ハムスターが食べられる果物まとめ!与える際の注意点も紹介

2023.03.26

ハムスターが食べられる果物まとめ!与える際の注意点も紹介

ハムスターには果物が大好きな子が多いです。果物を嬉しそうに食べる姿がたまりませんよね。果物は美味しくて栄養もありますが、ハムスターが欲しがるままに与えてはいけません。ハムスターが食べても問題ない果物を選んで、適切な与え方をすることが大切です。この記事では、旬ごとにハムスターに与えても良い果物の種類と与える際の注意点を説明していきます。


ハムスターに果物は与えていいの?

果物を食べるハムスター

ハムスターは草食に近い雑食性動物で、基本的に植物性の食品はなんでも食べます。

もちろん果物もよく食べるので、飼い主さんが果物を召し上がる際にハムスターにも少し分けてあげても大丈夫です。
食事に色々な果物を取り入れてあげると、食べ物への執着心が強いハムスターは生きる楽しみが広がります。また、果物には、体に必要なエネルギーや水分を速やかに補給できるというメリットもあります。

特に旬の果物はその季節に必要な栄養成分を含むので、旬の果物をハムスターに与えると体調を整える効果も期待できますが、ハムスターの主食はペレットで、体に必要な栄養のほとんどペレットから摂取することができます。

ですので、果物は副食として少量にとどめておく必要があります。

果物は甘いのでハムスターがいくらでも欲しがりますが、与え過ぎは禁物です。食べ過ぎると体調を崩したり、ペレットより果物ばかり欲しがるようになったりするからです。

果物を与える際は、ゴールデンハムスター 1cm角、ドワーフハムスターは5mm角に切ったものを1週間に1~2回与える程度にするとよいでしょう。野菜、ナッツ類などとローテーションでバランスよく与えることをおすすめします。

また、多くの果物は動物に食べられないよう忌避成分を蓄えているため、果物の種類や部位によっては、ハムスターが食べたときに中毒を起こすものがあります。ハムスターには、健康に害を与える心配がないものを選ぶことが大切です。

以上を踏まえ、ハムスターに与えてよい果物を季節別に紹介していきます。


冬から春先が旬の果物

冬から春先に旬を迎える果物は、ビタミンを豊富に含み、免疫力を高める作用があるものが多く見られます。ハムスターに与えても大丈夫なのは、いちご、キウイ、柑橘類です。

気温が下がって体調を崩しやすい時期なので、果物で体調を管理してあげましょう。

◆いちご

いちごはハムスターに人気の高い果物です。ハムスター用のおやつにいちご味が多いのもうなずけます。

栄養価の面では、果物の中でもビタミンCが豊富に含まれているという特徴があります。

ハムスターは自分の体でビタミンCが生成できるため、意識して食品から補給する必要はありませんが、ビタミンCには免疫力を高めて病気にかかりにくくしたり、コラーゲンの生成を促進して毛細血管や皮膚、軟骨などを丈夫にしたりする効能があります。

そのほかの栄養では、酸味のもとになるクエン酸、赤い色のもとになるアントシアニン、天然甘味料キシリトールが含まれています。

クエン酸は食欲亢進、疲労回復、鉄やカルシウムなどの吸収を促進させる作用を持ちます。

アントシアニンは抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、細胞が酸化して傷つくのを抑え、病気や老化を防ぎます。

いちごの爽やかな甘さはキシリトールに由来しています。キシリトールは砂糖と違って太りにくく虫歯を作らないため、いちごはハムスターにとってもヘルシーなおやつとなります。

ハムスターにいちごを与える際は、へたを取り除いて果肉のみを与えましょう。また、キシリトールを大量に摂取すると軟便や下痢が出やすくなります。おやつにいちごばかり与えることは避けましょう。

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◆キウイフルーツ

キウイフルーツは輸入ものが年中入手できるイメージもありますが、国産のキウイは2~3月に旬を迎えます。

キウイは多くのビタミンやミネラルがバランスよく含まれていて、栄養価は果物の中でもトップクラスをほこります。ハムスターには少量を与えるだけで体調を整える効果が期待できますよ。

