「ベタ」ってどんな魚?

まずは、「ベタ」という魚についてお話していきます。
ベタは、主にタイのメコン川が原産地の熱帯魚で、だいたい5~7センチ程度に成長します。
広がるヒレが美しく、鑑賞用に人気が高まっています。
水槽の中にいるベタはまるでインテリアのようにオシャレ。
高級感が漂っていますが、実際はお手頃価格で入手できるペットです。
◆品種改良で現在の美しさに!
カラフルで「ずっと見ていたい」と思えるような外見のベタですが、かつては地味な見た目でした。
改良が重ねられて現在のように煌びやかな色合いになり、世界中の人に親しまれています。
◆「闘魚」という和名も
ベタには、「闘魚(トウギョ)」という和名があります。
“闘う”という文字の印象から、「凶暴なのでは?」「一般家庭で飼えるの?」という疑問が沸いてくるかもしれません。
昔は、オスのベタを闘わせる目的で飼われていたこともあり「闘魚」と呼ばれていましたが、現在は「美しい魚」としての認知度が高まっています。
◆いくつかの種類がある
たくさんのバリエーションがあるベタのなかでも、トラディショナルベタは知名度もあり、ペットショップでもよく取り扱われています。
一般的にベタと言えば、トラディショナルベタを指すことが多いです。
そのほか、
●プラカット
●フルムーン
●ダブルテール
●ハーフムーン
●クラウンテール
●ダンボ
●ダブルテール
●スーパーデルタ
●ハーフサン
など、さまざまな種類が存在しています。
トラディショナルベタとはどんな魚?
数あるベタのなかでも、初心者におすすめと言われているのが「トラディショナルベタ」。
いったいどんな魚なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
◆大きなヒレが美しい
トラディショナルベタの魅力は、何と言っても鮮やかな色をした大きな美しいヒレです。
ヒレを広げ、水のなかをヒラヒラと泳ぐ姿には、気持ちが癒されることでしょう。
◆フレアリングをする
ベタには、凶暴なイメージを持たれることも多いと書きましたが、
これは、ベタの特徴のひとつである「フレアリング」とも関係しています。
フレアリングとは、ベタが「ライバルに自分を大きく見せる」という威嚇行動です。
体のヒレを目いっぱい広げます。
ヒレを広げている様子は「見る側」からすれば、優雅に見えますよね。
でも、実際には相手を威嚇しているときなので、ベタは“超”がつくほど興奮しているのかもしれません。
また、ヒレの広がりがよくなるので、フレアリングをした方が綺麗なヒレをキープできます。
そのため、ときどきトレーニング感覚で意識的にフレアリングをさせるといいと言われています。
フレアリングをさせるには
・ほかのベタが入った水槽を隣に置く
・水槽の横に鏡を置き、ライバルだと錯覚させる
・尖ったものを見せて興奮させる
などの方法があります。
◆人懐こい一面もある
魚には『人に懐く』というイメージはありませんよね。
普通の魚たちは、人間には無関心でしょう。
しかし、人懐こく、人間に反応する「ペットフィッシュ」と言われる魚もいます。
ベタは、ペットフィッシュとしておすすめされることが多い品種です。
エサを食べさせようと手を近づけると、寄ってくるかわいらしさもあります。
水槽に近づき、ベタを見つめていると、こちらをチラ見することも。
水槽の近くを通るだけで「エサをくれるのかな」と、いつもエサをくれる人間を覚えることがあります。
性格には個体差があるので一概に言えませんが、愛情を持って接すればトラディショナルベタも応えてくれるでしょう。
ベタにも性格の個体差があるので一概に言えませんが、愛情を持って接すればトラディショナルベタも応えてくれるでしょう。
飼い始めてしばらくすれば、飼い主さんのこともなんとなく分かり、フレアリングを通じてコミュニケーションを取ることも可能です。
時おり見せる凶暴さがありつつも、飼い主さんだけに見せる愛嬌の良さが可愛らしいですね。
◆初心者でも飼育がしやすい
観賞用の魚を飼うとき、大きな水槽やポンプなど特殊なアイテムが必要なイメージがありますよね。
そのため、魚をペットにしたくても諦めてしまう人もいるかもしれません。
でも、トラディショナルベタは大がかりにいろいろと揃える必要もなく、極端に言えばコップのような身近にある容器でも飼うことができます。
初心者でも飼育がしやすい熱帯魚として知られています。
コップで飼える魚ってホント?

