1.インコが毛づくろいしてる理由
1-1.羽を綺麗にしている
1-2.油を塗っている
1-3.細菌や寄生虫から守ってる
2.インコの羽根から白い粉が出てるのは何?
2-1.粉羽に関する注意事項
インコが毛づくろいしてる理由
鳥類はみんな丹念に毛づくろいをします。
小さな文鳥からセキセイインコ、ヨウムや大型インコのダルマインコ、オウムまで、大小関係なく皆様々なスタイルで、頭を180°回転して毛づくろいをします。
うちで飼っているインコも同様ですが、気が付くと丁寧に一生懸命、自分の全身の毛づくろいをしています。
インコの生活の一部と言っても過言ではない毛づくろいですが、毛づくろいにもいろいろな意味があるって知っていましたか?
今回の記事では、この毛づくろいをする理由についてと、毛づくろいに関する注意点をいくつかあげてみたいと思います。
◆羽を綺麗にしている
毛づくろいをする理由の一番としては、”純粋に羽根を綺麗に整えている”です。
インコはとても綺麗好きで、本当に丁寧に時間をかけて毛づくろいをします。
インコはいつも毛づくろいをして、いつでも瞬時に飛び立てるように最高のコンディションに整えています。
もし敵に襲われそうになっても大丈夫なように、自分の羽毛の毛づくろいをして美しい最高の状態に整えています。
羽根が汚れたままにしておくと、劣化が早まります。
インコの毛づくろいは、人間でいう、言わば、”毎日のお風呂”みたいなものだと思っていただければいいと思います。
だからこそ、インコたちは時間をかけていつも羽根を綺麗にしているのですね。
◆油を塗っている
インコは自分の身体に脂線という脂分が分泌される器官を持っています。
インコちゃんが尾羽の付け根にくちばしをグリグリとこすりつけている仕草を見たことはありませんか?
実は尾羽の付け根に脂線があって、自分のくちばしに脂分をこすりつけ、そのくちばしについた脂分を羽根に塗り付けているのです。
いつもピカピカに身体を磨き上げて、羽根にも艶があると思いませんか?
そして、身体に艶があるときは、体調も万全です!
これで羽根は水分をはじく効果が得られます。雨に濡れたとしても飛ぶことが可能になるのです。
インコちゃんが水浴びをしている時を思い出してください。
羽根は水分をはじいていますよね?
自分で自分の身を守るためにしっかりと毛づくろいをしているのですね。
インコって凄いですね!感心します。
◆細菌や寄生虫から守ってる
また深い意味はなく、自分のくちばしを上手に使って羽根に付いてしまった汚れを落としている時があると思います。
しかしこれにも意味があります。
羽根をついばむように毛づくろいをしているときは、汚れを落としたり、ダニや寄生虫を除去したりして、外敵や細菌から身を守ろうとしているのです。
先ほどお話しした尾羽にある脂線はなんと抗菌効果もあると言われており、病気からも身を守っているのですね。
インコも人間と同じで体調を崩せば動きが鈍くなるので、毛づくろいにかける時間もグッと減ります。
身体の羽毛や羽根もボサボサになってしまいます。
毛並みや毛艶が良いということは、病気がなく、体調が良いという証なのですね。
インコの羽根から白い粉が出てるのは何?
インコが換羽の時、身体の上に白いフケのようなものが沢山付いているのを見たことがありませんか?
または毎日の毛づくろいの後、床に白い粉のようなものが沢山落ちていたり、身体をぶるるっと振るわせた時に白いものが飛び散ったり・・・
うちのインコも肩に乗って遊んでいるとき、毛づくろいを始めます。
すると肩の上には、綺麗に白い粉が積もります・・・
この白いフケのようなものの正体は『粉羽(こなう)』と言います。
読んで字のごとく、粉の羽根。
羽根の古い角質が落ちているのです。
皮膚の新陳代謝が良くなり古い角質が落ちたり、羽根が生え変わるとき剥がれ落ちた古い角質です。
また同様のもので、新しい羽根が生えてくる時、最初に羽根が筒状の白いものに覆われているのを見たことがありますか?
