犬は12時間留守番できる?!リスクや注意点は?

2025.03.23

犬は12時間留守番できる?!リスクや注意点は?

現代では、ペットを飼っているほとんどの家庭で、愛犬が留守番をしなければいけない時間・状況があるのではないでしょうか。今回注目するのは、そんな犬のお留守番についてです。どれくらいの時間可能なのか、またそのリスクや注意点などを紹介していきます。愛犬に留守番をさせる前に、必ずチェックしておきましょう!


犬は12時間の留守番が可能?

留守番中の犬

何時間の留守番が可能であるかは、犬によって違います。このことから、12時間の留守番が不可能だとも言い切れません。犬の年齢・健康状態・性格や留守番の環境によって、問題なく留守番ができるかどうかは変わってくるのです。

しかし長時間の留守番には、それなりのリスクが伴うため、しっかりとした準備や訓練が必要となります。愛犬の様子をみながら、適切な時間を探っていくことが重要なポイントとなるでしょう。

◆犬の一般的な留守番時間の目安

平日共働きの家庭を例に挙げると、1日に9〜10時間程度の留守番が週に5日あると考えられます。もちろん仕事や飼い主不在となる時間は家庭によって違いますが、長時間の留守番を愛犬がしなければならないことに変わりはないでしょう。

犬に大きなストレスを与えずに長時間の留守番をさせるための重要なポイントは、実は排泄のタイミングにあります。排泄の回数や時間は犬の年齢によって異なるので、このポイントを基にして、ライフステージごとの留守番時間の目安を紹介していきましょう。

◎子犬の場合
子犬は3〜5時間おきに、排泄リズムがあります。このため、トイレトレーニング中に留守番をさせる場合は、短時間(3時間以内)に収めることが推奨されます。
生後3ヶ月を過ぎると排泄間隔が開いてきてリズムが生まれ、一般的には月齢が排泄間隔の時間となるでしょう。例えば、生後5ヶ月となれば排泄間隔は5時間、という風に考えられるというわけです。

◎成犬の場合
成犬(1歳以降)になると排泄や食事の間隔が開いてくるため、一般的には6〜8時間程の留守番が可能になると考えられています。
ただし、飼育環境・留守番の頻度などによって、この時間の長さは異なってくるでしょう。
普段から落ち着いた環境下で生活しており、尚且つ、これまでにも留守番の機会が多かったワンちゃんであれば長時間の留守番に耐えられる可能性は高まりますが、週に2〜3回程度で毎日留守番をしていない成犬であれば、思わぬ行動を起こす場合があるので注意が必要となるでしょう。

◎シニア犬の場合
高齢犬(7歳以上)でも健康状態に問題がなく元気であれば、基本的には成犬と同じように留守番ができると考えられます。
しかし、何らかの疾患や痛みなどの慢性的な病気・不調を抱えるようになったら、それまで普通にこなしていた留守番が苦手になり、平気で過ごすことが難しくなる場合があるのです。
粗相をしたり、鳴き続けたり、といった問題行動が起こる可能性も考えられるでしょう。
ペットカメラなどの遠隔モニターを使用して、こまめに様子を確認できる状態にしておくことがすすめられます。

尚、これらの時間は愛犬の体力・体調、部屋の室温など留守番場所の環境といった、さまざまな状態・状況によって大きく左右されます。個体差もあるため、短い時間の留守番中に限界を感じる子も中にはいるでしょう。
時間はあくまでも目安として、参考にしてください。


長時間の留守番が犬に与えるリスク

留守番を上手にできる子もいれば、苦手とする子もいますが、いずれの場合も愛犬にとって長時間の留守番はリスクを伴うものだといえるのです。
代表的な問題点を挙げていきますので、しっかり頭に入れておきましょう。

◆トイレができない

8時間以上の留守番をさせる場合、トイレに注意しなくてはいけません。
犬は基本的にきれい好きな動物です。トイレトレーニングができていたとしても、汚れたシートが放置される状況が嫌で排泄を我慢する子もいますし、一度使用したトイレシートに重ねて排泄をしない子も少なくありません。
成犬であっても長時間トイレを我慢することは、ストレスとなり、健康に悪影響を与えることともなります。留守番中は、広めのスペースにトイレシートをしいたり、複数箇所にトイレスペースを作るなどして、自由に排泄できる環境を整えるようにしてください。

