1.チンチラってどんな動物?
1-1.チンチラの特徴
1-2.チンチラの生態
2.チンチラの飼い方
2-1.チンチラはとっても活動的♪
2-2.食事
2-3.ハウス(ケージ)で必要とされる物
3.チンチラを飼育する時の注意点
3-1.生態に忠実な環境
3-2.多頭飼いの注意
3-3.交配時の注意
3-4.その他
4.まとめ
チンチラってどんな動物?
◆チンチラの特徴
チンチラはげっ歯目チンチラ科チンチラ属に分類される動物です。
元々、野生ではチリに生息する固有種で、標高400~1650mの山地の岩場で集団生活をしています。
草木や樹木の根・コケ類などが主食の草食動物です。
体長は大体25cm前後、尾の長さは15cm前後なので、全長は40cmくらいになります。
体重は成獣で400~600gとなりますが、チンチラはメスの方が身体が大きめなので、オスは約400~500g、メスが500~600gが目安となります。
◆チンチラの生態
野生で生息するチンチラは約6年ほどの寿命ですが、ペットとして飼育されるチンチラは15年前後の寿命とされており、20歳以上長生きするチンチラもいるそうです。
正しい知識や飼育法を備えれば、可愛いチンチラと一緒に暮らせる年数も伸ばせます。
チンチラの妊娠期間は111日間で、1回に1~6匹の赤ちゃんが誕生します。
個体差があるので、平均的には2~3匹を産むとされています。
チンチラが罹りやすい、主だった病気というのはないので、逆にチンチラの生態に対する知識が豊富な獣医師がまだまだ多くなく、
ペットとしてお迎えするのであれば、事前にエキゾチックアニマル専門獣医師をリサーチしておくことをおすすめします。
チンチラの飼い方
◆チンチラはとっても活動的♪
チンチラの特徴でもお話ししましたが、彼らは元々山岳地帯の岩場を跳びはねたり、駆け回ったりする動物です。
ですから、「チンチラってハムスターやウサギのようにケージ内で飼育できる動物ね」などと勘違いしてはいけません。
それどころかチンチラの活動形態を尊重して、ケージも動き回れるように大きめのサイズが好ましいですし、
最低でも1日1時間はケージから出してあげて、室内で運動させてあげることが重要です。
また、げっ歯類に分類されるだけあって、持っている鋭い歯は一生伸び続けるため、常に固いものを噛み続ける習性があります。
そのため室内で運動させる際には、大きめのサークルを用意する、噛まれては困るような物(特に電化製品のコード類等)は必ず保護する、などの心得が必要となります。
他にも家具や柱、壁などを噛んだり、ケージの外に出るとテリトリー意識からか、トイレをあちこちにもよおしてしまったりすることもありますので、そのような行動パターンも理解しなければなりません。
◆食事
チンチラは常生歯という特性のあるげっ歯類なので、食事には繊維質の多いチモシーなどの牧草がメインとなります。アルファルファなどもおすすめです。
チンチラ用のペレットも一緒に与えれば、栄養バランスの補助にもなります。注意事項としてチンチラには胆嚢がないため、脂肪の分解がスムーズにいきません。
ですから、高脂質なウサギ、ハムスター、モルモット用のペレットを代用に与えてはいけません。
また、副食として小松菜や人参などの野菜、リンゴなどの果物も与えてもOKですが、特に与えなくてはならないということはありません。
甘い味を好むので、おやつとして少量のマンゴー、パイナップル、バナナ、レーズンなどのドライフルーツを与えてあげるのも良いでしょう。
好物のおやつは、しつけやコミュニケーションのツールともなりますが、与えすぎないよう気をつけましょう。2~3日にドライフルーツ1、2個を目安としましょう。
水はケージの外側からつけるタイプの給水ボトルに入れましょう。水道水で問題ありません。
常温のお水を与え、暑いからといって冷水を与えないで下さい。チンチラがお腹を壊してしまいます。
◆ハウス(ケージ)で必要とされる物
*ケージ
ウサギやハムスターと違い、横長のタイプではなく高さのあるケージがよいでしょう。
ただし、あまり高いものだとチンチラが運動中に誤って落下した時の怪我が懸念されますので、70~80cmの高さで十分だと思います。
*回し車
