1.アロワナの種類と特徴
1-1.アロワナとは?
1-2.アジアアロワナ(Scleropages formosus)
1-3.シルバーアロワナ(Osteoglossum bicirrhosum)
1-4.ブラックアロワナ(Osteoglossum ferreirai)
1-5.ノーザンバラムンディ(Scleropages jardini)
1-6.スポッテッドバラムンディ(Scleropages leichardti)
5.アロワナの飼育に必要なグッズ
5-1.水槽
5-2.ろ過装置
5-3.照明
5-4.餌
アロワナの種類と特徴
◆アロワナとは?
アロワナはアロワナ目アロワナ科アロワナ亜科に属する大型の古代魚です。
基本的に丈夫な魚であり、世界中にコレクターの多い人気種です。
他の多くの古代魚と同様に、エラ呼吸とともに肺呼吸ができるという原始的な特徴を持っています。
魚類には珍しく、卵の面倒を見るという珍しい特徴もあります。
口の中で孵化するまで保護するマウスブルーディングという習性です。
ヨークサックという栄養の詰まった袋をおなかにぶら下げた状態の幼魚も販売されていることがあります。
個体によって神経質だったり、エサの好き嫌いが激しかったりと、性格差が大きいという個性も持っており、飼わないとわからない魅力がたくさんあります。
東南アジア、オセアニア、南アメリカなど生息地域の異なる複数種が存在します。
広い生息域は、大陸が分裂する前からアロワナ種が存在し、世界中に分布したためと言われています。
太古の昔からアロワナが種として存続していたことが垣間見えます。
◆アジアアロワナ(Scleropages formosus)
アロワナといったらアジアアロワナと言われるほど代表的な種です。
体色は赤色や金色、青色などが存在し、それぞれ異なった呼称で流通しています。
中国では「龍魚」と呼ばれ、幸運を呼ぶ縁起の良い魚として人気があります。
成長すると60 cm以上になります。
アジアアロワナはマレーシア、インドネシアといった東南アジアに生息します。
アジアアロワナはワシントン条約で絶滅危惧種として指定されているため、アロワナファームなどで養殖された個体が輸入されています。
アジアアロワナの呼称として以下のものなどがあります。
- スーパーレッド(紅龍)
- マレーシアンゴールデン(過背金龍)
- インドネシアンゴールデン(紅尾金龍)
- グリーンアロワナ(青龍)
- バンジャールレッド
他にも、色の入り方によって藍底過背金龍(鱗に青色が入る)や血紅龍、辣椒紅龍(赤色の発色に優れる)などといった名称に変化します。
体型によってもスプーンヘッド(頭の形がスプーンのようにしゃくれている)、ショートタイプ(体長が通常個体より短い)などと呼ばれます。
◆シルバーアロワナ(Osteoglossum bicirrhosum)
シルバーアロワナはその名の通り銀色の体をしたアロワナです。
成魚は最大120 cmにもなり、アロワナの中でも特に大型になる種です。
体は細長く、大きな尻びれと背びれが特徴です。
生息地はアマゾン川やブラジル、ギアナです。
現地では食用にされることもあります。
◆ブラックアロワナ(Osteoglossum ferreirai)
ブラックアロワナはシルバーアロワナに似た銀色のアロワナです。
ヒレの色が青黒く濃い色になる点がシルバーアロワナと異なります。
幼魚期は体色が大きく異なり、黒色に黄色のストライプ模様であることからブラックアロワナと呼ばれています。
野生下では最大120 cmになるといわれますが、飼育下では70 cm程度といわれています。
生息地はアマゾン川の支流であるネグロ川です。
ブラジル政府が輸出規制をかけているため、流通量は減少傾向です。
水温や水質の変化にやや神経質な面があり、他のアロワナより飼育難易度がやや高めです。
◆ノーザンバラムンディ(Scleropages jardini)
アジアアロワナに似ており、体色は褐色のアロワナです。
ガルフ・サラトガとも呼ばれます。
オーストラリアやパプアニューギニアに生息しています。
大きさは60 cm以上になります。
比較的縄張り意識が強く、他のアロワナより気性が荒いです。
体が硬く、旋回が苦手なため、奥行きの広い水槽が必要になります。
◆スポッテッドバラムンディ(Scleropages leichardti)
ノーザンバラムンディと同じくサラトガと呼ばれるアロワナです。
体色は銀色で、名前の通りピンク色のスポット状の模様があります。
オーストラリア東部に生息しています。
大きさは60 cmほどです。
ノーザンバラムンディと同じく気性が荒いので混泳には注意が必要です。
アロワナ種の中では流通量が少なく、入手が困難な種でもあります。
アロワナの寿命
アロワナの寿命は平均10~15年と言われています。
熱帯魚としてはかなり長生きします。
アロワナの値段
アロワナは種類や色合い、成長度合いによって大きく価格が変動します。
シルバーアロワナなどのベビーであれば、数千円程度から販売されています。
成魚であれば数万円、アジアアロワナの美麗種だと数万~数百万円することもあります。
プラチナ個体など希少なものも百万円近くします。
通信販売でも数十万円クラスの個体が購入可能ですが、実際に店頭でお気に入りの一匹を探すのもアロワナ飼育の楽しみの一つです。
高価な種ですので、専門店などでは買い取りを行っているところもあります。
アロワナ飼育は難しい?
