1.ウサギがご飯を食べない理由
1-1.季節の変わり目
1-2.引越しによる生活環境の変化
1-3.うっ滞
1-4.不正咬合
1-5.運動不足
3.ウサギがご飯を食べないときは様子をじっくり観察する
3-1.明らかに元気がない
3-2.ウンチをしない
3-3.おやつだけ食べる
3-4.ペレットや牧草は食べるがおやつは食べない
3-5.牧草は食べるがペレットは食べない
3-6.ペレットは食べるが牧草は食べない
3-4.水を飲まない
ウサギがご飯を食べない理由
ウサギは犬や猫とは違い、常に胃腸を動かしておく必要があり、24時間の絶食に耐えることができません。食欲不振が原因となって、様々な病気を引き起こす可能性があるため注意が必要になります。
一方、ウサギの食欲不振は何の前触れもなく突然起こるのが特徴です。事前に「理由」や「対処法」を知っていなければ慌てることになるため、これを機に正しく理解しておきましょう。
まずは「ウサギがご飯を食べない理由」について詳しく解説します。
◆季節の変わり目
ウサギの耳には複数の血管が通っており、放熱など体温調整を行っています。しかし、気温の変化が激しい季節の変わり目においては、体温調整が上手く行えず、体調を崩してしまうことも少なくありません。次第に食欲が落ちていきます。
人間も季節の変わり目は食欲不振になりがちです。ウサギも同じなので、5〜6月・10〜11月あたりは特に体調を気にかけるようにしましょう。
◆引越しによる生活環境の変化
ウサギは環境の変化に弱い動物です。引越しによって住む環境が変わると、体調を崩してしまうことが多くあります。また新しい家のニオイや周りの騒音などがストレスとなって、ご飯を食べなくなることも珍しくありません。
ちょっとした環境の変化もウサギにとっては負担が大きいです。実家に帰省したり、友達に預けたりする際も同様に、生活環境の変化には注意しましょう。
◆うっ滞
「うっ滞」とは消化管の運動が低下したり、停止したりすることで「ウンチが小さい」「つながったウンチが出る」「食欲低下」などの症状が現れる病気です。免疫力の低下やストレス・大量の被毛を飲み込んでしまうことなどが原因となって引き起こされます。
うっ滞になると、お腹が痛そうにうずくまったり、歯ぎしりをすることが多くなります。命に係る病気のため、早急に動物病院で治療を受けることが大切です。
◆不正咬合
「不正咬合」とは歯がおかしな方向に伸び続けてしまう病気です。柔らかい食べ物ばかりを食べていたり、必要以上にケージをかじったりすることで引き起こされます。
不正咬合になると、口の中に痛みが走り、ご飯を食べることができなくなります。無理やりご飯を食べさせると、口の中を傷つけてしまう危険性があるため注意が必要です。
あごを触ると嫌がったり、よだれや涙が出ている場合は「不正咬合」の可能性が高いため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。歯が伸びすぎないようにするためには、普段から牧草を多く食べさせてあげることが大切です。
◆運動不足
運動不足は胃腸の動きを悪くし、食欲を低下させてしまいます。1日中ケージの中にいると運動不足になりやすいので、1日1回を目安にケージの外へ出して一緒に遊んであげると良いです。
ウサギ用のボールを与えたり、ループ状のトンネルを作ってあげたりするとウサギは喜んで運動をします。30分程度でも良いので、適度に運動をさせましょう。
ウサギが1日ご飯を食べないとどうなる?
