1.動物(うさぎ)アレルギーとは
2.うさぎアレルギーはなにが原因?症状は?
2-1.うさぎの毛やフケの飛散が原因
2-2.おもな症状はくしゃみ、鼻水、咳、結膜炎、湿疹など
2-3.うさぎの換毛期で発症することも
3.うさぎアレルギーではないけれどアレルギー症状が出る場合
3-1.イネ科アレルギー
3-2.カビアレルギー
3-3.ダニアレルギー
4.アレルギー症状がつらい場合
4-1.まずはお医者さんへ相談
5.すぐできるうさぎアレルギー対策について
5-1.マスクや手袋をしてお世話する
5-2.こまめにブラッシングをする
5-3.こまめに掃除、空気清浄機を使用する
5-4.うさぎと居住空間を分ける
5-5.同居家族にお世話をお願いする
6.チモシー(牧草)アレルギーの場合の対策について
6-1.マスク、手袋をして扱う
6-2.空気清浄機を使う
6-3.チモシーの種類を変える
6-4.ペレットタイプの牧草に変える
6-5.牧草の管理に気を付ける
【掲載:2021.12.17 更新:2022.08.23】
動物(うさぎ)アレルギーとは
アレルギーとは、あるモノに対して、免疫が過剰に反応してしまうことをいいます。
春先になるとニュースになるスギ花粉による花粉症もアレルギーの一種です。また、エビやカニ、トマトなど様々な食べ物のアレルゲンを起因とする食物アレルギーもあります。
厚生労働省によると、日本国民の3人に1人は何らかのアレルギーをもっていると言われているとのこと。
2014年にはアレルギー疾患対策基本法という法律が成立・交付するなど、非常に身近な疾患です。
動物(犬、猫、うさぎ、鳥など)の毛や羽、フケや糞尿などに反応して、症状がでてしまうことを「動物アレルギー」といいます。
犬アレルギーや猫アレルギーは認知度が高いのではないでしょうか。
アレルギーは、大人より子供のほうが発症しやすいと言われていましたが、近年、遺伝要因や環境要因、ライフサイクルの変化などによって、大人も子供もどちらもアレルギーを発症しやすく、国民病ともいわれています。
誰がどのタイミングでアレルギーを発症するのかは分からないのです。
うさぎアレルギーはなにが原因?症状は?
うさぎアレルギーは、うさぎの飼い始めは特に症状がなくても、一緒に暮らし始めて時間が経つと、症状が出る場合があります。
特に飼い主さんの免疫力が下がっている体調不良のとき、症状がでることが多いようです。
◆うさぎの毛やフケの飛散が原因
うさぎアレルギーの原因は、主にうさぎの毛やフケなどに反応して起こります。
特にうさぎが換毛期で、フワフワと部屋にうさぎの毛が舞いやすいとアレルギー反応を起こしやすいです。
◆おもな症状はくしゃみ、鼻水、咳、結膜炎、湿疹など
アレルギー性鼻炎の症状であるくしゃみや鼻詰まりや、アレルギー性結膜炎の症状である、目のかゆみや充血、涙目などが見られます。
咳や喘息、呼吸困難のような呼吸器症状が出てしまったり、腕などに湿疹が出る皮膚炎、唇や瞼が腫れる蕁麻疹の症状が出る場合もあります。
◆うさぎの換毛期で発症することも
アレルギーは過剰に吸い込んでしまったときに、アレルギーを持っていなかったはずなのに発症してしまう場合もあります。
毛が良く抜ける換毛時期は、いつも以上にブラッシングを行い、アレルギーの発症を防ぐことを意識しましょう。
うさぎアレルギーではないけれどアレルギー症状が出る場合
実はうさぎに反応してしたのではなく、うさぎが食べている牧草にアレルギー反応を起こしてしまっていることがあります。
飼い始めは大丈夫でも、次第に症状が表れてくることもあります。
うさぎアレルギーの症状に似ていて、人によってそれぞれ症状の強さは違います。
◆イネ科アレルギー
同じ牧草でも1番狩り、2番狩り、3番狩りと収穫時期に応じて区分けされているチモシー。
和名ではオオアワガエリというイネ科植物です。そのため、イネ科のアレルギーを持つ飼い主さんがチモシーに触れたことで症状がでてしまうことがあります。
通常牧草が出荷される前には、工場でふるいにかけられて、無駄な粉を落としてから市場に出回るようです。
それでも袋の中で牧草が擦りあううちにどんどん粉が出てきてしまい、その粉に反応してアレルギー症状が出てしまいます。
◆カビアレルギー
