1.犬は寝たふりをする?
2.犬が寝たふりをする理由
2-1.寝たふりをしているけど、実は本当に寝ている
2-2.叱れたりしてストレスを感じている
2-3.良い事が期待できないと感じている
犬は寝たふりをする?
寝ているというより寝たふりをしているような状態を、ワンちゃんが見せる場合があります。愛犬の、このようなしぐさを確認したことがある方も少なくないでしょう。
実は、犬は寝ていても完全に眠っているわけではないのです。ノンレム睡眠というウトウトした状態で過ごしていることが多く、寝ているようでも飼い主さんや家族に呼ばれたら、すぐに行動することができるというわけです。
しかしこの時、呼ばれても耳をピクッと動かすだけ、薄目を開けてもすぐに目を閉じる、などの反応を示す場合も多いため、その姿から寝たふりをしている、と感じさせられてしまうのでしょう。
ただし、犬の行動のほとんどにはきちんと意味があります。犬の「寝たふり」にも、様々な理由や愛犬の気持ちが詰まっている可能性が考えられるのです。
まずは、どのような内容が寝たふりの理由としてあげられるのかを紹介していきましょう。
犬が寝たふりをする理由
愛犬が寝たふりをしているように見える時、そこにはどんな理由が隠されているのでしょうか。単なる人間側の勘違いなのか、愛犬からの何らかのサインなのか、しっかり見極める必要がありますよ。愛犬への理解を更に深めるためにも、しっかりチェックしていきましょう。
◆寝たふりをしているけど、実は本当に寝ている
前述したように、犬は基本的にノンレム睡眠というウトウトした状態で過ごしていることが多いと言われています。愛犬の耳が寝ている時でも声のする方に動く、薄目を開けている、またまぶたが動いている、といった様子が見られるのはこのノンレム睡眠が原因だといえるでしょう。この状態を目した飼い主さんには、愛犬が寝たふりをしているように見えてしまうのです。
ちなみに犬のノンレム睡眠は、レム睡眠と交互に約20分おきに訪れると考えられています。
犬は人間の様に継続した睡眠を必要としないため、1日合計でいうと、成犬は12~15時間、子犬は15~18時間の睡眠時間を確保することが理想だそうですよ。
◆叱れたりしてストレスを感じている
犬は叱られたり、知らない人がいるなどの慣れない状況に置かれてストレスを感じると、あくびをしたり視線を逸らす行動を見せるケースがあります。
このような様子から飼い主さんが、愛犬が寝たふりをしていると感じることがあるのです。
あくびや視線をそらす様子が見られた時、それまでの状況を思い返してみてください。愛犬が、何らかのストレスを感じた瞬間があったのかもしれませんね。
◆良い事が期待できないと感じている
基本的に犬が積極的に行動する時は、楽しいこと、嬉しいこと、褒められるようなこと、またはオヤツがもらえる、などといった良いことが起こる場面であるパターンが多いです。
実際に、寝ている時に「おやつ」「散歩」といった愛犬にとってのプラスの言葉を一言いっただけで飛び起きる子も多いのではないでしょうか。我が家の愛犬は、まさにこのタイプです。
この、愛犬にとってのプラスの出来事とは反対に、「良いことはなさそう」「叱られる?」というマイナスなシーンが連想される言葉を言ったときに、寝たふりをする子も中にはいるようです。
まさに人間社会でも見られるような、都合の悪いことには耳を塞ぐといった状態に近いかもしれませんね。
犬が飼い主さんにアピールしている
寝たふりに見える行動の他にも、愛犬が飼い主さんに対して気持ちをアピールする行動や仕草は多数あります。それは大好きだという気持ちを示す愛情表現であったり、病気のサインからくるものであったり、または問題行動であったりと様々です。
犬は自分の欲求や感情を言葉で伝えることができませんよね。その代わりに表情や行動、態度で気持ちを伝えようとしてくれます。
愛犬との絆を深めるためにも、飼い主さんへのアピールにいち早く気付く必要があるのです。
それでは、寝たふりの他にどのようなアピール方法があるのかをいくつか解説していきましょう。
◎トイレを利用した方法
トイレトレーニングが済んでおり普段は問題なくトイレの場所で排泄・排便できる愛犬に、何度もトイレに行く、失敗してはみ出す、などといった様子が見られることがあります。
この行動には、愛犬が飼い主さんの気を引きたいと思ってわざと行っている可能性が考えられるのです。
トイレに失敗すれば飼い主さんが掃除をしに来る、トイレを何度もすることできちんとトイレで用を足せたことを褒めてもらえる、と学習しているからこそ、わざとやっているケースがあるというわけですね。
しかし、排泄に関しては膀胱炎や下痢などの病気が関係している場合も少なくありません。
飲んでいる水の量や排泄物の状態を、日常的にチェックしておくことを忘れないでください。
また、トイレシートが汚れていたり、トイレが小さすぎるなどトイレスペースが原因で粗相をしているケースもあるので、その点の見極めには注意しましょう。
◎怪我・病気のフリをする方法
散歩に行きたくない・抱っこして欲しい・心配して欲しい、といった気持ちを表す目的で、具合が悪そうな様子を見せたり、怪我をしていないのに足を引きずって歩いたりなどという、いわゆる仮病のような行動を愛犬が使う場合があります。
以前に病気・怪我などをした際に、飼い主さんが献身的に看病・介護をして、優しく心配してくれた記憶が強く残っているのでしょう。この過去の学習から、構ってほしい・心配してほしい、という気持ちをアピールする方法としてこの行動を見せているのかもしれませんね。
ただし、この場合もトイレを利用する方法と同様に、本当に怪我をしていたり、体調不良に陥っている可能性が考えられます。
