人見知りならぬ「犬見知り」?!それってどんな行動?対処法は?

2022.05.15

人見知りならぬ「犬見知り」?!それってどんな行動?対処法は?

初対面や大勢の人と話すこと、また人の目を見て話せないことなど、親しくない相手とのコミュニケーションが苦手な性格を一般的に人見知りといいますよね。これは人間特有のものではなく、実は犬にも当てはまる場合があるのです。今回は人見知りの犬バージョン「犬見知り」について、どんな行動がみられるのか、対処法はあるのかを紹介していきましょう!愛犬の犬見知りでお困りの飼い主さんは、是非チェックしてみてください。

犬も犬見知りするの?

人間にそれぞれ個性があるように、犬にも様々な性格があり、それぞれが個性を持っています。
人や他の犬が大好きでフレンドリーな性格をしている子もいれば、家族以外の人間や他の犬に対して強い警戒心を抱く子もいるのです。
好きなこと・嫌いなこと・得意なこと・苦手なことは、それぞれに違いがあります。他の犬とのコミュニケーションが苦手な子はやはり存在するのです。
冒頭でお伝えしたように、俗に犬見知りと呼ばれる人見知りの犬バージョンですが、意外とこの犬見知りに悩んでいる愛犬や飼い主さんは少なくありません。

◆犬見知りってどんな状況?

Twitterの投稿で話題となった、柴犬の雪海(ゆきみ)ちゃんを一例として紹介しましょう。

このドッグランでのケースには、犬見知りをしている状況がとても分かりやすく現れています。同じように、愛犬の犬見知りを経験している飼い主さんにとっては非常に気持ちの分かるお話でしょう。
この画像の姿や表情がなんといっても可愛らしいですし、飼い主さん(@yukimi_shiba)のコメントに共感をもてる方も多いと思います。今や1.6万件もの「いいね」がついています。

生活する上で問題行動だと感じるわけではなく、ただコミュニケーションが苦手な性格なのだということを受け入れているのであれば、その後の愛犬をどう成長させるかは飼い主さん次第です。
中には愛犬の犬見知りを改善したいと考えている方もいますよね。この場合、愛犬にとって適切な対処法を取る必要がありますので、今回の記事ではそれを紹介していきましょう。
まずは、犬が犬見知りとなってしまう原因を知らなくてはいけません。しっかりチェックしてみてください。


犬が犬見知りになる原因は?

どうしてうちの子だけ犬見知りなの?と悩みや不安を抱える飼い主さんも中にはいるでしょう。しかし、犬は基本的に犬見知りをする生き物だ!と考えておけば少しは心が軽くなるはずです。
野生時代を生きていた犬は、生後90日間で性格のほとんどが形成されるといわれています。その間、母犬や兄弟姉妹犬などの仲間と過ごし、その後巣穴から出て外の世界を知ることになるのです。
仲間の犬しか知らない子犬にとって、外界で出会う他の者は食料もしくは敵です。これは本能・習性と呼べるものであり、この名残からも犬は元来犬見知りをする動物なのだと考えられているわけです。
これを踏まえた上で、犬見知りとなってしまう主な3つの原因を挙げていきますので確認していきましょう。

◆原因①幼少期に外との関わりが無かった

前述したように、生後90日程で性格形成が成されるために、その期間内でどれだけ外の世界と関われるかが重要な鍵となります。社会性を培うことなく成長した犬にとっては、他の犬が恐怖の対象となってしまうのです。
現代にペットとして飼育されている多くの犬は、生後90日間を飼い主さんと過ごしているパターンの方が少ないといえるでしょう。
また、狂犬病ワクチン接種の義務化やワクチン接種の主流化によって、接種完了までは散歩・外出を控える必要があります。
感染症を予防するためにもこれは徹底して守らなければいけませんが、このため3~4ヶ月の間、外界と関わる機会はほとんど得られない状況になるというわけですね。
結果的に、他の犬に対してマイナス感情が生まれてしまう場合が多いのです。