さきほどもお伝えしたように、トラディショナルベタをはじめ、「ベタ」という魚について、よく“コップで飼える”というフレーズを耳にします。
いったいどんな意味なのでしょうか?
◆ラビリンス器官が発達している
トラディショナルベタには、ラビリンス器官という特殊な呼吸器官があります。
魚と言えば「エラ呼吸」をする生き物ですが、トラディショナルベタにはエラ呼吸の補助器官として、ラビリンス器官が発達しています。
水中からだけでなく空気中からも酸素を取り込める体内構造です。
つまり、空気中の酸素を取り込めるため、酸素があまりないコップのような小さな環境でも生存ができると言われているのです。
◆現実的にはコップでの飼育は難しいかも
コップで飼うことは可能ですが、厳密に言えば、実際にコップでずっと飼い続けるのは難しいでしょう。
コップのように小さい容器では水の量が少なく、水がすぐに汚れます。
トラディショナルベタが快適に生活するための水質をキープするには、かなりこまめな管理が必要になってしまうでしょう。
それに、ヒレを広げたときに、コップという小さい空間では自由自在に動き回れずに、トラディショナルベタ自身も窮屈さを感じます。
コップほど小さい容器での生存は可能かもしれませんが、長生きできるわけではありません。
コップで飼えるというのは極端で、「大がかりな水槽ではなく、小さめの水槽でも飼育ができる」という意味合いに捉えておきましょう。
トラディショナルベタを飼うときの注意点とは
トラディショナルベタは、初心者でも飼いやすいと言われています。
しかし、飼うときに意識しておきたい注意点はいくつもあります。
一つずつ、見ていきましょう。
◆水槽には単独で入れる
鮮やかな色合いのトラディショナルベタが何匹も水槽で泳いでいると、きっと綺麗ですよね。
しかし、同じ水槽に複数のベタがいると喧嘩をしてしまうため、基本的には「一つの水槽に1匹で飼育」と考えておきましょう。
◆小さ過ぎる水槽はおすすめしない
トラディショナルベタは、ヒレを伸ばして優雅に泳ぐ姿が魅力的なため、窮屈な環境で育てるのはかわいそうです。
しかも、ヒレを広げられないような狭い容器では、短命になるリスクもあります。
あまり大きな水槽は必要ないにしても、2リットル程度の水が入る容器がいいでしょう。
◆フタのある水槽を準備する
ベタは、飛び跳ねるのが得意です。
水槽にフタがないと、水中から飛び跳ねてしてしまう恐れがあります。
ジャンプをしても外に飛び出さないように、フタのある水槽で飼うのがおすすめです。
◆温度管理について
トラディショナルベタは熱帯魚のため、水温が高い分にはあまり問題ありませんが、
熱帯魚とは言え、30℃を超えるとトラディショナルベタも体調を崩します。
「ペットの魚が暑いかも…」と、心配でエアコンをつけたまま外出をしなくてOKですが、
直射日光がずっと当たるような場所は水温が上がりやすくなります。
エアコンを消すとベタの適温となる25~28℃前後を上回ることも考えられますので、
水温を下げるための小型のクールファンがあれば、温度の急上昇を防ぐことができます。
トラディショナルベタは熱帯魚のため、水温が高い分にはあまり問題ありませんが、
熱帯魚とは言え、30℃を超えるとトラディショナルベタも体調を崩します。
「ペットの魚が暑いかも…」と、心配でエアコンをつけたまま外出をしなくてOKですが、
直射日光がずっと当たるような場所は水温が上がりやすくなります。
エアコンを消すとベタの適温となる25~28℃前後を上回ることも考えられますので、
水温を下げるための小型のクールファンがあれば、温度の急上昇を防ぐことができます。
部屋の中でもクーラーの風が直接当たる場所は避け、涼しさをキープできそうなところに水槽を置きましょう。
◆寒さに弱いので冬期はヒーターを
トラディショナルベタは熱帯魚のため寒さには弱い魚です。
