1.水浴びのメリット
1-1.体を清潔にする
1-2.ストレスの緩和
1-3.肥満予防
水浴びのメリット
◆体を清潔にする
第一に身体を清潔にすることです。野生の文鳥は高温多湿の場所で生活しているので、常に羽毛に付いた寄生虫や脂粉を取り除くために水を浴びます。脂粉とは細かい粉のようなもので、鳥類全般が落とします。脂粉には文鳥を汚れや水から守る役割があり、脂粉が出るのは健康体である証でもあります。文鳥は脂粉の多い鳥ではありませんが、脂粉を水浴びで落とせないと、毛引きといって自分で無理やり自分の羽を引き抜いてしまう行動をとる場合があります。
飼っている鳥も同じで水浴びをすることで身体を衛生的にし調子を整えます。
◆ストレスの緩和
第二に精神的なストレスを緩和する点です。この効果が特に必要になるのは換羽(羽が生え変わる)の時期です。換羽の時期になると、食欲が落ちて精神的に落ち込み、顔をうずめて眠ることが多くなります。また頻度も減ります。この時期はホルモンの影響でイライラしており、飼い主に対しても攻撃的になります。水を浴びることによる行為が文鳥のストレスを減らし、リラックス効果をもたらすと考えられています。
◆肥満予防
第三に運動することで肥満を防ぐ点です。文鳥にとって水浴びはよい運動になります。側からみると心地よい水しぶきを上げて気持ちよさそうにしているように見えますが、実際には全身の筋肉を使う運動です。水を浴びた後もあわただしく身体を震わせて全身の水気を切り、身体中の羽繕いをしますので、非常に大きな運動量だといえます。
ケージで飼育されている文鳥は野生のものと比べ、運動不足になりがちなので筋肉量が落ち、肥満になりやすい傾向があります。
肥満は様々な病気の発生原因になります。
文鳥に水浴びをさせる必要はある?
このように、文鳥は水浴びをしないと、心身に重大な悪影響を及ぼしかねません。よって文鳥に水浴びは必要不可欠であるといえます。
雛や幼鳥が水浴びができるようになるには、生後1ヶ月頃からとされています。雛や幼鳥の頃はまだ小さすぎて、羽が生えそろっていないため、風邪をひく可能性が高いためです。成長するにしたがって、丈夫な身体になります。
文鳥は基本的に水浴びが大好きで、飼い始めるときには最初から水浴びできる環境を整えておくことが必要です。
水浴びに必要な準備
◆バードバスの準備
まず、文鳥に水浴びをさせるには適切な容器が必要です。バードバスとは、文鳥が水を浴びたり身体を冷やしたりすることができる容器のことをいいます。文鳥がケージ内にいるときの水浴びに使う容器は、ケージに外付けするものや、テーブルに置いて使うものが扱いやすいでしょう。
価格帯は税込800円~1100円ほどのものが主流で、通販などで購入できます。
外付け式やケージ外に置くタイプのバードバスを使うメリットとしてはケージ内に手を入れなくても楽に水を交換できることが挙げられます。
文鳥は自分が住んでいるケージ内には強いなわばり意識を持っています。ケージ内に据え置いたバードバスを交換しようと、どんなに慣れていても中に手を入れると攻撃してくることがあり、注意が必要です。その点、先ほどあげたようなタイプは安全に交換できます。
文鳥が使うバードバスは毎日しっかり水洗いをし、清潔にしてよく乾燥させましょう。
テーブルに置くタイプの水浴び器を使う場合には、下にペットシーツやタオルを敷いておくと水がこぼれても後片付けが楽になるのでおすすめです。
◆バードバスの水深
バードバスに入れる水の量は、文鳥が誤って溺れてしまうのを防ぐために、最初は5mmから始め、慣れてきたら15mm~20mmとし、文鳥の脚が浸かるくらいまでの深さにすることが大事です。文鳥は、水を浴びるのが終わった後はしっかり乾かすことが大事です。濡れたままだと体調を崩しやすくなります。
