1.野生のカラスの飼育は原則禁止
2.カラスを飼いたい場合どうすればよいのか
2-1.鳥類を扱うショップでお迎えをする
2-2.鳥獣保護管理法で定められた方法で捕獲する
4.カラスを飼育する方法
4-1.サイズが大きいため、十分な飼育スペースが必要
4-2.知能が高く好奇心が旺盛
4-3.野生の場合、感染症や雑菌の危険がある
5.日本に生息するカラスの種類
5-1.ハシブトガラス
5-2.ハイボソガラス
5-3.ハシブトガラスがビル街や住宅地に住めるようになった訳
野生のカラスの飼育は原則禁止
野生のカラスは鳥獣保護管理法により捕獲禁止です。
しかし野生のカラスは『狩猟鳥獣』にも指定されているので、一時保護をしたり、許可を得て正しい手順を踏めばペットとして飼育することは可能になります。
ですが、野生化しているカラスはそう簡単には人間に慣れることはないのです。
もともと野生のカラスはペットに適した性格をしていないので、飼育にも相当苦戦すること間違いなしです。
憶えておいてほしいことは、野生のカラスは『害鳥』であるということです。
害鳥とは、人間の生活に悪影響を与える鳥類のことを言います。
人間やペットに悪さをしたり、農作物に害を与えるなど、その行動は多岐にわたるのです。
一羽のカラスに餌付けをして成功したと思ったら、沢山のカラスが集団で通ってきて困った・・・なんてことにもなりかねません。
カラスを飼いたい場合どうすればよいのか
カラスは野鳥というイメージがかなり強く、ペットとして飼えると思っている方は少ないのではないかと思われます。
しかしカラスはペットとして飼育することが可能な鳥なのです。
カラスって真っ黒で嫌なイメージを持っている方もいますが、実はカラスをかっこいい!神秘的!と思ってペットとして飼いたいと思っている方もいらっしゃるのです。
昔から日本に定住しているので、日本の気候にも慣れていますので病気、寒さなどにも強く、飼育しやすい鳥と言えます。
しかし、野生のカラスをペットとして飼うことは原則禁止されていますので、
①ペットショップや鳥獣専門店にカラスを取り寄せてもらう。
もしくは
②鳥獣保護管理法で定められた方法でカラスを捕獲する。
この2択になってきます。
◆鳥類を扱うショップでお迎えをする
カラスはペットショップで購入可能な鳥類なのですが、あまり需要がないため、その辺のペットショップで売られていることはまずありません。
ペットショップで扱うことは可能なのですが、日本のペットショップでカラスを扱っている店舗は実際殆どないことが実情でしょう。
そこで鳥類専門のペットショップに、カラスが入荷した際に声をかけてもらうという方法もありますが、なかなか時間がかかるかもしれません。
価格としては、珍しい鳥ではない、種類が少ないこともあり、大体20,000円~50,000円で取引されていることが多いようです。
◆鳥獣保護管理法で定められた方法で捕獲する
鳥獣保護法のルールとしては、野鳥の捕獲や駆除、飼育は法律で規制されておりカラスは飼うことはできません。
もしカラスが怪我をして道端にいたとしても、直ぐに保護せず、のヒナが道端に落ちていたり、で怪我をしていたとしても、市区町村の担当である課に連絡をし、保護していいかどのように対応したらいいか指示を受けます。
万が一ヒナが落ちていた場合
もしカラスのヒナが落ちていた場合、直ぐに拾いたくなってしまいますが、人間が手を出してしまったことで親鳥が飼育放棄をしてしまうという可能性があります。
すぐに親鳥の姿がみえなくても、親鳥が生きていれば必ずヒナの元に戻ってきて世話を始めるはずですから最初は様子を伺いましょう。
もしいくら時間が経っても親鳥が姿を見せなかったり、怪我をしていたり、交通量の多い道路上などの、そのまま放置すれば危険にさらされてしまうといった場合は、野生鳥獣担当機関(各都道府県)に連絡を取ってみましょう。
カラスを飼育する方法
カラスはとても賢く、愛嬌のある鳥です。
しかしペットとして飼うとなるといろいろと困難で、カラスの飼育は犬や猫とは違い難易度が高いでしょう。
さらには一度人間が飼うとカラスは野生に戻れなくなることがあるので、最後まで自分が面倒を見るという意識をもってお迎えすることが必要です。
◆サイズが大きいため、十分な飼育スペースが必要
カラスは近くで見るとかなり大きく、両羽を広げると大体90cmはあります。
そして活発で騒々しいため、カラスを飼育するにはそれなりの環境が必要になってきます。
室内での飼育、もしくは庭に小屋を設置して飼育する方法が無難でしょう。
室内で放し飼いにすれば、そこらじゅうがフンで汚されて、物も壊されます。
そこでケージを設置するか部屋に仕切りを入れて飼育する、または鳥小屋を設置するなどの対応が必要になってきます。
ちなみにカラスにトイレの躾はできるのでしょうか?
