チンチラのお風呂は砂浴び!水濡れNGの理由と濡らしたときの対処法について

2022.10.28

チンチラのお風呂は砂浴び!水濡れNGの理由と濡らしたときの対処法について

超高地が原産であるために、極度の乾燥と寒さに耐えられるチンチラさんたちは暑さと湿気が大の苦手です。ですので、水に濡れるのはもってのほか! チンチラさんは基本的に濡らしてはいけないいきものなのです。そんなチンチラさんたちは、お水の代わりに砂を浴びることで体の清潔を保っています。この記事では、チンチラさんの砂浴びのやり方と意味、そして水に濡れてしまった時の対応などをお話しします。


チンチラは水濡れ厳禁!水のお風呂はNG

そのさわり心地のよさは最高、最強なうえに、かわいらしく、表情豊かで遊び好きなチンチラさんたちは密かに人気の高まっている動物さんです。適正に飼育すれば長生きしますし、病気にもかかりにくいチンチラさんですが、原産が南米のとても寒く乾燥した高山地帯のため、環境条件には気を付けなくてはならなかったり、他の小動物とは違う性質を持つ部分があったりするため、飼育にはいくつか気をつけなければならない点があります。そのなかの最も重要なもののひとつが「水に濡れてしまう」ことについて、なのです。
実は、チンチラさんたちは水濡れ厳禁なんです。
私たちや他の動物たちがあたりまえに行っていて、まったく危険とは感じていない「水に濡れる」という状態ですが、チンチラさんたちにとっては水に濡れてしまうということは強烈な異常事態なのです。

◆チンチラは極度の乾燥・寒冷地帯アンデス山脈出身

野生のチンチラさんたちはアンデス山脈の高い山、標高2000m〜5000mの岩場に住んでいます。そこには雨がほとんど降らないため、湿度はほぼ0%に近くなってしまうほど激しく乾燥していて、気温も−20度ほどになるなど、非常に寒冷で乾燥した厳しい環境となっています。チンチラさんたちはその環境で生きられるように進化してきた体を持っている生き物なので、寒さや乾燥には強いですが、暑さや温度変化に非常に弱く、水や湿気にもとても弱い生き物なのです。

◆水濡れを想定していないボディ

そのような寒くて濡れることのない暮らしに適応しているチンチラさんたちの体は極度の乾燥に耐えられるような仕組みをいくつも備えています。体毛は一本の毛根から50〜100本もの毛が生えていて、とても密度が高いためとてももふもふふわふわしていますし、皮膚からはラノリンという物質を皮脂として出すことで皮膚の乾燥を防いでいます。
このラノリンは、羊の毛、つまりウールにも含まれているもので、羊の場合でも体毛や表皮を気候や環境から守るために使われています。ラノリンは皮膚や毛に柔らかさをもたらしてくれたり、保湿してくれたり、さらには断熱ができるなどという性質を持っている物質なので、人間の美容や革製品のメンテナンスなどにも利用され、広く一般的に利用されています。皆様が普段使っているような美容製品にもラノリンが配合されていることがありますよ。チンチラさんたちはこのラノリンをたくさん分泌することで、乾燥した環境から小さな自分の体を守っているのです。


チンチラを濡らしてはいけない理由

そんなチンチラさんたちですので、本格的な水濡れは絶対的にNGです。手や足の末端だけだから、などといって部分だけ奥まで、つまり皮膚に届くほどの水洗いをしてしまうのもよくありません。
チンチラさんの体は濡れることを想定して作られていません。そのため湿気にもとても弱く、濡れてしまうのはとても大きなストレスになってしまうだけでなく、体温のが調整がうまくできなくなってしまいます。寒さと乾燥に耐えるために発達した彼らの体毛はとても密に生えていて、少しでも熱と湿気を体から逃さないようにと働きますので、湿気がない環境では有効に働くのですが、いざ水に濡れてしまった時はそれが全て裏目に出てものすごく乾きにくく蒸れやすいということになってしまうのです。