◆水浴びの時は目を離さない
初めての水浴びの時はごく浅い水量にすることが必要で、飼い主は絶対に文鳥から目を離してはいけません。初めての時は文鳥も不慣れです。プラスチック製のバードパスは文鳥の脚が滑りやすいともいわれます。脚を取られて水中につっこみ、予想以上に文鳥の身体が濡れてしまい、自力で羽ばたいて起き上がれなくなり、溺れる可能性もあります。
飼い鳥は警戒心が薄く、自分の脚が水底につくかつかないかの判断をせずに、いきなり水中に飛び込んでしまうことがあります。そして少しの水でもパニックになれば、その場で暴れてしまって力尽きることも考えられます。
人間の住居には文鳥たちが間違って水浴びをしてしまい、命を落とす可能性がある危険な場所がいっぱいですので、飼い主は常に注意することが肝要です。
例をあげると、お風呂場の蓋を開けてしまっていて、その残り湯の中へ飛び込んでしまったり、または洗濯槽内の溜まった水の中、あるいは金魚の入った水槽の中、さらには蓋を開け放した水洗トイレの水だまりの中へ飛び込んでしまった事例があります。
水浴びの頻度
水浴びの頻度は文鳥が好きな時に自由にさせるのがよいでしょう。頻度は文鳥によって異なり、一般的に毎日水浴びする文鳥が多いですが、なかにはあまり水浴びをしたがらない文鳥もいて様々です。ここで無理にさせようとすると水浴びが極端にきらいになってしまう可能性があります。水浴びをしないでいると、皮膚が乾燥して皮膚炎になったり、不衛生になって細菌や真菌(カビ)に感染する率が上がったりします。極度に水浴びを嫌っている文鳥には専門医に相談し、徐々に慣れさせるのがよいでしょう。基本的に飼い主は文鳥がいつでもできる状態を整えておくことが大事です。ただし、夜寝る前に水あびしたがる子には注意が必要です。夜は気温が下がり体調不良を起こす可能性があるので、日中など気温が高い時間にさせるほうが無難です。
文鳥は夏場は日に何度も水を浴びますが、冬場には頻度や浴びている時間が短くなり、文鳥自身が最適な頻度・時間を調節している様子が確認できます。
水浴びで使う水
水浴びで使う水は普通の水道水でOKです。浄水器の水を使ったり、ミネラルウォーターを使ってもよいのですが、水道水よりも雑菌が繁殖しやすくなるので、あまりお勧めしません。水は毎日交換し、特に汚れがひどくなるような梅雨時期や夏場には一日に数回交換することが望ましいです。水はいつでも清潔に保つようにしましょう。
◆冷たすぎる水・お湯はNG
夏場は室温が高いので、水道水から出てくる水をそのまま使っても問題ないのですが、冬場の凍えるような冷たさの水を使うことはやめましょう。冷たい水と低い室温で文鳥の身体に負荷がかかるからです。
またお湯を使うのも厳禁です。羽には水をはじくために油脂が塗られています。お湯につかると、油脂が溶けて羽毛が過剰に水分を含んでしまい、乾かすのに時間がかかって体温をさらに奪ってしまうからです。少しでも体温が下がると免疫力が低下し、体調不良を引き起こしてしまいます。ですから冬場の水浴びをさせるときはケージ内にヒーターを入れるなどして身体が早く乾くように保温することが大事です。
まとめ
文鳥に水浴びが必要なのは、心身を健康に保つために欠かせないためであり、水浴びができなくなると、生命の維持にも関わるほど重要な行為です。水の事故や病気を防ぎ、長く暮らしていくには飼い主の日頃からの注意・見守りも大切になってきますので、今回はその心得をまとめました。文鳥ライフ、ぜひ楽しんでください。
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