◆原因②トラウマを抱えている

過去に犬同士の関わり合いで嫌な思いをした経験をもつ子には、犬見知りとなってしまう傾向が強いようです。
例えば、散歩中に挨拶のつもりで近づいたら吠えられた、知らない犬に攻撃をされた、ドッグランで追い回されて怖かったなど、トラウマとなる背景には様々なケースが考えられます。
愛犬が他の犬との間に恐怖などの感情を抱いたことがあり、それが強烈な記憶として残ってしまうと、他の子とは仲良くしてはいけない!という固定観念が生まれてしまうのでしょう。自分を守るための一種の防衛本能であり、人間にもある感情の一つですよね。
愛犬の犬見知りが酷い場合、これまでの経験や愛犬の様子を思い返してみてください。もしかしたら心当たりのある事象が起きていたのかもしれません。

◆原因③病気・高齢化による不安

病気にかかったことが原因で、犬見知りになってしまう子も中にはいます。
身体の不調・痛みから不安感が生まれてしまい、それが他の者に対する威嚇となって現れるケースが実際にあるのです。
病気で愛犬が薬を服用している場合は、その薬の副作用でそのような行動が誘発されている可能性も考えられます。
このような状況が思い当たる場合は、一度獣医さんに聞いてみるとよいでしょう。


犬見知りをする行動

画像①

それでは、犬見知りの犬がみせる行動が一体どんなものか紹介していきましょう。愛犬に犬見知りの疑いがある、犬見知りってイメージが湧かない、という飼い主さんはぜひチェックしてみてください。

◆他の犬が近づいてくると逃げる

散歩や外出時に他の犬とすれ違う、公園・ドッグランなどの公的な場所で他の犬と出会う、こういった機会が犬を飼っている家庭では頻繁に訪れるでしょう。
フレンドリーな性格をした犬は、すぐに寄ってきて挨拶を交わそうとしたり、一緒に遊ぼう!と誘ってきたりします。
しかし、犬見知りな犬の場合は、他の犬に近づかれるとすぐに逃げ回ったり、飼い主さんの後ろに隠れたりするのです。足元をグルグル回る、公園などの出入り口に向かうといった行動もみられるでしょう。
こうして上手く挨拶を交わすことができないため、相手の気持ちが分かるフレンドリーな犬であれば「これ以上、無理に近づいてはいけない」と悟ります。結果的に、友達を作るチャンスを逃してしまうわけですね。
もちろん中には、相手の苦手意識を感じ取れずに仲良くなろうと猛アピールをしてくる子もいます。そうなると、愛犬の恐怖心や不安感はさらに増してしまうので、犬見知りの悪循環に陥る可能性も十分に考えられるでしょう。

◆目を合わせようとしない

犬見知りの犬の多くは、他の犬と目を合わせようとしません。
犬にとって目をジッと合わせる行為は威嚇・攻撃の意味もあるのですが、犬同士の様子を観察すれば、敵意の有無や挨拶を交わそうとしているのだ、ということはすぐに分かります。このファーストコンタクトは、犬同士の相性を判断するための重要な情報の一つとなるのです。
しかし犬見知りの場合、他の犬と目を合わせようしないので、他の犬が立ち去るまで我慢して待っているでしょう。他の犬が立ち去った後は、緊張が解けた様子やホッとした表情が表れているかもしれません。

◆挨拶を交わそうとしない

お互いのニオイを嗅ぎ合うのが犬同士の挨拶だということは、最早一般的に知れ渡っている常識の一つですよね。
犬はお互いのお尻のニオイを嗅ぎ合ったり、鼻と鼻を合わせるなどして挨拶を交わします。
フレンドリーな性格をもつ犬同士であれば初対面でもじゃれ合うように挨拶をしたり、すぐに追いかけっこをするなどして遊び始めることもあるでしょう。
しかし犬見知りの犬の場合、前述したように目をあわせようとしないので、上手く挨拶を交わすことができないことが多いのです。
近付かれるだけで逃げてしまうケースはもちろん、相手が自分のニオイを嗅ぐことは許しても、自分から相手のニオイを嗅ごうとはしないでしょう。
挨拶を交わすつもりがないというより、挨拶の仕方を知らない、恐怖や緊張で身動きができないといった様子が見受けられると思います。

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犬見知りの改善方法

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愛犬の犬見知りを改善したいという飼い主さんのあなたに、改善方法の一例を紹介していきます。
ただし、生まれ持っての性格からくる場合もありますので、全てのケースにおいて改善できるかというとそうではありません。
犬見知りの改善に挑む場合は、まず以下の注意点をしっかり覚えておいてください。

◆犬見知り改善の前に知っておこう!

