1.どんぶり金魚とは?
1-1.その名の通り、どんぶりで金魚を飼育すること
1-2.賛否あるのは本当?
2.どんぶり金魚の楽しみ方
2-1.見て楽しむ
2-2.手からエサを与える
3.どんぶり金魚に向いている金魚は?
3-1.金魚の形
3-2.金魚の大きさ
3-3.向いている種類
6.どんぶり金魚飼育の注意点
6-1.複数飼育には向いていない
6-2.水替えはこまめに
6-3.猫が同居している場合は控えて
どんぶり金魚とは?
金魚を飼育するとしたら、みなさんはどのような入れ物で飼うことを想像しますか?
おそらく、多くの人が水槽や金魚鉢のような入れ物に、空気の泡が出るエアレーションを入れて飼育することを想像すると思います。
ところが、食器のどんぶりで金魚を飼育する「どんぶり金魚」がいま密かに注目を集めています。
この記事ではどんぶりで金魚を飼育する楽しみ方や飼育方法、注意点などを詳しくご紹介していきます。
◆その名の通り、どんぶりで金魚を飼育すること
どんぶり金魚とは、水槽や金魚鉢など、魚を飼育する容器ではなく、どんぶりやサラダボウルなどの食器で金魚を飼育することです。
子供の頃にお祭りの金魚すくいで金魚を連れて帰り、飼育するための容器に困った方もいるのではないでしょうか。
どんぶりなら水槽や金魚鉢などと違い、新たに用意する必要もなく家庭にあるもので飼育できるのでお手軽ですよね。
◆賛否あるのは本当?
そんなお手軽に金魚の飼育を始めることができるどんぶり金魚ですが、その飼育に賛否があるのも事実です。
まず、賛成派の考えには以下のようなものがあります。
◎どんぶりのような小さな容器で金魚を飼育すると、飼い主との距離も近く金魚が懐きやすくなると言われている。
◎必要最低限の飼育用品ですむので、飼育にチャレンジするハードルが下がる。
◎場所をとらない&電源のない場所でも飼育できる。
◎水量が少ないので水換えなどの日々のお世話が楽になる。
一方、反対派の考えには以下のようなものが挙げられます。
〇水量が少ないので水質や水温が安定しづらくすぐ変化してしまうため、金魚にストレスを与えやすい。
〇水がすぐ汚れてしまうので多頭飼いに向かない。
〇フィルターを設置できないので、こまめな水換えが必要。
〇金魚の中でも「和金」など、泳ぎが得意な金魚は飼育に向かない。
〇金魚の平均寿命まで飼育するのは難しい。
などになります。
金魚の可愛さをより近くで楽しむことのできるどんぶり金魚ですが、反対派の意見のような飼育の難しさがあるのも事実です。
どんぶり金魚の楽しみ方
どんぶり金魚には、水槽で飼育するのとはまた違った楽しみ方があります。
「水槽で飼育するのと何が違うの?」と疑問に思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
◆見て楽しむ
どんぶり金魚の楽しみ方のひとつが「見て楽しむ」です。
水槽は主に横から金魚を見ますが、どんぶり金魚は真上から金魚を鑑賞することができます。
そのため、上から見たときのシルエットがきれいな出目金やピンポンパールなどは、水槽飼育よりもさらにその美しさを目で楽しむことができます。
◆手からエサを与える
どんぶりで金魚を飼育する楽しみ方のふたつめは「手から餌を与えることができる」です。
意外かもしれませんが金魚は物覚えがよく、飼い主に懐いてくれることもあります。
懐いている金魚は飼い主の姿が見えると、餌をくれると思いどんぶりのフチまでやってきてくれるので、指でつまんだ餌を直接食べてくれるようになります。
口をパクパクさせて餌を待つ姿はとてもキュートですよ。
どんぶり金魚に向いている金魚は?
金魚と一口に言っても、多くの種類があり、どんぶりでの飼育に向いている金魚と不向きな金魚があります。
どのような金魚がどんぶりでの飼育に向いているのかご紹介します。
◆金魚の形
どんぶりで飼育する場合、水量や泳げるスペースが小さくなってしまうので、和金のような流線型に近いシルエットの泳ぎが得意な形の金魚はストレスが溜まってしまうため不向きになります。
そのため、泳ぎがあまり得意でない、丸っこい形でゆったりと泳ぐ金魚のほうがどんぶりで飼育するのには向いています。
◆金魚の大きさ
どんぶりで金魚を飼育する場合、まだ大きくなっていない小さな金魚がおすすめです。
具体的な大きさとしては、頭から尻尾の先まで5cm程の金魚がどんぶりで飼育するのに向いていると言えるでしょう。
◆向いている種類
向いている形の項目で「丸っこい形でゆったりと泳ぐ金魚」がどんぶり金魚には向いているとご紹介しました。
そんな丸っこい形の金魚の代表格が
●ピンポンパール
●蝶尾
●ランチュウ
●頂天眼
●琉金
などになります。
このなかでも、ランチュウや頂天眼などはデリケートな面もありますが、背びれがない種類なので、浅い水深のどんぶりでも背びれが水面に飛び出てしまうことはありません。
また、金魚は飼育容器の大きさに合わせて大きくなっていくので、急激なサイズアップに困る可能性は少ないといえるでしょう。
金魚を飼育するために適したどんぶりのサイズ
どんぶりで金魚を飼育する際に適したどんぶりのサイズは、大きければ大きいほどいいのは確かです。
では、最低でもどれぐらいあればいいのでしょうか。
まず、水槽で金魚を飼育する場合は金魚の大きさ1cmに対し、1リットルの水量が必要と言われています。
その理由は、金魚は水を汚しやすく酸欠に弱いからと言われています。
この水量を目安にすると、仮に3cmの金魚を飼育するとしたら3リットルの水量が必要になってきます。
ですが、3リットルもの水を入れることができるどんぶりはそうそうないでしょう。
そのため、毎日のこまめな水換えをすることによって、少量の水量のどんぶりでも飼育が可能になってきます。
具体的な目安でいうとどんぶりの直径が15cm以上、深さが10cm以上あるものを選ぶことをおすすめします。
金魚は上下よりも横の移動を頻繁にするので、上記の大きさを目安に、より直径の大きさが大きいものを選んであげましょう。
水換えや掃除はどのように行う?
