スッポンはどんな生き物?家庭での飼い方や必要な用品、飼育の注意点は?

2021.11.10

スッポンはどんな生き物?家庭での飼い方や必要な用品、飼育の注意点は?

高級食材として有名なスッポン。ペットとしても密かに人気のある生き物ですがご存じでしたか? この記事ではスッポンはどんな生き物で何年生きるのか、どんな飼い方をするのか、餌は何を食べるのかなど詳しく解説します。


スッポンはどんな生き物?

スッポン

スッポンは古くから「食材」として重宝されている生き物であり、現在は養殖もされています。
スッポンをペットとして飼育しようとこちらの記事をお読みの方はあまり食材などと聞くと良い気分はしないかもしれませんが、養殖のために飼育自体は古くからされてきました。

スッポンの特徴を理解して、ポイントを押さえていれば、飼育自体はそれほど難しくはありません。
スッポンの基本的な特徴を紹介いたします。

◆特徴

スッポンは爬虫類に分類されるカメの仲間であり、スッポン科に属しており、世界では25種類前後が確認されています。
日本にももともとキョクトウスッポン、ニホンスッポンという在来種がおり古くから親しまれてきた生き物です。

スッポンの在来についてはしばしば議論がされており、ハッキリとした由来はわかっていないのが、現状です。

その最大の特徴は、亀とは違い硬い甲羅を有しておらず、柔らかい皮膚状の甲羅を持っています。
皮膚全体の水分量も多く、柔らかい手触りをしています。
また、亀とは違い口の部分がスルッと伸びており愛嬌のある顔をしています。
また、定期的に上陸して陸地でも活動する亀とは違い、スッポンはほぼ水棲の生き物ですので、水槽飼育が基本になります。

日光浴をするために、陸地に少し顔を出すことはありますが、短時間であり、乾燥が命取りにもなりますので、アクアリウムと同じように水質の変化には気をつけないといけません。

◆サイズ

日本で流通しているスッポンの幼体は、6センチ前後の大変可愛らしい姿をしています。
しかし、成長すると30センチ前後に成長します。
飼育下では、25センチ前後にとどまることが多いですが、いずれにしても大きくなるため最終的に飼育スペースが必要になります。

◆原産国・生息地

現在日本に生息するスッポンについては、上記で触れたように在来種に関してさまざまな意見があり、チュウゴクスッポンが日本に輸入されて根付たとされる説やもともといたキョクトウスッポンやその亜種であるニホンスッポンという見方もあります。
これらのスッポンの違いを野生下で見極めることは、しばしば難しいためハッキリとした見解が出ていないのですが、野生で生息しているスッポンはこのいずれかではないかと思われます。

また、日本が原産国のスッポンの他にも世界中では25種類ほどスッポンが確認されており、幅広い環境中適応できる力強さがあります。
スッポンはほとんどは河川や沼地に生息しており、流れの緩やかな小川や水田や溜池などて生活しています。

皮膚の乾燥を防ぐために、水場でも湿り気の多い湿地帯を好み、亀のように陸地に上陸しますが、時間は短い傾向にあります。
日光浴のために水面から姿を見せることはありますが、ほとんどが水際で生活しています。

圧倒的に水中にいる時間が長いことから、飼育下では乾燥に注意する必要があり、完全水棲飼育も可能です。

◆性格

スッポンの特徴としてよく聞くのが、一度噛んだら離さないという話は有名です。
気性が荒い性格であり、目の前の動くものに噛み付く習性があるため、特に成体のスッポンにはむやみに触らないようにしましょう。
顎の力が非常に強く、一度噛まれてしまうとなかなか離してくれません。
歯はありませんが、怪我の原因になるため素手で触れることは避けましょう。

スッポンは鑑賞目的の飼育が主になりますが、小さな幼体から育てれば、飼い主さんの顔を覚えて餌をねだりによってきたり、懐くことがあります。
愛嬌のある可愛らしい顔をしていますので、エサをあげるときに噛まれないように注意しながら、観察してみるのも良いでしょう。

◆寿命

スッポンの寿命は長く、最大で30年前後生きます。
特に飼育下で飼育環境が安定している状態であれば、25年前後生きる個体が多いです。
長い時を一緒に過ごせるのは、魅力的ですがその子の生涯に責任を持つ期間も長くなります。

