1.カルキ抜きが必要な理由
1-1.カルキは熱帯魚にとって危険な成分
3.カルキ抜きの方法①市販のカルキ抜きを使用
3-1.市販のカルキ抜きの使い方
3-2.市販のカルキ抜きを使うメリット
3-3.市販のカルキ抜きの種類の違い
4.カルキ抜きの方法②エアレーションを使う
4-1.エアレーションの使い方
4-2.エアレーションを使うメリット
5.カルキ抜きの方法③バケツに汲み置きをする
5-1.汲み置きのやり方
5-2.汲み置きのメリット
6.カルキ抜きの方法④水道水を沸騰させる
6-1.水道水を沸騰させるやり方
6-2.沸騰させるメリット
9.熱帯魚・メダカ・金魚 おすすめのカルキ抜き方法
9-1.熱帯魚のカルキ抜き
9-2.メダカのカルキ抜き
9-3.金魚のカルキ抜き
カルキ抜きが必要な理由
熱帯魚や金魚はもちろん、メダカやエビなどを飼育する際は、カルキ抜きをした水道水を使用します。では、なぜカルキ抜きをする必要があるのでしょうか。
◆カルキは熱帯魚にとって危険な成分
私達が日本で口にする水道水にはカルキが含まれています。
カルキは、塩素を含んだカルシウム質のことで、水道水の中の雑菌の繁殖を防ぎ、美味しくて安全な水を私達に届けるのにとても重要なものです。
そんなカルキですが、殺菌効果があるため水槽内のバクテリアに悪影響を及ぼし水質が急激に変化してしまったり、魚の粘膜やエラにも悪影響を及ぼしてしまったりすると言われています。
そのため、魚やエビなどを飼育する水はカルキ抜きをした水道水を使用することが推奨されています。
ミネラルウォーターを飼育水に使うのは控える
ここまでの説明を読んだ方の中には「カルキが入っていないミネラルウォーターを使用すればいいのでは?」と思われた方もいるのではないでしょうか。
確かにミネラルウォーターにはカルキが入っていないので、カルキ抜きの手間は省くことができますが、熱帯魚や金魚、メダカの飼育には不向きです。
ミネラルウォーターは商品によって度合いは様々ですが、その名の通りミネラルが含まれています。
淡水魚の飼育に適していると言われているのはミネラルの少ない軟水のため、ミネラルウォーターの水質を好まない魚がほとんどです。
また、ミネラルウォーターを購入するための費用もかかるため、ランニングコストがかさみます。
そのため、生体のためにも費用面でも、魚の飼育にはカルキ抜きをした水道水を使用することがおすすめです。
カルキ抜きの方法①市販のカルキ抜き剤を使用
水道水をカルキ抜きする一番お手軽な方法は、市販のカルキ抜き剤を使用する方法です。
◆市販のカルキ抜きの使い方
市販のカルキ抜き剤は、アクアリウムショップはもちろん、ホームセンターや大きい100円ショップでも販売されています。
使い方はとても簡単で水道水をバケツなどに汲み、規定の量を投入するだけでカルキ抜きが数秒で完了します。
必要なカルキ抜き剤の量や、所要時間などは商品によって異なりますので、使用前に確認するようにしましょう。
◆市販のカルキ抜きを使うメリット
市販のカルキ抜き剤を使用するメリットは、何と言っても手軽なことです。
後ほどご紹介するエアレーションを使用する方法、汲み置きする方法、沸騰させる方法など、カルキ抜きにはいくつか方法がありますが、どれも時間のかかる方法がほとんどです。
カルキ抜き剤を使用する場合はほんの数秒で終了しますし、カルキ抜き剤も安価なものが多いため、アクアリウムショップでもおすすめしている方法です。
◆市販のカルキ抜き剤の種類の違い
市販のカルキ抜き剤には大きく分けて固形のものと液体の二種類にわかれます。
固形のものは大きさにばらつきがありますが、1粒で10リットルほどの水のカルキ抜きが可能です。
そのため、大きな水槽を使用している飼育者にとっては、とてもコスパの良いカルキ抜き剤と言えるでしょう。
一方、液体のカルキ抜き剤は商品にもよりますが、10リットルの水のカルキを抜くために、2mlほどの量が必要になります。
固形のものに比べコスパは劣りますが、液体のため万遍なく水道水に混ざり安心ですし、魚の種類ごとに適したものを使い分けることもできます。
カルキ抜きの方法②エアレーションを使う
カルキ抜きの方法として、エアポンプを使用したエアレーションで行う方法もあります。
◆エアレーションの使い方
バケツなどに汲み置きした水に、エアポンプをセットし、空気に多く触れさせることでカルキを抜く方法です。
カルキ抜き剤のような薬剤を使用するのはなんとなく不安、という方にはおすすめの方法です。
しかし、時間が1日前後かかるので、水槽の水換えの1日前から準備しておかなければなりません。
◆エアレーションを使うメリット
エアレーションを使用するメリットは、ただ水を汲み置きしておく場合より、水流の発生により水が劣化しにくいことです。
また、電源のある室内で行うことがほとんどなので、異物混入の可能性も少ないですし、ヒーターを設置することもできるため、水温調整を一緒に行いながらカルキ抜きをすることが可能です。
カルキ抜きの方法③バケツに汲み置きをする
バケツに水を汲み置きしておくだけでもカルキ抜きをすることが可能です。
◆汲み置きのやり方
汲み置きでのカルキ抜きは、昔から行われている最も簡単な方法です。
バケツなどの容器に水を汲み置き、日光があたる場所に放置しておくだけです。
気温や日光の当たり具合でカルキが抜ける時間にばらつきがあり、真夏の炎天下なら数時間程度でカルキが抜けますが、曇天の冬の場合だと数日かかることもあります。