普段と違う様子や気になる症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診してみましょう。何事もなければ安心できますし、何かが見つかれば早めの治療が受けられます。勘違いであったとしても大丈夫です。何か重大な病気が見つかり後悔するよりもずっといいので、遠慮なく獣医師に相談してくださいね。
◎ご飯・おやつを食べようとしない方法
お腹が空いている時間帯なのにご飯を食べなかったり、普段は大好きなおやつを食べようとしない、または手から与えないと食べない、飼い主さんが側にいないと食べない、といった状況に遭遇したことはないでしょうか。
これは、心配して欲しいという感情であったり、他の食べ物が食べたいという欲求を表現する方法の一つです。飼い主さんに対して、甘えたいという気持ちが強くなっているのかもしれませんね。
しかしこの行動にも、体調不良が原因となる場合も考えられます。注意して様子を観察し、判断しましょう。
◎知らんぷりをしてくる
寝たふりの行動に似ていますが、明確な知らんぷりには少し注意が必要です。
明らかに見ているのに見ていないふり、耳がこっちを向いているのに聞こえないふりをするなど、明らかな知らんぷりの状態が愛犬に見受けられる場合は、自己主張が強くなっていたり、わがままになっている可能性が考えられます。
例えば、愛犬がおもちゃで遊んでいるとします。その最中に飼い主さんが呼んでも無視をするという状態であれば、愛犬にとっておもちゃの方が飼い主さんよりも魅力的な存在となっているというわけですね。
わがままも度が過ぎれば問題行動への引き金となります。愛犬との関係性を一度見直してみましょう。
◎わざとイタズラをしてくる
愛犬がわざとイタズラをする、いけない物を引っ張る、注意されても止めずに益々激しくイタズラを続ける、といった行為で、飼い主さんに愛犬が感情をアピールする場合もあります。
イタズラをすれば飼い主さんが飛んできて構ってくれると学習してしまった犬は、ダメ!と叱られても構ってくれたと勘違いして喜んでしまっているのでしょう。
この場合、愛情不足・ストレスなどの問題を愛犬が抱えているケースが少なくありません。愛犬にとっては飼い主さんや家族が一番大切で重要な存在です。生活の中で何か問題がなかったか、振り返ってみてください。
ストレス解消に効果的なおもちゃを与えたり、一緒に遊んだりスキンシップを図る時間を増やしてあげるなどして、愛犬の欲求を満たす機会を作ってみましょう。
ただし、改善が見込まれなかったり、破壊行動が止まらない場合には、他の問題が隠れている可能性も考えられます。そのような状況であれば、一度専門家に相談してみるのも一つの方法でしょう。
犬が寝たふりをした時の対応
愛犬が寝たふりをしていると感じても、「反応するより休んでいたい」といった様子であれば、指示に従わせる必要がない場面に限りますが、そのまま放っておいても問題はないでしょう。
ただし前述してきたように、普段反応する言葉や行動に対して寝たふりをするタイミングが多いようであれば、体調不良などを起こしている可能性が考えられます。
痛みや異常を抱えている部分がないか念入りにボディチェックをしたり、排泄物に問題がないかこまめに確認してみましょう。少しでも異変を感じら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
また、寝たふりの原因がストレスである可能性が高い場合は、早急にストレスを取り除いてあげられるように対策をとってください。
◆寝たふりの判断が難しい場合
愛犬が寝たふりをしているかどうかの判断がつかない場合は、他の家庭のペットを参考にしてみるのも良い方法です。
ネット記事の他にも、InstagramやTwitterなどのSNS上でも動画や写真がみられるでしょう。話題となっている投稿や爆笑画像など、人気が高く反響の大きいものであれば楽しみながら、愛犬との違いなどを比べることができますよ。
犬にも好き嫌いがあり、性格や行動にも差があります。他の子との寝たふりの仕方や行動の違いに驚きを隠せないかもしれませんが、コメントなども併せてチェックすると愛犬と似たような子をもつ飼い主さんにも出会えるかもしれませんね。
それでは、可愛い寝たふりをするワンちゃんを少し紹介していきますので、参考にしてみてください。
●ソファで寝たふり?!をする柴犬ちゃん
寝たふりを覚えた柴犬????
(この子、薄目をあけてます????) pic.twitter.com/NFQuQ8xOBs— 柴犬·͜·♡もも (@momonosekaiii) April 4, 2022
●散歩を回避しようして寝たふり?!のコーギーちゃん
朝のお散歩を回避しようと、寝たふりをする犬 pic.twitter.com/MfJ4qIasSb
— おにぎり (@onigirry) June 23, 2021
まとめ
犬の感情表現方法は、しっぽの動きや表情だけに限りません。寝たふりという、アピール方法があるということも覚えておいてくださいね。
赤ちゃんの頃には寝たふりが見られなかった子でも、成犬になってから寝たふりをするようになる場合も多いです。寝たふりは人間同様、学習や経験によって培った愛犬にとっての知識だともいえるでしょう。
愛犬と飼い主さんとの関係性や、生活する上で問題にならない場合は、この可愛らしい行動を微笑ましく見守っても問題ありません。
ただし、ストレスが原因の場合はそれを取り除くこと、病気などの疑いがある場合は獣医師に相談することを忘れないようにしてくださいね。
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