1.犬が伸びをする理由
1-1.ストレッチをしている
1-2.威嚇をしている
1-3.遊びたい(プレイバウ)
1-4.ストレスを感じている
3-1.病気の心配がある犬の伸び
3-2.痛みを我慢してる
3-3.誤飲をしている
3-4.膵炎、胃腸炎、胃捻転などによる腹痛
犬が伸びをする理由
人間にもみられる「伸びる」という行動。疲れたときのリフレッシュだったり、ストレッチの一環としてなど、そのシーンに合わせて色々な理由から人間も「伸び」をしますよね。
犬の場合も人間同様、様々な理由から伸びをしていると考えられています。
人間は主に両腕を、上下または左右に思い切り伸ばすことが多いでしょう。犬は、前足、もしくは後ろ足や胴体・背中を前後に伸ばしたり、おしりを上下に伸ばすなどの方法で伸びをしています。
伸びをする理由によってその体勢に違いが出てくるのですが、一体どんな理由があるのか、どんな意味があるのかを、しっかりチェックしていきましょう。
◆ストレッチをしている
固まった身体をほぐすため、というのが、犬の伸びの理由として一番多いでしょう。この場合、筋肉をほぐすためのストレッチをしていると考えられます。
少し前の体制・行動を把握しておくと、愛犬が行った伸びの仕草がストレッチかどうかを判断しやすいですよ。
伸びをする前に、寝ていたり、長時間同じ体勢をとっていたのであれば、その後にみられた伸びはストレッチである可能性がとても高いでしょう。
前足をグッと伸ばしたり、背中を反るようなポーズをとって筋肉をほぐしているのです。後ろ足を伸ばす場合も少なくないでしょう。
またこの場合は、欠伸を伴うことも多いです。愛犬の気持ちを言葉に表すとすると「よく寝たな~」「身体が硬いな~」「伸びると気持ちいいな~」といったところですね。
このケースは人間の伸びの行動理由とも同様ですから、飼い主さんにとっても愛犬の気持ちが分かりやすいですね。寝起きに身体を伸ばすととても気持ちよいものです。愛犬もこの時、リラックスしている状態であるといえるのです。
ストレッチには動く前の準備として、固まった身体をほぐすという目的も込められているため、ストレッチ後に身体を動かそうとする子も多いかもしれませんね。
しかし反対に、同じ姿勢で寝続けたいがために、一旦身体をほぐそうとする子もいるでしょう。身体を伸ばした後にまた同じ体勢に戻って、再び眠ろうとする愛犬もいますよね。
ストレッチが理由がとなる伸びは、生理現象の一つとも捉えられます。そのため、特に心配する必要はないでしょう。むしろ愛犬がリラックスできている証拠だともいえるので、ただただ見守ってあげてください。
◆威嚇をしている
伸びのポーズが、威嚇の行動であるケースがあります。愛犬が低い姿勢をとり、唸り声をあげている場合は、威嚇をしている可能性があるでしょう。
愛犬が高い番犬意識をもっていたり、警戒心の強い性格をしている場合は、散歩中や外出中に相性の悪い他の犬と出会った時などに、このような状態がみられることがあります。
この場合、その犬とのすれ違いを避けるためにも、散歩ルートの変更などをしてその事態を避けることがすすめられます。無理に近寄らせたり、遊ばせようとしてしまうと、喧嘩や怪我を誘発する結果となることも考えられます。
愛犬の威嚇に関しては、早めに気付くことが最も重要です。身体をピンと伸ばしている、唸り声をあげたり歯をむき出しにしているなどの態度・様子が見られた場合は、すぐに対処してくださいね。
◆遊びたい(プレイバウ)
プレイバウという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、犬が遊びに誘うときにみられる、カーミングシグナルの一つです。詳しくは後述しますので、そちらもチェックしてみてください。
伸びるポーズは全体的な伸びと類似していますが、プレイバウかどうかを見極めるポイントがあります。
まずは尻尾に注目してみましょう。プレイバウの際、愛犬の尻尾は高く持ち上がっており、ユラユラ揺れていることが多いです。プレイバウをしながら飼い主さんに向かって吠える子もいるでしょう。更に表情を確認してみてください。プレイバウをしている犬は、とても嬉しそうな表情をしているはずです。
「一緒に遊んでほしい!」という気持ちを表しているので、嬉しさを前面に出している子が多いでしょう。
このような様子を目にしてしまうと、飼い主さんとしては思いっきりそのリクエストに応えてあげたくなりますよね。
しかし、その応え方には少し注意することが大切です。コミュニケーションや信頼度を高めるためにも、愛犬と一緒に遊ぶことは大事なことだといえるでしょう。ただし、毎回プレイバウに応えてしまうと、犬は自分の要求が通るのだと勘違いして覚えてしまう危険性があるのです。これを繰り返すと、愛犬はわがままになり、聞き分けが無くなってしまうでしょう。最悪、自分の方が立場が上だと認識してしまうかもしれません。
毎回要求をのむのではなく、飼い主さんの都合が悪い時には応えない、といったメリハリはつけた方がよいでしょう。
◆ストレスを感じている
ストレッチが理由の伸びはリラックスできている証拠だと前述しましたが、ストレスを感じていることから犬が伸びをする場合もあります。
仕草としてはストレッチをしている様子と似ていて、あくびを伴うことも多く、見分けをつけるのが難しいと感じる方もいるかもしれません。
そこで、まずは愛犬が伸びをしている状況に目を向けましょう。
強い口調で叱られた後や、愛犬にとっての怖い状況に置かれている時、極端に散歩が出来ていないなど、強いストレスを感じる環境にさらされている際に伸びをしているのであれば、それはストレスが原因だと考えられる可能性が高いです。
