ハリネズミの餌は虫？どんな食べ物を食べる?与え方や偏食対策を解説

ハリネズミの食性は？

針を背負っているような姿が特徴であるハリネズミは、モグラやジネズミと同じミミズやコオロギなど虫を食べる「食虫目（しょくちゅうもく）」です。
野生のハリネズミは、ミミズやカタツムリなど昆虫を主食にしていますが、カエルやトカゲ、小動物の死骸を食べることもあり肉食傾向があります。
他にも果物や木の実を食べることもあり、実は幅広い食性を持っています。

ハリネズミ用フードはどんなもの？

野生では、様々な生き物や食べ物を食べているハリネズミですが、飼育下で全てを再現することは難しいです。
そのため、ハリネズミ専用のフードがあります。
ハリネズミフードは主に昆虫類、鶏肉や魚が主原料で作られていることが多いです。
ほとんどのフードが、ハリネズミが口に含みやすいようにペレットの形が細長い小粒になっています。

大地の恵み La Terra ハリネズミフード 300g

ハリネズミの食性を考慮して昆虫（脱脂ミルワーム、カイコガさなぎ）の配合比率を上げたハリネズミ（食虫動物）専用のデイリーフード。

ハリネズミフードは他のペットフードよりも、ビタミンEが多く配合されています。
それは、ハリネズミ特有のハリネズミふらつき症候群（WHS）という病気を防止するためです。
ハリネズミふらつき症候群は、現在も原因や治療方法が分かっておらず、死亡率が高い病気です。
原因として推測されていることは、過度なストレス、遺伝、ウイルスや細菌、栄養不足（特にビタミンやカルシウム）の不足などがあげられているため、他のペットフードよりもビタミンが多く含まれているのです。
このような病気を防止し健康を考え獣医が監修している「Fay（フェイ）」というハリネズミ用フードもあります。

◆購入するフードの量

一度、袋を開けてしまえば劣化が始まります。
できるだけ1カ月で使い切る量のフードを購入しましょう。
メーカーによっては200ℊや1㎏など様々な量でフードが販売されています。

飼っているハリネズミに合わせてフードを購入しましょう。

◆犬猫フードは代用できる？

犬猫フードはハリネズミフードの代用として食べさせることはできます。
まだハリネズミフードが商品として少なかったとき、猫フードやフェレットフードを代用されていた飼い主さんはいました。
ですが、犬フードでは穀物が多く含まれているため消化し辛く、猫フードやフェレットフードは脂肪分が多く、高タンパク質で低カロリーの栄養が必要なハリネズミには消化の負担が大きいので、ハリネズミの餌としておすすめはできません。
基本的にハリネズミ専用のフードを与え、猫フードやフェレットフードは、偏食によってどうしてもハリネズミフードを食べない場合や、災害などでハリネズミフードが手に入れることができなかったときの代用品として使うようにしましょう。

ハリネズミに餌を与える時のポイント

ハリネズミは歯と顎が弱い動物です。
そのため、エサを与える際は工夫が必要です。

◆ハリネズミ用フードの与え方

ハリネズミフードにはふやかして与えることが前提のものと、ふやかさずそのまま与えられるものがあります。
体が成熟していない子供のハリネズミや高齢の子は、ふやかさずエサを与えてしまうと顎が弱く食べられなかったり、消化不良を起こす可能性がありますのフードをふやかして与えてください。
健康な成体にもふやかしフードには嗜好性が高く、あごが弱い子でも食べやすいなどの様々なメリットがありますが、歯周病になりやすいというデメリットもあります。
ご自身の育てているハリネズミにはどちらが合うか考えてみてくださいね。