前述したように、犬にもそれぞれ性格があります。怖がりな犬もいれば、家族以外を受け入れられない子も中にはいるのです。
犬見知りを改善した方が愛犬も幸せだ!と考える方もいるとは思いますが、一概にそうとは言い切れません。
犬見知りは、無理に改善する必要がないものだと、理解しておくことが大切なのです。
愛犬の犬見知りを無理やり直そうとすることは、とてつもないストレスをかけてしまう可能性が高い行為です。愛犬の様子を見ながら、無理強いをしないことを常に心掛けなくてはいけません。人間にとっても怖いものを克服することは、とても大変なことであり、気の進まないことですよね。
それでも犬見知りを克服させたいのであれば、絶対に焦らないことを徹底してください。コツコツゆっくりと時間をかけて慣れさせるのが、最も適切な方法であり近道となります。
焦って愛犬を叱ったりするのは絶対にやめましょう。他の犬とのコミュニケーション云々の前に、飼い主さんとの信頼関係が壊れてしまいます。

◆犬見知り克服のためにできることは?

他の犬に対して非友好的な態度をとってしまう愛犬には、どのような対応策を取ればよいのでしょうか。一例を紹介しますので、参考にしてみてください。
ただし、上記で述べた「無理強いをしないこと」を、念頭において行動するようにしましょう。

◎散歩コースを変えながら挨拶練習!
毎回散歩コースが同じだと、段々その道が自分の縄張りだと思うようになってしまいます。これは、散歩中の他の犬に対して敵対心を抱く原因となるのです。
普段と違うコースを散歩することで、いつもと違う風景の方に愛犬の関心は移りますので、少し距離を取りながら挨拶ができる可能性が高まります。
この時、飼い主さんはリードを短く持って、興奮してしまった場合にすぐに距離を取れるよう構えておきましょう。
ここでポイントとなるのは、挨拶をする際に横側から近づかせるという点です。犬は目で見つめ合うと興奮しやすいので、このポイントをおさえつつ挑戦してみてください。

◎犬が集まる場所へ行ってみる
散歩での挨拶が少しずつできるようになってきたら、今度は公園やドッグランなどに連れて行ってみましょう。
最初のうちは、他の犬が比較的少ないタイミングや場所を狙って向かうことがすすめられます。
まずは隅っこで、その場所のニオイを嗅がせながら慣らしていきます。新しい環境で不安を感じるかもしれませんが、飼い主さんは常に側にいて優しい言葉を掛けてあげましょう。これによって、安心しながらゆっくり慣れていくことができると思います。
ノーリードOKの場所でも、初めからリードを離して遊ばせようとするのはNG行為です。必ず飼い主さんが側にいてあげてください。
無理に挨拶を交わさせたり、一緒に遊ばせる必要はありません。他の犬が遊ぶ様子を眺めるだけでも、初めの内は十分なのです。時間が経って慣れてくれば、自分からその場へ足を運ぶかもしれません。
とにかく時間をゆっくりかけて、愛犬のペースに合わせることを徹底しなくてはいけないのです。焦らず愛犬を観察し、自分から他の犬へ近付こうする仕草や、一緒に遊びたそうにする様子がみられるまで待ってあげましょう。

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まとめ

犬見知りな性格をしている犬は、意外と多いです。それは元来の習性であったり、元々もっている性格であったりと理由は様々。
とにかく大切なのは、無理矢理克服させようとしないことです。
犬見知り改善に挑戦するのは良いことですが、愛犬がその度にストレスを感じているようであれば、すぐに中止しましょう。
友達を作ってあげたいという飼い主さんの思いよりも、愛犬の感情を優先させてください。
もちろん、対策法がうまくいって犬見知りを改善できるケースもたくさんあります。
犬の性格は個々に違いますので、しっかりと愛犬を理解することから始めてみましょう。
また、病気などが原因の疑いがある場合は、早めに獣医師に相談してくださいね。
犬見知りの犬はいて当たり前だということを踏まえて、改善できそうであれば対策方法を試み、無理だと感じたら飼い主さんが友達の分も愛情を与えてあげてください。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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