◆心理的な問題

長時間の留守番によって、体調不良となるワンちゃんもいます。過度なストレス・不安が原因で消化器系が影響を受け、下痢や嘔吐などの症状が引き起こされるケースがあるのです。
重度のストレスによって見られる主な症状を紹介しておきましょう。

◎下痢
◎嘔吐
◎食欲低下
◎震え
◎痙攣
◎脱毛 …など。

ストレスによって上記の症状がみられる場合は、留守番できる環境を見直す必要があります。ストレスからイタズラをし、それが原因で事故が起こってケガをする可能性ももちろんあるでしょう。
事前に愛犬がリラックスできる時間を作ってあげることが効果的ですし、飼い主さんだけでの対処・対策が難しければ、必要に応じて動物病院に相談するのもおすすめです。
また、分離不安症の傾向がみられる場合は、適切な対応が必要となるため、しっかりと判断しなくてはいけません。いずれの場合もやはり、一度獣医師にアドバイスを求めてみましょう。

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◆運動不足

長時間の留守番で起こりがちなのが、運動不足です。
運動不足はストレスをためることとなりますし、体調不良に加え、いたずらや無駄吠えなどのさまざまな問題行動を起こす原因ともなります。日頃から運動が足りていない状況での留守番は、愛犬にも大きな負担がかかるのです。
毎日の散歩はもちろん、室内でも愛犬と一緒に遊んだりコミュニケーションをとる時間を必ず作りましょう。

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12時間犬に留守番させる際に必要な準備

長時間の留守番で起こりがちなのが、運動不足です。運動不足はストレスをためることとなりますし、体調不良に加え、いたずらや無駄吠えなどのさまざまな問題行動を起こす原因ともなります。日頃から運動が足りていない状況での留守番は、愛犬にも大きな負担がかかるのです。

◆トイレを用意する

トイレトレーニングとは、決められた場所で排泄できるようにする訓練です。このトレーニングが、愛犬を留守番させるために必要なしつけの一つとなるのです。トイレトレーニングは愛犬と共に生活する上でも欠かせないものなので、愛犬を迎え入れた時点でしっかりと行っておきましょう。

前述したように、留守番中は広めのトイレスペースを設けておくことが重要です。ストレスなく排泄できるように、トイレの配置場所や数、環境の整備をぬかりなくしておきましょう。トイレは犬用ベッドと離れた場所に配置するのがコツですよ。

ちなみに、留守番中に食糞をしてしまう子も中にはいます。人間から見ると食糞は異常行動のように思えるかもしれませんが、これは犬にとっては自然な行動であり、群れで生きていた時代からの名残だといえます。自分の寝床をキレイにする、外敵から身を隠す、などが習性からくる場合の理由となりますが、他にもさまざまな理由から起こる行動でもあり、健康上の観点からもよくはないので、対策をとることがすすめられるでしょう。

トイレトレーニングや食糞対策に関しては、詳しく紹介された記事もたくさんありますので、ぜひ情報を集めてみてください。

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◆食事や水の用意

留守番をさせる時間に応じて、十分な水分と食事を用意しておきましょう。水は倒れにくい容器に入れたり、複数用意しておくのがおすすめです。自動給水器があると尚良いでしょう。いつでも新鮮な水がたっぷり飲めるように、工夫をして下さいね。

さらに、愛犬の食事時間と飼い主さんの帰宅時間が合わない場合は、自動給餌器を利用する方法があります。近年では自動給餌器の性能も上がり様々な機能をもつものもありますので、ニーズに合った製品を選べるよう、色んな商品を比較してみてください。

尚、自動給餌器を使用する場合は、留守番の際に初めて使うのではなく、事前に問題なく使用できるか様子を見たり練習するようにしましょう。

◆ストレス解消できるおもちゃを用意

留守番中のストレスを軽減させたり、愛犬が留守番を受け入れられるように、留守番の時にだけ遊べるおもちゃなどのグッズを用意しておきましょう。留守番時間を退屈せずに過ごせたり、ストレスを解消する効果が期待できます。

