1.サバンナモニターってどんな動物?
1-1.生態
1-2.生息地
1-3.寿命
1-4.食性
1-5.特徴
3.サバンナモニターの飼育方法
3-1.用意するもの
3-2.主な餌
3-3.気温など飼育環境
4.サバンナモニターを飼育する上での注意点
4-1.温度管理を徹底する
4-2.1mまで成長することを想定した終生飼育
4-3.慣れるが懐くことは少ない
4-4.肥満に注意する
サバンナモニターってどんな動物?
「サバンナモニター」は、オオトカゲ科オオトカゲ属に分類されるトカゲで、正式には「サバンナオオトカゲ(学名:Varanus exanthematicus)」と呼ばれます。
サバンナモニターは、オオトカゲの仲間のなかでは小型な方で、性格もおとなしく、オオトカゲ初心者にも比較的飼いやすいといわれる種類です。
ここでは、そんなサバンナモニターの生態や特徴についてご紹介していきます。
◆生態
オオトカゲの仲間のなかでは小型に分類される「サバンナモニター」は、太く短めの尾をもち、ガッチリとした体格をしたトカゲで、成体の全長は90〜100cmくらいになります。
本来、サバンナモニターは地上で生活するトカゲですが、木に登るのも得意です。
実際に、木の上から獲物を探す姿から、「モニター(監視するもの)」と呼ばれるようになりました。
意外かもしれませんが、サバンナモニターは、水浴びが大好きです。
水場では、水分補給はもちろん、お風呂のように体を休ませたり、水の中で寝てしまったりすることもあります。
◆生息地
サバンナモニターは、アフリカ大陸のサバンナ地帯に生息しています。
昼間に活発に活動する「昼行性」で高温には比較的強いものの、乾燥にはあまり強くなく、11月上旬から3月下旬までの「乾季」は巣穴に潜って「休眠」し、4月上旬から10月末までの「雨季」に活発に活動します。
そのため、あまりに乾燥してしまうと休眠してしまうため、飼育する際は、温度と合わせて湿度の管理も必要です。
◆寿命
サバンナモニターの寿命は、野生下では20年ほどです。
しかしながら、飼育下では運動不足などから、一般的に7年~10年といわれています。
◆食性
サバンナモニターの食性は、完全な肉食です。
鋭い歯を持ち、主に、昆虫類、小型の哺乳類、鳥類や鳥類の卵などを食べています。
野生下では「雨季に休眠し、乾季に活動する」というサイクルで生活しており、たとえ温度や湿度が一定に保たれた飼育下であっても、あまり食べなくなる時期とよく食べる時期に分かれます。
◆特徴
サバンナモニターの体色は灰褐色が基本ですが、モルフが豊富なトカゲでもあります。
特に、黄色がかった明るいカラーの「パステル」、全体的に白みを帯びた「ハイポ(ハイポメラニスティック)」などが人気です。
サバンナモニターはペットとして飼える?
サバンナモニターは、オオトカゲのなかでもおとなしい性格の個体が多く、動きもゆったりしていて、飼育しやすい種類だといわれています。家の中で放し飼いすることも可能です。
また、ハンドリングも可能ですが、決して懐く生き物ではありません。
サバンナモニターの爪や歯は鋭く、抱きかかえたり、噛みつかれたりすると怪我をする可能性があるため、注意が必要です。
ハンドリングできるようになるためには、幼体の頃から少しずつ練習していくことで、次第に慣れていくようになります。
なお、サバンナモニターは、ペットショップやホームセンター、爬虫類専門店などで販売されており、数千円程度で購入可能ですが、たとえオオトカゲのなかでは小さい個体とはいえ、成体になると1mほどになります。
そのため、ケージも大きなものが必要ですし、保温用ライト・紫外線ライトなども必要です。
お迎えには、それなりの費用が掛かかると考えましょう。
サバンナモニターの飼育方法
はじめての爬虫類を飼育する場合は、お迎えにあたり飼育に必要なものを1から揃えていかなければいけません。
ここでは、サバンナモニターの飼育に際して必要なもの、餌や飼育方法などについて、ご紹介してきます。
なお、既に、何らかの爬虫類を飼育している場合は、飼育に必要なものや飼育方法に大きな違いはありません。必要なもの、不足しているものはないか、確認しましょう。
