ハムスターはみかんを食べてOK!皮は?量は?適切な与え方について

2023.09.02

ハムスターはみかんを食べてOK!皮は?量は?適切な与え方について

みかんはおいしくて手軽に食べられるのが魅力。私たち人間だけではなく動物にも人気の高い果物なのですが、ハムスターにも与えてよいのか気になりますね。みかんはハムスターも食べることのできる果物です。ただし与える時には注意したい点もあります。この記事ではハムスターにみかんを楽しんでもらうために飼い主さんが知っておきたい、みかんの正しい与え方について説明していきます。

ハムスターにみかんを与えてもOK

みかん
結論から言うと、ハムスターにみかんを与えても大丈夫です。

ハムスターは甘味と酸味がしっかり判別できる動物なので、みかんを食べた時は、私たち人間と同様に「甘酸っぱくておいしい!」と感じることが多いでしょう。実際にみかんが好きなハムスターは多いです。

みかん自体は栄養も豊富で、スーパーで入手しやすく値段も手ごろ、といった嬉しいメリットがたくさんあります。是非、ハムスターの食生活にも上手に活用していきたいところです。

◆おやつに少量与えるなら問題ない

みかんはハムスターが中毒を起こすような成分も特に含まれておらず、おやつ(副食)としてたまに少量口にする程度なら、与えても問題はありません。

与え過ぎには注意が必要です。主食のペレットが食べられなくなるくらい与えるのはよくありません。

また、もともとハムスターはみかんを食べる動物ではないので、みかんを食べたことで体調に影響が出ないよう、与え方については気を付ける必要もあります。

ハムスターにみかんを与える際は、量や与え方に気を付ける、この注意点を守ることで、ハムスターと一緒においしいみかんを楽しむことができます。

◆ハムスターにみかんを与えるメリット

ハムスターにおやつとしてみかんを与えることには、どのようなメリットがあるのでしょう。

まず、みかんは甘くておいしいので、ハムスターにとっては嬉しいご褒美になります。

やはり、ペットはおいしいものをくれる人のことはよく覚えますし、心も開きやすくなります。ですから、ハムスターとの距離を縮めたい時には、コミュニケーションツールとしてみかんなどの果物を与えるのが効果的です。

次に、みかんは水分と糖分が多いので、給水器から水が飲めない時の水分補給、食欲が落ちてペレットから栄養がとれない時の栄養補給に役立ちます。

主食はペレットなので、果物から水分や栄養をとるというのはあくまでも一時的な対処になります。みかんは柔らかくて口当たりがよいので、ペレットが食べられなくてもみかんは食べられるということも多いでしょう。

続いて、みかんの栄養価をみてみると、βークリプトキサンチン、葉酸、カリウムなどが豊富に含まれています。

βークリプトキサンチンは果物や野菜に含まれるだいだい色の色素で、摂取すると体内でビタミンAに変わります。ビタミンAはハムスターの体に必要な栄養素で、皮膚や粘膜を丈夫にします。βークリプトキサンチンは特に温州みかんに豊富に含まれているので、ハムスターのおやつにもおすすめです。

また、葉酸は貧血の予防、カリウムは尿量を増やしてハムスターがかかりやすい尿路結石の予防に役立ちます。

なお、みかんを含む柑橘類はビタミンCが豊富という特徴もありますが、ハムスターは体内でビタミンCが生成できるので、ビタミンCを補給する目的でみかんを食べる必要はありません。ただ、みかんに含まれるβークリプトキサンチンやビタミンEと共に抗酸化作用を発揮するので、みかんを食べることは老化や生活習慣病を予防することにもつながることが考えられます。

◆ハムスターにみかんを与えるデメリットは

ハムスターにみかんを与えるデメリットは、水分や糖分の多いものを与えてしまうという点です。

みかんの果肉の部分(じょうのう)は水分が約87%を占め、とてもみずみずしいです。ですから、ハムスターがみかんをたくさん食べると、体の大きさの割に水分をとり過ぎて下痢をしやすくなってしまいます。

また、みかんはさっぱりしているイメージもありますが、ほかの果物と同様に糖分が多いので、ハムスターがしょっちゅうみかんを食べていると、糖分のとり過ぎで肥満や糖尿病になる可能性も出てきてしまいます。


ハムスターに適切なみかんの量

ハムスターにはどれくらいのみかんを与えれば良いのでしょう。

ハムスターにみかんを与える場合は、1週間に1回程度、おやつとして少量を与えます。

量は、ゴールデンハムスターで1cm角くらい、ジャンガリアン・ロボロフスキーなどのドワーフハムスターで5mm角くらいを1日1個与える程度が適切。ちょうど、ハムスターが両手に持って食べやすいくらいの大きさになりますね。

みかんは、つい一房(薄皮の袋に入った果肉1個)をまるごとハムスターに渡してしまいがちですが、この量では多すぎます。ハムスターが摂取する副食の目安は1日1g以下が理想ですが、みかん一房は約10gあります。

みかんは薄皮をむいて中の果肉を取り出し、その果肉を切ったりほぐしたりした後の、小さなかけらを与えるようにしましょう。

なお、ハムスターによって食べ物の好みにはけっこう違いがあり、中にはみかんに興味を示さない子もます。みかんはハムスターが生きるために必要な食べ物というわけではないので、食べなかったとしても心配されることはありません。そのハムちゃんにはほかの野菜や果物を与えるといいですね。


ハムスターにみかんを与える際の注意点

ハムスター
ハムスターにみかんをおいしく健康に食べてもらうには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。適切な与え方をチェックしておきましょう。

