キンカジューってどんな動物?ペットとして飼える?

2022.10.15

キンカジューってどんな動物?ペットとして飼える?

みなさんはキンカジューという動物を知っていますか?以前有名人がペットとして飼っていたことで注目を集めた、おサルさんのような、ハクビシンなどの仲間のような見た目をしている不思議な動物です。 近年はSNSを通じて、動物園等の施設や生息地に足を運ばないと見れないような珍しい動物も手軽に出会えるようになりました。 そんな珍しい動物をペットとしてお迎えしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。 キンカジューは、いったいどんな動物で、実際にペットとしてお迎えすることは可能なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。


キンカジューってどんな動物?

近年、犬や猫といった一般的なペットとは異なる「エキゾチックアニマル」と呼ばれる珍しい動物をペットとして飼育される方が増えています。
そんななか、パリス・ヒルトンさんがペットとして飼っていたことから、一時期とても注目を集めたキンカジュー。おサルさんの仲間にも、ハクビシンなどの仲間にも見えますが、いったいどのような動物なのでしょうか。

ここでは、キンカジューの生態や飼い方についてご紹介していきます。

◆生態

キンカジューは「食肉目アライグマ科キンカジュー属」に分類される夜行性の動物です。昼間は巣穴などで隠れて過ごし、主に夜に活動します。
キンカジューの体長は約40~70cm、体重は4kgほどまで成長します。大きくて丸い目と体と同じくらいの長さがある器用な尻尾が特徴です。                                                                                                                                             

木登りが上手で、一日のほとんどを木の上で過ごします。採食も樹上で行うため、地上に降りてくることは、めったにありません。このようなことから、実際にはキンカジューはアナグマ科に属しているものの、生態はサルに近いといわれています。

◆生息地

キンカジューは、中南米(中央アメリカのメキシコ南部から南アメリカ大陸のブラジル東部)の熱帯雨林や乾燥林などの森林地帯に生息しています。
ただし、森林伐採など環境破壊の影響により、キンカジューの生息数は年々減少しています。

◆寿命

キンカジューの飼育下での平均寿命は、約23年といわれていますが、なかには41年生きたキンカジューがいるという記録も残っています。

◆食性

キンカジューは雑食性で、アボガドやグァバ、マンゴーなどの果物を中心に木の実などの植物性のもの、昆虫、小鳥や鳥の卵などの動物性のものも食べます。
また、キンカジューはとても長く細い舌をもっており、木の洞にいる昆虫やアリを引き出して食べたり、ミツバチの巣を襲いはちみつを吸ったりもします。
キンカジューは、そのような食性から「ハニーベア」と呼ばれることもあります。

◆特徴

キンカジューの最大の特徴は、体と同じくらいの長さがある尻尾です。なんとしっぽだけでも40~60cmほどあります。
樹上生活をするキンカジューは、その長い尻尾を器用に使い、木に巻き付けてぶら下がったり、不安定な樹上でバランスを保ったりしながら生活しています。
樹上で正面を向いたまま、上下左右どの方向にも簡単に方向転換することもできてしまいます。かなり器用な動物です。


キンカジューはペットとして飼える?

動物園などで見ることの多いキンカジュー。その可愛らしさから、飼ってみたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
年々生息数が減っているといわれているキンカジューですが、ペットとして飼育することは可能なのでしょうか?
ここでは、キンカジューはペットとして飼うことができる動物なのか?という点について、ご紹介していきます。

◆結論:キンカジューはペットとして飼える

結論として、キンカジューはペットとして飼育可能な動物です。
キンカジューは基本的に穏やかな性格で、人懐っこい一面もあり、しっかりと育てれば人間にも馴れます。

特に、キンカジューをペットとして飼育していた有名人がいたことからも、ペットとして飼育できるという認識が広まりました。
数は少ないものの、実際に、ペットショップやエキゾチックアニマルを扱う専門店などで販売されています。

しかし、ペットとしてのキンカジューの飼育数はまだまだ少なく、診察できる動物病院が少ないということからも、簡単に飼える動物とはいえないでしょう

◆飼育が難しい理由

キンカジューは、熱帯雨林に生息する動物のため、日本で飼育する際には、温度管理が重要になります。
キンカジューの適温は27〜33℃といわれており、真夏以外は、動物用ヒーターなどを使用した温度管理が必要です。

また、万が一、体調を崩してしまった場合でも、キンカジューを診察できる動物病院が少ないのも現実です。自宅の近くに頼れる動物病院がないということは、いざというとき、とても不安なものです。
そのため、お迎えする前に安心して飼育できる環境を整えておくことも大切です。

また、人に馴れるキンカジューですが、あくまで野生動物ですので、恐怖を感じたりすると噛みつくことがあります。
キンカジューは、破傷風菌という感染すると最悪の場合、命を落とす危険性がある菌を持っていることがあります。触れ合う際には注意が必要です。
破傷風の予防注射を打ったり、触れ合うときはグローブをするなどの対策、また、噛まれたときはすぐに病院で治療を受ける必要があるということを理解しておくことが大切です。

◆販売しているところ

キンカジューの生体は、ペットショップやエキゾチックアニマルの専門店、ネットなどでも購入することができます。
価格は、20万~40万円くらい。年々個体数が減少しているのに加え、日本ではまだまだ珍しいペットでもあるため、高値で売買されています。
ショップは、飼育やしつけなどについて相談することもできる数少ない場でもあるため、相談しやすいところで購入することをおすすめします。


キンカジューの飼育方法

キンカジュー

適切な飼育環境を準備し、またその環境を維持していくことが出来るようであれば、キンカジューはペットとしてお迎え可能です。
では、実際に飼育するにあたり、どのようなものを準備して環境を整え、どのようなものを餌として与えたらよいのでしょうか?
ここでは、キンカジューの飼育に当たり準備しておく必要があるものについて、ご紹介していきます。

