うさぎは日光浴をした方が良い?
◆日光浴のメリット
うさぎの日光浴については賛成派、反対派、それぞれ意見がありますが、うさぎに日光浴をさせるメリットは、
●紫外線でうさぎの体についた菌や虫を除去できる
●体全体の血行が良くなる
●免疫力が上がる
●冬場は暖をとれる
●シニア期の歯のトラブル、病気の予防ができる
ことです。
人間も、日光を浴びると1日のスタートを気持ち良くきることができますよね。人間に限らず、動物も日光を浴びることは心身の健康を保つ為に必要なのです。
◆日光浴の効果
日光浴で得られる主な効果は、3つあります。
・ビタミンDを生成し、骨を丈夫にする
このビタミンDは、カルシウムの元となり、骨をつくる為に欠かせない栄養素です。動物は日光に当たることでこのビタミンDを作ります。
もしも、ビタミンDが不足すると、くる病(骨代謝不全)、骨粗しょう症など骨に不調が生じやすくなり、骨折をしやすくなります。
うさぎは、食事からカルシウムが取れ、ビタミンDをあまり必要としないといわれていますが、若い頃から日光を浴びておくことで、シニア期の歯の不正咬合などトラブルの予防になるといわれています。
・皮膚疾患の予防
日光には殺菌消毒の効果があり、動物は自然と皮膚を守ってもらっています。
日光浴をすることで、うさぎの被毛の裏に隠れている細菌や寄生虫など、皮膚疾患の原因となるものを自然に減らすことができるのです。皮膚の血行も良くなるため、うさぎの被毛のツヤもよくなります。
・体内リズムが整う
人間も動物も、日を浴びることで、体内時計をリセットすることができます。
体内時計が崩れてしまうと、セロトニンというホルモンが減り、睡眠の質が低下したり、ストレスが蓄積し、体内や心の健康が崩れやすくなります。
体内リズムが整うことで、免疫機能も正常に働くようになり、色々な病気の予防に繋がるのです。
日光浴が必要ないという意見もある
うさぎには、他の動物のような日光浴は必要ないという意見が多いのは事実です。
なぜ、反対派の人たちはうさぎに日光欲は必要ないと見ているのかというと、
●うさぎは夜行性だから
●うさぎは日光浴をしなくても食事からカルシウムを摂取しているから
●うさぎは体温調節が苦手だから
です。
うさぎが夜行性の動物であることはみなさんすでにご存じかと思います。夜行性の動物の多くは、日中巣穴で暮らし、夜になると活発に活動します。
うさぎも、薄明薄暮性のため、強い光を好む生き物ではないと考える方が日光欲は必要ない、という見解になっているようです。
また、うさぎは日光浴をしなくても適切なペレットを食べていればビタミンDを日光から摂取しなくてもカルシウムを生成できるということから、日光浴の必要性に疑問を感じる方は多くいます。
反対派最大の懸念は、うさぎは体温調節が非常に苦手な動物であることです。日光浴をさせる体温が上昇し、かえってうさぎの体調不良を促進させる、との見解から日光浴を不安視しています。
このように、うさぎに日光浴をさせた際の様々なリスクを考えると、うさぎに日光浴は必要ないのでは、と思う方も少なくないのです。
うさぎが日光浴をしないとどうなるの?