◆用意するもの
サバンナモニターを適切に飼育するためには、最低限、次に挙げるものが必要です。
お迎え前に用意しておくことをおすすめします。
・ケージ
サバンナモニターは、成体になると体長100cmを超えるため、大きなサイズのケージが必要になります。
そのため、最低でも120cmサイズのケージ、シェルター・水場・ホットスポットなどの配置を考えると150cmサイズのケージを準備することをおすすめします。
・シェルター
野生のサバンナモニターは、穴を掘って眠ったり、休んだりします。
サバンナモニターが安心できる場所を作ってあげるためにも、体が隠れるくらいの大きさのシェルターを設置してあげてください。
幼体の時期は、市販の爬虫類用シェルターが使えますが、体が大きくなったら自作してもよいでしょう。
なお、脱皮不全の予防や湿度維持のためにも、ウェットシェルターがおすすめです。
・水入れ
サバンナモニターは、水浴びをします。
ケージ内には、常に体長より少し大きいくらいの入れ物に水を張り、水場を作ってあげてください。
水入れは、タッパーやお皿などで構いませんが、足をかけたりしてひっくり返してしまうことがないような重みのあるもの、出入りがスムーズにできるよう浅めのものがおすすめです。
・床材
ケージに床材を敷くことで、滑りやすさや爪の伸びを抑えたりすることができます。
床材におすすめなのは、ヤシガラマット・ベラボン・ソイル・赤玉土などです。
野生のサバンナモニターには穴を掘る性質があるため、床材を掘ることで、ストレスや運動不足を解消にもなります。また、湿度の維持にも効果があります。
ただし、これらの床材は掃除や管理が大変です。
そのため、掃除がしやすい人工芝・ペットシーツ・新聞紙などを床材にしてもよいでしょう。
・保温球/バスキングライト/紫外線ライト
サバンナモニターの飼育には、「保温」と「日光浴」のために専用のライトを備え付ける必要があります。
「保温球」は、ケージ内の温度を上げるためのものです。
それに対し、「バスキングライト」は、ホットスポット(周囲に比べて温度の高い場所)や昼夜の温度差を作るためのものです。
さらに、サバンナモニターのように乾燥した地域に生息する爬虫類には日光浴が必要で、疑似的に日光浴を行える「紫外線ライト」の設置も必要です。
「紫外線ライト」は、UVAとUVBの2つの紫外線を照射できるものを使用します。
特に、サバンナモニターには強めの紫外線が必要で、「砂漠サバンナ用」のものなどがおすすめです。
◆主な餌
サバンナモニターの主なエサは、コオロギやデュビアを中心にした昆虫食で、その他ウズラやマウスなどを与えることができます。
ただし、昆虫食では栄養が偏るため、爬虫類用の栄養添加剤などを振りかけて与えます。
餌やりの頻度は、幼体期で毎日~1日おき、成体になれば3~5日に1度くらいで十分です。
なお、昆虫の生餌やマウスなどの入手が難しかったり、与えることに自信がなかったりする場合は、爬虫類用の乾燥ペレットタイプの人工飼料も市販されています。
人工飼料は、栄養バランスもコストパフォーマンスも良いのでおすすめです。
◆気温など飼育環境
サバンナモニターの飼育で最も重要になるのが、ケージ内の温度や湿度の管理です。
サバンナモニターに適した温度は、ケージ内が23~30℃前後、ホットスポットが50℃前後で、ケージ内に温度の勾配を作ることが重要になります。
ケージを置く室内の温度などにより、ケージ内の温度は、保温球やパネルヒーターなどで調整しましょう。
なお、バスキングライトは、自然の太陽と同じように、決まった時間に点け、決まった時間に消します。点灯時間の目安は、日中8~9時間です。
また、紫外線ライトも日中12時間くらい照射するのが理想です。
このように、長時間ライトを使用していると、ケージ内は乾燥します。
サバンナモニターの飼育環境には、35〜60%の湿度が必要です。
湿度が低下すると、サバンナモニターが休眠に入ってしまう可能性があるため、水場の設置や必要に応じてケージ内に霧吹きをかけるなど、湿度維持にも注意しましょう。
サバンナモニターを飼育する上での注意点
