1.海水魚を飼育するために必要な用品
1-1.水槽
1-2.外部式フィルター
1-3.照明
1-4.水槽用ヒーター・水温計
1-5.人工海水
1-6.カルキ抜き剤
1-7.底砂
1-8.ライブロック
2.海水魚の入手方法
2-1.アクアリウムショップ
2-2.通信販売
2-3.海から採集(釣る)
3.海水魚を飼育する際の注意点
3-1.海水魚をいれるまでの準備
3-2.同族種、似ている姿の魚の混泳
3-3.海水魚を水槽に入れる順番
4.人気の海水魚8選
4-1.カクレクマノミ
4-2.ハタタテハゼ
4-3.コバルトスズメダイ
4-4.フレームエンゼル
4-5.デバスズメダイ
4-6.アカネハナゴイ
4-7.イエローコリス
4-8.ナンヨウハギ
海水魚を飼育するために必要な用品
海水魚を飼育するために最低限必要な飼育用品はそれほど多くはありません。
「高額で初期投資もすごそう」と思われがちですが、意外とお手軽に飼育用品を揃えることが可能です。
この項目では最低限揃えておきたい飼育用品をご紹介します。
◆水槽
まず、水槽は絶対に必要なアイテム。
「海水魚は大型水槽でないと飼育できない」というイメージを持っている人も多いと思いますが、実は横幅が30cmほどの小型水槽でも飼育が可能です。
淡水の熱帯魚も含めアクアリウム初心者の場合は、水質が安定しやすい横幅60cm以上の水槽からスタートすると失敗しにくいのでオススメです。
◆外部式フィルター
海水魚を飼育する場合、水質を安定させるためのろ過には、主に外部式フィルターの使用か、オーバーフローという方法になります。
そのうち、安価で手軽に入手できるのは外部フィルターです。
ただし外部フィルターの場合は海水が空気に触れる機会が少なく、水中の酸素が不足がちになってくるため、エアレーションが必須になってきます。
◆照明
照明は水槽内が綺麗に見えるだけでなく、サンゴやイソギンチャクが光合成をするために必須のアイテム。
現在はLED照明が一般的で、照明の寿命も伸びてきました。
水槽の大きさによって必要なサイズが異なるため、自身の準備する水槽のサイズにあった照明を選びましょう。
◆水槽用ヒーター・水温計
海水魚の飼育で一般的なカラフルな魚たちは、多くが南の島に住む熱帯魚が中心です。
25℃前後の水温を好む種類が多いため、ヒーターは必須です。
水温が低すぎるのはもちろん、熱帯魚だからといった高すぎるのもNGです。
そのため、水温を確認できる水温計もセットで設置しましょう。
◆人工海水
淡水魚飼育との決定的な違いは、海水魚の飼育には「海水」を使用することです。
「海水は海から汲んでくるの?」と思われるかもしれませんが、天然の海水は細菌混入などの可能性があるのでおすすめできません。
人工海水の素が販売されていますので、それを水道水で溶かして人工海水を作ります。(食塩で海水を再現することはできません)
また、海水の比重は海水魚の飼育にあたってとても重要になってきます。
比重計を使用して作った海水の比重を確認するようにしましょう。
◆カルキ抜き剤
水道水に含まれているカルキは、海水魚にとって有害です。
水道水を汲み置きして24時間以上放置するか、カルキ抜き剤を使用してカルキを抜きましょう。
人工海水の素にカルキ抜き剤が含まれているものもあるので、その場合は事前のカルキ抜きは不要です。
◆底砂
底砂は見栄えという点以外に、生物濾過に必要なバクテリアが付着する場所としても必要になってきます。
海水魚の飼育ではサンゴ砂や、バクテリアがすでに付着しているライブサンドなどが底砂として一般的です。
また、底砂を入れることでハゼやチンアナゴなど砂地の生き物も飼育が可能です。
◆ライブロック
ライブロックとは、サンゴの死骸に微生物などが付着した岩になります。
ライブロックにはバクテリアが多く付着しているため、水槽の水質維持に絶大な効果を発揮します。
