うさぎのマウンティングはやめさせるべき?行動の理由とマウンティング対象別の対策方法

2021.11.22

うさぎのマウンティングはやめさせるべき?行動の理由とマウンティング対象別の対策方法

うさぎを飼い始めると、急にマウンティングする姿を見てびっくりするかと思います。 なぜうさぎはマウンティングをするのでしょうか。うさぎにとっても飼い主さんにとってもストレスなく過ごせるよう、うさぎのマウンティングの理由から対処法までを紹介します。


マウンティングとはどんな行動?

マウンティングとは、例えばボールやぬいぐるみなどにうさぎが乗っかり、腰をカクカクしている行動のことです。時には飼い主さんの腕などにつかまって行ううさぎもいるようです。


うさぎのマウンティングの理由とは?

まず、うさぎがなぜマウンティングをしてしまうのか?ということを理解しておく必要があります。
うさぎのマウンティングをする理由として、二つの理由があるといわれています。

まず一つ目は、発情・繁殖に伴うマウンティングです。
うさぎは早ければ生後数か月で発情期が訪れて、この時期からマウンティングをすることがあります。
野生のうさぎの発情期のピークは春です。食料となる草が生えていない時期は、親うさぎは自分自身が生き残ることで精一杯で子どもを産んで育てる余裕がありません。しかし、春は食料となる草が豊富に生えている時期であり、親うさぎが食料のことを心配せずに子うさぎを産み育てることができるからです。
ですが飼育下のうさぎは食料の心配をする必要がないため、季節に関係なく一年中発情期状態になります。
ですから、本能的に春はマウンティングが増える傾向がありますが、一年中マウンティングをしても不思議ではないということになります。

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そして二つ目は、群れの中で優位性を示すためのマウンティングです。
マウンティングは繁殖行動のためだけではなく、うさぎが群れの中で自分の方が上なんだという意思表示のためにすることもあります。
群れの中での上下関係を相手にわからせようと、優位性を確認するための行動でもあるということです。


うさぎのマウンティングをやめさせる方法とは?

うさぎを初めて飼った方は、急にマウンティングをしだしたうさぎに対してびっくりしたり、戸惑ったりするかと思います。やめさせるべきなのか、そのまま放っておいても大丈夫なのか迷いますよね?
うさぎにとってマウンティングをしている時はかなりの興奮状態にあると思われます。うさぎを長く興奮状態にさせていると、うさぎの威嚇が強くなったりからだを触りにくくなり、飼い主さんが爪切りやブラッシングなどの手入れをすることが難しくなるかもしれません。
うさぎを長い興奮状態にさせておくことは好ましくないことでもありますし、からだの手入れが出来ないということは病気やケガにつながる可能性があります。
ではうさぎのマウンティングをやめさせるにはどうしたらいいのかということですが、マウンティングをする対象別にやめさせる方法をご紹介します。

◆人に対してマウンティングをする場合

人に対して行うときは、特定の人にしかしない場合があるようです。
マウンティングをするということは、うさぎがその人のことを自分より立場が下だと思っている可能性があります。いつもお世話をしている飼い主さんの場合、立場が逆転するなど関係性に影響が出てくるのでやめさせてあげる必要があります。
まず、うさぎが腕や足などにつかまって来たらすぐうさぎから離れましょう。
うさぎによっては甘噛みしてきたりすることもあります。もし噛まれてしまったらパスツレラ菌に感染するおそれもありますのでしっかりと消毒してください。
マウンティングをする姿がかわいいからと、そのまま好きにさせておくと更に興奮してエスカレートしてしまうので素早くうさぎをケージに入れるなどして落ち着かせましょう。
代わりに好きなおもちゃを入れてあげて気をそらせてあげてみてください。
マウンティングをしてきたら、とにかく相手にせずにすぐやめさせるということを意識して根気よく続けてみてください。そのうちうさぎもしなくなるはずです。

◆ボールやクッションに対してマウンティングをする場合

うさぎの遊び道具として、ボールやぬいぐるみをケージやサークル内に置いた場合もそれらに対してマウンティングをする場合があります。
人に対して行うときと比べると無理にやめさせる必要はないですが、マウンティング行為から齧ったり攻撃したりする行為にエスカレートしてしまう場合は、誤飲やケガにつながる可能性もあるので危険です。

うさぎのために良かれと思って置いたつもりでも、実はうさぎにとっては自分の縄張りを侵す敵としか思われていない可能性があります。
うさぎは縄張り意識がとても強い動物です。自分のテリトリーに物があったら、それを追い出そうとします。
それが物に対してマウンティングをする理由です。

