1.ビオトープって何?
2.ビオトープの土台となるもの
2-1.水槽
2-2.プラ舟(トロ舟)
2-3.鉢
【掲載:2021.11.15 更新:2022.04.29】
ビオトープって何?
ビオトープとは、ギリシャ語で「生き物」「場所」という意味があります。
生き物が自然な状態で生きている空間のことを指しており、生き物を自然環境に近い状態で飼育する方法です。
自然環境に近い状態で飼育するため、生き物がのびのびとした様子を観察できたり、産卵などの繁殖も自然としやすくなる点が魅力的です。
また、タライや水瓶と言ったものを飼育容器にすることにより、外でも飼育可能になります。
ビオトープは庭先でも始めることができるため、楽しみ方が広がります。
ガーデニングの分野においてもビオトープは人気があり、ベランダなどのスペースに自然の生態系を作ることができる点も魅力です。
日本では、主にガーデニング分野においてビオトープは浸透していますが、
ビオトープの中でメダカなどの生き物を飼育することもできるため、植物と生き物飼育を同時に楽しめることも魅力です。
ビオトープを始めるために必要な用品などを次から紹介していきますね。
ビオトープの土台となるもの
ビオトープに必要な基本的なものを紹介いたします。
これからビオトープをはじめたい方や違う飼育方法を試したい方は是非参考にして下さい。
◆水槽
アクアリウムの延長として、水槽でビオトープを始めることも可能です。
水量や砂の高さを調節し、植物を入れると簡単にビオトープを作ることができます。
水槽のメリットは、プラ舟に比べて小さいサイズが入手しやすく、ベランダなどでも始めやすい点です。
省スペースで生き物の様子がよく観察できるので、姿をよく鑑賞したい方は水槽でのビオトープがおすすめです。
屋外でガラス水槽を使用しビオトープを行う場合は割れないよう注意が必要です。
◆プラ舟(トロ舟)
ホームセンターなどで売られているプラスチック製の容器です。
大きさの割に安価な点が魅力で、のびのびと石や流木、植物を配置することができます。
理想の箱庭のようにビオトープをオリジナルで作りたい!という方にはぴったりの容器になります。
上から生き物を鑑賞することにもプラ船は長けています。
自然の状態を観察したい方や屋外飼育がメインの方にはおすすめです。
プラ舟は丈夫で水量もたくさん入るので、メダカの繁殖に調節したい方にもおすすめですよ。
◆鉢
育てる植物やスペース、生き物の数などを自由に選べる鉢は初心者にもおすすめです。
プラスチック製や陶器など様々な形状と形の鉢があり、インテリアとしておしゃれな見た目のものを選ぶことができます。
鉢はプラ舟などに比べると手に入りやすいため、すぐにビオトープをはじめたい方におすすめです。
おしゃれな雰囲気でビオトープを楽しみたい方は、鉢でのビオトープを検討してみましょう。
ビオトープでメダカを飼ってみよう
日本の気候に馴染みやすく、安価で購入できるメダカはビオトープの入門魚として適しています。
また、メダカは繁殖力も高くビオトープ内で繁殖に挑戦することもできますよ。
初めて繁殖に挑戦したい方もビオトープで繁殖に挑戦することで成功率が上がります。
自然環境に近い状態で繁殖するため、生まれた稚魚も丈夫に育つ傾向にあります。
慣れてくると毎年メダカを調整して繁殖に挑戦することもできます。
他にも金魚やタニシなどの貝類を飼育することもできるビオトープですが、メダカはホームセンターやペットショップでも入手しやすく、最近では様々な種類のカラフルなメダカも販売されているため楽しみ方は無限大です。
メダカをビオトープで飼育するための基本的な飼い方を紹介していきますね。
◆どの種類のメダカでもOK?
