1.番犬に適した犬の特徴とは?
1-1.番犬の役割
1-2.警戒心が強い
1-3.勇敢な性格
1-4.状況判断ができる
1-5.縄張り意識が強い
3.番犬におすすめの小型犬
3-1.チワワ
3-2.ヨークシャーテリア
3-3.ダックスフンド
3-4.ミニチュアピンシャー
4.番犬におすすめの中型犬
4-1.柴犬
4-2.ボーダーコリー
4-3.ウェルシュコーギー
5.番犬におすすめの大型犬
5-1.ドーベルマン
5-2.ロットワイラー
5-3.コモンドール
5-4.ブルマスティフ
5-5.シェパード
7.愛犬を番犬にする方法
7-1.コマンドを使って吠えることをやめさせる
7-2.吠えなくていい相手を覚えさせる
7-3.一貫した態度でしつけを行う
【掲載:2021.02.07 更新:2022.06.16】
番犬に適した犬の特徴とは?
◆番犬の役割
番犬とは、住宅や土地へ不審者が侵入することを防ぐ役割を持つ犬のことです。
犬と人間は、犬が大きな声で吠えて、不審者を威嚇して、主人に異常を知らせたりすることで人間の安全を守り、共存してきた歴史があります。
その点からは、犬は、本来、みな番犬の素質を持っていたと言ってもいいかもしれません。
◆警戒心が強い
番犬に求められるのは、警戒心の強さです。
不審者に対して警戒心を持たなければ、番犬の役目は果たせません。
◆勇敢な性格
不審者に対して怯むようでは、追い払うことはできません。
どんな相手にも怯まない勇敢さも必要です。
◆状況判断ができる
誰彼となく吠えればいいというわけではありません。
吠える相手を見極めるなど、自分で状況判断ができる能力や、危険を察知する観察力も必要です。
また、飼い主に対する従順さがなければ、制御が利かなくなってしまいます。
◆縄張り意識が強い
縄張り意識が強いほど、侵入者を威嚇し、追い払おうとします。
吠える犬と吠えない犬の違い
犬にとっては、吠えることはコミュニケーション手段の一つです。
したがって、犬が吠えるのは自然なことではありますが、世の中には、吠える犬と吠えない犬がいるのも事実です。
これには、犬種の違いによるものと、個々の犬の性格によるものがあります。
また、しつけや生活環境によって、吠えることが多くなってしまっている犬もいるでしょう。
吠える犬種は、元々、牧羊犬や猟犬などの使役犬で、吠えることでその役割を果たしてきた犬種です。
これらの犬種は、音にも敏感で、室内で暮らしていても外を通る車の音や人の気配に敏感に反応します。
さらに、吠えることで仕事をしてきたので、遠くまでよく通る声になるように改良されてきた歴史があります。
逆に吠えない犬種は、愛玩犬として、貴族や一般家庭で飼われてきた歴史の長い犬種です。
また、マズルの短い短頭種は、吠えても高い声が出ないため、「吠えない犬」に見えます。
番犬におすすめの小型犬
◆チワワ
チワワは、世界で最小の純血種とされています。
小さく愛らしい見かけによらず勇敢な性格をしていて、非常に保守的で家族とそれ以外の人をはっきりと区別します。
そのため、侵入者に対して非常に敏感に反応して、優秀な番犬となります。
他方、小型犬ゆえに怖がりの面も強く、そのための吠え癖もあるのでしつけも必要です。
◆ヨークシャーテリア
おとなしそうな見た目と裏腹に、冒険好きな面も持ち合わせているヨークシャーテリアは、元々、ネズミを追わせるための犬でした。
そのため、非常に勇敢で、負けん気が強く、頑固で自己主張の強い性格をしています。
警戒心も強く、自分のテリトリーは頑として守ろうとするので、番犬に向いていると言えるでしょう。
主人と決めた相手には深い信頼を寄せ、しつけがしやすいので、初心者にも飼いやすい犬種です。
◆ダックスフンド
ダックスフンドは、元々、アナグマ猟などに使われていた狩猟犬です。
スタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3サイズに分類されますが、いずれも明るく活発で、好奇心が旺盛です。
物おじしないところや頑固な面もあり、自立心が強いので、自分で状況判断をする必要がある番犬に適しています。
服従心もあり、しつけがしやすい点でも番犬向きの犬種です。
◆ミニチュアピンシャー
