1.アンゴラウサギとは
1-1.生息地
1-2.寿命
1-3.色について
1-4.大きさ
1-5.性格
4.アンゴラウサギの種類
2-1.イングリッシュアンゴラ
2-2.フレンチアンゴラ
2-3.サテンアンゴラ
2-4.ジャイアントアンゴラ
3.アンゴラウサギは日本で飼える?
3-1.アンゴラウサギはなつく?
3-2.アンゴラウサギの飼育方法
3-3.アンゴラウサギを飼う際の注意点
【掲載:2021.03.29 更新:2023.12.26】
アンゴラウサギとは?
実はアンゴラウサギというウサギはおらず、「フレンチアンゴラ」「イングリッシュアンゴラ」といった「アンゴラ」と呼ばれる品種の総称を「アンゴラウサギ」と呼んでいます。
全身が約10cmにもなる長い被毛で被われているのが特徴的な、長毛種のウサギです。
現在約11種が確認されていて、ARBAという世界最大級のうさぎの協会では「イングリッシュアンゴラ」「フレンチアンゴラ」「サテンアンゴラ」「ジャイアントアンゴラ」が公認の品種となっています。
◆原産国・生息地
アンゴラウサギはカイウサギを品種改良したことによって生まれた種類ですので、野生の個体はいません。
名前に「アンゴラ」と入っているため、原産国をアンゴラ共和国と勘違いする人も多いですが、その発祥地は明確にはなっていません。
今最も有力と言われている説は、トルコが発祥の地という説です。
アンゴラウサギはうさぎの中でも珍しく、「毛を刈り取るという」ということを目的に作られた品種となります。
18世紀半ば、ウサギを飼うことがブームとなっていたフランス王室からヨーロッパ各国に広まり、主にイギリスやフランスで品種改良されました。
その被毛は毛織物に向いていることから、多くが被毛を採る目的で飼育されてきましたが、ふわふわとした可愛らしい容姿からペットとして愛されるようになりました。
◆寿命
平均寿命は基本的に約5年とされていますが、上手に飼育すれば10年生きることも可能といわれています。
◆色について
毛色は主に白、灰色、黒、褐色など様々ですが、白い被毛のアンゴラウサギが一般的に人気が高いです。
◆大きさ
ウサギとしては中型に当たる大きさで、体長は約30㎝。
体重は3㎏~4㎏くらいのものが多いですが、実際には種類ごとによっても変わってきます。
その被毛は伸び続けるので、人が手入れをしないと生きていくことも難しいといわれています。
換毛期はグルーミングを1日に2~3回、それ以外の時期も週に2~3回は必要です。
また3~4ヶ月に1回は毛をカットするなど、他のウサギ以上に丁寧にお手入れをする必要があります。
◆性格
性格は穏やかで我慢強く、おっとりしている傾向にあります。
また、小型のウサギに比べて人懐こく、撫でられることが好きな子も多いです。
中には抱っこやグルーミングが好きな子もいて、大人しくしていることが多く見られます。
アンゴラウサギの種類
前述の通りアンゴラウサギは品種改良された種類であるため、野生種は存在しません。
アンゴラ種の中でも純血種として公認されるのは4品種です。
◆イングリッシュアンゴラ
現在、日本でペットとして飼われている大半のアンゴラウサギがこの種類です。
小型に改良された種類で、体重は約2.5kg~3.5kg。
アンゴラ種の中では最も小型です。
被毛は10cm以上に伸び、特に顔の飾り毛が長くなるのが特徴です。
◆フレンチアンゴラ
フレンチアンゴラは二番目に大きな種類です。
体重は約3.5kg〜4.5kgで、顔や四肢の毛が長くないため、4品種の中でも比較的手入れがしやすいです。特に耳の毛がイングリッシュアンゴラに比べて短いため見分けがつきます。
◆サテンアンゴラ
カナダで品種改良されたアンゴラ種です。
体重は約3kg〜4kgで、イングリッシュアンゴラやフレンチアンゴラと同じくカラーバリエーション豊富な種類です。
名前にサテンが入っているだけあり、光沢があり柔らかく、美しい被毛を持っています。
この毛並みを維持するために毎日のグルーミングが大変ですが、とても人気です。
◆ジャイアントアンゴラ
アメリカで品種改良されたアンゴラ種です。
体重は約4kg以上とアンゴラ種の中では最大です。
イングリッシュアンゴラやフレンチアンゴラはカラーバリエーションが豊富なのに対し、ジャイアントアンゴラは白い被毛と赤い目のアルビノのみという珍しい種類です。
アルビノとは、先天的にメラニン色素が欠乏したり、少ないことをいいます。
アンゴラウサギは日本で飼える?