ビタミンC・ビタミンE…強力な抗酸化作用を持つ
ビタミンB6…筋肉や血液を作る
鉄分・葉酸…貧血を防ぐ
ビタミンK…骨を作る
食物繊維…腸内環境を整える

キウイは水溶性と不溶性の食物繊維が理想的な比率で含まれているため、食物繊維の持つ効能が発揮されやすくなっています。そのため、ハムスターにキウイを与えると整腸作用が期待できます。また、ビタミンCとクエン酸はミネラルの吸収も助けます。

ただ、キウイにはたんぱく質を分解する酵素アクチジンが含まれ、口腔や胃腸を刺激することがあるので、様子を見ながら少量ずつ与えるのがよさそうです。

◆柑橘系

冬から春にかけてはみかん(温州みかん)をはじめ、いよかん、ぽんかんなどの柑橘類がお店に並びます。レモンやゆずのような酸味の強すぎるもの以外ならハムスターも食べられるので、飼い主さんと一緒に旬の柑橘類を楽しむとよいでしょう。

栄養面では、柑橘類全般に共通して、ビタミンC、β-カロテン、葉酸が多く含まれるという特徴があります。

β-カロテンは、緑黄色野菜や果物に含まれるだいだい色の色素です。体内でビタミンAに変換され、免疫力を高めたり、皮膚や粘膜を丈夫にするためにはたらきます。

数ある柑橘類の中でハムスターに与えるなら、温州みかんがおすすめです。温州みかんはβ-カロテンの仲間クリプトキサンチンがずば抜けて豊富に含まれ、食べやすい上に健康効果が高いことでも注目されるようになっています。

なお、ハムスターに柑橘類を与える場合は、皮と袋はむいて中の果肉だけを食べさせるようにしましょう。


春から夏が旬の果物

春から夏にかけては、みずみずしくて甘みの強い果物が多く出回るようになります。その中でハムスターに与えてよいものには、もも、メロン、ブルーベリーなどがあります。

この時期は気温が高く、果物は傷みやすくなります。腐敗を防ぐために食べ残しや巣穴に持ち帰った果物は、その日のうちに処分しましょう。

◆もも

ももは濃厚な芳香と強い甘みがあり、ハムスターも好んで食べる果物です。

栄養価の面では、水溶性食物繊維のペクチンが含まれているという特徴があります。ペクチンには整腸作用と便の水分を調整する作用があるので、ハムスターにももを与えると便秘や下痢を予防する効果が期待できます。

ちなみに、ももを含むバラ科の果実には、青酸配糖体の「アミダグリン」という有毒成分が含まれています。ハムスターがおやつに果肉を食べる程度なら、心配はいりません。

ただ、ももの種子にアミダグリンが含まれているため、ハムスターが種子をかじると中毒を起こす可能性が出てきます。ハムスターにももを与える場合は、種子ごと果肉を渡さないようにしてくださいね。

◆メロン

初夏に旬を迎えるメロンは、マスクメロンやプリンスメロン、夕張メロンなどさまざまな品種がありますが、甘い割に比較的低カロリーで、どれもハムスターに与えることができます。

栄養価の面では、カリウム、ビタミンCが豊富という特徴があります。カリウムは体にも必要なミネラルで、筋肉や神経を正常に保つはたらきをします。

また、果肉がオレンジ色をしている赤肉種のメロンには、ビタミンAに変換されるβ-カロテンも豊富に含まれています。

ちなみに、熟し過ぎたメロンを食べると喉がイガイガすることがありませんか?これは、たんぱく質を分解する酵素ククミシンによる刺激が原因です。人もハムスターも、メロンは食べ頃をのがさず早めに食べるのがポイントです。

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◆ブルーベリー

ジャムやスイーツでおなじみのブルーベリーは、加工していない生の果実ならハムスターにも与えることができます。

ブルーベリーは果物の中では水分量もカロリーも控えめで、ハムスターのおやつにもおすすめです。新鮮なブルーベリーが手に入ったら、ハムスターにもおすそ分けしてあげましょう。

