●目次
ザリガニについて
飼育方法の前に、まずはザリガニについて説明していきます。
◆ザリガニとは
日本各地の池や水路で生息しており、カニやエビの仲間の甲殻類に分類されています。日本で最も多く生息しているザリガニの種類は、外来種の「アメリカザリガニ」です。鮮やかな赤い色の身体をしていることから一部では、「マッカチン」という別名で呼ばれていることもあります。その他には在来種の「ニホンザリガニ」外来種の「ウチダザリガニ」なども生息しています。
◆ザリガニの特徴
・ニホンザリガニ
ニホンザリガニはその名の通り日本唯一の在来種です。とても繊細で綺麗好きなので、汚い水質の場所には生息せず、澄み切った小川や湖沼などにしか生息していません。北海道、青森、秋田、岩手に生息しています。現在は絶滅危惧2種に指定されています。生体の体長は5cm~10cm、体色は茶色、額が三角でトゲがない、ハサミにトゲがないことが特徴。
・アメリカザリガニ
アメリカザリガニはその名の通りアメリカ原産の外来種です。ニホンザリガニとは違い、田んぼや用水路、泥底などの環境下でも生息することができ、繁殖力も非常に強いです。生体の体長は10cm~15cm、体色は赤色、額にごつごつしたトゲ、ハサミにトゲが多くあることが特徴。
・ウチダザリガニ
ウチダザリガニはアメリカ北西部原産の外来種です。あらゆる環境に適応し、なんでも食べることから、ウチダザリガニが侵入すると生態系のバランスを崩壊させてしまうと言われています。また、ウチダザリガニは、ニホンザリガニに伝染する病気をもっており、これはニホンザリガニを死に至らしめる病気です。生体の体長は15cm以上、頭の先端がとがっている、ハサミが大きく白い模様がついている
ザリガニの飼育方法
ザリガニを長生きさせようと本気で飼育してみると意外と難しく、ザリガニにはザリガニの育て方のポイントを抑えなければなりません。次にザリガニを飼育する上で必要な物をご紹介します。
◆ザリガニを飼育する上で必要な物
ザリガニを飼育する上で必要な物は以下の通りです。
- 水槽(フタ付き)
- ろ過装置(フィルター)
- 底砂
- 隠れ家
- ザリガニのエサ
- 水草
- カルキ抜き
・水槽(フタ付き)
プラスチック製ケースやガラス製のケースのどちらでも大丈夫です。プラスチック製のケースはが軽くて扱いやすいですが、ガラス製のケースは透明度が高く、ザリガニを綺麗に見ることができます。大きさは30cm~45cmの大きさが好ましいです。
※ザリガニは共食いをする生き物なので、基本的に多頭飼いはオススメしません。もし多頭飼いするのであれば、45cm~60cm以上の水槽を用意しましょう。
またザリガニは脱走の名人です。脱走防止のために、フタ付きの水槽を購入するようにしましょう。フタに隙間がない水槽を選ぶことがオススメです。ろ過装置(フィルター)をかけるために、フタの上の部分が1/3程度空いているように設計されているものもありますが、この設計の水槽だとザリガニは隙間から脱走してしまいます。ろ過装置(フィルター)のチューブが通せる穴が開いているフタであれば大丈夫でしょう。
・ろ過装置(フィルター)
ザリガニの呼吸方法はエラ呼吸で、甲部の中にあるエラが湿ってさえいれば空気中の酸素を取り入れることができます。水中の酸素が少なくなってしまうと、酸欠になって死んでしまうので、水深を深くするのであれば必ずつけるようにしましょう。ろ過装置(フィルター)を使用しない場合は、水深を深くせず5cm~7cm程度にしましょう。投げ込み式のろ過装置(フィルター)がオススメです。
・底砂
ザリガニの水槽に砂利を入れることで、歩きやすくなったり、バクテリアが定着しやすくなります。バクテリアは、ろ過装置で処理できないような水中の有害物質をバクテリアが無害なものに分解し、水質を綺麗にして安定させてくれます。他にも脱皮をする際にも役立ったりします。ザリガニを飼いたい方には嬉しいことにザリガニ専用の砂利もあります。
・隠れ家
ザリガニは隙間や狭い所が大好きなので、流木や石、植木鉢を半分に割った物、などを用意してあげましょう。ザリガニが身を隠せる場所があると、ストレスの軽減になります。ストレスが溜まってしまうと、拒食や病気、脱皮不全に繋がり、死亡のリスクが高まるので、設置するのがオススメです。
・ザリガニのエサ
ザリガニは雑食でなんでも食べます。食べ方は、口からこぼすようにして食べるので水槽がよく散らかります。なので、適当にエサを与えて放置し続けると、食べ残しなどで水質が悪くなり、水槽が臭くなってしまいます。ザリガニの水槽が匂う原因はエサの与え方が悪いからなのです。決してザリガニが臭いというわけではありません。
ザリガニのエサの量や回数の目安は、1日1回で、食べ残さないくらいの量を与えるようにしましょう。与えたエサを全部食べるのであれば、食べるだけ与えても問題はありません。1時間ほど経過しても食べ残しているのであれば与えすぎの証拠です。残されたエサは水質が悪くなる原因になるのですぐに取り除くようにしましょう。また、ザリガニは飢餓に強く、1エサを日与えない程度であれば平気ですが、1日1回は与えるようにしましょう。
ザリガニはエサによって体色が変わります。赤色のザリガニの場合は、植物性の物が含まれたエサを多く食べており、青色のザリガニの場合は動物性のエサを多く食べています。また、食用色素が入ったエサを与えることで、黄色やオレンジに変えることもできます。