様々なリスクを考えると、うさぎに日光浴をさせないほうが良さそうに思えるかもしれません。しかし、日光浴がうさぎの心身の健康に与えるポジティブな影響もたくさんあるのは事実です。
実際、うさぎを部屋の中で散歩させると、日が差し込んでいる場所に行き気持ちよさそうにしますし、リラックスしています。うさぎは日光が嫌いというわけではなさそうです。
うさぎは夜行性だからと、日光を全く浴びていないわけではありません。
木陰でも十分に紫外線は届いています。夜行性の動物は日光が全くいらないのではなく、わずかな日光でも十分足りるのです。
さきほど、日を浴びることで動物は体内時計がリセットされるとお伝えしましたよね。
うさぎと体内時計は深く関わっていて、うさぎの場合、換羽期といって夏と冬で毛が生え替わる時期があります。
毛をうまく生え換えるには体内時計が重要なのです。
日光浴をしていなければうさぎの体内時計は乱れ、季節に合わせてうまく毛を換えることができなくなる恐れがあります。
また、日光浴をしていないうさぎの歯は観察してみると、黄色く変色していたり、歯の質が落ちていた、ということが確認されています。
日光と歯の健康が直接的に関係しているとは言い切れませんが、否定することはできません。
日光浴はうさぎの健康のために、しないよりしたほうが良いということを頭に入れておいてください。
日光浴の仕方
うさぎの日光浴の仕方はこちら。
日光浴をさせる時は、
◎1日30分以内まで
◎カーテン越しでも良いが必ず窓を開ける
◎うさぎの手足が熱くなりすぎないよう、地面にすのこやタオルを敷く
うさぎは体温調節が非常に苦手な動物です。特に夏場の強い日差しの下での日光浴には注意が必要です。短時間でも熱中症になるリスクが高く、危険ですので、夏場は、長くても10分以内にしましょう。冬場は、20~30分程度です。
気温が28度を超えたら、うさぎには負担となります。
そして、30度を超えると熱中症リスクはとても高まり、そのなかでの日光浴は大変危険ですので、涼しい室内で行いましょう。
いくら涼しい日でも、うさぎに直射日光はNGです。
窓を開けたカーテン越しや日陰で日光浴をさせてあげてください。
カーテン越しや日陰では日光浴にならないのでは?と疑問に思うかもしれません。大丈夫なのです。カーテン越しや日陰でも日光は反射して体に届きます。日光浴の効果は十分にありますので、安心してください。
ここでポイントがあります。外の日陰は問題ないのですが、カーテン越しの時、窓を必ず開けてください。窓が閉まった状態では、紫外線が70%カットもされてしまいます。
冬場に暖をとるためなら良いですが、日光浴の効果を得たいときは必ず窓を開けましょう。
窓を開けた際にうさぎが脱走しないよう、サークルを用意したり、ケージごと日光浴をするのもおすすめです。
ベランダでさんぽさせるよ、という方もいらっしゃると思います。
ベランダの場合は、二が直接当たる部分が熱くなっていることがあるので、うさぎの手足が熱くなりすぎないように、地面にすのこやタオルを敷いてからうさぎを出してあげましょう。
日光浴をする際の注意点
うさぎに日光浴をさせる際の注意点が4つあります。
●長時間の日光浴をしない
●25度を超えない日に日光浴をする
●暑くなったときにうさぎが逃げられるよう日陰を用意する
●水飲み場を用意する
ことです。
日光浴の仕方でもお伝えしましたが、うさぎの1回の日光浴は、夏場なら10分以内、冬場でも30分以内にしましょう。長時間日光浴をさせすぎると、体力を消耗し、うさぎの体温が上がりすぎる恐れがあります。
うさぎが暑いと感じているときは、手足を伸ばし体全部を使って呼吸をします。いつもより水を飲む間隔や回数が増えているときも暑さを感じているサインです。
体温が上がりすぎると、体温を下げるため耳を振りながら走ったり、頭を揺らす行動をします。
日光浴中にうさぎがこのような行動が見られたらすぐに日光浴をやめ、涼しい場所に移動してあげましょう。
もしものために、うさぎが熱中症になった時の症状もお伝えしておきます。
うさぎは熱中症になると、
・水を大量に飲む
・よだれを大量に垂らす
・目が充血する
・立ち上がるときにふらふらする
・立つことが困難になる
上記のような様子がみられたら、濡らして冷えているタオルでうさぎの体を包み込むようにし、体温をゆっくり下げつつ、できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。
まとめ
うさぎの日光浴の必要性には賛否がありますが、日光浴をさせるデメリットよりもメリットのほうが多く、しないよりしたほうが良いといえます。うさぎは、体温調節が苦手な動物です。日光浴をする際は直射日光を避け、カーテン越しか日陰で、1日30分未満の日光浴をさせてあげましょう。うさぎが暑っているときのサインを見逃さないよう、観察しながらうさぎとともに日光浴を楽しんでください。
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