1.ハムスターの元気がないときに考えられる原因
1-1.季節の変わり目
1-2.ストレス
1-3.加齢
1-4.疑似冬眠
1-5.病気・ケガ
2.ハムスターの元気がないときにチェックすべきポイント
2-1.エサは減っているか
2-2.水は減っているか
2-3.排泄物に異常はないか
2-4.顔つきに変化はないか
【掲載:2022.02.21 更新:2023.08.11】
ハムスターの元気がないときに考えられる原因
ハムスターの元気がない場合、病気やケガを真っ先に疑う方が多いのではないでしょうか。確かに病気やケガで元気がなくなることもあるのですが、病気やケガ以外にも、さまざまな原因から元気がなくなることがあります。そこで病気やケガを含め、元気がない時の代表的な原因をいくつかご紹介します。
◆季節の変わり目
ハムスターの理想温度はだいたい18~26℃くらいで、暑さにも寒さにも弱い動物です。そのため、温度変化が激しい季節の変わり目には、部屋の温度管理を徹底していないと温度が高すぎたり低すぎたりしてしまい、体調を崩し、元気がなくなることがあります。
◆ストレス
人間と同じように、ハムスターもストレスを感じると元気がなくなることがあります。
ハムスターは、
- 過度なスキンシップ
- 不衛生な飼育環境
- 環境の変化
などにストレスを感じやすいので、日ごろからハムスターとは適度な距離感を保ちつつ、ケージの掃除をこまめに行うようにしましょう。特に飼い始めてからあまり時間が経っていないと、かわいさのあまり、たくさん抱っこしたり触ったりしたくなってしまいます。しかし、飼育環境の変化によるストレスも大きくかかっている可能性があるため、ハムスターが新しい環境に慣れるまでは、なるべくスキンシップは控えるようにしましょう。
◆加齢
ハムスターの平均寿命は、ゴールデンハムスターが大体2年半~3年、ジャンガリアンハムスターが大体2年で、1歳半~2歳くらいからシニア期に突入します。そしてシニア期にあるハムスターは、活動性が低下して動きがにぶくなり、元気や食欲が落ちたり、体重が減ったり、毛並みが悪くなったりといった、加齢によるさまざまな症状がみられるようになります。
◆疑似冬眠
ハムスターはもともと冬眠をする動物です。冬眠は体温を低下させることによって、食糧が少なく寒さが厳しい冬を乗り越えるためのものなので、1年をとおして安定した食料を確保できる、飼育下にあるハムスターは、本来であれば冬眠をする必要がありません。しかし、急激に気温が下がって5℃以下になると、食料が十分に確保できる状況にあっても、冬眠をしてしまいます。これを「疑似冬眠(低体温症)」と呼びます。
野生下のハムスターは冬眠に耐えることができるように、栄養を蓄えるなど、準備をしてから冬眠に入ります。しかし、疑似冬眠は何も準備がないままいきなり低体温状態に陥ってしまうため、場合によっては衰弱し、命に関わることもあります。
◆病気・ケガ
下痢や腫瘍などの病気に罹ってしまったり、ケンカやケージの網に足が引っかかるなどしてケガをしてしまったりすると、元気がなくなることがあります。病気やケガが原因で元気がない場合、すでに症状が進行しているケースもあり、すぐに治療を受けなければ命にかかわることもあります。
ハムスターの元気がないときにチェックすべきポイント
当然ですが、ハムスターは言葉を話すことができません。また、「元気がない」という症状は抽象的すぎて、どのような状態が心配すべきものなのか、判断に困ってしまうこともありますよね。そこで、なんとなくハムスターの元気がないと感じたときにチェックすべきポイントを、4つご紹介します。
◆エサは減っているか
ハムスターの元気がないとき、多くのケースでは食欲も一緒に低下してしまいます。そのため、1日2回、エサやりをする前に、エサが残っていないかどうかを確認するようにしましょう。
ハムスターは頬袋にエサを詰め込んだり、巣穴にエサを持ち帰ってため込んだりしていることもあります。そのため、口の中や巣穴などに食べ物がないかどうかもしっかり確認してくださいね。
また、食欲が低下すると、当然ながら体重も減少していきます。見た目ではなかなか判断がつかないこともあるため、日頃からこまめに体重を測っておくと、いざというときに役立ちますよ。
◆水は減っているか
元気がないときは、飲水量も減ることもあります。ハムスターはもともと飲水量が少なく、1日あたりの飲水量は、体重100gあたり8~10mlほどです。そのため、これより減りが少ないようであれば、あまり水を飲んでいないということになります。
ただし、飲水量には個体差があり、エサの内容などによっても飲水量は変わるため、日ごろから1日にどれくらい水を飲んでいるのかを確認しておくと良いでしょう。
