はじめに
おうち時間が増えたあなたにおすすめ!
鑑賞用のペットとして大人気な熱帯魚はどうですか?
そもそも熱帯魚とはどんな魚のことを指すかご存じでしょうか?
答えはずばり、熱帯地方に住む淡水魚・海水魚のことです。けっこうアバウトですよね!
日本の在来種にはいないようなカラフルで鮮やかな体色や珍しい特性を持っているのが熱帯魚の特徴です。主にアマゾン川や、南洋に生息しており、大きさはその種類によってさまざまで、大きいものは体長50㎝以上にもなります。
熱帯魚は品種改良が盛んに行われていて、最近では約500種類以上いるといわれています。種類が豊富ということで、体色だったり、特性だったり、あなたにピッタリの一匹が見つけられるのも熱帯魚の魅力のひとつですね!
さて、今回はたくさんある種類の中から筆者一押しの熱帯魚、
ゴールデンハニードワーフグラミーの性格と飼育の注意点についてご紹介します!
ゴールデンハニードワーフグラミーとは
まず、ゴールデンハニードワーフグラミーとはどんな魚なのか見ていきましょう。
主にインドやバングラデシュなどのガンジス川流域及びブラマプトラ川流域に生息しています。グラミーの一種で、黄色が目立つように品種改良された体色は、まるでレモンのように鮮やか!水槽の中を彩ってくれる存在になること間違いないでしょう。黄色い体に赤みがかった尾びれが特徴的な4㎝ほどの小さくてかわいい熱帯魚。体の大きさに対してヒレが小さいので、泳ぐのがちょっぴり下手くそなところもおすすめポイントのひとつです。水槽内をふわふわ泳いでいるその姿は見ていてとても癒されますよ。飼い主さんの姿を見るとエサを求めて近づいてくることもあるのだとか!
◆値段
基本的にグラミーは300~3000円で購入することができます。種類によって大きな差があり、流通量が多いグラミーの値段は500円以下と安価で販売されていますが、流通量が少なく希少性が高いグラミーは値段が高い傾向にあります。その中でも、このゴールデンハニードワーフグラミーは養殖が盛んなため、1匹あたり400円前後で購入できます。通常は複数飼いをするので、まとめて格安で売られていたり、繁殖を想定してペアで売られているケースもあります。
◆性格
グラミーと名の付く魚には「大きくて攻撃的だ」というイメージがある方もいらっしゃると思いますが、このゴールデンハニードワーフグラミーは、とても穏やかな性格の持ち主です。そのため他の熱帯魚やエビ類との混泳に向いています。しかし、争いごとが嫌いで臆病な一面もあるため、警戒心が高く、縄張り意識が強い傾向にあります。その場合は水草や流木などを多く配置して隠れるところを作ってあげるとのびのび過ごせてよいでしょう。
◆寿命
寿命は3年から6年ほどです。大型のグラミーに比べると短いですが、小型種としては比較的長いのが特徴です。
◆ラビリンス器官
グラミーと名前のつく熱帯魚や闘魚で有名なものはアナバスという種類の熱帯魚です。これらの熱帯魚は、水面から口を出して直接空気中から空気を取り込めます。これはアナバス系の熱帯魚のエラの中にある特殊な呼吸器、上鰓(じょうさい)という器官が発達しているのでできることです。その構造は迷路のようになっているので、ラビリンス器官と呼ばれています。
では、なぜアナバスの仲間にだけラビリンス器官が存在するのでしょうか?
アナバスの仲間は普段、非常に流れが緩やかな茶色く濁った河川に生息しています。その河川というのは、水温が高く、水中の酸素もとても少ないところです。こうした場所で生き抜くために補助呼吸器器官が発達し、空気呼吸ができるようになったと言われています。生き物の進化はすごいですね。
飼育方法
基本的にはネオンテトラなどの一般的な熱帯魚と同等の飼い方で特に問題はないです。
◆水槽環境
ゴールデンハニードワーフグラミーが生息している湿地は、ほとんど水流が無く、水草がたっぷり茂ったような環境です。そのため、自宅で飼育する際も濾過の水流を弱め、水草を多く配置してあげると喜ぶでしょう。水流が強く発生している環境でグラミーを長期的に飼育していると寿命を大きく縮めてしまうことにも繋がるため、水流が発生しないように排水溝の向きを変えるなど、こまめに対処しましょう。グラミーは水を汚しにくい魚なので、濾過を弱めても特に問題はありませんよ。
◆エサ
ゴールデンハニードワーフグラミーは一体どんなエサを食べるのでしょうか?
