1.インコに日光浴が必要な理由
1-1.体内時計が整う
1-2.栄養補給
1-3.ストレス解消・精神面の健康維持
1-4.殺菌効果
2.インコの日光浴の方法
2-1.時間や頻度の目安
2-2.窓を開けて行う
2-3.ケージ越しに行う
2-4.日陰(逃げ場)を作ってあげる
3.日光浴の注意点
3-1.目を離さない
3-2.熱中症に注意する
【掲載:2020.11.25 更新:2022.07.18】
インコに日光浴が必要な理由
インコの心身健康のためには、日光浴が欠かせません。
では、日光浴をすることは、インコにとってどのような健康効果があるのでしょう。
ここでは、インコに日光浴が必要な理由を紹介します。
◆体内時計が整う
日本ンで代表的な鳥類であるスズメといえば、日の出とともに「ちゅんちゅん」と鳴きだし、日の入りとともに巣に帰るというイメージがあるかと思います。
インコも同様で、日の出とともに活動を開始し、日の入りとともに巣に帰って眠りにつきます。
このリズムがインコにとって最も健康的なのですが、飼育下では電気などがありどうしてもリズムが狂ってしまいがちです。
体内時計が狂ってしまうと、免疫力低下やストレスに弱くなり、病気やストレス疾患、問題行動などを促進させてしまいます。
朝日を浴びると脳内ホルモンが体内時計をリセットしてくれるので、正しい体内リズムが身に付き、心身共に健康を保つことができます。
朝は朝日を浴びれるように工夫し、日の入りとともに遮光性のカバーをかけるなどして休ませるようにすると、インコの体内時計を維持することができます。
日光浴を行う際には、体内時計がリセットしやすい午前中に行うのがベストです。
◆栄養補給
太陽光に含まれる紫外線を浴びることで、インコの体内ではビタミンDが生成されます。
ビタミンDは骨の形成を補助し、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
ビタミンDは食物から摂ることができないため、日光浴で補う必要があります。
ビタミンDが不足すると、くる病や成鳥不良をはじめ、骨軟化症、骨折、骨粗しょう症などの原因に繋がります。
また、いくら食事からカルシウムを摂取してもしっかりと吸収することができないため、特にメスは軟卵になり卵詰まりがリスクを高まります。
◆ストレス解消・精神面の健康維持
日光に含まれる紫外線を浴びることで得られるビタミンDは、脳内の神経細胞保護やホルモン形成の役割も担っています。
そのため、ビタミンDが不足すると精神トラブルを起こしやすくなり、噛み癖などの問題行動を促進させるとされています。
性格が狂暴、攻撃的な場合は、日光浴不足によるビタミンD欠乏症を引き起こしている可能性があります。
◆殺菌効果
太陽光には殺菌効果があり、日光浴では体表の殺菌効果が期待できます。
また、太陽光を浴びることで羽艶も良くなります。
ケージごと日光浴を行うことで、ケージ内を日光消毒することもできるためおすすめです。
インコの日光浴の方法
日光浴にはたくさんの健康効果があることがわかりました。
では、実際にインコの日光浴はどのような方法で行うのでしょう。
ここでは、日光浴の方法を紹介します。
◆時間や頻度の目安
日光浴は基本的に毎日行うことが理想です。
時間は季節などで異なりますが、午前中に30分程行います。
日差しの強い夏場は熱中症にかかるリスクが高まるため、短い時間で行いましょう。
また、冬場は日照時間が短くなるため、時間を調節して日光浴を行いましょう。
◆窓を開けて行う
屋内で日光浴をする場合は、窓ガラス越しだと紫外線が大きくカットされてしまいます。
紫外線がカットされてしまうと必要な栄養を十分に吸収できないため、カーテンや窓ガラスは開けて行いましょう。
網戸は紫外線をカットしない材質のものを選びます。
◆ケージ越しに行う
ケージ越しに行うことで、ケージ内の日光消毒をしながら効率的に日光浴をすることができますし、なにより脱走防止になります。
場所の移動が難しい場合には、キャリーケースなどにインコを移動して行いましょう。
ケージは1カ月に1度は日光消毒または熱湯消毒を行い衛生的に保ちます。
放鳥しての日光浴は脱走などトラブルのリスクが高まるため、ケージ越しに行いましょう。
◆日陰(逃げ場)を作ってあげる
日光浴を行う際、全面に直射日光が当たるとインコにとって逃げ場がなくなってしまいます。
日光浴中であっても日陰に入って休みたい時もあるので、日が当たる場所と当たらない場所を設けてあげましょう。
また、曇りの日であっても紫外線は出ているため必要な効果を得ることは可能です。
日光浴の注意点
インコに日光浴を行う際、何か気を付けることはあるのでしょうか。
ここでは、日光浴の注意点を紹介します。
◆目を離さない
日光浴中は、目を離さないようにすることが大切です。
例えケージ越しであっても、猫やカラスなどの天敵に襲われてしまう危険性があります。
また、エサを入れる場所などはインコが自分で開けて脱走をしてしまうこともあります。
ナスカンなどを使用して、脱走できないように工夫をしましょう。
◆熱中症に注意する
インコも人と同様、熱中症にかかります。
特に暑い夏場の日光浴には、熱中症に注意が必要です。
日差しの弱い午前中に行うことや、直射日光を避ける、短時間で行うなどの工夫が必要です。
また、エアコンをかけた室内から窓を開けて行うことで、気温を外よりも涼しく保つことができます。
インコは暑いと体を細め、脇を開いて開口呼吸をします。
このサインが見られた場合には、日光浴を中断して涼しい場所で休ませてあげましょう。
UVライトは日光浴の代わりになる?
