1.紫外線とはどんなもの?
2.紫外線による犬への影響「白内障」
2-1.白内障とは?
2-2.白内障の症状
2-3.白内障の治療
3.紫外線による犬への影響「皮膚病」
3-1.紫外線による皮膚への影響
5.犬用サングラスの効果は?どんな犬におすすめ?
5-1.犬用サングラスを利用する飼い主が増えている
5-2.犬用サングラスはどれほどの効果があるのか?
5-3.犬用サングラスはどんな犬におすすめ?
5-4.サングラスの種類は?
5-5.UVカットの機能は半永久的に持続するのか?
【掲載:2019.02.03 更新:2021.09.24】
紫外線とはどんなもの?
紫外線は、目には危険な光と言われています。厄介な事に、紫外線量の多い少ないはあるにせよ、紫外線は晴れていようが曇っていようが常に存在しているものです。
また、紫外線は人間の目には見えないのですが、一説によると犬の目には見えると言われています。
人間の目の場合、紫外線が水晶体でほとんどカットされてしまうので目の奥まで届く事はありませんが、犬の目には紫外線が見えてしまう…それは紫外線が目の奥まで届いているって事?それって、すごくいけない事なのでは?犬の目の構造なんて、皆さん考えた事ありますか?
紫外線にはいくつか種類があり、主に私たちの生活に影響するのは、紫外線A波(UV-A)、紫外線B波(UV-B)と呼ばれるものです。
特に紫外線A波は波長が長く、肌であれば表皮だけでなくその下の真皮まで、目であれば水晶体の奥まで届くと言われています。
そんな紫外線ですが、過度に吸収すると、果たしてどのような影響を及ぼすのでしょうか。
紫外線による犬への影響「白内障」
犬の目で考えられるのが、白内障をはじめとした目の病気を発症するリスクが高くなることです。
◆白内障とは?
白内障とは、目の中の水晶体が白く濁る病気です。人間も同じですが、視野が曇り、すべてがぼんやり見えるような感じになります。
白内障は先天性と後天性とありますが、先天性の場合は遺伝的要因が大きいとされています。一方で後天性の場合、原因の一つと考えられるが、紫外線を過度に吸収したという事が考えられます。
もともと白内障は加齢に伴って進行するもの、病気等によって代謝が落ちて進行するものなど、様々な要因が考えられるわけですが、加えて紫外線を過度に浴びるような外的な要因が加わると、白内障の進行に拍車をかける事となってしまいます。
◆白内障の症状
白内障が進行して、目が真っ白になるぐらい進行すると、ほとんど見えないという事もあり、あちこちにぶつかって歩いたり、ちょっとした事でつまずいたりするようになります。
飼い主さんの顔もはっきりと見えないわけですから、コミュニケーションもとりづらくなるでしょうし、結果として犬の行動自体が萎縮してしまうという事になります。
また、白内障から更に進行してしまうと、ぶどう膜炎、緑内障など、激しい痛みを伴う疾患につながる事もあります。
◆白内障の治療
白内障になってしまうと、残念ながら薬で治療する事はできません。内科的には点眼等で白内障の進行を遅らせる事はできますが、完治するわけではありません。
点眼以外では、サプリメントを与えるのも一つの方法ではありますが、効果的面と言われるものは残念ながらないのが現状です。
もう一つは外科的に処置する方法です。水晶体の濁った部分を吸引し、新たに人工的なレンズを入れるという手術になります。
ただし、非常に高度で専門的な医療技術が必要であり、すべての動物病院で対応しているわけではありません。また、術後は、飼い主さんによる入念なケアも必須となってきます。
紫外線による犬への影響「皮膚病」
紫外線は、皮膚にも大きく影響してきます。紫外線A波は真皮まで届くわけですが、人間だけでなく犬にも同じ事が言えます。
◆紫外線による皮膚への影響
犬種にもよりますが、夏場になると長い毛をカットして、いわゆるサマーカットにする犬が多いと思います。確かに毛を短くしたり、ツルツルにした方が涼しいかもしれません。でも紫外線に対してはどうでしょうか?
犬の毛は、それはそれで重要な役割を持っているわけであり、毛で覆う事によって、皮膚の健康な状態をキープしています。
本来であれば、陽射しからガードをしてくれるはずの毛がなければ、直接陽射しを浴びる事になり、紫外線のダメージを受けるという事になります。
紫外線のダメージを受けると、火傷、シミなどの原因となります。更にこれが常態化していくと、最悪の場合、皮膚ガンにつながる可能性が高くなります。
今では、洋服を着ている犬は珍しくありません。むしろ当たり前のように着る時代になったと言っても過言ではありません。
陽射しの強い時などは、UVカット対応の洋服を着させてあげるのも対策の一つです。
紫外線は絶対に浴びてはダメなのか?
