スッポンモドキはどんな生き物?
スッポンモドキは、爬虫綱カメ目スッポンモドキ科スッポンモドキ属に分類されるカメです。
名前にも入っているようにスッポンによく似ていますが全くの別種になります。
甲長は最大56センチ前後、体重は最大22キロほどまで成長します。
インドネシアやオーストラリア、パプアニューギニアなど主に暖かな地域に分布しており、水底が泥や砂礫で水深が浅く水の澄んだ流れの緩やかな河川や湖沼に生息しています。
カメやスッポンはよく岩上や陸地に上がっているイメージもありますが、スッポンモドキは水棲生物であり、産卵の時以外に上陸することはありません。その為、泳ぐことに特化したヒレ状の足を持っています。
また、水棲生物生物ではありますが、息継ぎは水面に顔を出して行います。
そんなスッポンモドキはそのユーモラスで愛くるしい見た目からペットとしての需要が高まり、過去には乱獲や無計画な飼育により、野生個体が減少してしまったことがあります。
スッポンモドキは輸出が制限されており、価格高騰しているのが現状です。
◆見た目の特徴
スッポンモドキは、別名ブタバナガメと呼ばれています。豚のように伸びた鼻が最大の特徴と言えます。
スッポンモドキの身体の背面は盛り上がっており、体色は背面側は暗褐色、灰色、腹側は白っぽい色をしています。
メスの方がオスに比べて大型で、背面の盛り上がりが大きいという特徴があります。
カメの仲間には首を縮めて甲羅に入る潜頸類と首を曲げて甲羅に隠れる曲頸類がいますが、スッポンモドキは潜頸類になります。
◆寿命
スッポンモドキの寿命は、20年〜30年と言われています。
水槽飼育では、スッポンモドキが長生きしやすく長い時間一緒に過ごせることは、魅力です。
一方で、飼い主さんが病気になったときや大型の飼育スペースが必要なため、最後まで責任を持って終生飼育する覚悟が必要になります。
◆性格
スッポンモドキは野生界では強い生き物です。ゆったりとした動きとは反対に、好戦的な性格をしています。
目の前の動くものに噛み付くという性質もありますので、スッポンモドキの前にむやみに手を出すと噛まれてしまう可能性があります。
スッポンモドキは犬や猫と違い、あくまで野生動物ですので、犬猫のようにべったりと馴れることはありません。
しかし、飼い主さんの顔を覚えて水面に鼻先を出してエサをねだるしぐさをするなど、愛嬌もあります。
スッポンモドキは、間接的に飼育してその生態や泳ぎを観察することに楽しみを見出す飼い方がベストです。
スッポンモドキの飼育環境
スッポンモドキの基本的な飼育環境について、紹介していきます。
スッポンモドキのお迎えを検討している方は、参考にしてください。
◆水槽
ミドリガメよりも大型に成長するスッポンモドキの飼育には、頑丈で大きな水槽が必要です。
ガラス製の重さのある120センチ以上の水槽を用意しましょう。
スッポンモドキは、完全水棲生の動物であり、水槽はスッポンモドキ飼育の要になります。
まずはきちんとした水槽を用意しましょう。
水槽は蓋付きのものをおすすめします。
スッポンモドキは他のカメのように這い上がったり、ジャンプして脱走する事案は少ない品種ですが、力が強くダイナミックに泳ぎ回ります。
そのため水が跳ねたり、スッポンモドキが何かの拍子に落下してしまう危険もあるため、お家で飼育する場合は蓋付きの水槽を準備する方が無難でしょう。
また、蓋自体が簡単にずれたり落下したりしないように工夫して止めておきましょう。
◆紫外線ライト・バスキングライト
スッポンモドキの飼育には、紫外線ライトとバスキングライトどちらも必要です。
骨格を形成するために紫外線をあびて、ビタミンD3を生成する必要があるため、紫外線ライトを準備してあげましょう。
ライトはアクアリウムに使用するもので問題ありません。
◆レイアウト
スッポンモドキは、先述の通り水の澄んだ流れの緩やかな河川や湖沼に生息しています。つまり、綺麗な水を好みます。
よって、水槽内を常に綺麗に保つ必要がありますので、砂底などは何も敷かずにベアタンクで飼うのが有効です。
また、水温が26℃〜28℃前後になるようにヒーターを設置して調節してあげましょう。
ヒーターは120センチ水槽に対応した、500W前後の規格のものを選ぶと良いでしょう。
掃除がしやすいようにできるだけシンプルなレイアウトにするのが、ポイントです。
また、スッポンモドキは温暖な地域に生息する生き物ですので、水温が下がらないように室温管理ができる部屋で飼育するようにしましょう。
水換えなどの手間を少なくするために、ろ過装置も大型のものを準備すると、良いですよ。
スッポンモドキの餌は?