◆もし水濡れしてしまったら

チンチラさんがなにかで濡れてしまった時でも、石鹸を使って洗うようなことはしてはいけません。よっぽど汚れてしまった時や、真菌などの皮膚感染症が起こっている場合には獣医師の指示のもとで仕方なくシャンプーをするという手段を取ることはありますが、そのような場合でない限り、皮膚まで到達するほど濡らすことは避けてあげてください。
チンチラさんの毛皮は皮膚に到達するほど濡らしてしまいますと本当に乾きにくく、ドライヤー等を使ってしっかり時間をかけて乾かしてあげなければならなくなります。濡れただけでもおおきなストレスなのに、音に敏感なチンチラさんにとってドライヤーの音はとても大きなストレスになってしまうのです。なのでできるだけ避けた方がいいものとなっているのですね。

では、濡れたチンチラさんはどうすればいいのでしょうか。
一番のおすすめはやはり、タオルドライです。できるだけはやく、丁寧にタオルドライをしてあげてください。そして、それだけではどうしても乾かない時にだけ、ドライヤーを使うようにしてあげましょう。繰り返しになりますが、ドライヤーの音を本当に嫌がるチンチラさんは多いため、なるべく使わないであげたいのですが、嫌がることよりも、濡れたまま湿気が残る方が問題です。なるべく手早く、短時間にするようにこころがけ、必ず完全に乾かしてあげるようにしてください。

では、お水を浴びられないチンチラさんの清潔を保つためにはどうすればいいのでしょうか。


チンチラにとってのお風呂は「砂浴び」

野生のチンチラさんも火山灰などで「砂浴び」をします。先程お話ししました「ラノリン」という皮脂が増えすぎるのを砂を体にまぶしてから落とすという砂浴びという行動によって体の清潔を保っているのです。なので、砂浴びさえきちんとしていれば、わざわざお湯やお水を使って洗う必要などはないのです。

◆砂浴びの効果

先述のラノリンは継続的に分泌される皮脂になりますので、余分な分はある程度落とす必要が出てきてしまいます。野生のチンチラさんは、砂浴びすることでその量を調節したり、汚れた部分を取り除いたりしてメンテナンスしているのですね。また、砂浴びは余分なラノリンや、ラノリンによって張り付いてしまったゴミを落とす作用だけではなく、抜け毛を落とす作用、毛穴の掃除などの効果もありますよ。そのため、砂浴びが足りないとすぐにチンチラさんの毛並みは汚れてボソボソもそもそとし、ひどい時は毛玉ができたりしてしまうことになります。
適切な砂浴びができるようにその子に合ったやり方を探してあげられるといいですね。

◆砂浴びさせる頻度

標準的には1日1回以上が良いとされています。砂浴びが好きな子であればもっと増やしても構いませんよ。少なくとも2日に1回以上はさせてあげましょう。

◆砂浴びさせる時間

一回に5~10分程度が適正と言われていますが、その子のやり方や体格、好みによって時間はさまざまです。1分程度の短時間で終わらせてしまう子もいますが、その子が満足している様子で、問題が出ないようであればその時間でも十分な砂浴びができていると考えられます。反対に長く楽しむ子もいますが、こちらも問題ありません。


チンチラを砂浴びさせる方法

基本的にチンチラさんはみんな砂浴びが大好きですので、砂浴びをさせる、というよりは砂浴びできる場所を作ってあげたらしてくれる、感じになります。砂の入った場所をみつけたら自分からそこに入って砂浴びをしてくれるのです。
それでは、砂浴びの場所はどのように作ればいいのでしょうか。

◆準備するもの

浴び砂

ZERO 脱臭力に特化したハムスター用浴び砂 (チンチラその他小動物用) 2kg

ゼオライトの中でも特にアンモニアの吸臭力が強い国産特選ゼオライトを使用しました。吸臭&吸湿性に優れ、いつも清潔でサラサラ美しい毛艶に。天然素材のみを使用しているので間違って口にしても安心・安全です。体の大きさに合わせて粒の大きさが違います。

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砂浴びには「砂浴び用の砂」と砂を入れられる、入って砂浴びができる「容器」が必要です。砂はできるだけチンチラ専用の砂浴び砂として売られているものを使うようにしましょう。砂は乾燥していて皮膚に到達できるほど細かい微粒子状のものが必要ですので、専用に作られた細かいものが安心なのです。
砂はできるだけ毎日交換するようにします。一度使った砂は汚れ落としの力が落ちてしまっているので、毎回換えた方がしっかり汚れが落ちます。