ただし、飼い主さんが見ていない時に遊ぶおもちゃとなるため、安全性の高いタイプを選ぶ必要があります。壊れやすかったりパーツが取れやすいものだと誤飲する可能性がありますし、長すぎる紐状のものだと首に絡まる危険性があるのです。
これらの注意点をしっかり頭に入れ、長時間でも安全に遊べるおもちゃやアイテムをしっかり選んでくださいね。

ちなみに、留守番する時にだけもらえる特別なおもちゃがあることを認識させるため、そのおもちゃを出しっぱなしにはせず、帰宅後はすぐに回収することが重要なポイントとなります。

犬用の留守番おもちゃの選び方や注意点!おすすめおもちゃ3選 犬用の留守番おもちゃの選び方や注意点!おすすめおもちゃ3選

◆ペットカメラを設置しておくと安心

留守番中の愛犬の様子を確認できるように、ペットカメラを設置しておくと安心です。スマホと連動できるので、外出先から愛犬を見守ることが可能となります。こまめに状況を確認できるだけでも、安心感は格段に違うでしょう。

製品によっては、暗視・録画・写真撮影・音声送信機能などが付いていたり、おやつやフードを出せる自動給餌器にカメラが付いているタイプなどもありますので、さまざまなメーカーの商品情報をチェックしてみてください。

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留守番をサポートしてもらう

喜ぶ犬

長時間の留守番は愛犬にとっても寂しいものですし、飼い主さんからしても不安でかわいそうに思えますよね。しかし、長時間の留守番をさせなくてはいけない状況が避けられないケースも珍しくありません。
どうしてもその状況を回避できなかったり、愛犬が留守番を苦手としている場合は、可能な限り以下の対策法をとるようにしましょう。

◆家族や友人に来てもらう

家族や友人のサポートを受けられる場合は、留守中に短時間でも訪問してもらえると安心です。トイレシーツを取り替えてもらうだけでも、愛犬がトイレを我慢する時間が短くなる場合もありますし、懐いている相手であれば何より寂しさから解放されて喜んでくれるでしょう。
周りに信頼できる友人や、訪問可能な家族がいないか確認しておくのがおすすめです。緊急を要する万が一の事態の備えとしても効果的ですよ。

◆ペットシッターに来てもらう

ペットシッターとは、飼い主さんの不在時などに愛犬のお世話をしてくれるサービスです。留守番のサポートをお願いすることも可能なので、とても便利でありがたいサービスですよ。
シッターが自宅に来てくれるので、愛犬は普段と変わらない環境で過ごすことができます。環境が変わるとストレスを感じる子も少なくないので、そういった性格のワンちゃんには向いているでしょう。

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◆ペットホテルに預ける

ペットホテルはその名の通り、ペットを預かってくれる宿泊サービスです。旅行などで利用する方が最も多いと思いますが、日帰りや一時預かりとして利用できるところがたくさんあります。長時間の留守番が心配な場合は、こういった施設を活用するのもおすすめです。

ただしサービスの内容は店舗によってさまざまなので、利用する前にしっかり調べておきましょう。トイレ・ごはんなどのお世話に加えて、散歩のサービスがあったり、有料オプションとして組み込める場合もあります。
尚、1日中狭いクレートやケージ、サークル内での預かり、というケースも少なくないので、預かり環境についてもチェックしておいた方がよいでしょう。
不明点や不安な部分は、事前にきちんと問い合わせるなどして確認してくださいね。


まとめ

ワンちゃんは長時間の留守番ができないわけではありません。しかしそれは、健康状態や年齢、性格によっても大きく左右されるものだということをしっかり認識しておきましょう。

留守番をする場所が快適な環境であるかも重要なポイントとなります。エアコンなどを活用して、愛犬が過ごしやすい空間を提供するようにしてくださいね。
考えられるトラブルに対して適切な対策をしておくこと、留守番する環境を整えておくこと、きちんと留守番できるよう一緒に訓練しておくことがとても大切なのです。

必要であれば利用できるサービスからサポートを受けることも検討しましょう。何よりも愛犬の安全・安心に配慮して、留守番をしてもらえるよう努めてください。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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