オススメのエサは、ザリガニ専用の人工のエサがオススメです。ザリガニが健康で長生きできるように作られたエサなので、困ったらこれをあげるようにしましょう。その他にもザリガニの好物の生餌で、赤虫、イトメ、イトミミズなどもよく食べます。生餌の管理が難しい場合は冷凍された物もあるのでそちらを購入すると良いでしょう。
・水草
飼育環境の水質を安定させるためにも水草は大切で、ザリガニの栄養バランスを整えるためにも役に立ちます。ただ、気を付けなければいけないのが、無農薬の水草を使うことで、農薬を使用している水草を入れてしまうと、ザリガニなどの甲殻類の生き物の神経に影響を及ぼしてしまい、死に至らしめる場合もあるので気を付けましょう。
無農薬の他には、ザリガニに食べられても丈夫ですぐに生え変わる水草や、ハサミで切られない丈夫で硬い葉を持つ水草を選ぶことも大切です。ザリガニに簡単に食べつくされてしまう水草を選ぶと、食べカスが多く出てしまい、ろ過装置(フィルター)に詰まる可能性があります。丈夫ですぐに生え変わる水草、食べつくされても安価で再度購入可能な水草を選ぶのが良いでしょう。
オススメの水草は、「アナカリス」「マツモ」「アヌビアス」「ボルビティス」「ミクロソリウム」などがオススメです。ただ、「アヌビアス」「ボルビティス」「ミクロソリウム」などは、熱帯性の水草なので、ヒーターが必要です。適正温度は22℃~28℃になり、この温度はザリガニの活性があがり、エサをよく食べ、よく排泄するようになります。加温された状態だと、エサの食べ残しや排泄物が水に悪影響を及ぼす時間が早いので、水質悪化に注意して、こまめに水の交換をするようにしましょう。
・カルキ抜き
水道水には消毒のために、水に住む生き物たちに有害なカルキが入っています。ザリガニは丈夫でカルキを抜かなくても平気なのですが、水槽内やろ過装置(フィルター)についている水質を良くするバクテリアに悪影響を及ぼします。カルキの入った水を入れてしまうとバクテリアが死滅してしまい水を綺麗に保つ力がなくなってしまいます。基本的にはカルキ抜きをした水を入れてあげるようにしましょう。
◆ザリガニの適正の水温
ザリガニの適正の水温は24℃前後で30℃を超えないようにしましょう。30℃以上の高温が続いてしまうと体調をくずすことがあるので、夏場には注意が必要です。窓辺などの日光が直接当たらない場所に置くようにしましょう。
ザリガニの入手方法
水路や池などで釣ることもできますが、ペットショップでの購入も可能です。
◆ザリガニの捕まえ方
ザリガニは嗅覚が敏感なので、においの強いエサでおびき出すのが有効です。スルメやさきいか、タニシ、魚肉ソーセージなど様々です。ザリガニをおびき出してエサを掴んだ所で後ろから網ですくいあげると捕まえやすいです。木の棒にタコ糸を付けて先端にスルメを付けて釣り上げるなどの方法もあります。ザリガニは身を守るために目の前に来たものを掴む習性があります。細い木の枝でザリガニを威嚇するように突っついてあげると、木の枝を掴んでくれることが多いので、掴んだらすぐに引っ張り上げましょう。
※ウチダザリガニなどの特定外来種は、生きたまま運んだり、飼ったりすることが法律で禁止されおり、違反した場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科されるので、注意しましょう。
一部のザリガニの飼育や販売が禁止になったので、下記でご説明いたします。
◆ザリガニの飼育禁止について
実は、2020年11月2日にアメリカザリガニとニホンザリガニを除く外来種のザリガニ全種が「特定外来生物」に指定され、飼育や販売が原則禁止になりました。禁止の対象になったザリガニをすでに飼育している方の場合、2021年5月1日までに申請書を出せば、引き続き飼育は可能です。
上記のことを破った場合は以下の罰則があります
ペット等の目的で禁止対象のザリガニを飼育していた場合
・個人の場合:100万円以下の罰金、または1年以下の懲役
・法人の場合:5,000万円以下の罰金
密輸や販売目的、無許可で野外に放した場合
個人の場合:300万円以下の罰金、または3年以下の懲役
法人の場合:1億円以下の罰金
このように重い罰則となっているので、十分に注意をして心配であれば専門家の方などに相談するようにしましょう。アメリカザリガニとニホンザリガニであれば引き続き飼育が可能です。
まとめ
今回はザリガニの飼育をする際に必要なことをご紹介してきました。ザリガニ=臭い、というイメージがあると思いますが、実はザリガニ自体は臭くなく、育て方によるものです。ザリガニに家族として長い間一緒に過ごすために、育て方をしっかりと学び大切にしましょう。それと、上記の一部のザリガニの飼育が禁止されたことは、私たちが飼えなくなってしまった外来種のザリガニ達をむやみやたらに捨ててしまったことが原因です。これからザリガニを飼育しようとお考えの方は最後までしっかりと愛情と責任をもって可愛がってあげましょう。
ザリガニとの幸せな日々を願っています。
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