根気強く教えれば覚えますが、飛ぶ寸前や、緊張したときなどにフンを放出する習性があるため、完璧に覚えるのはなかなか難しいです。
完璧にトイレの躾に成功した例は、殆ど皆無です。
◆知能が高く好奇心が旺盛
カラスは人間の7歳程度の知能を持つと言われ、非常に頭が良い動物です。
人間の言葉も覚えることができ、よくYouTube動画でもカラスがしゃべっているシーンがアップされていますね。
人間に飼われているカラスは、生きる手段として人の言葉を真似し、人に懐くことが多いです。
しかし、セキセイインコなどのおしゃべりをする鳥とは違い、長文を覚えるなどはできません。
自分が人の言葉を話した時の人間の反応を覚えているからです。
ですから、野生のカラスは人間の言葉は話しませんし、興味も持ちません。
◆野生の場合、感染症や雑菌の危険がある
野生のカラスの場合、フンによって感染する可能性のある病気があります。
ヒトプラズマ症:カビの一種であるヒトプラズマが原因で乾燥したフンを吸い込むことで発症。
インフルエンザや結核のような症状がでます。
ニューカッスル症:ウィルス性感染症でカラスの持つ病原菌が人に感染。
急性結膜炎や風邪に似た症状が現れます。
サルモネラ中毒:食中毒を引き起こす菌で、鳥の糞に含まれます。
腹痛や下痢、発熱や吐き気などの症状が出ます。
クリプトコッカス:鳥の糞に含まれている細菌。乾燥に強く長期間生存します。
軽度では皮膚炎や発熱など、重度では脳や髄膜に影響する症状が現れます。
これらの感染症の予防には、鳥の糞を避けることです。
掃除をする際にはマスクや手袋を着用して、水をかけてから拭き取るようにすることです。
カラスのフンは見た目や臭い以上に、健康被害を引き起こす可能性を認知し、ペットとして飼うかどうかを検討する必要があります。
日本に生息するカラスの種類
日本全国で目にすることが出来るカラスですが、日本に生息しているカラスは2種類存在します。
生息地など、違いを見ていきたいと思います。
◆ハシブトガラス
人が住んでいない環境:立体的な構造の樹林を好む
街中:高層ビルや住宅地
特徴:額が出っ張っていて、くちばしは太く、上くちばしが曲がっている。
肉食の傾向がある。
あまり地面を歩かず、食べ物は上に運んでから食べるという行動をとります。
◆ハイボソガラス
人が住んでいない環境:河川敷や原っぱなどの平面的な場所を好む
街中:河川敷や農耕地などの開けたところ
特徴:額が出っ張っておらず、くちばしは細く曲がっていない。
植物食の傾向がある。
地面をよく歩き、地面で食べ物を食べるという行動をします。
◆ハシブトガラスがビル街や住宅地に住めるようになった訳
普段ゴミ集積所などでゴミを荒らしているカラスは大抵がハシブトガラスです。
どうしてハシブトガラスはそれまで住んでいた環境とは違うビルや住宅地に住めるようになったのでしょう。
要因としては、1980年代にゴミ袋が透明になったということです。
ゴミ分別のために透明ビニール袋を各地で使用するようになり、ハシブトガラスたちはゴミの中にごちそうが含まれていることを学習して、効率よく食べ物を探し出すことができるようになったのです。
ハシボソガラスは何故住宅地に進出できなかったかというと、ハシブトガラスとの体格の違いです。
ハシボソガラスはハシブトガラスよりも体が少し小さいので、喧嘩するとどうしても負けてしまうのです。
結局現在は、殆どのゴミ捨て場をハシブトガラスが占領することになってしまったのです。
日本は食品ロスが非常に多く、カラスたちは沢山のごちそうをゴミ捨て場から得ることが出来ます。
日本のカラスの体格が良いのは豊富な餌が溢れている(食品ロスが多い)からと言えます。
発展途上国に生息しているカラスを見たことがあるでしょうか?
色は灰色、小柄でやせ細っています。
日本も食品ロスを減らす取り組みをもっと強化していけば、ゴミ捨て場のカラスも減少していくでしょう。
そして、『カラスはペット』という位置付けが一般化されていったら、漆黒のカラスたちがますますカッコよく映りそうですね!
まとめ
今回はカラスをペットとして飼うことが可能かどうかのお話でしたが、なかなかシビアな感じがありますね。
本当にカラスが好きで、カラスをペットとしてお迎えしたいのであれば、犬や猫、他のペット以上の手間がかかることを承知したうえで、一生面倒を見る覚悟を持ち、家族の一員としてお迎えしましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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