サバンナモニターは丈夫で、比較的飼いやすいトカゲといわれていますが、それは必要な管理がなされていることが大前提です。
ここでは、サバンナモニターを飼育する上での4つの注意点について、ご紹介していきます。
◆温度管理を徹底する
サバンナモニターを飼育する場合の適温は、23~30℃前後です。
また、ケージ内に温度勾配を作る必要があり、50℃前後のホットスポットの設置も必要です。
これは、野生下のサバンナモニターの生息環境に近づけたもので、最も快適に過ごせる環境といえます。
サバンナモニターは、高温には比較的強いといえますが、温度低下には弱い生きものです。
温度が低くなると休眠の準備に入ってしまう恐れがあるため、温度管理を徹底し、適温の範囲で過ごせるよう十分に注意しましょう。
◆1mまで成長することを想定した終生飼育
成体のサバンナモニターの体長は、平均で90cm、最大120cmにまでするといわれています。
そのため、大きなケージが必要であったり、水浴びができる場所が必要であったりと、広い飼育場所が必要です。
また、大きくなれば、ケージ内の掃除が大変になったり、餌を食べる量が増えたり、機嫌が悪いときの対応が難しくなったりするなど、「飼いづらい」と感じる場面も増えるでしょう。
サバンナモニターをお迎えしたら、7~10年は一緒に生活することになります。
終生飼育は、飼い主さんの義務です。
サバンナモニターは大きくなるということ、10年近くお世話が必要になることなどを十分に考慮したうえで、お迎えするかどうかを決めるようにしましょう。
◆慣れるが懐くことは少ない
サバンナモニターはおとなしい個体が多く、オオトカゲのなかでも飼いやすい種類です。
とはいえ、繁殖期、空腹のとき、驚いたとき、ストレスを感じたときなどには、気が立つこともあります。
このようなときに触ろうとすると、暴れたり、噛みつかれたりすることもあるので注意しましょう。
サバンナモニターは歯も爪も鋭く、怪我をする恐れがあります。触るときには軍手をするなどの対策も必要です。
また、一般的に、サバンナモニターは触られることも好きではありません。
小さなころから馴らしていればハンドリングも可能ですが、これは飼い主さんに懐いたわけではなく、あくまでも「慣れた」からです。
サバンナモニターは「懐く生きものではない」ということを前提に、お迎えしましょう。
◆肥満に注意する
サバンナモニターは肉食で、昆虫や小さな哺乳類、卵など、基本的に何でも食べます。
しかも、生息地は常に餌が手に入る環境ではないため、サバンナモニターには、もともと体に栄養を溜めやすい性質があります。
飼育下では、どうしても運動不足になってしまうことから、肥満には十分な注意が必要です。
サバンナモニターにとっても、肥満は病気の原因になります。
日ごろから、栄養バランスよく食べられるよう、管理してあげましょう。
まとめ
今回は、最近ペットとして注目されている小型のオオトカゲ「サバンナモニター」について、ご紹介してきました。
サバンナモニターは、見た目がとてもトカゲらしく、そのうえ、比較的飼いやすい種類ということで、爬虫類好きにとってはとても魅力的なトカゲです。
しかし、いくら飼いやすいとはいえ、サバンナモニターの生息地であるサバンナと日本の気候は異なります。
また、意思の疎通が図れる生きものでもありません。
そのため、飼い主さんは「サバンナモニターに合わせる」ことが求められます。
「こんなはずじゃなかった!」と思っても、サバンナモニターの寿命は7~10年です。
その間、しっかりと終生飼育できるかどうか、十分に検討してから迎えてあげてください。
懐くことは期待できませんが、爬虫類独特の姿に魅力があると同時に、仕草や行動にも哺乳類にはない可愛らしさがあります。
爬虫類のお迎えを検討されているのであれば、是非、注目してみてください。
– おすすめ記事 –
・うさぎに日光浴をさせたほうが良いの?うさぎが日光浴で得られる効果をご紹介 |
・ハムスターはなぜかわいい?ハムスターの魅力を徹底解剖! |
・うさぎの首まわりのぷよぷよの正体は肉垂!肉垂の役割とは |
・ハムスターの耳はすごい!耳の役割と耳の動きで分かることについて |