また、見栄えも一気に自然の環境に近くなります。
さらに、海水魚の隠れ家にもなり、生き物のストレスを減らす効果や、サンゴの土台としても使用できるため、海水魚飼育にはマストアイテムとなっています。
海水魚の入手方法
海水魚の飼育環境を整えられたら、次はいよいよ海水魚を入手しましょう。
入手方法は、大きく分けて3通り。それぞれご紹介していきます。
◆アクアリウムショップ
一番一般的な方法は、アクアリウムショップで購入する方法です。
ショップで購入する場合、元気な個体や、大きさなども選べるのがメリットです。
また、予想もしていなかった出会いがあるかもしれません。
デメリットとしては、海水魚を扱うアクアリウムショップが近くに無い人にとってはハードルが高いことになります。
◆通信販売
昨今は淡水魚も海水魚も通販での入手がしやすくなりました。
メリットとしてはアクアリウムショップが近くにない場合でも手軽に購入できることです。
ただし通信販売の場合、魚種はもちろん選ぶことが可能ですが、実際に個体を見て選ぶことができないというデメリットがあります。
◆海から採集(釣る)
また、海から採集するという方法もあります。
釣りのほかにも、タイドプールと呼ばれる潮だまりで網などを使用して採集することが一般的です。
タイドプールは生き物の宝庫です。
関東以南なら夏〜秋にかけてカラフルな熱帯魚に出会えることもあります。
採集する楽しさもありますが、持ち帰るため20リットルほどのバケツやエアポンプなどの準備が必要になってきます。
海水魚を飼育する際の注意点
飼育環境の準備をし、海水魚を手に入れたら、いよいよ飼育開始です。
海水魚飼育にあたっての注意点をご紹介していきます。
◆海水魚をいれるまでの準備
カルキ抜きをした水道水で人工海水を作ったからといって、そこにすぐ海水魚を入れられるわけではありません。
海水を作ったばかりの水には生物濾過に必要なバクテリアがいないため、バクテリアを繁殖させる必要があります。
ライブロックなどを入れて2週間程度生体を入れずに様子をみましょう。
その後、水槽の水で水合わせをしてから生体を水槽に入れるようにしましょう。
◆同族種、似ている姿の魚の混泳
海水魚は同族種や似たようなシルエットの魚種の混泳が難しいとされています。
沖縄でシュノーケリングをしたときに、サンゴ礁に同じ種類の魚が集まっていたり、水族館の大きな水槽でもそのような光景を見かけたりします。
ですが、家庭で用意できる大きさの水槽で同じ種類や似たようなシルエットの魚を飼育すると、海水魚同士の争いの原因になります。
どちらかが死んでしまうまで争う場合もあるので、海水魚を混泳飼育する場合は、同族が混泳可能な種類なのかを調べるようにしましょう。
◆海水魚を水槽に入れる順番
海水魚を水槽に入れるとき、その順番がとても重要になってきます。
おすすめの順番としては、温厚で気の弱い性格の魚種を先に入れ、その後に縄張り意識が強く気が強い魚種を入れるのがオススメです。
気が強い魚を先に入れ、その後に温厚な魚を入れてしまうと、温厚な魚が縄張りを持てずに喧嘩の原因になってしまいます。
人気の海水魚8選
アクアリウムで飼育が可能な海水魚の種類はとても多く、初心者にはどの種類の飼育が簡単で、どのような性格をしているか、混泳が可能なのかなど、わからないことも多いですよね。
この項目では海水魚飼育に人気の魚と、その難易度や特徴などをご紹介します。
◆カクレクマノミ
海水魚飼育と聞いて、最初に思い浮かべる方も多いのがカクレクマノミではないでしょうか。
ディズニー映画にも登場し、一躍アイドルになりましたね。
オレンジの体に3本の白いラインが入っているのが特徴です。
比較的飼育がしやすく、水槽で飼育する場合、体長が8cm前後までにしかならず、初心者からでも飼育可能です。