また、外に置いておくことになるので雨水等が入ってしまったりして水質が変化してしまうおそれがあります。
ゴミなどの混入を防ぐために、目の細かいネットなどで覆っておくのもおすすめです。
◆汲み置きのメリット
汲み置きのメリットは、バケツなどの大きめの容器以外は特に道具や薬剤も必要なくコストもかからないということです。
また、バケツに水を汲み、放置しておくだけなので特に時間を要さない手軽さもメリットと言えるでしょう。
カルキ抜きの方法④水道水を沸騰させる
沸騰させることで水道水のカルキを抜くことも可能です。
◆水道水を沸騰させるやり方
やり方は簡単で、水道水を火にかけ沸騰させるだけです。フタをせずに沸騰させるとより早くカルキが抜けます。
大型の水槽で飼育している方はそれなりの水量が必要になると思いますので、大きめの鍋などで沸騰させましょう。
10分〜20分ぐらいは沸騰させておく必要があるので火の取り扱いに注意する必要があります。
また、大量の水は冷めにくいので、水槽の水温に合う温度かを確認しましょう。沸騰した水には酸素が少なく、魚たちが酸欠になってしまう恐れがあるので、エアレーションなどを使用すると安全です。
◆沸騰させるメリット
沸騰させてカルキ抜きを行うメリットは、薬剤などを使用しないため、安心であることと、沸騰により雑菌を死滅させる効果があることです。
メリットもありますが、上でご紹介した通り注意点も多い方法となりますので、注意して行うようにしましょう。
カルキ抜きにかかる時間
上記で様々なカルキ抜きの方法を挙げましたが、方法ごとにカルキ抜きにかかる時間が異なってきます。
市販のカルキ抜きを使用する場合
商品にもよりますが、液体のものはほとんどが数秒でカルキ抜きをすることができます。
固形のものは水温が低い場合は溶けにくいので4・5分ほどかかる場合もあります。
パッケージ裏面などに所要時間が書いてありますので確認するようにしましょう。
エアレーションを使用する場合
水量やエアレーションの強弱、水温によってカルキ抜きにかかる時間にバラつきがでます。
1日ほどを目安にすると安心です。
汲み置きの場合
こちらも水量や日照時間、気温などによりカルキ抜きの時間が異なってきます。
前述もしたように、夏場の炎天下では数時間、冬場では2日ほどみておくと安心でしょう。
沸騰させる場合
水量によりますが、沸騰が始まってから15〜20分ほど沸騰させ続けるようにしましょう。
当たり前ですがそのままの温度では使えないので、水槽の水と同じ水温に下がるまでの時間も考慮すると半日弱ぐらいの時間が必要です。
また、カルキは色など見た目でわかるわけではないので、カルキが抜けたかどうかは経験や勘に頼ることになりますが、専用のテスターでカルキが抜けたか調べることも可能です。
炭でカルキ抜きをすることはできるのか
飲料水用に、備長炭を使用してカルキ抜きをしている人もいるのではないでしょうか。
もちろん、そのように炭を使用したカルキ抜きは可能です。
炭には細かな穴が空いており、そこにカルキや不純物が吸着されると言われています。
しかし、水槽に使用する水量はとても多いので、炭を使用したカルキ抜きをメインにするのではなく、他の方法とあわせて補助的に使用することがおすすめです。
熱帯魚・メダカ・金魚 おすすめのカルキ抜き方法
市販のカルキ抜き剤の中には、魚の種類ごとに適したものが販売されていますので、それぞれご紹介します。
◆熱帯魚のカルキ抜き
★テトラ コントラコロライン 250ml
カルキを速やかに中和するのに加え、ミネラルを加えることで、より自然環境に近づけ、熱帯魚が住みやすい水質に近づける効果があります。
★テトラ アクアセイフ 250ml
カルキ抜きの他に、うるおい成分をプラスして魚の粘膜やエラを守ります。
また、バクテリアの定着を促すので水質の維持に効果を発揮します。
熱帯魚のカルキ抜きをする場合は、水槽の水と交換する水の水温を合わせるのもとても大切になってきます。
冬場はとくに水道から出したばかりの水がかなり冷たくなっているのでヒーターなどを使用し、水槽の水温に合わせてから水換えに使用するようにしましょう。
◆メダカのカルキ抜き
★テトラ メダカの水つくり 250ml
メダカに適したカルキ抜き剤です。
こちらも潤い成分をプラスしています。メダカや、メダカの稚魚を守ることができます。
基本的にカルキ抜きの方法は変わりませんが、ビオトープなど屋外でメダカを飼育している場合は、汲み置きして屋外においてある水のほうが水温などを合わせやすいでしょう。
◆金魚のカルキ抜き
★テトラ 金魚の水つくり 250ml
こちらは金魚に適したカルキ抜き剤です。ミネラルを含み自然環境に近づける効果があります。
同じカルキ抜きではありますが、熱帯魚が弱酸性の水質を好むのに対し、金魚は中性〜弱アルカリ性の水質を好みます。
また、水温の適温も変わってきますので使い分けをし、別々にカルキ抜きをするのがベストでしょう。
まとめ
今回はカルキ抜きについてご紹介してきました。
熱帯魚や金魚、メダカなどが健康に生きていくためにカルキ抜きはとても重要なものになります。
カルキ抜き剤を使用したり、汲み置きでカルキ抜きをしたりするなどして、魚に安全な飼育水を作るように心がけましょう。
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