アロワナは丈夫で飼いやすいと言われています。
アジアアロワナの幼魚期やブラックアロワナはやや神経質なところがあるため、飼育難易度はやや高めです。
ノーザンバラムンディなどは気性が荒いため、混泳をする場合は工夫が必要になります。
アロワナの飼育に必要なグッズ
◆水槽
単独飼育でも150cm以上、多頭飼育や混泳させる場合はさらに大きな水槽が必要です。
ノーザンバラムンディなどは体が硬く、旋回が苦手なため、体長以上の奥行きも必要です。
できる限り大きな水槽を選ぶことで水質が安定し、飼育をうまく行えます。
120 cm以上の大きな水槽ですと、通常ショップに並ぶような規格水槽ではなく、受注生産になることがほとんどです。
また、水槽サイズが大きくなると多大な重量がかかることになるので、丈夫な水槽台も必要です。
場合によっては、水槽を設置する箇所の床の補強が必要になります。
水槽の材質はアクリルとガラスがありますが、アクリル水槽のほうが大型水槽に向いていると言われています。
アクリルのほうが弾力、強度が高く丈夫なためです。
保温性も高く、アロワナのような熱帯魚を買う際のヒーター代の節約という意味でアクリル水槽のほうが経済的です。
重量もガラスの半分以下ですが、傷がつきやすいという弱点があるため、メンテナンスは丁寧に行う必要があります。
アロワナは賢く、人が急に視界に現れたりすることでストレスを感じます。
常に人がいる場所やアロワナが部屋を見渡せるような出入口から離れた場所が設置には好ましいです。
また、水槽にはアロワナの飛び出し防止のため、必ずフタを載せましょう。
アロワナは水を汚しやすいため、底砂を敷かないで飼育することが多いです。
◆ろ過装置
アロワナは肉食魚で大食漢であり、食べ残しやフンで水を汚しやすいです。
ろ過性能の高い外部式やオーバーフロー式がおすすめです。
上部式フィルターを使う場合は重石などを載せ、スキマを埋める必要があります。
ろ過材の洗浄はろ過バクテリアの保持のために、1/3ずつに分割して掃除するのが良いです。
◆照明
必須ではありませんが、飼育者がアロワナを観察しやすくするのはもちろんのこと、アロワナの発色が良くなるといわれています。
ただし、過度に照明が明るい場合、色が抜けてしまうことがあります。
◆餌
アロワナは野生下では昆虫や小魚などを捕食します。
販売されている餌としては、肉食魚用の人工飼料(浮上性のもの)、コオロギやミルワーム、金魚などの活餌を与えます。
アロワナが普段食べている餌に急に飽きてしまい、食べなくなることもあるため、複数種類用意しておくと良いです。
赤系のアジアアロワナではクリル(乾燥エビ)などのカロテノイドを多く含む餌をあげると発色が良くなります。
アロワナの飼育方法
アロワナはどの種も25~27 ℃が最適水温といわれています。
ヒーターやクーラー、水槽用ファンを使って水温調整が必要です。
水質に関しては多くの種は弱酸性~中性程度が良いと言われています。
ブラックアロワナは現地では弱酸性のブラックウォーターといわれる黒褐色に着色した水で生息しており、飼育水も現地の水質に合わせてあげるとよいです。
アロワナは水質悪化や酸素不足によって鰓ブタがめくれてしまうことがあります。
一方、急に大量の水を換水して急激に水質を変えると、ショックでヒレやヒゲが切れてしまうこともあります。
水換えは1回あたり1/4~1/3程度にしましょう。
水換えに使用する水はカルキ抜きを使うのも良いですが、水量が多いためアクアリウム用の浄水器を通して直接給水する方法もあります。
アロワナの飼育の注意点
◆水槽からの飛び出しに注意
アロワナは野生下において、水面上に出た枝葉上の昆虫などをめがけて最大1メートルもジャンプして捕食することがあります。
飼育下でも、物音に驚いた際などにジャンプして水槽から飛び出ることがあります。
水槽には必ず隙間のないようにフタと重石を載せてください。
◆混泳
ノーザンバラムンディのような気性の荒い種を除き、混泳が可能です。
よく混泳されているのはオスカーやフラミンゴシクリッド、ダトニオなどです。
生活域の被らない底棲性の淡水エイやポリプテルスなども混泳可能です。
お互い口に入らないようなサイズの魚同士を選んであげてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
多くのアクアリストの憧れである古代魚アロワナですが、設備さえ用意することができれば飼育は難しくありません。
あなたも思い切って飼育を始めてみませんか?
自宅で悠久の時代を生き抜いてきた力強さを感じることができますよ。
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