1.ハムスターには“お風呂”が不要ってホント!?
2.ハムスターにお風呂がNGの理由とは?
2-1.理由1.もともと乾燥地域で生きる動物だから
2-2.理由2.水を含むと乾きづらい毛質だから
2-3.理由3.ハムスターの体にドライヤーの熱は危険だから
2-4.理由4.人間の手で洗う「力」はハムスターの負担になるから
2-5.理由5.身体が小さ過ぎて体温調整がしづらいから
2-6.理由6.ニオイが消えると不安になるから
2-7.理由7.そもそも水で身体を洗う習慣はないから
2-8.理由8.シャンプーなどの成分が身体に負担だから
2-9.理由9.体調不良に陥りやすいから
2-10.理由10.お風呂の入れ方によっては溺死のリスクがあるから
2-11.理由11.水に濡らすことで、逆に汚れが付くこともあるから
3.ハムスターを清潔にする方法はあるの?
3-1.方法1.砂浴びがお風呂の代わりになる
3-2.方法2.パウダーシャンプーでブラッシングをする
3-3.方法3.少し濡らしたタオルで身体を拭いてあげる
3-4.方法4.ケージやトイレなど身の回り品を掃除する
【掲載:2022.01.11 更新:2022.12.06】
ハムスターには“お風呂”が不要ってホント!?
ハムスターを飼っていると、さまざまな理由でお風呂に入れたくなるときがありますよね。
暑い夏には「水浴びさせたら気持ち良さそう」、身体が汚れたら「綺麗にしてあげたい」、寒い季節には「お湯で温めてあげたい」など…。
家族となったハムスターを愛する気持ちから「お風呂に入れたい」と思うかもしれませんが、実は基本的にハムスターにはお風呂は不要です。
むしろ「ハムスターはお風呂には入れない方がいい」と言えるでしょう。
小さな容器にお湯や水を溜めてハムスターをお風呂に入れると、その姿はきっと可愛いですよね。
「そんなに頻繁ではないし、ちょっとくらい大丈夫だろう」とハムスターのお風呂問題を軽視すると、具合を悪くするばかりか、危険な状態になるケースもあるので注意が必要です。
ハムスターにとっての「お風呂」について、しっかりと知識を持つことが大事です。
また、そもそもハムスターの体臭は人にはあまり気にならないものです。
ハムスターが臭いと思ったときはケージが不潔な場合や、以前与えた食べ物を巣箱に持ち帰って腐らせているなどの原因も考えられます。
ニオイの元をはっきりさせ、対策をしていきましょう。
ハムスターにお風呂がNGの理由とは?
それでは、次にハムスターをお風呂に入れちゃダメと言われる理由を紹介していきます。
◆理由1.もともと乾燥地域で生きる動物だから
ハムスターは、もともと暑い乾燥地帯で生きている動物です。
ほとんど降雨はなく、もし降ってきたとしても“巣穴”というマイホームに身を隠します。
暑さや雨の影響を受けない巣穴で、ハムスターは寒暖差をなるべく受けない生活を心がけています。
高温や乾燥という自然環境には耐性がありますが、水に濡れることには慣れていないため、お風呂は不要なのです。
この特徴は同じく乾燥地帯で暮らすチンチラにも当てはまります。
◆理由2.水を含むと乾きづらい毛質だから
ハムスターは短毛ですが、とてもふわふわした触り心地の良い毛質をしています。
ちょっと程度の水分であれば、毛が持つ撥水性ではじいてくれるでしょう。
でも、お風呂のように身体をしっかり濡らしてしまうと、毛と毛の内部まで水分が行きわたり、水分が乾きづらくなってしまいます。
タオルで拭いても、ハムスターの皮膚まで到達している水分はなかなか拭き取ることができません。
水で体が冷えて体温調節がうまくいかず、体調を崩してしまうということになりかねません。
◆理由3.ハムスターの体にドライヤーの熱は危険だから
「お風呂に入った後にドライヤーで乾燥させればいいのでは?」と思うかもしれませんが、ハムスターにとってはとても危険なことです。
ハムスターは身体が小さいため、人間用の熱い温度設定のドライヤーは大きな負担となってしまいます。
ドライヤーを向けると、ハムスターは全身で熱い風を受け止めることになります。