栄養価の面では、抗酸化作用を持つアントシアニンやビタミンE、食物繊維が豊富に含まれているという特徴があります。

なお、表面には農薬が着いている可能性があるので、皮を取り除くか、皮をよく洗ってからハムスターに食べさせるようにしましょう。


秋が旬の果物

秋が旬の果物は、甘くて体のエネルギー源になりやすいものが多いです。ハムスターには、りんごや柿を与えるとよいでしょう。

◆りんご

りんごは小動物が大好きな果物です。「医者いらず」と言われるほど栄養価が高く、水分が少ないので、ハムスターのおやつにぴったりです。

栄養面では、ビタミンC、カリウム、食物繊維、リンゴポリフェノール、リンゴ酸が豊富に含まれているという特徴があります。

りんごには、水溶性食物繊維のペクチンが含まれているので、ハムスターにりんごを与えると整腸作用が期待できます。

リンゴポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、血流を改善したり細胞が酸化によって傷つくのを防ぐことで、ハムスターの体を若々しく保つ効果も期待できます。また、アレルギー症状を抑える効果があるともいわれています。

また、酸味のもとであるリンゴ酸は、食欲亢進や疲労回復に効果があります。

ハムスターに与える際は、皮の表面に農薬が付いている可能性があるため、皮をむいて果肉だけを与えます。また、りんごの種にはももと同様に有害なアミダグリンが含まれているので、必ず種も取り除きましょう。

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◆柿

柿は酸味がなくて甘いので、ハムスターも喜んで食べてくれるでしょう。干し柿は糖分とカロリーが多いので、甘がき(富有柿や次郎柿など)の果肉を与えることをおすすめします。

栄養面では、ビタミンC、カロテン類、カリウムが豊富に含まれているという特徴があります。

特に、ビタミンAに変換されるカロテン類が多く含まれているので、柿を与えるとハムスターの皮膚や粘膜をすこやかに保つ効果が期待できます。

なお、甘柿にも渋柿にもタンニン(柿ポリフェノール)という渋み成分が含まれており、タンニンのさまざまな健康効果が注目されています。

しかし、そもそもタンニンは植物が動物に食べられないように蓄えている成分なので、体の小さなハムスターがタンニンを大量に摂取すると、健康に害を及ぼす可能性が出てきます。

おやつに食べる程度なら問題はありませんが、念のために柿をたくさん与えることは控えるようにしてください。


通年

季節に関係なく与えられる果物には、パパイヤ、バナナ、パイナップルなどのトロピカルフルーツがあります。

トロピカルフルーツはビタミンやミネラルが豊富なので、生の果物、またはペット用のドライフルーツをたまに少量与えると、ハムスターの体調管理にも役立ちます。

◆パパイヤ

パパイヤ(パパイア)は完熟した果実が果物として、未熟な青パパイヤは野菜として、また、葉や茎がペット用品にも使われており、ハムスターに与えて問題ありません。

栄養面では、たんぱく質を分解する酵素パパイン(果実)、βカロテン(完熟した果実)、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれているという特徴があります。

生の果実を与えると、パパインのはたらきによって消化を促進させる効果が期待できます。ただ、パパインは刺激が強いのでハムスターには様子を見ながらごく少量を与えることをおすすめします。

◆バナナ

バナナはペットの嗜好性が高く、値段が手ごろでスーパーやコンビニでいつでも買えるところが魅力です。

栄養面では、エネルギーのもとになる糖質、たんぱく質、脂質に加え、エネルギーを作るために必要なビタミンB群が豊富に含まれているという特徴があります。

バナナを食べると体に必要なエネルギーが速やかに補給できるので、食欲が落ちてほかのエサが食べられなくなっている時のエネルギー源に重宝します。ただし、カロリーが高いので与え過ぎには注意が必要です。

◆パイナップル

パイナップルは糖分が多いので食べ過ぎは良くありませんが、濃厚な味と香りがハムスターの食事にアクセントをつけてくれます。

栄養面では、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維、酸味のもとになるクエン酸、リンゴ酸が多く含まれているという特徴があります。

ビタミンB群とクエン酸、リンゴ酸は疲労回復に効果があります。成長期、育児中のハムスターのおやつに与えてみるのもよいでしょう。

ただ、生のパイナップルには強力な酵素ブロメラインが含まれ、ハムスターの口や皮膚を刺激することがあるので、様子を見ながらごく少量を与えることをおすすめします。


まとめ

ハムスターに与えてもよい果物について、種類、栄養価、与える際の注意点を説明いたしました。この記事で紹介したものは与えても問題ありませんが、あくまでおやつとして少量にとどめることが大切です。

ハムスターにも好き嫌いがあるので、食べない場合は無理に与える必要はありません。また果物によってアレルギーを起こす子もいるので、様子を見ながらその子に合う果物を与えるようにしてくださいね。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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