1.うさぎの首のまわりにある「ぷよぷよしたもの」の正体とは
1-1.正式名称は「肉垂」
2.肉垂が出来る条件とは
2-2.遺伝や血統による違いはあるのか
2-3.食生活はどう影響するのか
2-4.避妊手術をするとどう変わるのか
3.肉垂にはどんな役割があるの?
3-1.エネルギーを蓄える役割
【掲載:2021.08.24 更新:2023.10.09】
うさぎの首のまわりにある「ぷよぷよしたもの」の正体とは
うさぎの首のまわりにある、あのぷよぷよしたものは一体何?ぷよぷよしてかわいいいんだけれど、もしかして病気?もしかしてうちの子太りすぎ?
いろいろと気になる方も多いのではないでしょうか?これからそんなぷよぷよのについて紹介していきます。
◆正式名称は「肉垂」
うさぎの首周りにあるぷよぷよの名前は『肉垂(にくたれ・にくすい)』『dewlap(デュロップ)』とも言います。
デュロップとは英語で「のどのぜい肉、首の下の皮膚のたるみ」のことを指します。
まさにそのままですね。
しかし肉垂という名称はまだまだ知られておらず、多くの飼い主さんは「マフ」とか「マフマフ」と呼んでいるようです。
これらの語源には諸説ありますが、マフラーのようだからマフとか、マフラーがモフモフしているようだからマフマフなどとよく言われますが、はっきりとした理由はわかっていません。
肉垂という名称を知らない状態でこのぽよぽよを見た時に、マフマフといった擬音が一番しっくりきたのかもしれませんね。
肉垂が出来る条件とは
実はこの肉垂は、どのうさぎにもあるのかと言うと、実はそうでもありません。
一般的には「大人のメスのうさぎ」にしかできません。
遺伝や血統、食生活などの生活習慣、避妊手術の有無などによって、肉垂が目立たないうさぎや肉垂自体できないうさぎもいるようです。
◆遺伝や血統による違いはあるのか
ネザーランドドワーフのような小型の品種のうさぎは目立ちにくいとも言われていますがやはりここは個体差があり、個性としかいいようがありません。ネザーランドドワーフでも立派な肉垂を持つうさぎもいますしその他の中型以上の品種でも目立たないうさぎもいます。〇〇だからできる、〇〇だからできない、という言い方は難しいです。
◆食生活はどう影響するのか
食生活などの生活習慣による差もあります。
のちほど紹介しますが、肥満が原因で肉垂が大きくなることがあります。
たくさんごはんを食べる、運動が少ないうさぎは、どうしても肥満になりがちですから。
◆避妊手術をするとどう変わるのか
避妊手術をすると小さくなる、と言われていますがこれもはっきりしたことはわかっていません。
肉垂の役割は、エネルギーを蓄える役割
うさぎの肉垂は、『妊娠・出産時のエネルギーを蓄えておく為』『越冬時のエネルギー源を溜めて置く為』に出来ると言われています。
つまりうさぎにとって、肉垂はエネルギーの貯蔵庫なのです。
しかし、現代の飼いうさぎにとってはエネルギーを蓄える必要はそれほどない為、野生の頃の名残として表れているようです。
肉垂が大人のメスうさぎにできる、という点から、特に妊娠、出産時のエネルギーを蓄えるというのが大きいのではないでしょうか。
人間と同様に、妊娠、出産には多くのエネルギーを必要としますからね。
先ほど紹介した通り、避妊手術をすると大きくなりにくいとも言われていますがはっきりとしたことはわかっていません。
しかし妊娠、出産時のエネルギーを蓄える、というのが大きな役割だとすれば避妊手術をしたうさぎは肉垂が大きくなりにくい、と言う説はあながち間違いではなさそうですね。
肉垂れのデメリット
しかし現代の室内飼いのうさぎには、一年中快適な温度の中で安定した量の餌を食べることができるため
妊娠、出産時のエネルギー確保はともかく、越冬時のエネルギー源は必要ないためこの肉垂があまりにも大きくなるようなうさぎは注意が必要です。
それでは肉垂が必要以上におおきくなると、どんなデメリットがあるのでしょうか?