ウサギが1日ご飯を食べないと消化管の運動が低下してしまい、より一層食欲がなくなってしまいます。ウサギは犬や猫とは違い、寝ていても腸が動いている訳ではありません。適度なタイミングで繊維質を取り、腸を動かしてあげる必要があるのです。
また長時間空腹の状態が続くと、肝臓の病気を引き起こしてしまう可能性があります。口から栄養素が摂取できない分、エネルギーを作るために全身に散らばった脂肪を肝臓に集めます。しかし大量の脂肪が集まると、肝臓は処理できなくなり機能が低下してしまうのです。最悪の場合、死に至るケースもあります。
ウサギが1日ご飯を食べないのは緊急事態です。「もう1日だけ待ってみよう!」「時間が経てば治るだろう」と考えていると、取り返しのつかない事態になるため注意しましょう。
異変を感じた際は、すぐに動物病院を受診することをオススメします。
ウサギがご飯を食べないときは様子をじっくり観察する
ウサギがご飯を食べなくなったときは、まずは落ち着いて様子を観察することが大切です。というのも、症状や状態によって対処法が異なってくるからです。
ここでは、7つのパターン別で食欲不振時の対処法についてご紹介します。いざという時のために、ポイントをしっかりと押さえておきましょう。
◆明らかに元気がない
明らかに元気がない場合には、早急に動物病院を受診しましょう。症状が悪化している可能性があるため、すぐに治療を受ける必要があります。
また動物病院に行く前に、ウサギのウンチの状態をチェックしておくと良いです。獣医に症状を伝えるときに役立ちます。慌てないためにも、普段からウサギの受診が可能な動物病院を調べておきましょう。
◆ウンチをしない
長時間ウンチをしていない場合は「うっ滞」になっていることが考えられます。消化器の働きが悪くなっているため、上手く排便できていないのです。
こちらもできるだけ早く、動物病院を受診しましょう。「消化管運動促進薬」「食欲刺激剤」などの内科療法で改善を図るのが一般的です。腸が完全に閉塞してしまっている場合は、手術が必要になることもあります。
◆おやつだけ食べる
おやつだけを食べる場合は、単純に食欲がない可能性があります。まずは胃腸の働きを悪くしないために、適度におやつを与えてあげましょう。
同時にペレットや牧草を食べない理由について考える必要があります。ペレットや牧草の味が嫌いなのか、環境の変化が理由なのかなど、原因を特定することが大切です。
改善を図れない場合は、動物病院を受診しましょう。ペレットや牧草に含まれる成分はウサギの体に必要な栄養素のため、できるだけ早めに対処することが重要です。
◆ペレットや牧草は食べるがおやつは食べない
ペレットや牧草は食べるがおやつを食べない場合は、それほど緊急性は高くありません。単純におやつを食べたい気分ではない、もしくは嗜好性の変化などが考えられます。
おやつの種類を変えてみて様子を見るのが一番良いでしょう。それでもおやつを食べない場合は「旬の野菜」を与えてみると良いかもしれません。
いずれにせよ、ペレットと牧草を食べているのであれば、あまり心配する必要はないでしょう。
◆牧草は食べるがペレットは食べない
ペレットのみを食べない場合は、ペレットの味に問題があるかもしれません。下記のような理由が考えられます。
- ペレットの味が美味しくない
- ペレットが固すぎる
- ペレットの味に飽きた
まずは、ペレットの種類を変えてみるのが良いでしょう。ウサギは牧草だけでも必要な栄養素をある程度は取ることができるので、ペレットを食べなくても焦る必要はありません。原因を特定して改善を図るのが一番大切です。
◆ペレットは食べるが牧草は食べない
牧草を食べない原因として一番多いのがペレットの食べ過ぎです。まずはペレットの量を減らしてみるのが良いでしょう。
1日に与える「ペレットの量」に関しては、下記をご参考にしてください。
- 幼年期(生後4か月まで)⇒体重の5%
- 青年期(生後4カ月~3歳頃)⇒体重の3〜5%
- 壮年期(3歳頃~)⇒体重の1〜2%
ペレットの量を減らしても牧草を食べない場合は、牧草の種類を変えてみるのも方法の一つです。
◆水を飲まない
水分不足になると、脱水症状を引き起こす可能性があります。うっ滞の原因ともなるため、早急に対処することが重要です。無理やり水を飲ますのではなく、動物病院を受診するのが良いでしょう。
また水分量の多い野菜を与え過ぎていると、水を飲まないケースも見受けられます。
いつもと違う様子を見せたら早めに動物病院へ連れて行こう
ウサギは非常に繊細な生き物です。小さな病気が原因となり、死につながる可能性もあります。そのため、いつもと違う様子を見せたらご自身で判断せず、早めに動物病院を受診することが大切です。
また普段からウサギの健康・病気に関する情報を収集したり、信頼できそうな動物病院を調べておくと、いざという時に便利です。
愛するウサギと少しでも長く暮らすことができるよう、飼い主が責任を持って育ててあげましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事では、「ウサギがご飯を食べない理由」や「食欲不振のときの対処法」について解説しました。ウサギがご飯を食べない理由は、生活環境の変化や運動不足、うっ滞・不正咬合といった病気などが考えられます。
ウサギが1日ご飯を食べなければ、消化管の運動が低下してしまい、体に悪影響を及ぼすことになります。様子をじっくりと観察したうえで、適切な対処を行うことが大切です。
「明らかに元気がない」「ウンチをしない」「水を飲まない」といった場合には、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
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