「SANKO　 Hedgehog　Food」は、ふやかさずそのまま与えることができます。
ハリネズミフード 300g

昆虫食傾向が強いハリネズミの為の栄養を備えた、ハリネズミの食生活を支えるメインフード

必ず、各メーカーのフードの与え方を確認してから与えましょう。

◆１日に与える餌の量

ハリネズミの理想の栄養価は「たんぱく質30~50％」「脂質10~20％」「繊維質15％」と高タンパク質で低カロリーです。
ハリネズミに与える餌の量は体重の5％の量（小さじ2~3杯が目安）と言われています。
ハリネズミの体重が300ｇであれば、エサの量は15ℊということです。
フードのメーカーによって、与える量が異なる場合があるので、必ずフードの説明を読んでから与えましょう。
また、飼い主さんのほうで肥満気味や痩せ気味などハリネズミの体型に合わせて量は多少変えることが大切です。

◆１日何回与える？

成熟したハリネズミであれば「1日1回」エサを与えるだけで十分です。
まだ生後3カ月未満の成長期のハリネズミには「1日2回」与えましょう。

◆ハリネズミに餌を与える時間はいつ？

ハリネズミは夜行性ため、夕方から夜に与えるようにしましょう。
1日2回与える場合は、動き回る夜と体を休める朝に与えると良いでしょう。

◆ハリネズミの餌入れはどんな食器を使う？

ハリネズミが食べやすいように平らで高さが低いお皿を使います。
前足をお皿にかけて食べるハリネズミが多いため、お皿がひっくり返らないように重さがある陶器を使うのがおすすめです。

CASA ハリネズミのふやかし食器

フードをふやかすのに便利な水切り付き。余分な水を捨てられるスリット構造。

◆餌を与える時の注意点

ハリネズミは臆病な性格が多いです。
お迎えしたばかりなど、住む環境やケージに慣れていない場合は、ハリネズミが隠れている隠れ家の近くや中にエサ皿を置いて、すぐにエサを食べられる環境を作りリラックスさせましょう。
ハリネズミの成長によって、フードのふやかし方を変えていくことも重要です。
生後３か月以降であれば、ふやかすお湯の量を少しずつ減らしていき、少しフードの芯が残る程度にします。
ハリネズミに合わせて、ふやかすお湯の量を調節し、よく噛んで食べさせることで歯磨き効果があり歯周病予防にも繋がります。
フードをふやかすと水分が含むことにより劣化が早くなります。
なるべくエサを与えた翌日には食べ切れる量を与え、残ってしまった場合は、早めに片づけて劣化したエサを食べさせないようにしましょう。

ハリネズミに餌として虫を与えたほうがいい？

コオロギやミルワームなど虫を食べさせることも大切です。
ですが、これらは脂質が高いため、主食ではなく、おやつ程度で与えましょう。
また野生の虫では菌や寄生虫がいる可能性もあるので、市販の乾燥コオロギやミルワームを与えてください。

香ばしさと食感が良く、嗜好性が高いジャイアントミルワームを使用。

なかには虫が苦手な飼い主もいらっしゃると思います。
ハリネズミ専用を与えていれば、1日の栄養はしっかり取れているので積極的に与えなくても大丈夫です。
虫を与えることで、歯磨きの役割にもなり歯周病予防になるので、虫が平気な飼い主さんは、おやつ程度に与えてください。

ハリネズミに果物や野菜は与えたほうがいい？

果物では梨やリンゴ、バナナであれば、生で与えてもかまいません。
野菜はカボチャやニンジン、サツマイモなど茹でて与えましょう。
果物も野菜は細かく刻んで、ハリネズミが食べやすい大きさにして与えます。
野生化では果実を食べるハリネズミですが、肉食傾向があるため盲腸がありません。
そのため、本来、果物や野菜を消化するのが苦手です。与える場合は、少量から始めましょう。
その後、排泄物に問題がなければ、おやつ程度に与えます。
フードのトッピングとして食べさせるのもおすすめです。
軟便や下痢なってしまう場合は、すぐに食べさせるのを止めましょう。
また、消化が未熟な生後3か月以内のハリネズミには与えないようにしましょう。

ハリネズミに与えてはいけない食べ物

玉ねぎやネギ、チョコレートなど、動物にとって中毒性がある食べ物は与えないでください。
牛乳も乳糖が分解できず、消化不良を起こす可能性があるので与えないでください。