ボールやぬいぐるみ、クッションなど楽しそうに遊んでいるとつい思ってしまいますが、その物があるかぎりずっとマウンティングをすることになり、興奮状態が続いてしまいますし、上記で説明した通り思わぬ事故につながることもあります。
興奮状態を続けさせないためにも、うさぎのケージやサークル内にはボールなどの物は入れないことをおすすめします。

◆同居のペットに対してマウンティングをする場合

うさぎがうさぎに対してだけではなく、同居している犬などにもマウンティングをする場合があります。
うさぎが自分の方が偉いんだぞ!ということを示したい場合と、縄張りに入られて攻撃してきている場合が考えられます。やはりうさぎは縄張り意識が強いので、他の同居しているペットをうさぎのケージやサークル内に入れないように注意したり、マウンティングをしそうになったら飼い主さんが引き離してやめさせてあげてください。

次に、うさぎの多頭飼いでうさぎがうさぎに対してマウンティングを行っている場合です。オス同士でのマウンティングは自分の優位性を示すための行動として行われていることがほとんどです。
あまりにも頻繁に続く場合は大きな喧嘩にエスカレートしてしまうこともあります。また、うさぎ同士ストレスになり、食事を取らなくなったり体調不良にもつながりますので、そのうさぎたちを対面させない工夫が必要です。
飼い主さんからすれば仲良く過ごしてほしいと考え、一緒に過ごさせているかもしれませんが、そのような状況が続くことはうさぎにとって幸せなことではありません。
安心できる環境を提供するためにはどうすればいいか考えてみるのも大切です。

オスのうさぎが自分の縄張りを守る理由の一つに、メスのうさぎの獲得という目的があります。
オス同士のパターンと同じように、執拗に追いかけられてうさぎが嫌そうにしていたり、逃げ回っていたりするのを見かけたら、下のうさぎがストレスを感じないようにケージを別々にするなどして、すぐ離すようにしましょう。

他にメスのうさぎも飼っている場合はオスのうさぎ同士のケンカの要因になるため、はじめから別々にした方がよいでしょう。


マウンティングをするのはオスだけ?

マウンティングはオスのうさぎだけではなく、メスのうさぎにもみられる行動です。
オスにとっての縄張りを守る目的はメスを獲得することが理由の一つですが、メスが縄張りを守る目的は子育てをする場所を安全にすることです。

野生のうさぎは約10頭前後の群れを作り暮らします。
メスのうさぎにとって、巣穴は何より大事です。この巣穴での秩序を乱すうさぎがいた場合にはメスも攻撃しますし、上下関係をわからすためにメスがメスにマウンティングをすることもあります。
ただ、自分の巣穴以外の場所では互いに寛容だったりするので、一緒にくつろいだり毛づくろいしたりすることもあるようです。オス同士よりは穏やかで仲が良さそうですね。
群れの中で一番優位のメスうさぎが、縄張りの中心にある最も安全な場所に巣穴をつくり子どもを産んで育てることが出来るのです。


マウンティング以外の発情期に見られる行動とは?

マウンティング以外にも、発情期に見られる様々な行動があります。
では具体的にはどんな行動が見られるのかをご紹介します。

◆おしっこを飛ばす「スプレー」

例えば、ケージを新しくした時や自分のにおいがまだついてないものに対して、おしっこをかけることがあります。

◆後ろ足をダン!と踏み鳴らす「スタンピング」

一見イライラしてやっているようにも見える通称「足ダン」ですが、実は怒っている時以外にも周りに危険を知らせるためにする場合もあります。

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◆臭腺の分泌物をこすりつける「マーキング」

肛門の脇の臭腺からの分泌物を出すことにより、排泄物が独特なにおいになります。
顎の下にも臭腺があり、顎をこすりつけてマーキングをすることもあります。

◆気性が荒くなる

急に飼い主さんの言う事を聞かなくなり、抱っこを嫌がったりわがままになります。

◆縄張りを主張する

飼い主さんがケージの掃除をしようとして手を入れたら、威嚇するようにこっちに向かって来たりします。
本能的に巣を守ろうとしているのかもしれません。

◆偽妊娠

実際に妊娠しているわけではないのに、からだに妊娠した時と同じような変化が起こるせいで、巣作りを始めます
巣作りのために自分の毛をむしって集めていたら、すぐに片づけて気をそらしましょう。


まとめ

<うさぎのマウンティング

うさぎは一年中発情期であるために、度々飼い主さんを困らせてしまう行動をとることもあるかと思います。
そんなうさぎの行動の理由や原因を知り、うさぎのストレスをより軽くしてあげることができたら、問題行動も少なくなり飼い主さんの負担も減っていくのではないかと思います。
癒されて楽しいうさぎとのより良い生活を送れるよう、正しい対処をしていきましょう。

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