1.クレステッドゲッコーとは?
1-1.見た目の特徴
1-2.原産国・生息地
1-3.性格
1-4.他のヤモリとの違いについて
1-5.クレステッドゲッコーの寿命
2.クレステッドゲッコーのモルフ
2-1.ノーマル
2-2.パターンレス
2-3.バイカラー
2-4.タイガー
2-5.ブリンドル
2-6.フレイム(ファイア)
2-7.シェブロン
2-8.ハーレクイン
2-9.ハロウィン
2-10.トリカラー
2-11.エクストリーム・ハーレクイン
2-12.ドリッピー
2-13.ピンストライプ
2-14.ダッシュドピンストライプ
2-15.リバースピンストライプ
2-16.ファントムピンストライプ
2-17.ラテラルピンストライプ
2-18.ダルメシアン
2-19.スーパーダルメシアン
2-20.リリーホワイト
4.クレステッドゲッコーの飼育環境
4-1.ケージのサイズ
4-2.温度と湿度の管理が重要
4-3.止まり木を置き野性下の環境に近づけてあげよう
クレステッドゲッコーとは?
◆見た目の特徴
クレステッドゲッコーがペットとして多くの人に飼育され、愛されている理由はその見た目にあります。
オウカンミカドヤモリという和名の通り、クレステッドゲッコーの平らな頭には王冠(クレスト)のように見える突起状の鱗があり、眼の上の突起はまるでふさふさのまつ毛のようで、女性なら誰もが憧れるぱっちりとした眼をしているのです。
そんな可愛い眼で見つめられると、誰でもメロメロになりますよね。
そして、クレステッドゲッコーの指先には「趾下薄板(しかはくばん)」と呼ばれる無数のヒダがあり、木やケージの側面に張り付くことができます。
動きもゆっくりなので、クレステッドゲッコーがケージに張り付いているときは、ぜひじっくり観察してみてください。
クレステッドゲッコーは爬虫類初心者の方にも飼いやすく、たくさんの方がペットとして飼育されています。
SNSにも、飼い主さん自慢の可愛いクレステッドゲッコーの写真や動画がたくさんアップされていますので、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。
◆原産国・生息地
クレステッドゲッコーは、ニューカレドニアの固有種で、本島南部やその周辺の島々に生息しています。
ニューカレドニアは、オーストラリアの東に位置するフランス領で、本島であるグランドテール島とその周辺の島々で構成されていて、「天国に一番近い島」と言われるほど透き通った碧い海と白い砂浜が美しい南の楽園です。
クレステッドゲッコーはそんなニューカレドニアの森林に生息しています。
野生下では樹上生活をしているので、飼育の際にも立体行動ができるように高さのあるケージに止まり木を設置し飼育します。
◆性格
クレステッドゲッコーはヤモリの中でも特に大人しくおっとりした性格で、ハンドリングもしやすいと言われています。
ハンドリングとは、クレステッドゲッコーに触ったり手に乗せて遊んだりする、いわゆるスキンシップのようなことです。
クレステッドゲッコーはペットとして盛んに繁殖が行われていて、人に対する警戒心も低く、攻撃性もあまりないので爬虫類初心者の方も飼いやすいでしょう。
◆他のヤモリとの違いについて
他のヤモリとの違いは2つあり、1つは食性です。
ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)を始め、ほとんどのヤモリは動物食で主に昆虫などを食べます。
しかし、クレステッドゲッコーは雑食性で専用の人工飼料だけで飼育することもできるので、「爬虫類は飼いたいけれど昆虫は苦手」と言う方にもおすすめです。
もう1つ、他のヤモリと違うところは、尻尾を自切すると元の長さには戻らないことです。
ヤモリはトカゲ同様、身の危険を感じると尻尾を自ら切り離す「自切」をすることがあります。
他のヤモリの多くは自切の後、尻尾が元の長さに戻りますが、クレステッドゲッコーの尻尾は元には戻らず傷口がふさがるだけです。
ハンドリングやお手入れを行う際には、クレステッドゲッコーを驚かせたりしないように細心の注意が必要です。
◆クレステッドゲッコーの寿命
クレステッドゲッコーの寿命は、飼育下では7~10年と言われており、長寿の個体は15年ほど生きるとされています。
人間や他の生き物にも言えることですが、長生きの秘訣はストレスを与えないこと。
常に清潔な飼育環境を保ち、少しの変化にもすぐ気付けるような
日頃からの観察が重要です。
クレステッドゲッコーのモルフ
モルフとは、クレステッドゲッコーの品種のことで、カラーや模様によって様々な呼び方があります。
ここでは、クレステッドゲッコーのモルフについていくつかご紹介したいと思います。