近年では様々なカラフルなメダカがいると紹介しましたが、ビオトープに適しているおすすめのメダカを紹介します。
ぜひ購入の参考にしてみてください。
・ヒメダカ
最もポピュラーなメダカで、オレンジ色の体が特徴のメダカです。
成長しても3センチ前後にしかならないため、小さな水槽でも飼育が可能です。
ペットとして流通しているのは、ほとんどこのヒメダカで、どこでも入手しやすい点と安価で飼えるのが魅力です。
丈夫で水温の変化にもそれなりに耐性がありますので、1番飼育しやすいといえます。
・白メダカ
名前の通り身体が白いメダカです。
身体が白いことから、ビオトープの中でも目立ちやすく見つけやすいのが魅力です。
ヒメダカ同様、丈夫で気候の変化にも対応しやすいので、ヒメダカ以外のメダカが飼いたいと考えている方におすすめです。
価格は200~300円前後で購入できますよ。
・青メダカ
白メダカよりも青みがかっており、光の反射で身体が光って見えるメダカです。
ビオトープ内でも綺麗に見えるため人気があります。
メダカの中でもポピュラーなメダカであり、ペットショップでも入手しやすい品種です。
こちらの青メダカも200~300円前後と手頃な価格帯で購入できます。
・楊貴妃メダカ
派手なオレンジ色が人気の非常に綺麗なメダカです。
美しいオレンジ色がとても華やかで、水槽内でも癒し効果が高いです。
ヒメダカよりもオレンジ色がハッキリとしており、ヒレ先の赤みが強いのが特徴です。
メダカの中でも高い人気がある楊貴妃メダカは白メダカなどに比べると値段が高くなります。
300~500円前後で購入可能です。
・黒メダカ
メダカの原種に近いとされており、黒光りしている身体が特徴です。
ヒメダカよりも黒っぽい体色は、ビオトープ内では特に野性味を強く感じることができます。
黒メダカも丈夫で、ヒメダカと並んで初心者にもおすすめです。
自然の生態系をよりリアルに再現したい方にも黒メダカはおすすめですよ。
100円〜200円前後で購入可能です。
◆おすすめの水草
ビオトープのもう一つの魅力は様々な植物を同時に育てることができる点です。
おすすめの水草を紹介します。
・ホテイアオイ
メダカの産卵場所にとても適した浮草です。
水面に浮かべるだけで見栄えがするので、初心者におすすめの水草です。
注意したいのは、寒さに弱い植物のため冬場は枯れてしまう点と、夏場も葉が黒くなった時は定期的に新しいものに交換する必要があります。
・マツモ
葉が細かい浮遊植物です。
縦に伸びずに横に伸びるためビオトープに向いていますが、容器が埋まらないように定期的にカットする必要があります。
寒さにも強く、冬は水底に沈んで越冬します。
・ナガバオモダカ
白い花を咲かせる抽水植物です。
上に伸びるタイプの植物で、水中に植えることも可能です。
鉢ごと水につけて育てることもできるためレイアウトの自由がきくのが魅力です。
冬に強く越冬も可能な植物ですので、長く楽しむことができます。
◆必要な用品
ビオトープに必要な用品は以下のものを用意しましょう。
- 水槽などの容器
- 床砂や土
- 石や流木など
- カルキ抜き
- メダカの餌
- ろ過装置
ビオトープは生き物の飼育に必要な餌やカルキ抜きなどのほかに容器と敷く砂や土があれば簡単に始めることができます。
自然の生態系を再現するビオトープは、おおがかりなろ過装置は必要ありませんが、メダカが酸欠になるのを防ぐためのエアレーションや水の濁りが気になるときには、投げ込み式の濾過材など環境に合わせて使用を検討しましょう。
また、流木などは必ずないといけないわけではないので、レイアウトに応じてメダカの隠れ家などに使うと便利です。
流木などにウィロースモスなどの苔類を巻き付けて育てるのも自然の生態系の再現にはおすすめですよ。
ビオトープを作るときの注意点
ビオトープは材料さえあれば、簡単に始めることができますが、レイアウトや置く場所、生き物と植物のバランスなどを計画的に作るようにしましょう。
何度もレイアウトを変えたり水換えを頻繁に行うと、なかなかメダカが安心して暮らせる環境にならずに弱ってしまいます。
ビオトープを作る時は床砂を敷いて植物を植えてから1〜2週間置いて様子を見ましょう。
バクテリアが発生して水質が安定してから生き物を入れるようにします。
ビオトープを組み立てるときには、最後に生き物をいれるようにします。
また、屋外のビオトープは一度作ると自然の生態系に近い状態で飼育するため、気温や水質の変化が外気温に左右されます。
温度管理が必要な熱帯魚はビオトープでは飼育が難しいため注意しましょう。
まとめ
ビオトープの作り方やビオトープにおすすめのメダカについて紹介しました。
植物と生き物をどちらも育てることができるビオトープは、やり込み要素がたくさんあるのが魅力です。
ビオトープで植物を育てながらメダカを飼育する時の参考にしてください。
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