身体をほぐすために行う伸び(ストレッチ)は、身体の緊張をほぐすことを目的として行われます。しかしストレスを感じた際の伸びは、精神的な緊張をほぐすことが目的となるのです。
この反応は身体が反射的に行うものであるため、強いストレスを感じた時に咄嗟に伸びをするケースが多いでしょう。
ストレスが原因だと考えられる場合は、その原因を見極め、可能な限りストレスを取り除くよう対処してあげてください。対処法は原因となっているストレスによって違ってきます。まずは何にストレスを感じているのかをしっかり理解してあげて、愛犬のストレスが溜まらない環境づくり・対応ができるように工夫していきましょう。
寂しさを感じているようであればおもちゃで一緒に遊ぶ時間を作ったり、中々散歩にいけないのであれば近くの公園など外出できる場所へ少しでも行ける時間を作るなど、愛犬のストレス発散に留意した行動を心掛けましょう。
犬のプレイバウとは
犬は、カーミングシグナルと呼ばれるボディランゲージを使います。これは、無駄な争いを避けるために、吠えたりせずに、仕草や身振り手振りで相手に気持ちを伝えるための行動です。また、自身や相手に落ち着いてもらうことが目的として、みられる行動でもあります。犬同士に限らず、飼い主さんなど人間に対してもみられるでしょう。
このカーミングシグナルの一つに、プレイバウが含まれているのです。
犬が遊びたい!と感じた際に、相手を遊びに誘うためにみせる行動がこのプレイバウで、嬉しそうな表情を浮かべ、尻尾は高く、ユラユラとしているでしょう。
このように遊びに誘う目的で使われるケースがほとんどですが、中には緊張をほぐすためだったり、相手をなだめるためにプレイバウをみせる子もいるようです。
また全ての犬に見られ仕草ではない、という点も覚えておきましょう。愛犬のプレイバウを見たことないからといって、楽しんでいないのかな?と心配する必要はありません。
プレイバウは、人見知りをしないタイプの活発なワンちゃんにみられることが多いといわれています。性格によっても、みせるしぐさには違いがありますので、この点はしっかり押さえておきましょう。
病気の心配がある犬の伸び
犬の伸びは、痛みに耐えていることが原因で表れることもあります。これまで紹介してきた伸びの仕草と決定的に違う点は、尻尾が下がっていたり、尻尾を股の間に挟んでいる様子がみられる所でしょう。
このポーズは祈りのポーズとも呼ばれており、頻繁にみられるようであれば、臓器に問題が起きている可能性が考えられるので注意してください。弱々しい伸びや元気のない様子、ぐったりしていたり小刻みに震えがみられるなど、愛犬に気になる状態が見受けられる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
◆痛みを我慢してる
前述したように、痛みを我慢している場合も、犬が伸びをすることがあります。基本的にストレッチの伸びと同じ仕草なので、表情や尻尾に注意して観察する必要があります。リラックスした表情ではなく、悲しげな表情をしていたり、お尻を上に突き出してはいても尻尾は垂れさがっているなど、微妙な違いに気付かなくてはいけません。
お腹を触られるのを嫌がる場合もあるでしょう。痛みを我慢している場合の犬の伸びの理由としては、腹痛が最も多いといわれています。お腹の痛みを和らげるために、伸びるような姿勢となるのです。
腹痛には、便秘・下痢・嘔吐、何らかの病気に起因しているなど、様々な原因が考えられます。愛犬の様子に加えて、便の状態などもしっかりチェックしておき、病院を受診する際には獣医師にしっかり伝えましょう。
◆誤飲をしている
誤飲が原因で伸びをする場合もあります。便として排出される素材であれば大丈夫ですが、大きさ・素材によっては詰まるケースが十分あり得るのです。病院でのエコー・レントゲン撮影が必要となりますので、早めに獣医師に相談してください。
◆膵炎、胃腸炎、胃捻転などによる腹痛
腹痛の原因として挙げられる、主な病気を紹介していきましょう。
膵炎
膵臓に炎症が起きる病気で、慢性膵炎と急性膵炎があります。急性の場合は、急に強い痛みが生じ、元気がなくなったり、伸びをするといった様子がみられるでしょう。病院で処方された薬の服用、食事療法などが必要となります。
胃捻転
文字通り、胃が捻じれてしまう病気で、胃に強い痛みが生じます。大量のよだれや、お腹の膨れなどがみられ、吐こうとしても吐くのが難しいような状態が伺えるようであれば、胃捻転の可能性が高いと考えられます。放置すると死に直結する恐ろしい病気なので要注意です。異常を感じた場合は、早急に病院を受診しましょう。
胃腸炎
胃や腸の粘膜に炎症が起きて、嘔吐・下痢などの消化器症状がみられる病気です。犬には、比較的頻繁にみられる病気だともいえるでしょう。症状が長引いたり悪化すると、食欲低下や元気消失、脱水症状がみられる可能性もあるので、愛犬の様子をしっかり確認しておく必要があります。
まとめ
犬の伸びは、いくつかある感情を表現するための手段の一部だといえるでしょう。伸びの理由を把握しておくことで、病気の早期発見に限らず、愛犬への理解が深まることから、家族としての絆を更に強く結ぶことにも繋がるかもしれませんね。
犬の伸びの姿勢にはもちろん個人差もありますので、愛犬家の皆さんの紹介画像や記事などの情報を集めて参考にしてみるとよいでしょう。
伸びのポーズを見掛けたら、そこにどんな理由があるのかをしっかり考えながら観察してみてくださいね。
愛犬との幸せな毎日を過ごすためにも、ちょっとした変化やサインを見逃さないように気を付けましょう!
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