日光浴は毎日行うことが理想ですが、真夏の暑い日や真冬の寒い日、悪天候の日は特に難しいですよね。
また、日当たりの悪い環境や日光浴をさせる時間がとれないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、鳥類用や小動物、爬虫類用などに販売されているUVライトで代用する方法もおすすめです。
UVライトは紫外線と同じUVA/UVBを照射できるため、ビタミンDの生成も可能です。
外での日光浴が難しい場合は、UVライトで代用してみましょう。
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◎小鳥には日光浴が必要です!
鳥たちは日光浴をすることで、紫外線(UV)を浴びて新陳代謝を促したり、カルシウムの吸収に必要なビタミンD3を合成しています。ビタミンD3 不足は、くる病や骨軟化症などの原因となることがあり注意が必要です。
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冬の日光浴はどうする?
冬場は寒いため、日光浴は気温の暖かい午前中から昼間にかけて行います。
部屋の中から窓を開けて行うことで、外気温よりは暖かい環境で日光浴ができます。
冬場は日照時間が短いため、日光浴をさせないと体内リズムが崩れてしまいがちです。
悪天候や寒い日は無理をせずに、UVライトなどを使用してかしこく日光浴をしましょう。
◆一緒に散歩をするのも良いリフレッシュ
個体にもよりますが、外に散歩に行くことを好むインコもいます。
小型インコは犬と違ってリードで繋ぐことはできません。
散歩の際には、安全のために必ずキャリーに入れて行います。
飼い主さんがあれこれ話しかけながら一緒にお散歩をすることは、インコにとっても良い気分転換やストレス発散になります。
しかし、中には外に出ることを怖がる子もいますので、そのような場合はストレスになるため無理に連れ出す必要はありません。
ひなや老鳥にも日光浴は必要?
ひなやシニア、病気などの場合は無理をして日光浴を行う必要はありません。
ひなの場合は窓際に連れていくことで寒暖差を作ってしまいやすく、あまりおすすめできません。
老鳥も同様で、元気なうちは日光浴をさせたほうが良いのですが、体力が低下している場合には寒暖差が体調不良の原因になるため、無理をする必要はありません。
病気の場合は、ケージ内を保温して安静に保つ必要があるため、こちらも無理に日光浴を行う必要はありません。
日光浴はさせたほうが良いのですが、健康な成鳥をメインに行います。
寒暖差を作りたくない場合は、UVライトなどで代用する方法もおすすめです。
日光浴を嫌がる場合は?
インコの中には、ベランダや外での日光浴を嫌がる子もいます。
これは、日光浴が嫌いというよりも外敵を怖がっている可能性があります。
嫌がるインコに無理やり日光浴をさせることは、ストレスになりかえって健康を害してしまいます。
そのため、日光浴を嫌がる子には無理やり行う必要はありません。
しかし、生活環境が日当たりの悪い場所の場合は、UVライトなどを使用して屋内で日光浴をさせてあげることをおすすめします。
紫外線は室内のライトなどでは浴びることができないため、必ず紫外線が出るものを使用しましょう。
インコの日光浴に関するまとめ
インコにとって日光浴は、毎日行いたい健康維持です。
日光浴には体内時計(体内リズム)が整う、ストレス解消、栄養補給、殺菌効果などさまざまなメリットがあります。
午前中に1日30分程を毎日行うことが理想です。
日光浴をしないと、ビタミンD欠乏症やストレス疾患、問題行動などの原因に繋がります。
日光浴を行う際には、窓ガラスを開けて行うことやケージ越しに行う、外敵に注意することなどが必要です。
また、真夏や真冬は無理をせずにUVライトなどで代用する方法もおすすめです。
インコは元来外を飛び回っている生き物です。
そのため、日光を浴びることは心身健康のために欠かせません。
これから始める方は、短時間ずつ行い、徐々に日光浴に慣らしていきましょう。
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