一般的には
- 肥満
- 皮膚炎
- 腫瘍
などがあげられます。
◆肥満によるデメリット
肉垂が邪魔で食糞がうまくできなくなってしまいます。
食糞とは、うさぎが排便した便を直接肛門から食べる行為です。
糞を食べる?不衛生では?と心配になる気持ちもよくわかりますがうさぎにとっては生きていく上で必要な行為です。
うさぎの糞は硬便と盲腸便の2種類に分けられます。
硬便は通常のコロコロとした硬い便です。
それに対して盲腸便はうさぎにとって必要な栄養素が多く含まれており実は一日の排便の半分は、この盲腸便なのです。
そしてこの盲腸便のみを食べて、栄養補給するのです。
つまり食糞がうまくできないということは必要な栄養素が十分に摂れないということになってしまいます。
また盲腸便は柔らかいため、食糞がうまくできないと便が肛門や足に付着し不衛生な状態になってしまいます。
さらに放置してしまうと、皮膚炎を発症してしまう可能性もあります。
皮膚炎については次に詳しく紹介します。
◆皮膚炎を引き起こすことも
肉垂が必要以上に大きくなると、ひだの間の通気性が悪くなって湿気がこもりそれが原因で皮膚病の「湿性皮膚炎」という病気になる可能性があります。
これは長時間にわたって湿気がこもり、湿度の高い状態が続くことによって細菌感染を引き起こしてしまう病気です。
肥満などが原因で肉垂が大きくなりすぎた状態ではひだの間の湿度が高くなりやすく、発症しやすいと言われています。
皮膚炎を起こすと、その次の問題が発生します。
うさぎは皮膚炎が痒くて気になり、自らの歯で噛んでしまいます。
うさぎの歯はとても鋭利なので、簡単に皮膚を剥離してしまいます。
ここまできたら悪循環の繰り返しです。病院へ行くしかありません。
放置してもよくなることはありません。
通院はうさぎにとって想像以上にストレスになるものです。
そうならないためにも日頃からだっこした時やブラッシングした時など肉垂のまわりをよく見ておくといいですね。
◆腫瘍の可能性はあるの?
肉垂が巨大化すると、もしかして腫瘍?と心配になることもあるでしょう。
必ずしも巨大化=腫瘍化というわけではありません。
「うちの子、肉垂が最近大きくなってきたから、もしかして腫瘍かしら?」
そんな心配はありません。
それは、肉垂の大きさと腫瘍は関係ないからです。
しかし全く心配いらないのか?というと、そうではありません。
肉垂にも腫瘍はできる可能性はあります。
肉垂を軽くつまんで皮膚っぽかったら正常。
脂肪っぽかったら肥満、コロコロしていたら腫瘍の可能性と言われていますがこれはあくまでも目安でしかありません。
「皮膚っぽいから異常はない」とは言いきれません。
皮膚炎と同様に、日頃から肉垂の状態もチェックしておくといいでしょう。
まとめ
うさぎの首のまわりのぷよぷよの正式名称は「肉垂(にくたれ・にくすい)」、もしくは「dewlap(デュロップ)」と呼ばれています。
ただ飼い主さんの間ではかわいく「マフ」とか「マフマフ」と呼ぶことが多いようです。
肉垂は主に大人のメスのうさぎにできる特有のものですが必ずしもできるものではありません。
主な役割は出産時や越冬時のエネルギーを蓄える、貯蔵庫としての場所です。
ただ飼いうさぎに越冬は必要ないので、あまりにも肉垂が大きい子は注意が必要です。
大きくなりすぎた肉垂のデメリットは「肥満」「皮膚炎」「腫瘍」があげられます。
しかしいずれも素人では判断できないものなので気になるときは、一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。
また早期発見できるように、日頃からだっこやブラッシングの時に
異常がないか、チェックしておくのがいいでしょう。
肉垂は本当にぷよぷよしてかわいらしいものです。
特にメスのうさぎ特有のものなので、メスのうさぎの飼い主にとってはなんとも言えないものでしょう。
大きな肉垂もそれはそれでかわいいものです。
しかしデメリットがあることをきちんと理解し、いつまでも健康なうさぎでいてほしいものです。
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