羽根が生え変わるとその筒状のものが剥がれ落ちてフケのような状態になるのです。
そのせいもあり、換羽期には特に白い粉が多く落ちています。
これは全く正常な状態ですので、気にしなくて大丈夫です。
また粉羽とは少し異なりますが、先ほどお話しした尾羽にある脂線からでた脂が粉になったものも同様に白い粉ですね。
◆粉羽に関する注意事項
この白い粉についてですが、一つ気をつけなければいけないことがあります。
呼吸器の弱い方、呼吸器の弱い方を家族にお持ちの方には、憶えていてほしいです。
この白い粉を吸い込むと、身体に悪影響を及ぼすことがあります。
特に喘息持ちの方は注意が必要です。
掃除をまめにして、粉羽を飛び散らせないこと。
空気清浄器を設置するなど、粉羽を吸引しないように注意をすることが大切です。
喘息や呼吸器の弱い方は、インコを飼うことを事前に家族と共によく検討することが大切ですね。
インコをお迎えしてから、やはり飼育できないということになってしまうと、本当に可哀そうな想いをインコちゃんにさせてしまいますから。
インコが毛づくろいを多くやってるけど大丈夫なの?
インコが毛づくろいを過剰にしている場合は、ちょっと気を付けてみて欲しいことがあります。
毛づくろい以上に、自分の毛を抜いてしまってはいませんか?
また、毛づくろいをしながらジジッなどと鳴くことはありませんか?
そのような行為をしている場合は病気の可能性があります。
『毛引き症(けびきしょう)』また『自咬症(うこうしょう』と言って、自分で自分の毛や羽を引き抜いてしまったり、皮膚を噛んでしまう病気です。
見た目はただ毛づくろいをしているように見えるのですが、羽根が異常に抜け落ちて皮膚が見えていたり、出血が見られる場合はこれらの病気である可能性が高いです。
自傷行為のひとつで、何か大きなストレスを抱えている場合が多いです。
病気が酷くなると出血が多くなってしまい、命に関わることにもなりかねないです。
毛づくろいを多くやっていたら病院に連れてくべき?
毛づくろいの頻度があまりにも多く、かなりの羽根が抜け落ちている場合や出血が見られる場合、迷わずに早めの受診をお勧めします。
毛引き症や自咬症は病気ですが、何故そのような病気になるのでしょうか?
原因としては何らかのストレスによるものと考えられています。
それを見極めて取り除いてあげることが大切です。
病院に行って治療したとしても、原因がわからなければ、また繰り返し発症してしまうでしょう。
原因であると予測される症状は次の通りになります。
◎アレルギー、感染症
◎日光浴、水浴び不足
◎栄養失調
◎皮膚炎
◎怪我などの痛み・かゆみ
これ以外にも飼育されている環境が良くない・合わない場合もストレスが併発され、毛引き症や自咬症になってしまう恐れがあります。
●放鳥をしてもらえない
●ケージ内が汚い、不衛生
●ケージが身体に合っていない(狭い)
●騒音などでいつもうるさい
●多頭買いの仲間と相性が悪い
●飼い主さんとのスキンシップが足りない
●飼い主さんの構いすぎ
敏感なインコ達は上記のような飼育環境の原因でも病気を併発します。
◆対策や治療方法
毛づくろいだと思っていたが毛引き症、自咬症だった場合、または疑われる場合も同様で、早期に対策をとってあげましょう。
まずはインコのストレスの元、原因を突き止めることが最優先です。
飼い主さんは普段どんな風にインコに接しているでしょうか?
沢山愛情を注いであげていますか?
または飼育環境に不備はありませんか?
例えば
怪我をしてしっかり完治せずに痛みや不具合がある。
(インコはお話できませんので、自分から訴えることが出来ません)
飼い主さんの何らかの都合で、飼い主が変わった。
(前の飼い主を覚えていて、寂しい思いをしている)
など、考えられる原因を探ってみてください。
必ず何かしらの変化がありストレスがあったと思います。
また、毛引き症や自咬症は何か別の病気が原因となっている場合も多いので、インコも診察してもらえる動物病院を受診しましょう。
症状によっては、止血剤や抗生物質、駆除剤などのお薬を処方してもらうことも可能です。
また、対処法としてエリザベスカラーを装着することもあります。
エリザベスカラーとは、動物が傷口を舐めたり噛んだりするのを防ぐために患部に触れないように首に装着する襟巻のことです。
これによって羽根や身体を傷つける頻度を減らすことが出来ます。
ただこちらの外的治療はどうしても一時的なものになってしまうので、同時に内面の治療を、ストレスを探して一日も早く楽にしてあげてください。
症状に合った治療をして、一日も早く元気なインコちゃんに戻ってほしいですよね。
まとめ
今回はインコが毛づくろいする理由や、毛づくろいが多いときの対処法をまとめてみました。
インコは話ができないので、言葉で気持ちを伝えられません。
飼い主さんが早め早めにインコの体調や仕草、変化に気づいてあげられないといけませんね。
永くパートナーでいられるように、インコちゃんの習性さらには性格について毎日理解を深めていきましょう。
ありがとうございました。
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