スッポンモドキは雑食性であり、なんでもよく食べますが、どちらかというと植物食に寄っています。
主食はカメ用のペレットで問題ありませんが、水生植物や藻類、飼育下では果実や野菜も食べます。
ペレットには水槽の底まで沈む「沈下性」のものと、水面にプカプカと浮かぶ「浮上性」という種類があります。
基本的には沈んでいる子が多い思いますが、よく泳ぐ個体もいますので、その子の行動にあった種類を選ぶとよいでしょう。
またペレットの他には、小魚などもよく食べるため、自家繁殖した小魚を与えるのもおすすめです。
ワカサギ、赤虫、エビなどは嗜好性が高くよく食べてくれます。
子供の頃はしっかりと成長させるため赤虫などのたんぱく質を中心に与えます。
餌の量に関しては、与えるものによって変わってきますが、子供の頃は毎日食べきれる十分な量を、大人になってからは2日に1度に減らして与えます。
注意したい病気
スッポンモドキは大切に飼育すれば、20年〜30年飼育可能な生き物ですが、注意したい病気がいくつかあります。
一つは水カビ病です。
水カビ病は全身に白い綿ぼこりのようなカビが生えて、だんだんと体力がなくなり、衰弱していく病気です。
スッポンモドキは、皮膚が柔らかいため水カビ病などの皮膚病にかかりやすい背景があります。
初期段階であれば、水カビ病は完治可能な病気であり、水温を30℃近くまで上昇させて、毎日水換えを行います。
水カビ病の原因は、水質悪化が原因ですので、水質の改善に努めることが大切になります。
特に、幼体は抵抗力も弱く水質がそのまま体調に影響します。
急激な温度変化を避けて、水質を安定させるようにします。
また、消化不良にも注意が必要です。
水温が下がってしまうと、消化機能が低下してしまい、消化不良を起こす可能セガあります。
消化不良の症状としては、食欲不振、腹部膨張、じっとしている、便が出ていないなどがあげられます。
たくさん食べている姿が可愛らしく、食欲旺盛な個体が多いので、餌を与えすぎてしまう可能性もありますが、大人の個体は特に少ないかな?ぐらいの量で餌の量を調節するようにしましょう。
エサの与えすぎは水質の悪化にもつながりますので、水換えを行い水カビ病と同じく、水温を30℃前後まで上昇させて、数日絶食させて様子を見ましょう。
スッポンモドキの病気については、診てくれる獣医さんも少ないことから、お迎え前にかかりつけ医を決めておくことが大切です。
また、病気にさせないように水質や水温が大きく変化しないように、定期的に水換えをして管理しましょう。
月に一度は水槽やろ過装置を丸ごと洗うようにしましょう。
スッポンとスッポンモドキの違いは?
スッポンモドキとスッポンは姿が類似していることから間違われやすい品種ですが、冒頭で説明したように全く異なるカメになります。
最大の違いは、スッポンは四肢が発達しており、上陸して陸上を歩くこともできる水性陸生どちらの面も持っていますが、スッポンモドキは完全水棲であり上陸はしません。
スッポンモドキも甲羅干しや、呼吸のために顔を出す足場や浮島は必要になりますが上陸はしないので、飼育スペースに陸地はいりませんよ。
スッポンモドキの生活域は川などの温暖な水中であり、一方スッポンや湖や沼地など多湿な環境を生活域にしています。
さらには、冬眠の有無も大きな違いでしょう。
スッポンモドキは基本的に一年中活動するのに対して、スッポンは水底で冬眠することがあります。
また、スッポンモドキはその数が激減しているため卵は食材として人気ですが、近年では捕獲は禁止されており、卵も保護活動の対象になっています。
一方スッポンは高級食材としても人気で、食材として繁殖、流通されていることも違いますよね。
見た目が似ている2種ですが、顔にも違いがあります。
スッポンモドキは、別名ブタハマガメとも呼ばれておりブタの鼻のようにつき出ている鼻が特徴的です。
一方スッポンの鼻はスッポンモドキほど飛び出してはいないので、鼻の長さで見分けることも可能です。
手足の形状も、スッポンはしっかりとした筋肉質な手足なのに対して、スッポンモドキはオールのような手足をしており、泳ぎに特化した体つきになっています。
スッポンモドキとスッポンを判断する際にの参考にしてください。
まとめ
スッポンモドキの飼育方法について紹介しました。
スッポンモドキは、寿命が長く長い間一緒に過ごせるのは魅力的です。
しかし、スッポンモドキは大型に成長するカメであり、大きな飼育スペースが必要です。
初期費用もかかるので、計画的にお迎えしましょう。
また、スッポンモドキは個体数が少なくなっており、流通数が少ないためすぐに購入できない可能性があります。
スッポンモドキの飼育を検討している方は、参考にしていただければ幸いです。
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