また、給水ボトルを使用することで水の減り具合が確認しやすくなります。置き型タイプの水入れは、ハムスターの体が誤って濡れてしまう恐れもあるので、元気なうちから給水ボトルに変更しておくことをおすすめします。
◆排泄物に異常はないか
排泄物は「健康のバロメーター」ともいわれるほど、健康状態を知るために欠かせないものです。そのため、元気がないと感じたら、排泄物の量や状態、色などを確認してみましょう。
排泄物の異常の中でも、特に注意が必要なものが、「下痢」です。ハムスターは下痢が続くと脱水症状を引き起こす可能性があるため、放置してしまうと危険です。
また、もし排泄物を見ても下痢をしているかどうかわからないという場合には、ハムスターのおしり周りを確認してみましょう。おしり周りが排泄物で汚れていたり、濡れていたりするようであれば、下痢をしている可能性が考えられます。
◆顔つきに変化はないか
食欲や飲水量が減ったり、下痢を引き起こしたりすると、脱水や栄養障害を引き起こし、目が開かなくなることがあります。たとえ元気があるときであっても、体を触ることはストレスにつながることがあるため、なんとなく元気がないと感じたら、まずはケージの外からハムスターの顔をよく観察してみましょう。
動物病院で相談してみよう
ハムスターの元気がないとき、明らかにぐったりしていたり、下痢などの症状が見られたりする場合はすぐに動物病院で診察をしてもらうべきですが、なんとなく元気がないような気がする、という場合には、動物病院を受診するかどうか悩む飼い主さんが多いのではないでしょうか。
また、体調が悪そうなハムスターを動物病院に連れていくことは、逆にハムスターにストレスをかけてしまうこととなるため、ギリギリまで様子を見ようと考える方も少なくないと思います。
しかし、飼い主さんが自己判断をすることはとても難しいことであり、場合によっては最悪の結果になってしまう可能性もあります。そのため、判断に迷う際は、動物病院に相談するようにしましょう。
◆病気は早期発見が肝心
ハムスターは本能的に痛みや体調不良を隠す生き物なので、病気の兆候に気づきにくいという一面があります。そのため、はたから見て明らかに元気がない場合は、ハムスターにとってはかなりつらい状況である可能性が考えられ、命にかかわるようなケースも少なくありません。
また、ハムスターは体が小さいゆえに、ちょっとした体調不良であっても命取りになることもあります。そのため、早期発見・早期治療を行うことが、非常に大切です。
いつもと比べてなんとなく元気がない気がする、と思ったら、早めに動物病院に電話で問い合わせをするか、受診をするようにしましょう。
◆歯の伸びすぎでご飯が食べられない可能性もある
ハムスターの口の中をのぞくと、上下2本ずつ前歯があることがわかります。これらは「切歯」と呼ばれる歯で、一生伸び続けます。
通常であれば、硬いフードやかじり木をかじることで切歯が削られるため、一定の長さを保つことができるのですが、歯の噛み合わせが悪かったり、硬いものをかじらなかったりすると、切歯が異常に伸びてしまいます(切歯過長)。そして切歯過長になると、食事をとることができなくなったり、皮膚を貫通してしまったりするという問題が出てきます。
一度噛み合わせが悪くなってしまうと、改善は難しく、生涯にわたって定期的に動物病院で歯を切る処置をしてもらう必要があります。元気や食欲がないと感じたら口の中もしっかり確認して、切歯が少し長くなっているようなら、一度動物病院に相談してみましょう。
季節の変わり目には温度管理を徹底しよう
先ほどもお伝えしたとおり、ハムスターは暑さにも寒さにも弱い動物なので、1年をとおして温度を一定に保つことで、ハムスターの健康を維持することができます。特に季節の変わり目は温度変化が激しいので、徹底した温度管理が必要です。
暑い日は熱中症になってしまう危険性もあるため、直射日光が当たる場所にケージを置かないようにしましょう。そしてエアコンを使いつつ、アルミプレートや保冷剤などのひんやりグッズをうまく活用して、ハムスターがある程度自分で温度管理をできるようにしてあげます。
また、寒い日は疑似冬眠しないように、エアコンで室温を管理しながら、ヒーターや温かい素材のハウスを設置してあげましょう。
まとめ
ハムスターは病気やケガ以外にも、温度変化やストレス、加齢が原因で元気がなくなることがあります。
なんとなくハムスターの元気がないと感じたら、まずはこちらの記事で紹介した4つのチェックのポイントに当てはまるものがないかどうかを確認してみましょう。
また、ハムスターはちょっとした体調不良も命取りになることがあります。4つのチェックポイントに当てはまるものがなかった場合も、不安を感じたら、自宅で様子を見ずに、まずは動物病院に相談をしてくださいね。
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