【掲載:2021.07.28 更新:2024.10.01】
ナンヨウハギとは?
ナンヨウハギという魚を聞いたことがあるでしょうか?
海を舞台にした有名な映画「ファインディング・ニモ」のキャラクター「ドリー」として登場したことのあるナンヨウハギは、見たことがある!という方は多いかもしれませんね。
ナンヨウハギはスズキ目ニザダイ科に分類される魚であり、インド洋などに生息する海水魚です。
ナンヨウハギの最も特徴的な部分は見た目にも派手な青い体色です。
青・黒・黄の3色からなる体色は他の魚と比べても独特であり、見栄えもする魚です。
成長すると20センチ〜30センチ前後に成長するナンヨウハギは、体の大部分が鮮やかな青色をしていますが、ヒレや背にかけて部分的に黒と黄色が入ります。
熱帯魚の中でもこのような配色の魚は珍しいため、他の種類と見分けることは容易です。
ヒレを激しく動かして泳ぐ活動的な魚です。
頭部は丸く、口が少し突き出しているのが特徴です。
穏やかな性格であり、他の海水魚との混泳も問題なくできます。
野生ではサンゴ礁の周りに群れをなして生活しているため、複数での飼育がおすすめです。
滅多に争いはしない種類で初心者にも組み合わせやすい魚ですが、尾ヒレの付け根に鋭いトゲがあり、戦う時はそのトゲを突き出して応戦します。
危険を感じるとトゲを出してくる可能性があるため、水換えの際などは素手で触らないようにするのが安全です。
世界中に生息しているポピュラーな海水魚です。
インド洋を中心にアフリカ東部、日本南部、オーストラリア北部、キリバスなどの暖かい熱帯地域で生息が確認されています。
日本では高知県以南で見ることができ、鮮やかな見た目から観賞魚としての需要が高く、
一定数流通があります。
飼育下では10年前後生きます。
海水魚の中でも寿命は長い方で一緒に長く過ごせることも魅力です。
注意したいのは、水質の変化には敏感なので病気にならないように水質管理をこまめに行いたいです。
ナンヨウハギの値段
ナンヨウハギはペットとしてはポピュラーな品種ですので、海水魚の取り扱いのあるペットショップならば比較的簡単に入手することができます。
販売価格は販売元により異なりますが、3000円〜7000円前後で購入可能です。
幼体は比較的安価で購入できますが、ある程度成長したサイズは高額になり流通量も少ないです。
ナンヨウハギの飼育に必要なグッズ
ナンヨウハギの飼育には以下のグッズを用意しましょう。
基本的なグッズについて紹介します。
- 水槽
- ろ過装置
- 人工海水の素
- 海水魚用の餌
- クーラー、ヒーター
- 照明器具
- ナンヨウハギの隠れ家
・水槽
海水魚飼育に対応したものを選びましょう。
海水魚の飼育には海水の量を多くするのが水質悪化を防ぐためにも有効ですので、60センチ以上の水槽を用意するのが良いでしょう。
・ろ過装置
ろ過装置は上部に取り付けるようなしっかりとしたものがおすすめです。
・人工海水の素
海水魚飼育には人工海水の素が必要不可なので、海水を作り水槽を立ち上げてからナンヨウハギをお迎えしてください。
ナンヨウハギは食欲旺盛ですので、選り好みせずに餌を食べてくれる子が多いですよ。
・クーラー、ヒーター
温度管理は必須ですので、季節に合わせて対応できるようにヒーターとクーラー、水温計は準備しておきましょう。
ナンヨウハギの飼い方
ナンヨウハギの飼育方法についてポイントをご紹介します。
ナンヨウハギは基本的な海水魚飼育をすれば問題ありませんが、導入時は不安定になりやすく、病気にかかりやすいため慎重に水合わせを行うことが大切です。
ナンヨウハギの水槽を立ち上げる際には、ナンヨウハギが身体を休めることができる隠れ家を入れるようにします。
ナンヨウハギは危険がせまるとサンゴ礁の間などに隠れます。
また隠れ家の隙間に入り、身体を横にして休むこともあるため隠れ家を設置しましょう。