人間にとっては平気に思えても、小さなハムスターにとっては人間で言う「強風」や「台風」レベルかもしれません…。
私たち人間に置き換えると、「熱くて強い風」が顔や身体に向かって吹いてくるのは怖いことですよね。
低温にしても、そもそもドライヤーの大きな音がハムスターにとってはストレスになりそうです。
◆理由4.人間の手で洗う「力」はハムスターの負担になるから
「ハムスターの汚れを綺麗にしてあげたい」という飼い主さんもいるかと思います。
でも、ハムスターの小さな体をゴシゴシ洗う…。
力加減がとても難しいですよね。
人間にとっては心地よい刺激も、人間と比べると遥かに小さい体のハムスターにとっては「痛い」「苦しい」ものとなってしまうでしょう。
間違えばケガをさせてしまうリスクがあります。
◆理由5.身体が小さ過ぎて体温調整がしづらいから
ハムスターは身体がとても小さいため、体温調整が苦手です。
冷たい水に濡れると一気に体温が奪われますし、熱いお湯に入れると心臓に負担がかかってしまいます。
ハムスターは人間の手のひらほどの極小サイズですから、体温を保つのは難しいでしょう。
それにもともと暑さには強い体質のため、水風呂で体温が急低下すると危険です。
◆理由6.ニオイが消えると不安になるから
ハムスターは、自分のニオイに包まれることで安心感を得ています。
自分のニオイをあちこちにつけて「これは自分のものだ!」と縄張りを主張しているのです。
それなのに、お風呂によってニオイが失われると、自分のニオイがなくなり不安。
精神的に参ってしまうでしょう。
人間にとっては「ニオイが消えれば清潔」と思うかもしれませんが、ハムスターは適度にニオイがついていた方が安心するのです。
シャンプーで良い香りをつけてあげるのもNG。
慣れない香りが身体につくことは、ハムスターの不安感をさらに増してしまうでしょう。
◆理由7.そもそも水で身体を洗う習慣はないから
自分の皮膚の汚れや寄生虫を取り除くために、水浴びをする野生動物もいます。
しかし、乾燥地帯という水のない環境で生きているハムスターには「水で身体を洗う」という概念がありません。
身体を綺麗にするときには、“砂浴び”をするのがハムスターなのです。
◆理由8.シャンプーなどの成分が身体に負担だから
綺麗に洗うためにシャンプーなどを使うと、ハムスターの身体には負担です。
たとえシャンプーが少量に見えても、小さな体のハムスターにとっては大量となってしまうでしょう。
しかも、すすぎが不完全で身体に人工的な有害成分が残れば、ハムスターの皮膚にダメージを与えてしまいます。
それに、ハムスターは自身の身体を自分で舐めて毛づくろいする習慣があり、残った成分を舐め続けることは内臓への負担も考えられます。
また、「ハムスターの身体に洗浄成分が残らないように」と、丁寧に洗おうとするほどに水に長く浸かることになり、ハムスターの体を余計に冷やす原因となってしまいます。
◆理由9.体調不良に陥りやすいから
ハムスターは、体調を崩しやすい小動物です。
体が小さすぎるため、病気にかかったり体調を崩したりすれば、重症化する可能性もあります。
特に、急激に温度が変化すると体が追いつかず、ぐったりすることも。
お風呂は、ハムスターの体調を悪化させる原因のひとつとなってしまいます。
◆理由10.お風呂の入れ方によっては溺死のリスクがあるから
ハムスターは犬のように泳げるわけではありません。
身体がすっぽり沈むほどの水量のお風呂に入れれば、ちょっと目を離したすきに溺れてしまうリスクがあります。
ハムスターは水を飲み込んで溺れて、最悪、死に至る可能性があるため、注意しなければなりません。
◆理由11.水に濡らすことで、逆に汚れが付くこともあるから
水に入る習慣がないハムスターにとって、お風呂と称して水に濡らされると「怖い」「やめてほしい」と暴れる可能性もあります。
ハムスターが嫌がっているのに水につけ、濡れた体のままあちこちに体をつければ余計汚れてしまうかもしれません。
飼い主さんの「体を洗ってあげたい」という気持ちが逆効果となってしまう可能性もあるでしょう。
ハムスターを清潔にする方法はあるの?