これまで紫外線を浴びる事のデメリットだけを述べてきましたが、メリットもあります。
陽射しを浴びる事によって殺菌効果があるため、適度な日光浴は皮膚病の予防になります。
また、紫外線を浴びる事により、セロトニンという物質が体内で分泌されると言われています。セロトニンは、感情伝達物質の一種であり、感情をコントロールする物質言われています。
陽射しのある中、散歩中の犬の表情がイキイキと元気に見えるのは、その影響もあるかもしれませんね。
犬用サングラスの効果は?どんな犬におすすめ?
◆犬用サングラスを利用する飼い主が増えている
皆さんは、普段サングラスを利用していますか?
黒目だから日差しに強いと言われていますが、目のダメージは蓄積であり、高齢化した際に白内障になる日本人が多いのは、目に対するケアが希薄だからとも言われています。
最近では、犬の紫外線予防としてサングラスをかけさせる飼い主さんが多くなってきました。
犬用のサングラスというと、インスタ映え、SNSへの投稿など、オシャレとしてかけさせている方も多いと思います。オシャレでかけているとは言え、サングラスの効果は非常に大きいと言えます。
昨今ペットショップや、通販サイトで販売されている多くのサングラスは、紫外線カット機能が対応されており、犬の目の紫外線対策としては非常に有力なツールです。
外出する際、犬は人間より目線の低い位置で歩いています。低い位置で歩くという事は、陽射しの強い日は、アスファルトによる陽射しの照り返しも人間以上に浴びているわけです。
そういう意味おいても、サングラスを利用するなりして、飼い主さんが犬の目を守ってあげなければならないと思います。
◆犬用サングラスはどれほどの効果があるのか?
残念ながら、サングラスによる紫外線カットの効果は、「すぐにこれだけの効果があった!」と言う即効性のあるものではありません。やはり長年使って効果を得るものであり、そういう意味においては、なかなか実感はわかないと思います。
ただし、サングラスをかけ紫外線から目を守ることによって、白内障をはじめとした目の病気の予防になる事は間違えないです。年齢とともに、目の衰えや避けられない病気もあると思いますが、こうしたケアによって病気を発症させない、もしくは遅らせる事はできます。
いつまでも愛犬には健康で可愛らしい目でいてほしいものですよね。
◆犬用サングラスはどんな犬におすすめ?
犬用のサングラスは、陽射しの中を散歩するのであれば、すべての犬種にかける事をオススメしますが、特に遺伝性もしくは若年性の白内障の可能性がある犬種におすすめします。
具体的には、プードル、フレンチ・ブルドッグ、ホワイトテリア、キャバリア等の好発犬種があげられます。
また、目が出ている犬は、紫外線カットの予防だけでなく、眼球保護の為にもオススメします。
◆サングラスの種類は?
サングラスにも種類があり、紫外線予防であれば、UVカット機能は必須条件となります。
UVカット機能のサングラスにもいくつか種類があり、波長の長さで種類が変わります。紫外線対策というのであれば、迷わずUVカット400対応のサングラスをオススメします。
UV400は、紫外線A波(UV-A)の波長400nmまでの紫外線をカットしてくれる仕様となっています。
◆UVカットの機能は半永久的に持続するのか?
レンズにUVカットの材料をコーティングする方法と、レンズの素材自体に紫外線吸収剤を練り込んだ2タイプが主流ですが、どちらも約5年程度で効果がなくなると言われています。
使用していて、現在どの程度の効果があるのか調べたければ、メガネ屋さんにあるUVカットを測定できる装置がありますので、ご自身のサングラスを測定する際についでに利用してみましょう。
犬用サングラスを使う時の注意点
◆最初は短い時間で慣れさせる
サングラスには、フレームを引っ掛けるタイプと、頭の周りをグルッと紐で止めるタイプ、ゴーグルになると頭の周りと顎紐でおさえるタイプなどがあります。
最初は慣れないでしょうし、単に引っ掛けるタイプだと、嫌がって自分ではずしてしまう事も多々あると思います。はずすだけならまだしも、噛んで壊してしまう犬もいます。
また、慣れないサングラスで、急に視界が悪くなりすごく戸惑うと思われます。
最初は短い時間で、サングラスを付けることの楽しさを教えたりして、徐々に慣れさせていくことが必要だと思います。
◆いたずらされないようしまっておく
サングラスを付けない時は、犬の届かないところに保管しましょう。犬の届かないところとなると、高い場所に置くとか、どこかにしまうという事になるかと思います。
気をつけたいのが、サングラスやゴーグルが視野に入ってしまう事です。
例えば、ゴーグルを棚の上に置いておいたとしても、紐がブラ〜っとぶら下がった状態で置かれていれば、好奇心旺盛の犬は飛びかかってでも取りに行く可能性があります。
置く時は、犬の視野に入らない事を考慮する事を忘れないでください。
まとめ
愛犬の健康状態を管理するのは飼い主さんの義務だと思います。犬は痛くても辛くても具合が悪くても、声にして病状を話してくれません。
紫外線やサングラス等についてお話しをしてきましたが、その他にも対策できるものはあると思います。外出する際には、ご自身のUVケアだけでなく、可愛い愛犬のUVケアも忘れないでください。
飼い主さんが守ってあげることが、愛犬の幸せに繋がります。素敵なドッグライフを!
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