ミニチュアピンシャーは、愛玩犬と分類されていますが、日本では使役犬として分類されているほどエネルギッシュな犬種です。
人見知りがあるため、初めての相手に時に攻撃的に振舞うところがあるのが番犬に向いているポイントです。
また、負けん気も強く、大きな犬に対しても向っていく勇敢さも兼ね備えています。
番犬におすすめの中型犬
◆柴犬
柴犬は、日本犬の一種で、古来、優秀な猟犬として活躍してきた犬種です。
獲物を前にしたときに猟師がいなかったり、十分な命令を出さなかったりすると、自分の判断で行動できる点が番犬に向いているポイントです。
家族に対してもべたべた甘えることは少ないですが、服従心や忠実さがあり、保守的で防衛心も強いです。
このため、縄張りをむやみに侵す他人や他の犬には厳しい態度を見せ、番犬に向いています。
ただし、自立心の強さは柴犬の難しい一面でもあり、初めて犬を飼う人向けの犬とは言いがたいです。
◆ボーダーコリー
日本ではドッグスポーツで人気の高いボーダーコリーは、その祖先がトナカイの牧畜を行っていたと考えられている牧羊犬です。
知能が高いことでも知られ、全犬種の中でもトップクラスの頭の良さとされます。
活発で作業意欲が強く、注意深さや洞察力に優れているため、作業中は自分で状況判断ができ、番犬に向いている犬種です。
ただし、頭が良い分、リーダーシップが十分ではなく、しつけやトレーニングをきちんと行えない飼い主のことは見下すようになると言われています。
このため、ボーダーコリーの飼い主さんの多くは、専門のトレーナーの訓練を受けています。
◆ウェルシュコーギー
ウェルシュコーギーは、イギリス王室とかかわりが深いことで知られます。
紀元前から歴史のある「カーディガン種」と、日本で人気の高い「ペンブローク種」が存在し、それぞれ成り立ちや祖先犬は異なります。
初期のペンブロークは、牛を追う牧畜犬として改良されていました。
カーディガン種も、牧畜犬として働いてきた犬種です。
牧畜犬は、オオカミなどから家畜を守る「番犬」としての側面もあり、番犬に向いている犬種と言えるでしょう。
また、賢さを兼ね備え、飼い主の様子をよく見ています。
牧畜犬として家畜を追い集める仕事をしていたので、大きな声で吠える個体もいて、その点でも番犬向きです。
番犬におすすめの大型犬
◆ドーベルマン
ドーベルマンは、その見た目の印象と警戒心の強さから、怖い犬と見られがちですが、実際は穏やかで落ち着いた犬種です。
他方、勇敢で、飼い主や家族への愛情や忠誠心が強く、その分防衛意識も強いので、テリトリーへの侵入者には警戒心を見せます。
知的で洞察力もあり、訓練による制御がしやすいので、警察犬や軍用犬としても活躍しています。
非常に番犬向きの犬種で、海外では番犬として人気が高いです。
ただし、防衛意識が強すぎて他人や他の犬に思わぬ行動を起こしたり、猟犬だった歴史から不意に小動物や小型犬を追いかけたりしてしまうことがあります。
きちんとした訓練を行い、制御できるようにする必要のある犬種です。
◆ロットワイラー
ロットワイラーは、牛を追う牧畜犬として活躍してきた歴史を持つ犬です。
20世紀以降は、卓越した体力と勇敢さから、警察犬や軍用犬、山岳救助犬として、また税関などで犯罪の侵入を防ぐために世界中で活躍しています。
落ち着いていて従順であり、忠誠心が強い素直な性格の犬です。
家族に対して特に愛情深く、家族を守ろうとする態度が非常に強いため、有能な番犬となります。
しかし、訓練を間違えると行き過ぎた防衛本能を示すことがあり、飼い主が制止しなければ攻撃に転ずることもあります。
◆コモンドール
モップのような外見が特徴的なコモンドールは、ハンガリーで500年以上にわたって牧羊犬として働いてきた歴史を持ちます。
牧畜犬の中でも、羊を追うのではなく警護を仕事としていたため、近年は番犬として飼われるようになりました。
警戒心が強く勇敢で、家族や他のペットを守ろうとし、見知らぬ人には懐くことがないので、優秀な番犬となるでしょう。
ただし、自立心が強く、頑固で支配的な傾向があるため、飼い主にはリーダーシップが求められます。
活発な犬種であり、体も大きいため、十分に動き回れる飼育スペースと、1時間以上の散歩や運動が必要です。
◆ブルマスティフ