◆ノーマル
特徴的なカラーや模様がないものをノーマルと呼びます。
現在のクレステッドゲッコーのモルフは、ノーマル同士を掛け合わせてできたものなので、ノーマルが全てのモルフの大元と言えます。
◆パターンレス
模様がなく背中から腹部まで同じ色(単色)のものをパターンレスと呼びます。
色は、オレンジ・ホワイト・オリーブ・チョコレート・イエロー・レッド・ニアブラック・バックスキン(ベージュ)の8色です。
◆バイカラー
パターンレスと同じく模様なしですが、体の色が2色ある個体をバイカラーと呼びます。
色の組み合わせは、オレンジ・オリーブ・レッド・バックスキンのうちの2色が多く見られます。
◆タイガー
トラ柄のようなストライプが特徴のモルフです。
クレステッドゲッコーのモルフの中でも特に人気が高いモルフで、ベースカラーはオレンジ・オリーブ・レッド・バックスキンのものが多いようです。
◆ブリンドル
タイガー以上にストライプ柄がはっきりとしているモルフをブリンドルと呼びます。
スーパータイガー、スーパーブリンドルズと呼ばれることもあります。
◆フレイム(ファイア)
呼び名の通り、体の側面に炎のような模様が見られるモルフです。
横腹や手足は無地です。
◆シェブロン
フレイム(ファイア)の中でも背にV字型のような模様が複数あるモルフをシェブロンと呼びます。
近年では、あまり使われることのない品種名のようです。
◆ハーレクイン
ファイアをさらに品種改良したモルフで、体の側面だけでなく手足にも炎のような模様が見られるモルフです。
◆ハロウィン
ハーレクインの一種で、オレンジと暗いベースカラーが特徴のモルフです。
ベースカラーは暗ければ暗いほど良いとされています。
◆トリカラー
3色のハーレクインのことをトリカラーと呼びます。
ハロウィンにクリームを加えたものが一般的です。
◆エクストリーム・ハーレクイン
ハーレクインよりも模様がはっきりとしているモルフをエクストリーム・ハーレクインと呼びます。
◆ドリッピー
「滴る」という意味の通り、背から側部に滴るようにしずくの模様が出るモルフです。
◆ピンストライプ
背の外側の突起に沿って明るいクリーム色の細い縦模様が入っているモルフをピンストライプと呼びます。
見た目は、フレイム・タイガー・ハーレクインによく似ている。
◆ダッシュドピンストライプ
ピンストライプの縦模様が途切れ途切れになっているモルフをダッシュドピンストライプと呼びます。
◆リバースピンストライプ
ピンストライプとは反対に、細い縦模様が暗い色をしているモルフをリバースピンストライプと呼びます。
◆ファントムピンストライプ
ピンストライプの特徴を持ちながらも、背に模様がないモルフをファントムピンストライプと呼びます。
◆ラテラルピンストライプ
体の側面にストライプ模様が出るモルフをラテラルピンストライプと呼びます。
◆ダルメシアン
ディズニー映画「101匹わんちゃん」に出てくる犬たちのように、黒いスポットが体中に点在するモルフのことをダルメシアンと呼びます。
◆スーパーダルメシアン
ダルメシアンよりも黒いスポットが多数点在するモルフのことをスーパーダルメシアンと呼びます。
スポットが100を超えるとスーパーと呼ばれるそうですが、正確な数を数えるわけではなく、パッと見た感じで分けられるようです。
◆リリーホワイト
ホワイトカラーがより白く際立ったモルフをリリーホワイトと呼びます。
特に尻尾にかけての白さがとても美しいモルフです。
いかがでしたでしょうか。
ご覧いただいたように、クレステッドゲッコーにはカラーや模様により様々な呼び名がつけられています。
また、模様は幼体から成体になるにつれ消えていくものもあり、変温動物なので昼と夜でも色の違いが見られます。
そんな変化を楽しめるのもクレステッドゲッコーの魅力の1つではないでしょうか。
クレステッドゲッコーの値段
クレステッドゲッコーの値段はモルフによって違ってきますが、幼体で1万5千円前後、成体で3万円前後で販売されています。
飼育に必要なケージや床材など、初期費用2~3万円と合わせると6万円前後で飼い始めることができます。
クレステッドゲッコーの飼育環境
先ほどもお伝えしたように、野生下のクレステッドゲッコーは樹上生活をしているため、ペットとして飼育する際には、高さのあるケージを使い立体行動ができるレイアウトをする必要があります。
◆ケージのサイズ
まず、ケージの大きさですが、30×30×45㎝くらいの縦長の爬虫類用ケースを用意しましょう。
クレステッドゲッコーの成体の体長は約20㎝なので、その2倍以上の高さのあるものを選ぶと良いでしょう。
ケージの側面に前開きの扉があるタイプのものは、給餌や掃除もしやすいのでおすすめです。
