フトアゴヒゲトカゲの生態・環境
フトアゴヒゲトカゲはアガマ科アゴヒゲトカゲ属に分類されている爬虫類です。
昼行性なので日中は日向にいる事が多いのですが、夜になると木の陰などに隠れている事が多いです。
飼育の時も昼間はバスキングライトの下にいて夜になると人目につかない場所で過ごす姿が見受けられます。
◆どんな生き物?
フトアゴヒゲトカゲは恐竜のような見た目で、喉の部分が顎髭に見えるためフトアゴヒゲトカゲという名前が付けられています。
全身に棘があり、ゴツゴツした見た目ですが触ってみると柔らかく、皮膚は柔らかい生き物です。
温厚な性格で首を振ったり時折、手を動かす仕草が可愛いのでペットとしても人気が高いです。
◆野生ではどんなところに住んでいる?
野生ではオーストラリアの東部から南部に生息しています。
オーストラリアの東部から南部は夏には40℃近くも気温が上がる事があり、一方で冬は10℃以下まで下がります。
また、乾燥地帯に生息しているので飼育の際も腐葉土などではなくサラサラの砂を床材として使用します。
フトアゴヒゲトカゲに適したケージサイズ
フトアゴヒゲトカゲは大人になると全長50cm以上まで成長するため、大きめのケージが必要です。
ケージを購入する際は90cmのケージがオススメです。
もともと大きく成長するため大きめのケージが良いのはもちろんですし、ある程度動けるサイズのほうがストレスを溜めません。
しかし90cmのケージを置ける場所がない場合は60cmのケージでも問題ありません。
フトアゴヒゲトカゲのケージに絶対に必要なもの
フトアゴヒゲトカゲは暖かく乾燥した地域に生息しているため、飼育の際にも紫外線灯や保温球を置いておく必要があります。
◆紫外線灯
室内でも自然界と同じような飼育環境を作るために紫外線灯は必要不可欠です。
紫外線灯はペットショップや爬虫類ショップなどで販売されています。
紫外線灯は保温球とは違い熱くならないのでケージ内に直接ライトを置いても問題ありません。
この紫外線灯によってフトアゴヒゲトカゲは体の中にビタミンを作るため、必ず使用しましょう。
◆保温球
フトアゴヒゲトカゲは寒い環境も苦手な生き物のため、夜間に使用する保温球も必要です。
しかし冬は最高気温が低いため日中でも保温球があったほうが良いです。
保温球は、まぶしくない商品も販売されているので、特に夜間使用する際は光のない保温球がオススメです。
また、飼育の際は暖かい場所と涼しい場所を確保しておきましょう。
ケージ全体を温めてしまうと暑いと感じた際に逃げ場がなくなってしまいます。
フトアゴヒゲトカゲが体温調整をするためにもケージ内は、ライトの下が40℃前後で涼しいところで25℃前後をキープできるレイアウトを心がけましょう。
フトアゴヒゲトカゲのケージは60cm~90cmが目安なので右側をバスキングスポット、左側をクールスポットというように分けるのがベストです。
フトアゴヒゲトカゲのケージに配置すべきもの
◆床材
フトアゴヒゲトカゲを飼育する場合には目の細かい砂やペットシーツがおすすめです。
フトアゴヒゲトカゲの飼育ではある程度の保湿も大切ですが、もともと乾燥地帯に生息しているため乾燥しやすい砂のほうが良いです。
腐葉土や湿度の高い床材を使用してしまうとカビが生えてしまうので注意しましょう。
また頻繁に床材を入れ替える事が難しい場合はペットシーツでも問題ありません。
◆エサ入れ・水入れなど
ケージの中にはエサ入れを入れておきましょう。
フトアゴヒゲトカゲは雑食なので昆虫以外にも野菜やドライフードを食べます。
エサ入れには昆虫を入れておくのも良いですし、ドライフードや野菜を盛り付けて入れておくのもおすすめです。
専用のエサ入れはペットショップなどで購入できます。
また、飼育ケージの中には水入れも必ず入れましょう。
フトアゴヒゲトカゲも生き物ですので、毎日水分補給をします。
水入れは小さめのお皿でも良いですしペットショップなどで販売している専用の皿を使用するのも良いです。
「これじゃなきゃダメ!」という物はないので、ケージ内のレイアウトに合わせてオシャレな皿を使用しても問題ありません。
◆温度・湿度計
フトアゴヒゲトカゲのケージをレイアウトする際には温度計と湿度計を設置しましょう。
100円ショップなどで販売されているアナログの物でも良いですし、ペットショップでは温度と湿度が同時に計測できる物が販売されています。
中にはデジタルで計測できる物も販売されているので、レイアウトにあった物を購入すると良いです。
またフトアゴヒゲトカゲを飼育するケージは大きめなので温度計や湿度計も2つあると便利です。
これはケージが大きいからこそ場所によって温度や湿度が変わってしまうからです。
そのためバスキングスポットとクールスポットに温度計と湿度計を置くのがおすすめです。
◆シェルター
飼育の際はシェルターを置く事で紫外線が当たり過ぎてしまう事を防止できます。