◆食べさせすぎない

ハムスターが果物を食べ過ぎると体調を崩す可能性があります。そのことをしっかり頭に入れたうえで、みかんをついたくさんあげてしまわないよう、気を付ける必要があります。

そもそもハムスターは乾燥した地域に住む動物であり、少量の水分で生きられる体のつくりになっています。ですから一度に大量の水分をとると体が対応できず、軟便や下痢が起こりやすくなるのです。

みかんはおいしいので、ハムスターは与えられたままにパクパク食べてしまうかもしれません。しかし、みかんは水分が多いので、与えた量が多いと水分をとり過ぎて下痢をしてしまいます。

下痢は体の小さなハムスターに大きな負担を与え、時には命に関わることがあるため、軽くみることはできません。中には下痢しやすい個体もいるので、みかんを与える際はハムスターの体調を確認しながら、適量を守っておやつに取り入れていくことがのぞましいです。

また、ハムスターがおやつに味をしめると主食のペレットに見向きしなくなり、偏食になってしまうことがあるので、みかんを頻繁に与えることも避けたいです。ペレットを食べずに自分の好きな果物ばかり食べるようになると、栄養のバランスが崩れて肥満やさまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。

ハムスターが必死に「ちょうだいアピール」をしてきたらかわいいので、ついみかんのお代わりを与えたくなってしまいますよね。ですがハムスターの健康のためを思って、ここはぐっと我慢したいです。

◆皮をむいてから与える

ハムスターにみかんを与える前には、表面を流水でよく洗ってから皮をむき、袋から取り出した果肉を手渡すようにしましょう。

みかんの皮自体は漢方や七味の材料になるもので栄養価も高く、人間ならば問題なく食べられます。

ただし、みかんの皮はリモネンという刺激のある成分が含まれていること、農薬が付着している可能性があることから、小動物のハムスターが口にした場合には健康上で影響を受ける心配が出てきます。少なくとも、外側の厚い皮(外皮)は食べさせないようにしましょう。

また、みかんの果肉を包んでいる薄皮の袋、袋についている白い筋そのものは、ハムスターにとって危険な成分は含まれていませんが、硬くて消化に時間がかかるので、袋と白い筋も取り除いて中の果肉だけを与えるのが無難です。

ちなみに、果肉と一緒にまれに種が入っていることがあります。種は食べられないので、種が入っていないことを確認してからハムスターに与えましょう。

◆新鮮なものを

みかんは柔らかくてつぶれやすく、傷んだり青カビが生えたりしがちです。ハムスターが傷んだものを口にしないよう、新鮮なみかんを選んで、与える前には傷みやカビがないことを確認しておきましょう。

◆食べ残したみかんは処理する

果物は傷みやすいので、ハムスターが食べ残したみかんは早めにケージから取り出しましょう。ハムスターがお皿から持ち帰ることもあるので、お皿だけではなく巣箱や床材の中に放置していないか、念のためにチェックしてください。 

◆柑橘類はどの種類でもOK?

私たちが一般にみかんと呼んでいるのは「温州みかん」ですが、お店にはほかにもさまざまな柑橘類が並んでいますね。これら、みかんの仲間もハムスターに与えて問題ないものなのでしょうか。

柑橘類は、やはり温州みかんと同様に外側の皮を与えることは好ましくありません。ただし、中の果肉自体にハムスターが食べると危険な成分は特に含まれていないので、基本的に食べることはできます。

ただ、酸が強いものはすっぱすぎますし胃腸への刺激も強いので、レモン、グレープフルーツ、ゆずなどは避けましょう。いよかん、はっさく、ぽんかんなど食べやすいものはハムスターも喜んで食べるでしょう。


ドライフルーツのみかんもハムスターにおすすめ!

ハムスターのおやつには、ドライフルーツのみかんを利用するのもひとつの手です。水分量が少ないので下痢をするのが心配な場合、生の果物が苦手なハムちゃんにおすすめできます。

◆小動物用おやつ 自然のうまみ そのまんまみかんスライス 12g

国産のみかんを乾燥させた天然素材のおやつです。小動物用なのでハムスターも安心して食べられます。

小動物用おやつ 自然のうまみ そのまんまみかんスライス 12g
購入

◆人間用に加工されたドライフルーツはNG

ハムスターに市販のおやつを与える場合、人間用の加工食品を使用するのは避けましょう。砂糖、保存料、酸味料などハムスターに不要な添加物が入っているからです。

また、人間用のドライフルーツに限らず、オレンジジュース、みかんの缶詰などの加工食品は少量でもハムスターに与えることは避けましょう。


まとめ

みかんはハムスターに与えても良い果物です。与える際は、皮をむいて袋から出し、果肉だけを少量食べさせるようにしましょう。

食べ過ぎは下痢や肥満の原因につながりますが、適量をおやつに与える程度ならハムスターの良いご褒美や栄養補給になります。

ハムスターの食べっぷりがいいからといって、ついみかんをたくさんあげてしまうことのないよう気を付けましょう。



– おすすめ記事 –

・ハムスターがぐったりと元気がない?考えられる原因と4つのチェックポイントを紹介
・ハムスターの上手な触り方、NGな触り方!触る時の3つの注意点
・ハムスターがフリーズしたらどうする?!固まる理由、対処法について
・ハムスターの餌の量は1日にどれくらい?知っておきたい正しい与え方


focebookシェア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


記事に関するお問い合わせはこちら