冬場は室内を暖房で暖めることはもちろんですが、水温を25~28℃に保てるように水槽にヒーターを設置するのがおすすめです。
◆定期的に水を替える
トラディショナルベタは丈夫な魚です。
水質が少し悪くなってもそれほど極端に弱ることはありません。
しかし、水質が悪くなったままでは健康にもいずれ影響が出ます。
適度なタイミングで水を替える必要があります。
ただ、水道水には塩素が入っているため、カルキ抜きをしなければなりません。
一般的に知られているカルキ抜きの方法に「沸騰させる」というものがあります。
ただし、ヤカンに付いた汚れが混じるケースもありますし、何よりも冷めるまでに時間がかかるという難点もあります。
そこで、市販されているカルキ抜きを使うといいでしょう。
水量に対して薬剤を入れるだけでカルキ抜きができるため、水換えがスムーズになります。
また、水換えの頻度ですが、水量に応じて変わります。
2~3リットル前後程度なら2~3日に1回程度、5リットル前後なら1週間に1回程度が目安です。
ただ、日数にとらわれるのではなく、実際に「どのくらい水質が悪くなっているか」を基準にするのもいいでしょう。
エサの食べ残しやフンが水槽の底に溜まっている状況は、水質が悪くなっているサインです。
また、注意したいのは、水換えのときには水槽の全量をいきなり換えないことです。
急に全量の水を換えることは、「水温」や「水質」の変化により、トラディショナルベタにとって大きな刺激となるからです。
水換え後に状態が悪くなるケースもあるので注意しましょう。
◆エアーポンプはない方が過ごしやすい
前述したように、トラディショナルベタは水中だけでなく、空気中からも酸素を取り込むことができます。
そのため、一般的な魚を飼うときに設置するエアーポンプは不要です。
エアーポンプは空気を送り込む装置のため、水流が発生します。
ところが、トラディショナルベタは大きなヒレがネックとなり、流れのある水中で泳ぐのが苦手です。
エアーポンプのない飼育環境の方が過ごしやすいのです。
◆フレアリングは短時間で
鏡などを使って、意識的にフレアリングのトレーニングをすることで、綺麗なヒレを保つことにもつながります。
ただ、「フレアリングをする時間=威嚇をしている時間」です。
人間でも長時間誰かに怒っていると、心身ともに疲れるものですよね。
トラディショナルベタにとっても、フレアリングをすることで体力が消耗し、長時間させ続けると元気がなくなることも。
ヒレのトレーニングとしてフレアリングさせる場合は、1回5分程度、1日に1~2回ぐらいにとどめておきましょう。
◆ベタ用のエサを準備しよう
トラディショナルベタが健康的に生きるためには、栄養が計算された「ベタ用」を準備するのが理想です。
また、エサを与え過ぎると食べ残しで水質が悪くなるので注意しましょう。
まとめ
羽ばたくように美しいヒレを広げている姿が優雅なトラディショナルベタ。
それほど大きな水槽はいらず、コンパクトに飼うことができます。
また、慣れてくると飼い主さんの存在を認識してくれるのも魅力的です。
手渡しでエサを与えるなど、コミュニケーションが取れる素敵な熱帯魚です。
初心者でも飼いやすいと言われているトラディショナルベタですが、何も知らないままでは病気や不幸にしてしまうかもしれません。
迎える前に、トラディショナルベタについて特徴を知り、飼育のための基礎知識は持ちましょう。
– おすすめ記事 –
・【アクア事業部監修】ミナミヌマエビは飼育しやすい?特徴を紹介 |
・【アクア事業部監修】アカヒレを飼いたい!飼い方のポイントと特徴を紹介! |
・【アクア事業部監修】ネオンテトラは飼育しやすい?ネオンテトラの飼育ポイントを紹介 |
・【アクア事業部監修】グッピーにはどんな種類がいる?グッピーの特徴や飼育方法について |