◆用意するもの

キンカジューが快適に生活するためにあらかじめ用意しておくものは、主に住環境に関するものです。
ここでは、キンカジューをお迎えするにあたり用意しなければいけないものについて、ご紹介します。

【ケージ】
キンカジューの飼育に必要なのが、キンカジューが日中を過ごす「ケージ」です。
キンカジューは樹上で生活するので、ケージは、猫用のケージのように高さのあるものがおすすめです。

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【シェルター、巣箱】
ケージ内には、巣穴のように隠れることができるようなシェルターや巣箱のようなものを設置し、キンカジューが日中でも安心して過ごせるようにしてあげます。

【登り木、ハンモック】
樹上で生活するキンカジュー。ケージ内には、大きい木の枝、登り木、ハンモックを入れてあげると喜びます。
ただし、ケージ内だけでは運動不足になりがちなため、お部屋内のお散歩も必要です。

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フックで引っ掛けて使うタイプなのでサークルのお気に入りスペースに設置できます。
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【餌入れ】
餌を常に与えておく必要はないため、夕方の餌の時間に与える分を入れられるサイズのものを選んであげるとよいでしょう。
ちなみに、餌は直接手から与えることも可能です。はじめはケージの外から、慣れてきたらケージの中に手を入れてと、段階を踏んで慣れさせていくようにします。

【給水ボトル、水皿】
水は好きな時に飲めるよう、常時、ケージに給水ボトルや水皿を設置しておきます。
給水ボトルはケージに直接設置できるもの、水皿はひっくり返しにくい重みのあるものにすることをおすすめします。
なお、水は毎日交換し、常に清潔なものを与えてあげるようにしてください。

【床材】
ケージ内には床材を敷きましょう。
ウッドチップや木質ペレットなど、掃除しやすいものがおすすめです。

【動物用ヒーター】
キンカジューは、27~33℃くらいの環境で生活させてあげる必要があります。
そのため、真夏以外は常にケージ内を温めるなど、温度管理が重要です。
ケージ内の温度を保つためにも、温度管理のしやすい動物用ヒーターを準備しておきましょう。

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◆主な餌

野生のキンカジューは、果物を9割、残り1割を虫や花・葉などを食べて生活しているといわれています。
餌は、できる限りこの割合に近づけるよう、果物を中心に、野菜、動物性たんぱく質(卵・昆虫)といったものを夜行性のキンカジューの生態に合わせ、夕方に与えるのが良いでしょう。

【果物類】
果物は、季節の果物で構いません。バランスを考え、できるだけ種類を多めにすることをおすすめします。たまにはおやつとして、はちみつを与えてあげると喜びますよ。
なお、キンカジューの好物は、バナナ、リンゴ、マンゴー、グァバ、アボカドなどです。

【動物性たんぱく質類】
動物性たんぱく質としては、ペットショップ等で購入できるミルワームやコオロギを与えます。

ちなみに、水皿や給水ボトルなどを設置し、いつでも新鮮な水が飲めるようにしてあげてください。

◆気温など飼育環境

先述しましたが、キンカジューの適温は、27~33℃といわれています。
そのため、ケージを置く部屋ではエアコンで適温を保ち、ケージ内の温度は動物用ヒーターなどを活用して、温度を維持する必要があります。
夏場は反対に、温度や湿度が高くなりすぎないように注意する必要があります。
ケージ内の温度や湿度が確認できるよう、温度計・湿度計を設置することをおすすめします。


キンカジューを飼育する上での注意点

キンカジューは、基本的に匂いの気になる動物ではありません。
ただし、ケージ内が汚れた状態が続くと皮膚病や匂いの原因になります。ケージ内はこまめに掃除し、清潔にしておきましょう。

万が一、身体が汚れてしまった場合は、お風呂に入れてあげたり、拭いてあげたりする必要も出てきます。しかし、本来キンカジューはお風呂に入る動物ではありません。
キンカジューをお風呂に入れたり、抱っこしたりする必要がある場合は、万が一噛まれても大丈夫なように手袋をしておくなど準備が必要です。
キンカジューは、破傷風菌を持っていることがあり、噛みつかれると感染する可能性もあります。予防接種をしていたとしても、噛みつかれてしまった場合は、様子を見て病院に相談しましょう。

キンカジューはあくまで野生動物ですので、「噛みつかないようにする」「トイレトレーニングをする」など、しつけることはなかなか難しいと考えてください。
お互いに嫌な思いをしないよう、キンカジューの生態を受け入れ、ストレスを与えない生活を心がけましょう。


まとめ

今回は、ペットとしてはまだまだ珍しい動物であるキンカジューを「ペットとしてお迎えすることは可能か?」「お迎えするにはどのような準備や心構えが必要か?」といった内容について、ご紹介してきました。

キンカジューは、社交性があり、基本的にはおとなしく、人にも馴れる動物です。
しかし、ペットとしての歴史が浅いことから、診察してくれる動物病院が少なかったり、食事においても、専用のフードなどがないため飼い主さんがバランスを考えながら餌を与えなければならなかったりするなど、決してペットとして飼いやすい動物とはいえません。

大きな目とフワッとした尻尾がとても魅力的で可愛らしいキンカジュー。
寿命も約20年と長く、お迎えを考える際には、最後までお世話することができるかどうか、十分に検討するようにしてください。
そして、いつまでも仲良く過ごせるよう、大切に愛情をもって育ててあげてください。



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こどもの頃から、爬虫類、小動物、ワンコなど、さまざまな動物と共に生活してきました。 今まで出会ってきた動物たちとの経験を活かしながら、新しい情報、役立つ情報をキャッチし、ご紹介していきたいと思います。


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