一度飼い始めたら、途中で止めることはできないため、スッポンの飼育はよく検討して行うようにしましょう。


スッポンの飼育用品

スッポンに必要な基本的な飼育用品を紹介します。
これから飼育したいと考えている方やスッポンに興味のある方は是非参考にしてください。

◆水槽

スッポンは力が強く、頑丈な水槽が必要です。
ガラス水槽で、少なくとも90センチ以上の水槽を準備しましょう。
水も汚れやすいため水換えのしやすい水槽が良いでしょう。

また、スッポンは力強く餌を食べたときに飛び出してしまうこともあります。
水槽のふたは必須であり、重石を乗せておくか、鍵で開閉するようにして飛び出してこないようにします。

脱走して水槽に戻れないと、水棲性が強いスッポンが外に出てしまうと皮膚が乾燥してしまい、最悪死亡してしまう危険もあります。

水槽から脱走しないように、頑丈な作りの水槽を選びましょう。

◆ろ過フィルター

食欲旺盛なスッポンはトイレの回数が多く、すぐに水が汚れるため底面フィルターや上部フィルターなどを使用するのがおすすめです。

水槽のサイズに合わせたフィルターを用意して、週に一回はフィルターの掃除をするようにしましょう。

ろ過フィルターは家庭の飼育かんきょうにあわせた、掃除しやすいフィルターを選ぶのがポイントです。

◆バスキングライトなどの照明器具

バスキングライトと紫外線ライトは水中生活の長いスッポンにも必要です。
バスキングライトでホットスポットを作ることにより、体温が下がらないように身体を温めることができます。

紫外線ライトは皮膚の殺菌や甲羅作りに欠かせません。
爬虫類飼育において、照明器具は飼育の要ともなりますので、必ず準備しましょう。

◆砂底

スッポンは気性が荒い反面、物音などに敏感であり、臆病な面があります。
砂を入れることにより潜って身体を休めるため砂底を敷いてあげると落ち着きます。

砂を敷く場合には、身体を傷つけないボトムサンドなどが適当です。
また、砂を入れることにより水が濁りやすくなるため、鑑賞しづらくなることがあります。

最初は砂なしで飼育をしてみて、状態に問題がなければ砂底を敷かないほうが水をキレイに保つことができますよ。

◆エサ

餌は人工飼料でも問題なく食べてくれるため、それほど困りません。
また、ザリガニなどを食べる肉食性ですが、身体が小さいうちは口のサイズにあわせた人工飼料の他にも小赤やメダカ、赤虫などの生き餌を与えると成長促進に効果的です。

成体になり、ある程度大きさが出てきたら肥満防止のために1日おきぐらいの頻度にするのが、理想的です。


スッポンの飼い方

スッポンの飼い方

基本的なスッポンの飼育について紹介します。スッポンをペットとしてお迎えする前の参考にして下さいね。

◆えさは何を与える?

スッポンのご飯は人工飼料で問題ありませんが、肉食性のため小赤やメダカ、赤虫などをバランスよく与えると成長促進に効果的です。

特に幼体の時期は口のサイズに合わせた生き餌を与えることが丈夫な体づくりに効果的ですよ。
幼体のうちは1日2回食べ切れる量の餌を与えます。

餌が残った時は速やかに取り除くようにしましょう。
餌が残ったままですと水質が悪化する原因になるため、食べ残しなどはその都度取り除くようにしましょう。

◆お世話の仕方

スッポンは丈夫な生き物であり、基本的なお世話さえできれば初心者でも長く飼うことができます。
世界中に分布しているスッポンは適温範囲も広く、25℃〜28℃前後を保つのが最適です。

また、噛み付く力が非常に強いため、お掃除の時や餌を与える時は噛みつかれないように十分注意します。
スッポンに直接触れないように間接飼育を基本にして、飼育しましょう。


スッポンを飼うときの注意点

スッポンは丈夫で病気もしにくいですが、皮膚の乾燥による皮膚病には注意が必要です。
皮膚炎に一度なってしまうと、再発する可能性も高いため皮膚炎にならないように予防することが大切です。

また、上記にもふれましたが噛みつかれると大変なことになりますので噛まれないように注意して下さいね。
スッポンを飼育する時は基本的には単一飼育になります。

気性が荒いため混泳させると喧嘩の原因となります。
他の生物を入れると、スッポンに捕食されてしまう可能性があるため、スッポンとは別の水槽で飼育するようにしましょう。


まとめ

スッポンの飼育について特徴を紹介しました。
スッポンは古くから親しまれている生き物であり、愛嬌のある顔をしています。

ペットとしても飼育可能であり、なんか変わったものを飼いたいなという方にも向いていますよ。
本記事がスッポン飼育の参考になれば幸いです。



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