ほとんどのショップに売られている一般的な餌は全て食べます。しかし口が小さいので、大きすぎるエサだと、一度口の中に入れては吐き出して食べないという行動をとります。その場合はエサを指ですりつぶしてから与えてください。
ある程度大きくなったら、ひかりクレスト(カラシン用)も食べるようになります。ひかりクレストとは、小型熱帯魚の健康を保ちつつ、魚本来の美しさを再現するための専用飼料です。その他にも赤虫は週に1回のペースで与えたり、稚魚を育成しているときはブライシュリンプを与えるととても喜びますよ。ちゅるんと食べる姿はとてもかわいらしいです。
先ほども書いた通り、ゴールデンハニードワーフグラミーは泳ぐのが下手くそです。そのためエサ取りが苦手です。水流が強い環境だとさらにエサ取りが困難になるので、やはり水流は弱めに設定してあげるとよいでしょう。混泳している場合は、他の魚にエサを取られないよう、1カ所に置くのではなく、いろいろなところに満遍なく置いてあげてください。
また、臆病で神経質な一面もあるので、ガラスの向こうに誰かが見ていたり、飼ったばかりで水槽に慣れていない状態だとエサを食べない可能性があります。最初はエサを与えたら水槽から離れて、遠いところで見守ってあげるとよいかもしれません。
◆水温・水質
理想は25度を軸に、下限は20度、上限は28度程度までなら対応できます。水質は弱酸性がよく、PHは6.5から7程度です。一般的な水道水ならば、あまり神経質に気を遣う必要はありません。環境を整えることで、ゴールデンハニードワーフグラミー本来の体色もあがり、特徴である鮮やかな黄色を保つことができます。
主な病気
白点病などの寄生虫による病気や、エロモナス菌の感染による病気が発生します。
◆エロモナス病とは
発症すると完治は難しいといわれているエロモナス病。どんな病気なのでしょうか。
エロモナス病は体に穴が開いてしまったり、お腹がパンパンになったり、目が飛び出たり、うろこが逆立ったりなど症状は様々です。呼吸が荒い、体色が悪い、泳ぐことが少なくなってその場にとどまることが多くなっていたら初期症状を疑ったほうがよいでしょう。もしかして?と思ったらすぐに隔離して、こまめに様子を見てあげてください。その後、水槽の環境を整えつつ、薬浴による治療を行いましょう。早めに治療することで症状がよくなる可能性が高まります。エロモナス病の病原菌であるエロモナス菌は常駐菌なので、菌自体はそこまで恐ろしいものではありません。淡水であれば、世界中どこにでも存在している細菌です。水質の悪化やストレスが原因で感染してしまうと言われています。濾過装置が詰まって、水が汚くなってしまうとエロモナスは爆発的に増加します。そのため、水質管理や水槽の掃除を徹底し、熱帯魚がストレスを感じない環境作りを意識しましょう。普段からしっかりと状態を観察してあげることがなによりの予防策になります。
◆薬浴とは
熱帯魚の病気の治療に使われる薬浴について、そのやり方や注意点についてご紹介します。
薬浴とは、その名の通り、薬の入った水槽で泳がせることです。基本的には隔離した状態で行うので、別の水槽を用意して、治療の対象となる熱帯魚をその中に入れてください。
そして薬浴を行う場合はいくつかの注意点があります。まず、吸着ろ材と水草は取り除いてください。吸着ろ材は薬を吸収してしまうので、薬の効果がなくなってしまいます。また、ほとんどの薬は水草を枯らしてしまうので、それも取り除いていたほうが良いでしょう。しかし最近は、水草に影響のない薬なども販売されていますので、それらを使用する場合は取り除かなくて大丈夫です。そして、なにより注意してほしいのが、薬浴はすべての生体に効果があるわけではないということ。薬浴が苦手な生体もいます。まず、エビ類の生体には薬浴は効きません。少量の薬でも影響を受けて死んでしまいます。さらに、ナマズなどの古代魚の仲間も弱いとされています。そのため、古代魚を薬浴する場合は、最初から濃度を高く設定するのではなく、様子を見て徐々に上げていきましょう。