アンゴラウサギは、日本でもペットとして飼うことができます。
しかし、アンゴラウサギの特徴や性格を十分理解した上で飼育する必要があります。
ここでは飼育方法や飼育する際の注意点等を見ていきましょう
アンゴラウサギはなつく?
もともと警戒心は強く、なつくまでに多少の時間がかかります。
個体差もありますが、スローペースながらも毎日の時間を共に過ごしていくうちに、警戒心が消え、膝の上に乗ってきたり、後追いされたり、甘えん坊な表情も見ることができます。
もともと感情や表情が豊かな動物ですので、警戒心さえ解けてしまえば徐々になついていきます。
飼い始めの時期はいきなり抱っこをしたり、なでたりしようとせず、同じ空間にいることになれさせることが大切です。
また、アンゴラウサギの視界になるべくいるようにし、エサをあげるときも手からあげることで、飼い主の匂いを覚えてくれます。エサをあげながら名前を呼んだり、反対の手で鼻筋や背中をやさしくなで、強引なことはしない優しいスキンシップで接していくことが大切です。
他には、アンゴラウサギは声帯が未発達なので鳴くことはほとんどありませんが、話しかけられると飼い主を意識するのでなつきやすくなります。
ウサギは視力があまり良くないため、その分を嗅覚や聴覚で補っています。
大きな声で話しかけたり、大きな音を立てると怖がらせてしまうので避けましょう。
アンゴラウサギの飼育方法
アンゴラウサギの気をつけたい病気
ウサギは鳴くことがほとんどないため、病気になったとしても気がつきにくい動物です。
ウサギに多い症状とアンゴラウサギの気を付けたい病気についてご紹介します。
◆骨折や脱臼
ウサギは非常に骨が弱いため、家の中で走っている時にケージや家具にぶつかっただけで骨が折れてしまうことがあります。また、飼い主の抱っこの仕方が悪いと、腰や足の骨が折れたり、脱臼してしまう恐れがあります。
足腰に違和感があったり、足を引きずって歩いている様子が見られたら、骨折、脱臼の疑いがありますので、日頃から注意しましょう。
◆胃腸のトラブル
ウサギは非常にデリケートな動物です。
ストレスや他の病気で消化不良になったり、胃腸うっ帯、急性胃拡張といった胃腸トラブルを起こします。
ウサギは1日エサを食べないと、生死に関わる危険がありますので、違和感を感じたらすぐに病院へ連れていってあげましょう。
◆毛球症
ウサギは毛づくろいをしたあと、体内に溜まった毛を自分で体外に出すことができません。
アンゴラウサギのような長い毛のウサギは特に気を付けて見てあげないと、消化管に毛が溜まってしまいます。
毛を飲み込み過ぎると毛がお腹の中で固まり、「毛球症」という病気に繋がるので注意が必要です。
毛球症の症状としては食欲不振、排泄量の減少がみられます。
毛球症は初期であれば薬で治療できますが、発見が遅れると手術が必要になってしまう場合がありますので、こまめにブラッシングをして対策をしていきましょう。
まとめ
ふわふわとした被毛が魅力のアンゴラウサギ。
飼育するには少し上級者向けですが、可愛らしい容姿とその性格から人気の理由が分かりますね。
人になれるまではなかなか触らせてくれなかったり、なついてくれないアンゴラウサギですが、なれてくると甘えん坊なところがまた魅力的です。
ペットとして魅力のあるアンゴラウサギですが、普通のウサギと同じように飼育できるわけではないので注意が必要です。
アンゴラウサギは種類も多く、性格も様々なので、日々の観察とコミュニケーションを大切にしていきたいですね。
– おすすめ記事 –
・ウサギの歯の特徴・ウサギに多い「不正咬合」について詳しく知ろう |
・ウサギは賃貸の一人暮らしでも飼える?お世話・留守番のポイントは |
・うさぎは鳴く動物?鳴き声・行動から分かるうさぎの気持ちをご紹介! |
・ステップレミングってどんな動物?特徴・飼い方を解説! |