1.ハムスターにアーモンドを与えても大丈夫?
1-1.アーモンドの特徴
1-2.アーモンドに含まれる主な成分は
1-3.期待できる効果は?
2.ハムスターへのアーモンドの与え方
2-1.あくまでも副食という位置づけで
2-2.小動物用のアーモンドを与えよう
2-3.人間用のアーモンドはNG
3.ハムスターにアーモンドを与えるときの注意点は?
3-1.与え過ぎに注意する
3-2.新鮮なものを与える
3-3.食べ残しはその日のうちに取り除く
3-4.歯の弱いハムスターにはスライスしたものを
3-5.食べない場合はほかのおやつを与える
ハムスターにアーモンドを与えても大丈夫?
アーモンドは、ハムスターやリス向けのおやつとしても販売されており、もちろんハムスターが食べて全く問題ない食べ物です。
アーモンドは、私たちが食べたとき「香ばしくて美味しい」と感じるように、ハムスターにとっても嗜好性が高い食品です。与えると喜んで食べる子が多く、また栄養価が高いので、ハムスターの食生活に取り入れることはおすすめできます。
ただ、ハムスターは体が小さくてデリケートな動物です。人間が食べるのと同じ感覚でアーモンドを食べさせると、ハムスターの体に思わぬ負担をかけてしまう場合もあります。
アーモンドを与える場合は、ハムスターが食べる物として特徴や適切な与え方を確認してから食事に取り入れるようにしていきたいですね。
◆アーモンドの特徴
アーモンドは、ピーナッツやくるみ、そしてハムスターの好きなひまわりの種と同じ種実類、ナッツの仲間です。
種実とは木の実のこと、私たちが知る茶色くて楕円形のアーモンドは、食用アーモンドの木になる実の殻をむいたものです。
茶色く見えるのは、アーモンドの表面に薄皮がついているからです。薄皮をむいたものはクリーム色をしています。薄皮にはタンニンという渋み成分が含まれているので、食べるときにかすかな渋みを感じます。
ナッツに共通する特徴として、アーモンドには脂質(油)が多く含まれています。脂質は人や動物が本能的に「美味しい」と感じる味なので、多くのハムスターがアーモンドを好んで食べるでしょう。
また水分が少なく、食品の中ではかなり硬いという特徴もあります。噛み砕くには強い力が必要ですが、ハムスターなら硬いものをかじるのは得意なので、アーモンドの硬さは問題ないかもしれませんね。
人が食べる食品として販売されているアーモンドは、殻をむいて粒のままロースト(炒る)したもの、薄皮をむいてスライスしたものや砕いたものなどが一般的です。ペット用品では、ハムスター、リス、モモンガなど小動物を対象にしたおやつにアーモンドが使われていますよ。
◆アーモンドに含まれる主な成分は
アーモンドは栄養豊富なスーパーフードといわれ、特に次の栄養素が豊富に含まれています。
タンパク質:エネルギー源、筋肉や血液、毛の材料になる
ビタミンE:病気や老化を防ぐ
ビタミンB群・ミネラル:体の調子を整える
食物繊維:腸内環境を整え、生活習慣病を予防する
ポリフェノール(薄皮に含まれる):体の調子を整える
最も多く含まれているのは脂質で、全体の約5割を占めています。脂質と聞くと体に悪いイメージもありますが、アーモンドに含まれるのは良質な植物性の脂質で、適度にとることで健康を維持する効果が期待できます。特にオレイン酸、リノール酸といった、体に必要な脂肪酸が多く含まれています。
脂質が多い分はカロリーも高くなります。アーモンドは100gで約600kcal、一粒(約1g)で6~7kcalのカロリーが含まれます。これはチーズや押し麦の約2倍近い量なので、ハムスターの食べ物としてもなかなかカロリーが高いことがうかがえます。
アーモンドは少量でしっかりエネルギー補給ができ、登山用の常備食ミックストレイルにも使われるほどですが、言い換えれば太りやすい食べ物ともいえます。
ペットのハムスターはもともと太りやすいため、アーモンドを食べると栄養過多になってしまうことがあるので、与える場合は適量を知っておくことが大切です。
◆期待できる効果は?