他種との混泳は可能ですが、縄張り意識が強いため同種や似たような姿の海水魚との混泳は避けましょう。
◆ハタタテハゼ
ハタタテハゼは背びれが1本ピンと立った、ハゼの仲間です。
体長は7cm前後と小型で、お腹辺りから尾鰭にかけて体色がオレンジに染まり、その鮮やかな姿からアクアリウムでも人気があります。
こちらも飼育の難易度は低く、初心者から飼育可能です。
おとなしい性格なので他種との混泳も可能です。水槽に入れる順番はなるべく最初の段階で入れるようにしましょう。
◆コバルトスズメダイ
鮮やかな青い色をしたコバルトスズメダイ。
ルリスズメダイとも呼ばれ、丈夫で安価で初心者にも飼育しやすい海水魚です。
水槽での飼育下では体長が5cm前後と小型で、混泳をさせたくなりますが気が強い性格のため、同種での混泳は避けましょう。
他種との混泳もコバルトスズメダイより大きい海水魚のみにしましょう。
◆フレームエンゼル
フレームエンゼルはヤッコの仲間の海水魚です。
体長は成長すると10cm前後まで大きくなり、オレンジ〜赤の体色の体に黒い線が入っています。
飼育の難易度は優しく、初心者でも飼育が可能です。
縄張り意識が強いため、同種やヤッコの仲間との混泳は避けましょう。
また、他種の場合も縄張りに入ってきたら喧嘩に発展してしまうため、90cm以上の水槽で飼育するか、ライブロックなどで住処を分けて混泳飼育するようにしましょう。
◆デバスズメダイ
淡いブルーの姿が特徴のデバスズメダイは、とても丈夫な海水魚です。
そのため、海水魚飼育初心者にも向いている魚になります。
1cmぐらいの小型の個体から販売され、成長すると8cm前後になります。
性格も温和で他種とも混泳が可能です。
同種との混泳も可能ですが、3匹の場合は2匹がペアになり1匹が仲間はずれになってしまうため、4匹以上での混泳をおすすめします。
◆アカネハナゴイ
ピンク〜オレンジの体色をした海水魚で、体長も10cm前後まで成長するため、水槽が一気に華やかになります。
飼育もしやすく、初心者からでも飼育可能です。
温和でやや臆病な性格のため、3匹以上での同種との混泳がオススメです。
他種との混泳も可能ですが、性格が強い魚との混泳は注意が必要です。
やや大きめの体長で同種との混泳が推奨のため、横幅60cm以上の水槽での飼育が望ましいです。
◆イエローコリス
黄色のボディ、背びれに目のような黒い模様があるのが特徴のイエローコリス。
ベラの仲間で海水魚飼育ではポピュラーな種類になります。
ベラの仲間は導入に関してデリケートで、飼育を始めた最初の1ヶ月で死んでしまう個体もいます。
ですが、それを乗り越えた場合はかなり飼育しやすい種類になります。
混泳も可能ですが、気が強い魚種や肉食の魚との混泳は注意が必要です。
◆ナンヨウハギ
こちらもディズニー映画に登場し、一躍有名になった海水魚です。
英語でサージョンフィッシュ(外科医の魚)と呼ばれ、尾鰭の根本に棘があり、青い体に黄色い尾鰭が特徴です。
成魚になると30cm前後まで成長するため、横幅60cm以上の大きな水槽が必要になってきます。
また、白点病などの病気にかかりやすい個体が多く、飼育の難易度はやや高めです。
ナンヨウハギは気が強く、同種との混泳はオススメしません。
映画のようにカクレクマノミと混泳させたい場合も、横幅90cm以上の大きい水槽が必要になってきます。
まとめ
今回は、海水魚の飼育に関して、必要な飼育用品や、海水魚の入手方法、飼育する際の注意点などをご紹介してきました。
難しいイメージがある海水魚飼育ですが、魚の種類を選べば意外とお手軽にスタートすることが可能です。
この記事が海水魚飼育に興味を持った人の参考になれば幸いです。
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