チンチラは夜行性動物ですから、夜間の人が寝静まった時に活動する事が多いです。
回し車はプラスティック製で、直径30cm以上の大きめのタイプを用意してあげましょう。
最近ではペットショップでも【サイレントホイール】という滑車音が静かめのタイプもあります。
*ステップ
山岳の岩場を飛び回るチンチラには、ケージに取り付けるタイプの木製ステップが、
ケージ内の運動にも活用できます。また木製なのでかじる事もできて歯の摩滅の手助けにもなります。
*砂場
チンチラのフワモコの被毛は、砂浴びをすることでその輝きや清潔さを保ちます。
お砂場にする箱に、チンチラダストと呼ばれる砂を約1cmの厚さで敷き詰めてあげましょう。
被毛の密度は他の小動物より高いので、チンチラ専用の目の細かい砂をこまめに交換してあげて下さい。
*巣箱・齧り木
チンチラのような小動物には、安心できる「隠れ場所」があると精神的にも安定します。
中で動ける余裕のある巣箱を一つ設置してあげると、ケージ内の更に「安全地帯」として、チンチラは喜びますよ。
そして、一生歯が伸び続けるチンチラの不正咬合を防ぐためにも、齧り木も必要です。
普通の木材や割り箸などで代用すると、齧った際に木が裂けてしまい、チンチラのお口の中を傷つけてしまうリスクがありますので、
必ず小動物用に作られた齧り木を置いてあげましょう。
チンチラを飼育する時の注意点
◆生態に忠実な環境
チンチラは、その美しくフワモコのビロードのような被毛が、魅力のひとつとされています。
1つの毛穴から細かく繊細な毛が70~80本生えているそうです。
これは、野生のチンチラが高地の気温が低い地帯に生息していることが理由です。
ですから、ペットとしてチンチラを飼うためには、お部屋の環境も彼らの生態に合わせて整えることが大切です。
基本高温多湿に弱いので、室温は23℃くらいが適温です。特に近年の日本の夏は、30℃以上の高温が続きますので要注意です!
常にエアコンを稼働させ20~23℃の室温を保ちましょう。
細かい被毛につつまれているチンチラは、湿気で毛が密着したり、絡まってしまうことを嫌います。
チンチラのストレス軽減や病気感染予防のためにも、梅雨の湿度が高くなる時期には、除湿器またはエアコンの除湿機能を活用して、室内の湿度管理も徹底してください。
◆多頭飼いの注意
チンチラは野生では集団行動をする動物ですが、ペットとして飼育する場合は同じケージ内で多頭飼いするのはおすすめしません。
チンチラ同士でテリトリーを意識しあい、かなり激しい喧嘩をすることもあります。もし、多頭飼いをしたいのでしたら、一匹に一つのケージ(ハウス)を与えましょう。
室内を運動させるときも、必ず一匹ずつ交代でケージから出してあげましょう。
◆交配時の注意
チンチラには致死遺伝子という特性があり、オスとメスの毛色の組み合わせによっては、死産になってしまうリスクがあります。
一例として、ベルベット系同士やホワイト系同士が交配しても25%死産や流産となってしまいます。
自宅でチンチラをブリーディングする際には、必ずエキゾチックアニマル専門獣医師に相談しましょう。
◆その他
チンチラには内臓系の疾患は特にありませんが、食餌管理を間違えると、不正咬合という歯の病気になってしまう場合があります。
また、被毛が絡まるなど不衛生な状態が続くと皮膚疾患になったり、毛を飲み込んで毛球症を発症したりする場合もあります。
常日頃から、チンチラの様子を観察し、異常に気づいたらすぐにでも専門獣医師に相談して、チンチラの健康管理を徹底しましょう。
まとめ
チンチラは、とってもすばしっこく活発な動物です。その可愛らしい仕草に、私達は見ていて飽きることがありません。
そして、頭の良い子たちでもあるので、チンチラとのコミュニケーションを忍耐強く続けていると、私達を「ご飯や美味しいものをくれる、優しい仲間」と認識して、懐いてくれる事も期待できます。
名前を呼ぶとこちらを向いてくれたり、室内で運動している最中に飼い主さんの肩に乗ってきたりする子もいます。
可愛くて、その姿に癒やされるチンチラが少しでも長生きしてくれるように、チンチラのベストな環境づくりをしてあげて、更にチンチラの健康管理のためにも、エキゾチックアニマル専門獣医師をアドバイザーとして連携しておくこともおすすめします。