ハムスターにアーモンドを与えた場合には、特に次に挙げる効果が期待できます。
●効率よく栄養補給できる
●コミュニケーションが取れる
●歯の伸び過ぎを防ぐ
●毛艶が良くなる
●病気や老化を防ぐ
●繁殖が成功しやすくなる
アーモンドは栄養価が高いので、より栄養が多く必要な成長期、妊娠・授乳中のハムスターに効率よく栄養を与えることができます。
嗜好性が高いので、食欲がないときでもアーモンドなら食べてくれることもあるでしょう。また、おいしい食べ物はハムスターにとって嬉しいご褒美になるので、仲良くなりたいときのコミュニケーションツールとしても役立ちますよ。
アーモンドは硬いので、かじることで切歯(前歯)の伸び過ぎも防げます。また、脂質やたんぱく質、ミネラルが被毛をすこやかにし、毛艶を美しくする効果も期待できます。
豊富に含まれるビタミンE、オレイン酸、リノール酸は病気を予防します。また、ビタミンEは若々しい体を保つほか、ホルモンのバランスを整えることで、ペアの繁殖が成功しやすい状態に導く効果も期待できます。
ハムスターへのアーモンドの与え方
アーモンドは水分が少なく、生の野菜や果物のようにすぐ傷む心配がありません。ハムスターが手に持って食べやすく、ハムスターの食糧としても優秀です。
ただし、ハムスターが欲しがるままに自由に与えていいというわけではありません。適切なものを適切なタイミングで与えるようにしましょう。
◆あくまでも副食という位置づけで
ハムスターには、あくまでも副食、おやつという位置づけでアーモンドを与えましょう。
ハムスターの主食はペレットです。ペレットはハムスターに必要な栄養素がバランスよく配合されていますが、アーモンドは脂質が多すぎるので主食には適していません。
ペレットを主食としたうえで栄養強化したいとき、ハムスターと仲良くなりたいとき、特別なご褒美を与えたいときにアーモンドを与えるとよいでしょう。
◆小動物用のアーモンドを与えよう
ハムスターには、小動物用に販売されているアーモンドを与えることをおすすめします。ペット用の食品は動物が食べても安全な原料を厳選し、ペットが食べやすいように配慮して作られているので、安心して与えることができます。
数種類のナッツやドライフルーツとミックスされているもの、殻付きなどがあるので、お好みに合わせて選んでみてください。
★ハム・ウサのナッツ&フルーツ 80g(スドー)
7種の果物、シード、ナッツをミックスした個装タイプのおやつです。アーモンドは小さく割ってあるのでハムスターのおててに持ちやすい♪クランベリーのアントシアニンやバナナのビタミンCも補給できます。
★ちょびっと ナッツミックス 20g(スドー)
カシューナッツやクコの実、フルーツなどハムスターの大好物が入った楽しいミックスナッツです。ミニサイズでお試しにもぴったり。
◆人間用のアーモンドはNG
私たちがおつまみやおやつに食べるアーモンドを、そのままハムスターに与えるのはやめましょう。
油で揚げたものや食塩や調味料で味付けした商品があり、ハムスターがそれを食べると体に負担がかかってしまうためです。
中には、素焼きした無添加のヘルシーなアーモンドもあります。このようなアーモンドなら、少し与えた程度で健康に影響が出ることはありません。
ただ、人が食べるための食品は動物が食べる目的で作られていないので、ハムスターにはなるべく小動物用のアーモンドを与えるようにしましょう。
ハムスターにアーモンドを与えるときの注意点は?
ハムスターにアーモンドを与えるときには、いくつか知っておきたい注意点もあります。
◆与え過ぎに注意する
ハムスターに与える量の目安は、1回につき、1粒を小さくしたもの1かけら
くらいにとどめましょう。アーモンドスライスなら1~2枚くらいで十分です。
また、必ずしもハムスターに必要な食べ物というわけではないので、与える頻度は週に1~2回程度で大丈夫です。
アーモンドのカロリーは一粒あたり6〜7kcal、ハムスターの1日に必要なカロリーは体重80gのゴールデンハムスターで約30kcalです。間食はその5~10%以下が理想なので、アーモンドは小さくしたものを1日1かけら食べるくらいでちょうど良くなります。
それ以上与えるとおなかいっぱいになり、主食のペレットが食べられなくなって栄養バランスが乱れやり、栄養過多で太ったりする可能性があります。
アーモンドだけでカロリーが高いので、アーモンドを与えた日はほかのおやつも控えましょう。
◆新鮮なものを与える
アーモンドは新鮮なものを与えましょう。
買ったら酸化や劣化を防ぐため、密封して冷暗所に保管してください。アーモンドに含まれるリノール酸は酸化しやすいのです。酸化したものは味も落ちますし、健康にも良くありません。保存の仕方には注意しましょう。
◆食べ残しはその日のうちに取り除く
アーモンドの食べ残しはその日のうちに取り除きましょう。野菜や果物よりは傷みにくいですが、古くなったものを残しておくと劣化したりケージにカビが生えたりすることがあります。
◆歯の弱いハムスターにはスライスしたものを
アーモンドはとても硬いので、歯が弱っているハムスターは噛めないことがあります。噛めない場合は無理に食べさせないようにしましょう。
アーモンドで栄養補給をさせたい場合は、薄くスライスしたものを与えるか、すりつぶしたものをペレットに振りかけるなどしてあげるのもいいですね。
◆食べない場合はほかのおやつを与える
せっかくアーモンドを用意しても、中には食べてくれない子もいます。
ハムスターによって食べ物の好みも異なるので、アーモンドを食べないこと自体は問題ありません。薄皮を取り除いたら食べる場合もありますし、どうしても食べない場合はあきらめて、ひまわりの種などほかのおやつを与えてみることをおすすめします。
ハムスターがアーモンドで体調を崩した場合の対処方法は?
ハムスターによっては、アーモンドを食べたことで体調を崩してしまう可能性もあります。気になる場合はすぐ動物病院を受診してください。
アーモンドを食べた後に起こりやすい不調には、消化不良による下痢や食欲不振が挙げられます。また、アーモンドを食べ過ぎると肥満や脂肪肝などを招く可能性があります。
いずれもアーモンドに脂質が多く含まれることが原因になります。ハムスターの体調にあわせて新鮮なものを適量与えていれば、健康に影響を及ぼしません。食べ過ぎが体調不良を招くことが多いので、飼い主さんが与える量をきちんと管理することが大切です。
まとめ
美味しくて栄養豊富なアーモンドは、人間だけでなくハムスターのおやつにも適しています。小動物用のアーモンドを小さくして1かけら、週に1~2回のペースで与えるとよいでしょう。手に持って美味しそうにかじる姿は愛らしいですよね。ただ、喜ぶからと言って与え過ぎないように注意してください。
ケージで飼育することをおすすめします。
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