薬浴の期間は、2~3日。多くても1週間くらいだと考えてください。魚が元気になってきたら元の水槽に戻しますが、この際、いきなり戻してはいけません。薬浴している水槽の3分の1の水を捨てて、元の水槽の水を少しずついれていきます。これを数回繰り返して、水合わせをしていきます。基本的に1日で行うのではなく、熱帯魚のストレスを最優先に考えて、日にちを分けるなどしてとにかくゆっくりと時間をかけて行いましょう。
ゴールデンハニードワーフグラミーの繁殖
グラミーは婚姻色が出るとオスとメスの見分けがつきやすくなります。オスは顔の先から腹の真ん中あたりまで黒い体色が出るようになります。ゴールデンハニードワーフグラミーなどのグラミーは、泡巣と呼ばれる小さな泡を吐いて巣を作り、メスが産み落とした卵を泡巣にオスが持ってくるという特殊な繁殖方法です。
泡巣は水面近くの浮草や温度計などに作られることが多いです。グリーンロタラを水面まで引き延ばしてあげたり、アマゾンフロッグピットなどの浮き草を用意してあげると泡巣を作りやすいようですのでおすすめです。メスは自分の卵を食べてしまうので、オスはメスを追い払って卵を守ります。あまりにもメスの食卵性が強ければ、卵と隔離させたほうがよいでしょう。また、この時期のオスは神経質になっているので、水槽を叩いたりしないでください。早いものは24時間程度で孵化し、遅くても2日以内には孵化します。
生まれたての稚魚は非常に小さいので、最初のころは「インフゾリア」という微生物を発生させてエサを与えます。インフゾリアの素が市販されているので、それを用いるのが手軽でよいと思います。卵の黄身を溶いたものを1滴ずつ与える方法もありますが、水が汚れてしまうという欠点があるので、稚魚が一定の大きさになったら、ブラインシュリンプなどを与えると成長も早く、丈夫に育つのでおすすめです。稚魚が成長すると、徐々に巣から離れて泳ぐようになりますが、小さすぎると他の魚に食べられてしまう可能性があるので水草を多めに入れて隠れ家を作ってあげましょう。
まとめ
ゴールデンハニードワーフグラミーは、穏やかな性格なので混泳に向いています。しかし泳ぐのがちょっぴり苦手なので、泳ぎが得意な熱帯魚と混泳させてしまうと、その子たちにエサを取られてしまいます。どんどん痩せて元気がなくなってしまうので混泳相手には注意してください。オトシンやミナミヌマエビとの混泳だと、エサを取り合うこともなく、ゴールデンハニードワーフグラミーの鮮やかな黄色が差し色となって、水槽の見栄えもよくなるのでおすすめです。また縄張り意識が強い一面もあるので、混泳する場合はゴールデンハニードワーフグラミーのために、水草を多く配置して隠れられるスペースを作ってあげるのを忘れないようにしましょう!
繁殖方法は、泡巣と呼ばれる産卵場所をオスが作り、産み落とされた卵をそこに持ってくるという一風変わった方法を取ります。水槽の表面が泡だらけになることで、水が汚れてしまったと感じるかもしれませんが、ゴールデンハニードワーフグラミーの繁殖準備なので、安心してくださいね。間違っても濾過装置の出力を強めたらだめですよ。
またゴールデンハニードワーフグラミーは長い胸ビレが特徴でもあります。ペアで飼うとお互いを胸ビレでタッチしあうグラミータッチが見られるかもしれません。
ゴールデンハニードワーフグラミーの詳しい生体と魅力が伝わりましたでしょうか?
エサを求めてふわふわと泳ぐ姿は本当にかわいくて何回見ても飽きませんよ。
おうち時間が増えたいま、飼育が簡単で初心者にもおすすめのゴールデンハニードワーフグラミーを飼ってみるのはいかがでしょうか?
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