が感染する可能性があります。野生のキツネは警戒心が高いので、触れることもあまりないとは思いますが、見かけても安易に近づいたり触ろうとしないようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はキツネに似ている犬種を中心にご紹介しました。どの犬種もキツネに似ている部分があってかわいらしいですよね。
キツネ顔が好きな方は、キツネではなく今回ご紹介した犬種を飼育するのがおすすめです。飼育方法などの情報が豊富ですし、動物病院で対応してくれる場所が多いので飼育しやすいと思います。
ワンちゃんを飼っている方もこれから飼いはじめる方も楽しいペットライフをお過ごしください♪
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