与えている牧草にカビが生えていたことにより、アレルギー反応がでてしまうこともあります。
もともとカビアレルギーを持っている飼い主さんは注意しましょう。
◆ダニアレルギー
ほとんどの飼い主さんがうさぎを室内飼いされていて、室内の温湿度を一定に保っていることでしょう。
うさぎにとって良いことなのですが、それがダニにとっても好都合な温湿度でもあります。
さらに毛やフケがダニの餌となり繁殖しやすく、アレルギー反応を起こしやすいと言われています。
アレルギー症状がつらい場合
◆まずはお医者さんへ相談
アレルギー症状がでた際は、自分だけで悩まず、必ず病院に行き受診しましょう。
アレルギーの症状がでたときに、うさぎが原因なのか、牧草やほこりなど他の要因が原因なのかは、お医者さんでも目で見て判断することはできません。
検査できる項目ができるだけ多いアレルギー検査をおすすめします。
アレルギー検査は、血液検査、少量のアレルゲンを体内に入れるプリックテスト、アレルゲンを長時間皮膚に貼布するパッチテストなどがあります。
いずれも体に負担が少ない方法で、赤ちゃんからお年寄りまで受けられます。
主に内科、皮膚科、耳鼻科で検査が可能ですが、お近くにアレルギー科があればより専門的に診てもらえます。
アレルギー症状は、人それぞれ違います。最悪の場合、命に関わることがあるので、軽んじてはいけません。
病院で相談する際は、必ずうさぎを飼っていることを伝えて相談しましょう。
免疫力が下がってしまう時期や花粉症が流行する時期、アレルギー症状が酷くなる時期が分かっている飼い主さんは、事前に病院で薬を処方してもらうことがおすすめです。
すぐできるうさぎアレルギー対策について
アレルギー対策として一番良いのは、アレルギー反応を起こしている原因を取り除くことです。
ですが、うさぎが原因の場合、せっかく一緒に暮らしているのに、簡単に離れることはできませんよね。
病院で検査してアレルギー数値が高くても症状がでない方や、数値が低くても症状がでやすい方、人によってアレルギー症状の表れ方は様々です。
そのため、安易に飼い続ける事はおすすめすることはできませんが、対策し工夫することで、一緒に暮らし続けることもできます。現に、暮らしている飼い主さんはいらっしゃいます。
◆マスクや手袋をしてお世話する
アレルギー対策として、アレルギー反応の原因となるうさぎと接触を避けることですが、お世話を避けることは難しいです。
アレルギーを発症してしまった飼い主さん以外の家族がお世話することが一番良い対処方法ですが、一人暮らしでお世話を必ず自分でしなければならない飼い主さんもいると思います。
うさぎの毛やフケを吸い込まないように、マスクや使い捨て手袋、ゴーグルをしてお世話をしましょう。
◆こまめにブラッシングをする
うさぎの換毛時期は、いつも以上に被毛がごっそり抜けます。そのため、飛散する毛をなるべく減らすため、こまめにブラッシングを行うことが必要です。
飼い主さんのアレルギー症状が酷くでているとき、ブラッシングを行ってしまうと、症状を悪化させてしまうので、飼い主さんの体調が良いときにブラッシングを行うのがおすすめです。
ブラッシングを行う際は、エプロンやゴーグル、マスクや手袋など装着して、できるだけ飼い主さんの体に毛が付着しないように、吸い込まないようにしましょう。
うさぎの毛は細くて柔らかくよく抜けます。
リビングなど広い部屋でブラッシングすると、フワフワと室内中に舞ってしまうので空気清浄機をつけたり、舞っても片づけやすい狭い部屋でブラッシングするのがおすすめです。
浴室など湿度の高い狭い部屋でブラッシングを行うという手もあります。ただし、くれぐれもうさぎを濡らさないように注意してください。
浴室だと狭いので舞った毛が遠くに飛ばず、ブラッシングが終わった後、浴室全体をシャワーで流せば、全て流れていきます。
毛を流すので、排水溝が詰まりやすくなります。必ず最後に排水溝の掃除を行いましょう。
◆こまめに掃除、空気清浄機を使用する
こまめにうさぎのケージやその周りの掃除を行い、アレルギーになる原因となるものを徹底的に減らしましょう。
排気を吹き上げない掃除機を使うのがおすすめです。
換気をこまめに行い空気の循環を良くして、常に空気清浄機を使用しアレルゲンを除去しましょう。