餌は幼体のうちは1日3回食べ切れる量を用意してあげましょう。
成長してくれば、朝夕2回、数分で食べ切れる量を与えます。
基本的には海水魚用の人工餌で問題ありませんが、消化不良を起こすと病気になりやすくなるため飼い主さんが様子を見ながら調節するようにしましょう。
食べ残した餌は面倒でもその都度、取り除くようにして水質が悪化しないようにします。
特にキャベツなどを与えた際には葉が散りやすく、水槽の汚れの原因にもなりますので少量ずつあたえるようにしましょう。
ナンヨウハギの飼育は比較的容易であり、適温は26℃前後ですので、ヒーターやクーラーを使いながら一年を通して同じ温度になるようにします。
ナンヨウハギは幼体のうちは穏やかな性格の魚ですので、混泳を楽しむこともできますよ。
群れをなして泳ぐ性質があるため、同種同士で混泳させるのがおすすめです。
注意したいのは、ある程度の大きさに成長すると縄張り意識から自分より体の小さな魚に攻撃してしまうこともあるため、水槽内のバランスをみながら混泳させるようにしましょう。
また、掃除屋として需要のあるホンソメワケベラとの混泳は問題ありません。
他種との混泳を楽しみたい場合には、大型の水槽を用意して魚同士の縄張りがちゃんと確保できるようにしましょう。
ナンヨウハギの飼育自体は容易で、寿命も長いので長く楽しめる魚ですが水質の変化には敏感であり、白点病になりやすい品種のため注意が必要です。
白点病とはハギの仲間が特にかかりやすい病気で、全身が白い斑点に覆われることからこの名前がつきました。
白点病は他の魚にも感染するため、発症した個体はすぐに隔離するようにします。
症状が進行するとエラの裏側まで白点病が入り呼吸困難を起こして最終的に衰弱死してしまう可能性があります。
白点病はポピュラーな海水魚の病気であり、日頃から水質を悪化させないなどのメンテナンスをしっかりとして予防するのがポイントです。
特に季節の変わり目や梅雨時期、夏場は気温が変化しやすく水質も影響を受けやすいため、こまめにケアをするようにします。
海水魚飼育は塩分濃度に気をつけ、小まめな水換えで汚れを取り除きましょう。
ナンヨウハギ飼育の注意点
見た目にも鮮やかなナンヨウハギは人にも慣れやすく、飼い主さんの存在を認識して餌をねだるために水面に寄ってくる可愛い一面を見せてくれます。
しかし、警戒心の強い面もあり、とくに縄張りにしている隠れ家の近くを掃除するときなどは背ビレに隠している針で攻撃される可能性もあるため、注意しましょう。
また、多少の毒を有していることがわかっており人にはほとんど影響はありませんが水換えなどの時は他の場所に移すなどして必要以上に接触しないようにしましょう。
鮮やかな体色が目を引くナンヨウハギですが、飼育下では水質が変化しやすく場合によっては退色してしまい白っぽい身体になることもあります。
ナンヨウハギの身体が白くなっている時は体調不良のサインでもあるため、水質のチェックをするようにしましょう。
鮮やかな体色を保つためには、海水にコンディショナーを投入したり、ライブロックを設置したりして海水に栄養分を含ませるのが有効です。
まとめ
ナンヨウハギの特徴や飼育について紹介しました。
ナンヨウハギは有名なキャラクターとしても登場した魚であり、認知度も高く観賞魚の中でもおすすめです。
しかし、キャラクターのように明るく丈夫な印象とは違い、成体は警戒心が強く、病気にかかりやすい面があるため水質管理などを徹底する必要があります。
特に立ち上げ当初や季節の変わり目は注意が必要です。
岩の隙間で身体を横にして休んでいる姿は愛らしく、上手に飼育すれば長く楽しむことができます。
海水魚の飼育に興味のある方や、ナンヨウハギについて知りたい方の参考になれば幸いです。
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