さらにシェルターを保温球の下に置く事でバスキングスポットを作る事ができますし、フトアゴヒゲトカゲにとっての寝室にもなります。
フトアゴヒゲトカゲも人間と同じで常に人目につく場所にいるとストレスが溜まってしまいます。
そのためゆっくりできる場所が必要ですし、レイアウトをシンプルにする場合は隠れる場所を作ってあげる事でフトアゴヒゲトカゲもストレスフリーで生活できます。
しかしバスキングスポットの下にシェルターを置く場合はライトから近すぎると火傷の原因になってしまうため、高すぎない物を選びましょう。
フトアゴヒゲトカゲのケージにおいてはいけないもの
フトアゴヒゲトカゲのケージに絶対に置いてはいけないものはフトアゴヒゲトカゲが食べると危険なもの以外特にありません。
自分好みのレイアウトを楽しんでいただけます。
ただどのような爬虫類飼育にも言える事なのですが、ケージ内は高温になりますので金属などの熱くなりやすい物を置くのは危険です。
またプラスチック製品など、熱で溶けてしまう可能性のあるものは取り返しのつかない事故が起きてしまう場合もありますので控えましょう。
特にフトアゴヒゲトカゲは保温球を使用して飼育しますし、日中はバスキングライトを使用するのでケージ内が温まります。
金属の物を置いていると火傷を起こしてしまいますし、溶けたプラスチック製品でけがをしてしまう可能性もあります。
フトアゴヒゲトカゲのケージでおすすめのレイアウト
フトアゴヒゲトカゲのケージレイアウトはシェルターなどの隠れ家が必要なため、シンプルなレイアウトも凝ったレイアウトも可能です。
◆手入れのしやすさを重視したレイアウト
フトアゴのレイアウト難しい.. pic.twitter.com/CLL85HyStm
— Chami (@Cricket_leopa) May 19, 2019
参照元:https://twitter.com/Cricket_leopa/status/1130074593702469632/photo/1
必要なグッズは揃えながらもシンプルですっきりした内装が素敵で、フトアゴヒゲトカゲものびのび気持ちよく過ごせそうなレイアウトです。
こちらのレイアウトでは砂やチップではなくペットシーツを敷いています。
爬虫類ケージでは床材として砂や土を使用する方も多いのですが、フトアゴヒゲトカゲの場合は大きめのケージが必要なので床材の消費も激しいです。
そのためメンテナンスが大変な場合はペットシーツやキッチンペーパーを敷くのも良いでしょう。
キッチンペーパーやペットシーツであればメンテナンスも簡単ですし、綺麗で清潔な環境を保ちやすいです。
ペットを多く飼育している場合やメンテナンスの時間を長く設けられない場合は、こちらのペットシーツを使用したレイアウトがとてもおすすめです。
◆飼育環境と遊び心を重視したレイアウト
店員さんにご指導いただいてフトアゴのメローたんのレイアウト変更‼️
砂漠地帯の古代遺跡をイメージ#フトアゴヒゲトカゲ #爬虫類好きと繋がりたい#福岡爬虫類 pic.twitter.com/pTlc1PMAFv— yui (@yuikoro514) October 9, 2019
参照元:https://twitter.com/yuikoro514/status/1181853274812469248/photo/1
こちらはフトアゴヒゲトカゲが生息している乾燥地帯に合わせて砂漠のような砂を床材として使用しています。
爬虫類専用の砂として販売されていますし万が一フトアゴヒゲトカゲの口に入ってしまった場合でも粒が小さいので消化もしやすいです。
爬虫類飼育の場合、エサを食べる時に床材も口に入ってしまうので粒の小さい床材は特におすすめです。
また、こちらのレイアウトでは立体運動ができるようにレンガを置いているところが素晴らしいです。
バスキングライトの下にレンガを置くと体をしっかりと温める事ができますし、何個か重ねる事で階段の上り下りができる事から運動にもなります。
おしゃれな見た目や遊び心を重視しつつもフトアゴヒゲトカゲが生活しやすい環境作りをする場合はこちらのようなレイアウトがおすすめです。
テーマを決めてレイアウトをしていくのも爬虫類飼育の楽しみ方の一つです。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲは顎の部分が黒くヒゲのように見える事が名前の由来となっていて、オーストラリア東部から南部の乾燥地帯に生息しています。
成体になると50cm以上まで成長するのでケージを購入する場合は60cm以上が良いのですが、スペースがない場合はなるべく高さのあるケージにする事がおすすめです。
ケージ内には紫外線灯と保温球を必ず入れ、床材やエサ入れ、シェルターや温湿度計を置くほうが良いです。
レイアウトの際は見た目のインパクトや飼育環境、手入れのしやすさなど特に重視したい事を決めておくとレイアウトしやすいです。
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