◆うさぎと居住空間を分ける
うさぎが生活する部屋と人が生活する部屋を分けることが可能であれば、分けることが重要です。
ですが、大体のうさぎはリビングなど人が生活するうえで、よく使用する部屋で過ごしていることが多く、他の部屋への移動が難しいことがほとんどです。
部屋を分ける事が一番効果的な方法ではありますが、うさぎがすぐ見られないので、異変に気付きにくくなるのが難点でもあります。
部屋を分ける場合には、うさぎのケージは寝室以外の場所に置いてください。
日中は人の動きで空中を舞うアレルゲンが、夜、人が寝ているうちに下に落ちてきて吸い込んでしまいアレルギー反応しやすくなるからです。
同居家族にお世話をお願いする
家族がいる飼い主さんは家族にお世話をお願いしましょう。
自分でお世話をできないことに罪悪感を持ってしまう飼い主さんもいらっしゃると思いますが、みんなでお世話することで、家族間でさらに共通の話題が増え、うさぎが人によって態度を変えることが少なくなる傾向になります。
チモシー(牧草)アレルギーの場合の対策について
チモシーはうさぎさんの主食です。健康管理の必需品でもありますので、飼い主の都合で食べさせるのをやめるわけにはいきません。
先ほど解説したうさぎアレルギーの対処法と同様に対応していきましょう。
◆マスク、手袋をして扱う
うさぎアレルギーの場合と同様、アレルゲンに直接触れない・吸い込まないようにマスクや使い捨て手袋、ゴーグルをして触りましょう。
チモシーに付いた粉を吸い込まないようにすることで、症状が緩和されるはずです。
一度使った手袋やマスクは捨てるようにしてください。
◆空気清浄機を使う
花粉症に有用な空気清浄機は、空気中に飛散したチモシーの粉も吸い込んでくれますので非常に効果的です。
効果を最大限発揮するためにも定期的なフィルター掃除をしてください。
◆チモシーの種類を変える
牧草アレルギーが出てしまう場合は、粉末が少ない商品に変えると、症状が緩和されることもあります。
商品名に「粉なし」などと表記されているものを探してみてください。
◆ペレットタイプの牧草に変える
牧草を加工してペレット状にしたものがペレットタイプの牧草です。
押し固めることで、余分な粉が少なくなります。
牧草の代用品として問題なく与えることもできますし、ペットショップでも手に入れやすいため、牧草アレルギーの飼い主さんにはおすすめの商品です。
うさぎさんは食事に対する強いこだわりがある子も多いため、食べなれないうちは食が進まない子もいます。
◆牧草の管理に気を付ける
牧草についた粉が飛び散ってしまうので、箱を開けっ放しにして放置することは止めましょう。
また、梅雨など湿度が高くカビが生えやすい時期は、開けっ放しにすると普段より牧草が痛みやすくなります。
飼い主さんの体調以前にうさぎの体に悪影響があるので注意が必要です。
牧草の箱は使い終わったら必ず閉め、乾燥材を入れておくのがおすすめです。
飼い主さんとうさぎの双方の幸せを考えて判断
アレルギー症状が酷く、飼い主さんの命に関わることがある場合は、里親を考えましょう。
飼い主さんとうさぎ両者のことを考え、里親という選択をするのは間違いではありません。
信頼できて、うさぎを可愛がってお世話してくれる飼い主さんを見つけることが、手放す飼い主さんの最大の責任です。
必ず、うさぎと別れる前に、新しい飼い主さんを見つけましょう。
まとめ
うさぎアレルギーが出てしまったと思っても、アレルギー検査を行ったら、うさぎではなく、牧草やカビ、ダニなど他のアレルギーが原因の場合があります。
一人で抱え込まず、必ず病院に相談しましょう。
アレルギーは検査で数値が高く表れても症状が軽い人、数値が低く表れても症状が重い人、それぞれいらっしゃいます。重篤化すると命に関わることもあります。
うさぎアレルギーだとしても、安易に飼い続けることはおすすめしませんが、アレルギーを発症した際に防止し対策することで、一緒に暮らし続けることができます。
飼い主さん自身の体調と向き合いながら、うさぎと幸せになる方法を考えてみましょう。
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