どんぶり金魚の水換え方法についてご紹介します。
どんぶりで金魚を飼育する場合、同じ水量のどんぶり(できれば同じどんぶり)を2つ以上用意しておくことをおすすめします。
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①同じ水量のどんぶり(もしくはそれ以上の水量のバケツ)に水を貯め、カルキ抜き剤を使用、もしくは24時間以上放置してカルキ抜きをしておく。
②金魚が入っているどんぶりの水と同じ水温にする(カルキ抜きも含め、金魚が入っているどんぶりと同じ環境に1日放置しておくのがおすすめ)
③古いどんぶりから新しいどんぶりに金魚を移す。
④空いたどんぶりに明日の水換えのための水を用意しておく。
上記の①〜④の工程を日々行うようにしましょう。
また、金魚を移す際は網を使用すると金魚の体を傷つけてしまうおそれがあるので、手で移し替えることをおすすめします。
このとき、金魚にとって人間の手は高温なので、新しい飼育水にしばらく手をつけて、手の温度を下げておくといいでしょう。
そして、こまめな水換えをしていても掃除も欠かさず行うようにしましょう。
金魚の糞を放置していると、金魚に有害なアンモニアが発生し、水質が悪化してしまいます。
食べ残しや糞などを見つけたらスポイトで吸い出し、常にきれいな環境にしておくことを心がけましょう。
どんぶり金魚飼育の注意点
手軽に飼育を始められるどんぶり金魚ですが、手軽に始められる分、注意しなくてはいけないこともあるのでご紹介します。
◆複数飼育には向いていない
どんぶりで金魚を飼育する場合、一匹での飼育を推奨します。
複数の金魚を飼育すると、食べ残しや糞の量も比例して多くなり、水質が一気に悪化してしまいます。
いくらこまめに水換えをしていても、フィルターのないどんぶりでの飼育は水質の維持に限界があるため、複数での飼育に向いていません。
また、1匹あたりのスペースも少なくなってしまうためストレスも溜まりやすくなってしまいます。
複数で飼育をしたい場合は、水量がある水槽で飼育するようにしましょう。
◆水替えはこまめに
前述した通り、どんぶり金魚は毎日のこまめな水換えが必要になってきます。
水換えは、一度にすべての水を交換するようにしましょう。
一度でもアクアリウムの経験がある人は、すべての水を一度に交換してしまうことなんて信じられないと思う方もいらっしゃると思います。
水槽で魚を飼育する場合、フィルターや水槽内の砂利、飼育水内で増えたバクテリアによる生物濾過が水質の安定のためにとても重要になってきます。
そのため、一度に水槽の水をすべて交換してしまうと、水槽内にいるバクテリアが一気に少なくなってしまい、生物濾過が不安定になってしまうので、一度の水換えの量は1〜2週間に一度、水槽の水の1/2前後が推奨されています。
ですがどんぶりでの飼育の場合、バクテリアが棲み着くフィルターも砂利もないので、バクテリアによる生物濾過に期待ができません。
毎日の水換えで水槽内のアンモニアなどの毒素を排出する必要があります。
また「毎日水換えをする=毎日新しい水」ということになるので、水質の急激な変化も起こりにくく、金魚へのストレスも最小限に抑えることができます。
◆猫が同居している場合は控えて
もし、猫を飼育している家庭でどんぶり金魚を始めようとしている場合は、控えることをおすすめします。
なぜなら、水槽のように蓋がなく、水深も浅いどんぶりは、猫が容易にいたずらできてしまうからです。
また、猫が金魚を傷つけなかったとしても水分補給のためにどんぶりの水を飲んでしまう可能性もあります。
金魚にとって大きなストレスになりますし、どんぶりを倒してしまった場合は大惨事になってしまいます。
猫だけでなく、室内に活動的な動物などがいる場合も控えるようにしましょう。
まとめ
今回はどんぶりで金魚を飼育する「どんぶり金魚」についてご紹介してきました。
家にある食器のみで金魚の飼育を始められる手軽な方法で、飼い主と金魚の距離も近く、手から餌をあげるスキンシップなど、水槽での飼育とは違った楽しみ方があります。
一方、こまめな水換えや掃除、水温の変化などに注意しなければならず、飼育が難しい面もあります。
金魚の飼育を始めるにあたって、自分の生活スタイルにどんぶり金魚があっているのか、水槽での飼育があっているのかを考える参考になれば幸いです。
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