1.どうして「すりすり」をする?可愛いけれど理由が知りたい!
1-1.ニオイに関する理由
1-2.そのほかの理由
3.飼い主さんにすりすりしてくるときの心理とは?
3-1.とにかく甘えたいという愛情表現
3-2.何かをやって欲しい
3-3.「自分の方が格上だぞ」というアピール
4.要注意!?体の不調による「すりすり」
4-1.背中
4-2.耳
4-3.お尻
4-4.目
4-5.体の異常による「すりすり」は必ずほかの症状もある
どうして「すりすり」をする?可愛いけれど理由が知りたい!
犬が自分の頭や体を何かにこすりつけるとき、ニオイをつけたり消したりなどの「ニオイ関連の理由」、そして気分や体の異変などの「そのほかの理由」というように、2つのパターンがあるようです。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
◆ニオイに関する理由
まずは、すりすりする目的が「ニオイ」にある場合について、その理由に迫ってみます。
本能で思わず「すりすり」
犬は、野生時代の名残から、本能的に地面に体をこすりつけることがあります。
これは、自分のニオイをぷんぷんさせて敵に近づくと気付かれるため、地面でニオイを消している行動なのだそうです。
敵に襲われるリスクがない家庭犬だとしても、体に残っている習性から、本能的にすりすり行動をしてしまうのかもしれませんね。
自分のニオイが消えたかも…復活させたい!
犬を自宅でシャンプーさせた後に、カーペットやベッドにすりすりしている様子を見かけたことがある飼い主さんも多いかもしれません。
犬は自分のニオイが消えるととても不安。
体から自分のニオイが消えたことが不安で、「自分のニオイを復活させたい」という気持ちからすりすり行動をしてしまうパターンです。
犬の体をシャンプーで洗ったとき、飼い主さん的には「良い香りになった」と嬉しい気分になるものですよね。
でも、鼻が良いワンちゃんにとっては、「いつもと違うニオイをつけられた」と思うのでしょう。
シャンプー後に漂ってくるニオイに不安を感じ、自分のニオイを復活させるために一生懸命なのです。
これは自分のもの!ニオイをつけてアピール
周りに「これは自分の物だ!」とアピールのために、自分のニオイをつけることがあります。
犬の体のニオイは、個体によってさまざまです。
人間には、同じように思えても、鼻のよい犬達にはその違いは分かります。
少しでも自分のニオイをつけて所有物であることを周囲にアピールしているのです。
◆そのほかの理由
次は、ニオイ以外の理由についてです。
リラックスしているから
ゆったりしたリラックスした気持ちのときに、体をこすりつけることがあります。
「ニオイをつけたい・消したいとか」など、何かしらの目的があるわけではなく、無意識に近いような行動です。
人間で言えば、一仕事終えた後に全身を伸ばして体をほぐしているようなイメージかもしれません。
満足、楽しい、嬉しいとき
犬は、気持ちが満たされると、すりすりと体をこすりつけることがあります。
「散歩に行けて楽しかったな~」
「ごはんがいっぱい食べられて満足~」
「飼い主さんと遊べて嬉しい~」
このように、食事をした後や遊びの後などに、満足したときにこすりつけることも多いです。
飼い主さんに見てほしい
犬がすりすりする仕草はかわいいので、飼い主さんはついつい笑顔になるものです。
そんな飼い主さんの笑う姿を見たくて、すりすりするというケースもあるようです。
かゆみを感じている
上記のようなプラスの気分のとき以外にも、体をこすりつけることがあります。
背中やお尻など、体のどこかに不調があってすりすりすることも。
例えば、体がかゆいとき。
足が届く範囲なら自分の足をつかって解消できますが、背中や頭など足が届かなければ直接こすりつけるしか方法がないですよね。
地面を上手に使ってかゆみを取っているのかもしれません。
犬のすりすりの対象はどんなものがある?
犬は、いろいろなものに体をこすりつけます。
家のなかなら、カーペットやソファー、ワンちゃんが自分自身で使うペット用ベッドなどに体をこすりつけている姿をよく見かけるでしょう。
飼い主さんのニオイがするものに、自分のニオイをつけて安心することもあります。
飼い主さんの体に、自分の体をこすりつけることも多いです。
屋外なら、芝生の上や草むらなどで気持ちよさそうに体をこすりつけています。
何かにすりすりする姿は微笑ましいですが、思わず眉をひそめてしまいそうなのが「ウンチ」や「ゴミ」、「ほかの動物の死骸」へ体をこすりつけているとき…。
これらのものに体をすりつけるのは、野生時代の本能的な習性が残っているからかもしれません。
強烈なニオイをするものを自分にもつけておけば、「自然界に紛れ込むことができる」「目立たずに敵に見つかりにくい」という習性でしょう。
敵に見つからないように、目立たないように周囲に溶け込みたくて、異臭がするものに体をこすりつけていることも考えられます。
ただ、悪臭が強いものにすりすりした後は、当然ですが犬の体は不衛生になります。
ウンチやゴミには近づかせないような工夫をしてみましょう。
また、体に付着してしまったときには、ウェットシートで体を拭いたり、必要に応じてシャンプーをしてあげることが大事です。
飼い主さんにすりすりしてくるときの心理とは?