砂浴び容器

プレイバス(チンチラ・プレ用)

飼育下においても、砂浴びはストレス解消に役立ち、チンチラやプレーリードッグにとって、健康維持・病気予防のためにも不可欠です。

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容器は内部で寝転がってゴロゴロできる床面積のあるものが必要となってきます。専用のものでなくてもかまいませんがサイズが大きすぎるとフィット感がないのか、気に入らずに砂浴びをしない例などがあるようですので、その子に合ったサイズのものを探してあげましょう。

細かい砂を使いますので、できるだけ砂が飛び散らなさそうな容器を使うようにするといいかもしれません。縦型、横型、蓋のあるもの、ガラスのもの、不透明なものなど、いろいろなタイプのものが市販されています。この容器に深さ1〜2センチくらいの砂を入れてあげます。

◆砂浴びの手順

砂浴びするチンチラ

砂を入れて準備しておいた砂浴び用の容器にチンチラさんが気付けば、砂浴びをしたい時にその中にチンチラさんが入ります。
容器に入ったチンチラさんは自分で転がったり動いたりして砂を浴びてくれます。あとは、チンチラさんが満足して出てくるのを待つだけです。このとき、砂がかなり舞いますので、砂浴びをしている間は蓋をするなどしている方もいらっしゃいますね。しかし、蓋をする場合は大きめの容器を使い15−30分程度にとどめ、酸欠などを起こしてしまわないように注意しましょう。
砂浴びをしながらおしっこやうんちをしてしまうチンチラさんもいますので、そのような時は適宜砂を交換してあげるようにしてください。そのため、砂浴び容器はケージの中に常に置いておくよりも、砂浴びの時のためだけに与えるような方法の方が清潔を保つことできると考えられます。ずっと置いておくとおしっこやうんちをしてしまってトイレのようになってしまって、砂浴びをした方が不潔になるような状態を作り上げてしまうことになる可能性があります。

◆砂浴びのタイミング・交換

砂浴びのタイミングとしては、部屋んぽのおわりやはじまりにするなど、決まったタイミングで砂浴び容器を出すようにしてあげるとチンチラさんたちもタイミングを覚えてくれますよ。そうすれば、砂浴び中可愛い姿も毎日確実に楽しむことができますね。
砂の交換は毎回全交換がベストですが、そうでない場合でも週に一回以上は全取り替えをしてあげるようにしてください。砂が湿気てしまうのがとても良くありませんので、ちゃんと乾燥しているかチェックし、しけっているようであれば必ず取り替えるようにしてください。


まとめ

チンチラさんは湿気がとても苦手です。濡れるのもとても良くありませんので、お水やお湯のお風呂に入れてあげる必要はありません。獣医師の指示があったり、ひどく汚れてしまったとき、危険な物質を被ってしまった時などやむを得なかったりする場合にはシャンプーなどをすることはあるのですが、そのような場合以外はチンチラさんを濡らしてしまうことは避けるようにしましょう。
事故などでチンチラさんが濡れてしまった場合は速やかにタオルドライし、必要であればドライヤーも使用して湿り気を完全に飛ばしてあげる必要があります。しかし、ドライヤーの音がストレスになってしまいますので、注意が必要です。
お水のお風呂が使えない代わりに、チンチラさんは1日一回以上、砂浴びをします。これによって、皮脂の量の調節をしたり、被毛の掃除や抜け毛の除去などを行うことができ、清潔を保つことができます。

砂浴びをする動物はあまり多くありませんので、まだどのようなものかピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に彼らが砂の中をコロコロとしながら砂浴びをしている姿はとてもかわいらしく素敵なものです。それが彼らの健康維持のために役立つというなら、存分にさせてあげたくなってしまいますね。チンチラちゃんたちの喜びのためにも是非、お宅のチンチラちゃんに最適の、気持ちよく楽しい砂浴びができるような場所や用具をみつけてあげてくださいね。



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