ハリネズミが餌を食べない時の対策

ハリネズミは食欲旺盛ですが偏食しやすい動物です。
食べ物にすぐ飽きることが多いので、与えるエサに工夫が必要になります。
ただし、体調が悪くて食べない場合もあります。
ぐったりしている、何もしていないのに針をずっと立たせて丸くなっている、下痢をしている、便が出ていない、嘔吐しているなど、明らかに異常が見られる状態の場合は動物病院に相談しましょう。
特に生後が幼いハリネズミが食べない場合、緊急を要することがあります。
必ず、飼い主の判断だけで対処せずに動物病院に相談しましょう。

◆フードを替える

今食べているフードとは違うフードを与えてみましょう。
できたら、食べているフードを食べなくなる前に、複数のフードを用意しておくのがおすすめです。
1種類のみであげたり、いくつか別のフードを混ぜたり、日頃から複数のフード使って、毎日のエサに変化があると飽きにくく食べない事態を防ぐことができます。

◆トッピングを変える

フードにトッピングをかけるのもおすすめです。
ささみや卵を茹でて与えたり、果物や野菜を細かく刻んで与えるのも良いでしょう。
ペット用ヤギミルクやチーズを与え、いつも食べているエサにトッピングを加えて変化を与えることで嗜好性が良くなります。
モモンガ専用ミルクは糖分を多く含み甘いので、ハリネズミが虫歯になってしまう可能性があるのでおすすめしません。

小動物のためのおいしいヤギミルク ブオナ カプラ ラテ 30g

消化吸収に優れ、アレルギーを起こしにくい高品質のヤギミルクを使用した小動物用全年齢対応ミルクです。
アミノ酸を含むビール酵母、腸内のニオイを抑える米糠発酵抽出物だけではなく、免疫力を維持する機能性タンパク質含有の特殊全卵粉末を配合しました。
小動物のデリケートな体調をしっかりサポートします。

近年、小動物用の副食の商品が増えてきています。
いくつか購入しておいて、おやつとして与え、おうちのハリネズミがどんな味を好んで食べるのか日頃から観察しておくと、ハリネズミが飽きて食べなくなってしまったときにエサを工夫しやすいでしょう。
他にもミルワームなどのふりかけもおすすめです。
粉末状になっているので、虫が苦手な飼い主さんでも簡単にハリネズミに与えることができます。

小動物のためのおいしいパウダー ブオナヴェルメ ミルワームパウダー 50g

新鮮なミルワームをそのまま乾燥させ、粉末にしました。

栄養補給のためにビタミンやミネラル、乳酸菌などサプリメントをかけるのもおすすめです。

アリメペットプラス フクロモモンガ・ハリネズミ用乳酸菌パウダー 50g

肉食小動物用にビール酵母、ささみ、チーズを配合し、嗜好性を高めたフクロモモンガ・ハリネズミのための生きた乳酸菌です。

ただしハリネズミは太りやすいので、トッピングによっては肥満気味になってしまいます。
トッピングによってフードの量を調節して栄養バランスを意識して与えましょう。
フードの上に乗せてしまうとトッピングだけ食べてしまうので、しっかりと混ぜてから与えましょう。

まとめ

ハリネズミは昆虫を主食としていますが、果物や野菜さまざまな食べ物を食べます。
大食いではありますが、好き嫌いが激しく偏食傾向があるので、飽きて食べなくなってしまうことがあります。
日頃から色々なメーカーのハリネズミ専用フードを準備し、トッピングもいくつか用意して、毎日の食事に変化をつけて与えることで偏食を防止できるので、参考に試してみるのはいかがでしょうか。
少し大変に思う飼い主さんもいらっしゃると思いますが、おうちのハリネズミを思って食べ物を選ぶ楽しみがあり、それを食べるハリネズミの姿はとても癒されます。
ハリネズミ合わせて、楽しみながら色々なフードやトッピングに試してみてください。

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