ブルマスティフは、猟場の番人を密猟者たちから守るために働いた夜警犬という歴史を持っています。
非常にいかつい容姿とは正反対の、穏やかで物静かな気質です。
しかし、飼い主や家族を守る防衛意識は強く、危険を察知すると警戒心を緩めない一面を持ち合わせているので、番犬に適しています。
◆シェパード
シェパードは、安定した、バランスの取れた性格で、大胆さを併せ持ちます。
全体的に落ち着いていて、自信に満ち、注意深いので訓練しやすく、警察犬や護衛犬としても活躍している犬種です。
しっかりとした主従関係を築くと、攻撃とリリース(噛みつくのをやめる)など、難易度の高い命令にも忠実に従うようになります。
本来は、温和な面や可愛らしさも兼ね備えているので、家庭犬としても愛されている犬種です。
番犬に不向きな犬種
番犬に向かない犬種は、人懐こく穏やかな性格の犬です。
たとえ大型犬でも、人懐こい性格をしていると、番犬としての役目を果たすことはできません。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーのような、レトリバー種は、非常に穏やかで人懐こいため、番犬には不向きです。
また、見た目がオオカミに似ているため、一見、番犬に向いているように思えるシベリアンハスキーは、優しく社交性が高い犬種です。
警戒心もありますが、温厚な性格が勝っているので、あまり番犬向きとは言えません。
愛犬を番犬にする方法
番犬に最適なのは、不審者に対して「だけ」吠える犬です。
吠えなくて良い相手と吠えるべき相手を判断できることが必要ですが、この判断を教えるにはどうすればよいでしょうか?
愛犬を良い番犬にするための方法について、ご紹介します。
◆コマンドを使って吠えることをやめさせる
まず、犬が吠えた時に、「ストップ」などのコマンドで吠えるのをやめさせる訓練を行います。
犬が吠えている時にコマンドを伝えて、吠えるのをやめたら、すかさずオヤツを与えて褒めましょう。
コマンドは低い声で毅然と伝え、褒めるときには高めの声にすると、メリハリがついて犬に伝わりやすいです。
オヤツは普段とは違う珍しいものや、噛み応えがあって満足感があるものなど、特別感のある物が効果的でしょう。
◆吠えなくていい相手を覚えさせる
愛犬が「吠えることをやめる」ということを覚えたら、次に、吠えなくてもよい相手を覚えさせます。
チャイムが鳴ったときや来客があったときに吠えたら、コマンドで吠えるのをやめさせ、黙ったらオヤツを与えて褒めましょう。
これを根気よく繰り返すことで、愛犬は吠えなくてよい場合や相手を覚えていき、番犬としての役目を果たしてくれるようになります。
◆一貫した態度でしつけを行う
吠えてほしくない時に吠えた場合には、必ず吠えるのをやめさせます。
吠えるのをやめさせたり、やめさせなかったり、オヤツをあげたり、あげなかったりなど、対応に一貫性がないと、愛犬は吠えなくてよい相手を覚えることができません。
また、コマンドは一つに決めておき、家族で同じコマンドを使いましょう。
番犬として犬を迎え入れる場合の注意点
番犬に適している犬種の多くは、警戒心が強く頭が良い犬種です。
その分、飼い主のリーダーシップが認められない場合に、わがままになったり、飼い主を見下したりするようになりやすいです。
制御できない犬は、最悪の場合、咬傷事故を起こす可能性もあります。
また、日本の住宅事情では、吠え声がもとでトラブルになる可能性もあるので、きちんとしつける必要があります。
適切なトレーニングには、ある程度の費用がかかることを覚悟しましょう。
まとめ
番犬に向いている犬種かどうかは、体格や見た目ではなく、警戒心の強さや勇敢さといった性格によります。
また、自分で状況判断ができる能力や、危険を察知する観察力も必要です。
その分、リーダーシップを取れる飼い主でなければ、見下されたりして制御できなくなる可能性があります。
番犬として犬を迎え入れる場合は、犬種の特徴を理解して、しっかりと訓練を行うことが必要です。
何より、番犬であっても家族の一員です。
最期まで愛情を持って飼う覚悟を持って、迎え入れましょう。
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