◆温度と湿度のの管理が重要
クレステッドゲッコーの飼育において、最も重要なことは温度と湿度の管理です。
爬虫類の中でも体が丈夫なクレステッドゲッコーですが、私たち人間とは違い変温動物のため、温度と湿度を一定に保つことが重要です。
温度は27℃前後が理想です。
夏場はエアコン、冬場はパネルヒーターをケージの側面に取り付け調整しましょう。
湿度の目安は60%です。最低でも40%は維持しましょう。
ケージの側面に1日1回霧吹きで水を吹きかけたり、水分補給も兼ねて水入れを用意したり、床材に保湿性の高いヤシガラマットを使用するのがおすすめです。
湿度が足りないと、脱皮不全を起こすので注意が必要です。
温度計・湿度計を用意し、常にチェックするようにしましょう。
◆止まり木を置き野性下の環境に近づけてあげよう
その他、ケージ内のレイアウトとして必要なものには、止まり木・シェルター・植物などがあります。
シェルターは、止まり木や植物などで暗い場所・隠れる場所を作り出せるのであれば、必ずしも必要なものではありません。
クレステッドゲッコーが生息する森林のような、明るい場所と暗い場所が両方存在し、立体行動が存分にできるようなレイアウトにしましょう。
ちなみに、登る場所が少なかったりクレステッドゲッコーがケージのレイアウトを気に入らなかったりすると、ケージの側面に長時間張り付いてしまうことがあります。
これは、フロッピーテールという「尾曲り」の原因になってしまうので、注意しましょう。
爬虫類を飼育する際、そのほとんどにおいて必要とされる紫外線ランプですが、クレステッドゲッコーは夜行性のため、それほど重要視されていません。
ただ、日光浴を好むため、購入するのであれば光量の弱いものを選びましょう。
ビタミンDを生成するのにも役立ちます。
クレステッドゲッコーの飼い方
◆ご飯について
クレステッドゲッコーが飼育しやすいと言われる最大の特徴が、必ずしも生き餌を必要とせず人工飼料のみで育てられるという点です。
クレステッドゲッコーの人工飼料はペーストタイプと粉末タイプがあり、ペーストタイプはそのままで、粉末タイプは水で練ってから与えましょう。
与え方は、置き餌でも良いですが、食事量や体調を把握するためスプーンなどで直接与えるのがおすすめです。
置き餌をする場合、食べ残しはそのままにせず翌日には必ず処理しましょう。
幼体は毎日お腹いっぱいになるまで、成体は1~2日おきに腹八分目くらいを目安に与えましょう。
昆虫に抵抗のない方は、おやつにコオロギやゴキブリをピンセットで与えると喜んで食べてくれます。
クレステッドゲッコーがご飯を食べない時は、食いつきの良い昆虫やマンゴー・イチジクなどの果物、昆虫ゼリーなどを与えたり、温度や湿度をチェックしたり、ケージ内のレイアウトを変えたりして、クレステッドゲッコーのストレスを取り除いてあげましょう。
◆トイレについて
ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)が自分で決めた場所に排泄をするというのは爬虫類好きの方ならご存知の方も多いかと思いますが、クレステッドゲッコーは必ずしもそうではなく、自分で決めた場所に排泄する子もいれば、あちこちに排泄してしまう子もいるようです。
クレステッドゲッコーの糞は大型の爬虫類に匹敵するほど強烈な臭いがするので、排泄後すぐに取り除きましょう。
先ほど、床材にはヤシガラマットがおすすめと述べましたが、掃除のしやすさを重視するなら、キッチンペーパーや新聞紙、ペットシーツを使用するのも良いでしょう。
◆お手入れについて
クレステッドゲッコーは、犬や猫のようにお風呂に入れたり、チンチラのように砂浴びをさせる必要はありません。
ただ、脱皮不全で残ってしまった皮を取り除くときに温浴をすることはあります。
温浴は、クレステッドゲッコーの全身が入る大きさの容器に36℃前後のお湯を入れて行います。
時間は長くて10分程度、嫌がるようなしぐさを見せたらすぐに終わるようにしましょう。
ちなみに脱皮は、幼体であれば2週間に1度、成体は1~2か月に1度の頻度で起こります。
クレステッドゲッコーに関するまとめ
爬虫類初心者の方にも飼いやすいクレステッドゲッコーについてご紹介しました。
飼育のしやすさと可愛らしい見た目に、「クレステッドゲッコーを飼いたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。
愛情をかけて育てれば10年以上の長い付き合いができるペットですので、ぜひこれをきっかけにクレステッドゲッコーを身近に感じていただければ嬉しいです。
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