犬は、飼い主さんの体のあちこちに、自分の体をこすりつけてくることもあります。
愛犬に甘えられているようで、嬉しい気持ちになりますよね。
でも、実際のところはどうなのでしょうか。
◆とにかく甘えたいという愛情表現
よく知らない他人に体をこすりつけるはしないため、飼い主さんにすりすりしてくるのは「心を開いている」という証とも言えるでしょう。
まず、考えられるのは、「甘えている」という心理です。
「抱っこして~」「撫でてほしいな」など、とにかく自分のことを見てほしく、構ってほしいというサインです。
犬が全身でアピールしている愛情表現は嬉しいですね。
犬の気持ちにこたえてあげましょう。
◆何かをやって欲しい
何か飼い主さんにやって欲しいことがあって、すりすりをしているときもあります。
例えば、あなたの近くにおもちゃを持ってきて、その後にすりすりしてきたとします。
このときは、「このおもちゃで遊ぼうよ」というおねだりでしょう。
また、「そろそろごはんの時間だよね」と、早くごはんを食べたくて、飼い主さんの手にすりすりしてくることもあります。
◆「自分の方が格上だぞ」というアピール
飼い主さんに体をこすりつける行動のなかでも、「どこにすりすりするか」によっては注意が必要です。
寝ている無防備な飼い主さんの顔や頭に体をこすりつけているときは、「自分の方が格上だからな!」と強さをアピールしているかもしれません。
犬は、自分の所有物と主張するために、立場の下と感じた相手にニオイをつけることがあります。
そのため、飼い主さんの顔や頭にニオイをつけたら、かなりの“俺様気質”が強まっていることも。
主導権を握られないように、愛犬との関係性を見つめ直すきっかけになるかもしれませんね。
要注意!?体の不調による「すりすり」
ニオイに関する理由、喜びの理由など、いろいろなパターンの「すりすり」がありますが、体調が悪くて体をこすりつけているパターンもあります。
いつも同じところをこすりつけている場合、体に何らかの異常が起きているかもしれません。
場合によっては、早めに受診して治療を進めるべきことも。
愛犬の異変サインのひとつともいえるので、まずは「どんな部位」に「どんな病気が発生するか」を知識としておさえておきましょう。
◆背中
ときどきなら心配ないかもしれませんが、頻繁に背中をこすりつけていれば、ノミやダニが皮膚炎を引き起こしていることも考えられます。
背中ばかりすりすりしているなら、皮膚炎を起こしていないかチェックしましょう。
◆耳
耳垢や汚れが溜まってかゆみが起きたり、炎症を起こして傷みがあったりなどで、耳をこすりつけている場合もあります。
耳に異変があるときは、「前足で耳をかく仕草」や「頭をぶんぶん横に振る仕草」もあわせて見られます。
ただ、耳の異常がひどい時には、「床にこすりつける」という行動の方がよく見られると言われています。
地面に耳をこすりつけているなら、まずは耳のなかをチェック。
汚れが見えたり赤くなっていたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。
◆お尻
お尻を床にぴったりつけ、すりすりしながら前に進んでいる愛犬の姿を見たことがあるという飼い主さんもいるのではないでしょうか。
コミカルで可愛らしいですよね。
でも、実のところ、お尻に異変を感じ、「お尻を何とかして~!!」というサインである可能性も。
もしかしたら肛門にトラブルを抱えていて、どうにもできずにお尻をこすりつけているかもしれません。
考えられるのは、
「お尻の汚れ」「寄生虫感染」「肛門まわりの分泌液が溜まっている」です。
お尻の汚れ
単にお尻が汚れているだけの場合、濡らしたタオルやウェットティッシュで優しく拭いてあげましょう。
寄生虫感染
寄生虫感染の場合、お尻のあたりに糸や粒状の付着物があります。
そのほか、下痢が続くこともあるでしょう。
肛門まわりの分泌液が溜まっている
肛門のまわりには、分泌液が溜まる部分があります。
分泌液は排泄時に力を入れたときに自然に排出されるのが一般的ですが、ウンチが小さな赤ちゃん犬や、踏ん張り力が弱いシニア犬の場合、排出できずに溜まってしまうことも多いです。
分泌液が限界量マックスになると肛門嚢炎となり、膿が出たり、炎症が起きたりすることもあります。
そこで必要な処置が肛門腺しぼりといわれるものです。
肛門周りに分泌液がいっぱいになる前に、1か月に1回程度は肛門腺しぼりをしてあげるといいでしょう。
ただ、肛門腺しぼりは力加減が難しく、力を入れ過ぎると、犬が痛がり逆効果です
飼い主さんが肛門しぼりに自信がないときには、動物病院やペットサロンでやってもらうと安心です。
◆目
犬は、目の違和感から、顔を床にこすりつけていることもあります。
シャンプーなどの刺激や細菌、寄生虫、目に異物が侵入などにより、目のかゆみ・目の痛みが起こった場合、前足で目をかこうとしたり、床に顔をこすりつけたりという仕草をします。
◆体の異常による「すりすり」は必ずほかの症状もある
体に異変があり床や壁にこすりつけている場合、「すりすり」のほかに異常が見られることがほとんどです。
・炎症で赤い
・毛が抜けている
・付着物がある
・化膿している
などの症状がないか、こすりつけている部位をチェックしてみましょう。
「どこをこすりつけているか」「すりすりする回数は頻繁かどうか」なども合わせて観察しておきましょう。
まとめ
犬がすりすりしている理由は、ひとつではなく、たくさんあることが分かりました。
「どこに?」「どんなタイミングで?」などにより、その心理はバラバラ。
飼い主さんへの愛を伝える手段のこともあり、そんなメッセージをもらったら嬉しくてたまりませんよね。
犬のすりすりしている姿はとても可愛らしいので、ときどきする程度、そして「嬉しさ」「満足」「愛情表現」などプラスの気持ちが読み取れるようなら、温かい気持ちで見守っても問題なさそうです。
ただ、お伝えしたように、体に異常があって体をこすりつけているケースも考えられます。
あまりにも頻繁なすりすり行動があったら、まずは体に異常がないかを観察してあげてくださいね。
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