ここまでお伝えしたとおり、水やお湯のお風呂に入れることはハムスターにはよくないことです。
でも、それだと「汚れたらどうするの?」「身体が不潔になると逆に体調を崩すのでは?」と心配ですよね。
ハムスターを清潔にする方法はあるのでしょうか?
◆方法1.砂浴びがお風呂の代わりになる
ハムスターの体を清潔にするのは、“砂”を使った砂風呂です。
「砂で身体を洗う」と聞くと、砂が体に付着する印象を受けるかもしれません。
でも、砂こそ、ハムスターにとっては清潔になるためのアイテムなのです。
そもそも野生のハムスターは、砂浴びで自分の身体を綺麗に保っています。
被毛で覆われたハムスターの身体には汚れやダニがつきやすく、砂浴びで転げ回ることで細かな砂が取り除いてくれるでしょう。
ハムスターがダイナミックに砂浴びをすると周辺に散らばります。
身体のサイズに合わせた深さや大きさを考えて、砂浴びの容器を準備しましょう。
また、注意したいのが砂浴びで使う砂です。
その辺から取ってきたような砂は、「雑菌が繁殖している」「粒子がバラバラ」「危険なものが入っている」という可能性があるため止めましょう。
殺菌済で粒子が整ったハムスターの“砂浴び専用”と書かれたものが市販されているので、こちらを利用しましょう。
砂浴びのメリットは「清潔」だけではありません。
砂を一生懸命掘って遊ぶと本能的にハムスターの大好きな砂遊びでストレス解消にもつながります。
また、砂浴びはハムスターにとって人間のお風呂的なものですが、頻度は個体差があります。
砂が入った容器でゴロゴロと楽しむことを日課としている子もいれば、砂浴びに無関心な子もいるでしょう。
砂浴びはハムスターの健康に欠かせないものですが「あまり砂浴びをしない・砂で遊ばない」からと言って焦らなくても大丈夫です。
「身体が痒いから砂浴びしよう」「ニオイが気になるから砂浴びしよう」など、ハムスターなりのタイミングがあるでしょう。
砂浴びをしてくれないと心配かもしれませんが、飼い主さんが無理やり試みるとハムスターにとってはストレスでしかありません。
それよりも注意したいのが、砂の汚れです。
同じ砂をずっと使い続けると汚れも溜まっていくため、逆に不衛生になるでしょう。
適度なタイミングで砂は新しいものに交換することが必要です。
また、トイレの砂とは区別し、衛生面に配慮してくださいね。
◆方法2.ブラッシングをする
被毛の汚れを取るには他の動物同様、ブラッシングが効果的です。
柔らかめの歯ブラシで優しく毛を撫でる方法もありますが、やはり小動物用に作られたグッズを使うのがおすすめです。
◆方法3.少し濡らしたタオルで身体を拭いてあげる
少し濡らしたタオルで、ハムスターの身体の汚れが気になる部分を拭いてあげるのもいいでしょう。
表面を拭くだけなら、毛の内部まで水が浸み込んでいくこともありません。
寒い時期には、冷たい水で濡らすのは体温低下の原因になります。
お湯を使って濡らせば、ほんのり温かいですし、汚れも取れやすくなるでしょう。
◆方法4.ケージやトイレなど身の回り品を掃除する
ハムスターが過ごす身の回りを掃除すれば、身体も清潔を保ちやすくなります。
トイレ砂が不衛生になっていないかチェックしましょう。
「汚れていないか」というチェックと、汚れを発見したときの掃除は日常的に行ってくださいね。
また、大がかりな掃除は月に1回丁寧に掃除しましょう。
汚れたところがあるのに放置すると、ニオイの発生はもちろん、雑菌の繁殖で不衛生になってしまいます。
まとめ
ここまでお伝えしたように、ハムスターの身体は「水に濡れる」ことを負担に感じます。
小さい身体ですから、水やお湯で濡らせば一気に体温が奪われてかなりの負担となるでしょう。
身体の汚れが気になっても「ハムスターにお風呂は必要ない」ということを覚えておきたいところです。
また、お風呂の代わりとなる“砂浴び”なら、細かい粒子がハムスターの身体の汚れやダニを除去してくれるでしょう。
思いっきり遊んでストレス発散効果もあります。
そして、ハムスターの暮らす環境を掃除で綺麗にしてあげることも大事です。
ハムスターがのびのびと安心して暮らせるように、飼い主さんがふだんから見守ってあげてくださいね。
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